いよいよ新年度相場、米経済指標に要警戒
さて、市場では米10年国債利回りが一時1.77%まで上昇、米国債の売りが強まる場面がありました。しかし、株価がもたついたことなどで引けでは1.71%まで戻しています。
4月に向けては、景気回復期待やインフレ率上昇想定による米長期金利上昇と、この動きを嫌気するハイテク株の動きとの綱引きが主なテーマです。
昨日3/30(火)の場合、米株安が米長期金利上昇を抑えました。この図式が変わるとき、米株安でも長期金利上昇が収まらないとき、市場は物凄く不安定化します。
カギはインフレ関連指標にあります。データの裏付けがあれば、長期金利上昇も止まりません。
先ずは1日に出て来る3月分のISM製造業レポートに注目です。2月分の景況指数PMIは60.8と、強弱の基準50を大きく上回る水準でした。世が世ならFed(米連銀)は利上げです。
3月分のデータも強ければ、米国債は素直に売り反応を示す公算が高そうでして、金利上昇、ついでに米ドル高バイアスも促します。
ドル円が110円台に乗せて来たのも、その前哨戦でしょうか。
少なくとも、経済指標が強ければすべて良いという環境にはありません。エイプリルフールに出て来る指標ですが、そこに冗談が入り込む余地はなさそう。
ヘッジファンドの損失とそのトバッチリも含めて、全体的に心理が不安定化しつつあります。
まとめ
・独フォルクスワーゲン、4月1日用のジョークを先走って掲載し謝罪
・米長期金利上昇と米株安、オンとオフの図式が崩れるか微妙
・1日公表のISM製造業、冗談では済まないようです
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『高梨彰『しん・古今東西』』(2021年3月31日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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