危険と隣合わせだが、魅力的な仮想通貨&NFT
「すごくポテンシャルがあると思うけど“危ない”というところもある。実際に詐欺とかが横行してるので、どう動くべきかがとても難しいですよね」
あくまで投機的なものであるといった過去のイメージが、徐々に払拭されつつある感もある仮想通貨。だが、そんな仮想通貨の未来に対して、期待と懸念の入り混じった展望を語る中島氏。
「例えば、財産の大半をイーサリアムとかビットコインに全部移しちゃうっていうのは、“まあ、それなりのリスクはあるけど、別にそんなに悪くない”と思います。例えば、そういうことを自分の息子が“する”って言い出しても、私は別に止めない。
ただ、そこまではいいんだけど、じゃあ『Axie Infinity』みたいなゲームのNFTに思いっきり突っ込むって言ったら、“ちょっと止めろ”“あれは怪しいぞ”みたいな……そんな感じですよね」
中島氏が仮想通貨、ひいては近年日本国内でも俄かに注目を集めるNFTに対して、“危ない”という印象を持つ理由は、いったいどこにあるのだろうか?
「要は玉石混交なんです。プラットホームとしてはすごいと思うんですよ、ビットコインにしろイーサリアムにしても。ただ、その上で作られてるものが、まだリアルじゃないし、本当の価値を生み出してない。さらにいえば、詐欺みたいなもの、ちゃんと設計されてないものも多いんです。だから“そこで下手に動くと火傷しますよ”ということ」
実際のところ、中島氏はNFTそのものに対して、現時点ではあまり大きくは投資をしていないのだという。
NFTで食っていく、ビジネスを作るというのは時期尚早
「NFTといった新しいテクノロジーやプラットホーム、その上にいろんなアプリケーションができていくわけですけど、僕としてはそのアプリケーションを作る立場にはなりたいと思うけど、どこかの他人が作ったNFTを自分が買うといった、そっち側で儲けようとは思わない。それは結局、自分が主人公じゃないので、振り回されちゃうんですよ。だから、すごく難しいと思います、そこでちゃんとやるというのは。
たまたまラッキーで、いいコミュニティを選んで、そこにいいタイミングで入れば、確かに儲かる。実際に儲けた人もいっぱいいるじゃないですか。それは可能性としてはあるけど、ただ“じゃあ、それで稼いで食っていこう”とか“それへの投資で大きなビジネスを作ろう”っていうのは、甘いと思います。
もしNFTで本当に大きなビジネス作るんだったら、自分でNFTを提供する側。例えば、OpenSeaのライバルになるようなNFTマーケットプレイスを作るとか、そっち側にしないとダメだと。だから、レイヤーの問題ですよ」
昨今のNFTを巡る状況に対しては、あくまで懐疑的な中島氏。しかし、そのいっぽうで「ビジネスそのものとして価値を生み出す何かがあり、そこにお金が流れ込むっていう形のNFTなら、投資の対象として考えられる」とも語る。
「最近のNFTだと、遊んで稼ぐっていう“Play to Earn”なんかも話題ですが、あれの一番の問題はみんなが儲けようとしてること、儲けようとするお金しか入ってこないところなんです。でも、こういうので出ていくお金っていうのは、入ってくるお金より絶対に少ないわけで、だからゼロサムどころかマイナスサムにしかならない。