丸亀製麺が旨いと思ったら調べることがファンダの第一歩
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「株式脳」には、高尚な趣味も先端のセンスもいらない。たとえば、外食チェーンの「丸亀製麺」や「かつや」を見たことがない人はいないと思う。
2017年頃、「丸亀製麺」や「かつや」は人気が出て、出店ラッシュだった。安いし旨いしいつも混んでいた。ちょっと調べれば、丸亀製麺はトリドール<3397>、かつやはALサービス<3085>という会社が経営していることがわかる。こんなわかりやすい身の回りストーリーだが、両社の株価は大きく上げた。
丸亀製麺の当時の店舗数の推移が(図1)だ。2008年の約200店舗が2010年には約400店舗、2012年には600店舗を超えた。トリドールの株価は「丸亀製麺」のヒットで2007年から12年で約5倍になっている(図2)。かりに2012年に丸亀製麺を知って株を買ったとしてもそこからでも倍以上だ。
投資脳が出来て、連想ゲームができるようになればもう株式投資で勝者への道が見えてきたと言っても言い過ぎではないだろう。決して、難しい最新テクノロジーや化学の話などを理解する必要はなく、身の回りにヒントはいくらでもある。
好きな食べ物、好きな本、好きな映画、好きな音楽、好きな車、好きなゲームなんでもいい。便利で使い倒しているサイトでも、スマホで重宝しているアプリでも、文房具でも流行っているものでもいい。まずはインターネットで調べてみることだ。大抵はどこかの上場銘柄や関連銘柄が出てくるはずだ。
(図1)丸亀製麺の出店ラッシュ(2008~2012年頃)
(図2)トリドールは2008年から12年で株価5倍
任天堂のポケモン狂想曲に見る関連銘柄探し
株式投資が大好きな人はいつも連想ゲームをやっている。特にデイトレーダーになりたければ、自分の経験値を上げ投資アイディアのポケットを大きくして、すぐに関連銘柄が頭に浮かぶようになれば大きな武器になる。
任天堂(7974)がポケモンGOを発表した時のポケモン狂想曲を振り返ってみよう。ポケモンGOのダウンロード開始の16年7月8日から、ダウンロード数がランキング1位となり、ポケモンGO人気が世界で社会現象化することが報道され、任天堂の株価はわずか1週間で7月19日には倍以上になった。任天堂ほどの時価総額の大きな株でも1週間で2倍になることがあるのが株式相場の魅力だ。
任天堂<7974>月足(SBI証券提供)ポケモン狂想曲は任天堂だけにとどまらず、連想株探しが始まった。スマホゲームで提携するDeNA<2432>、ポケモンジムを運営しているサノヤス<7022>、任天堂の大株主でもある京都銀行 <8369>、ポケモンパンを販売している第一屋製パン <2215>などに拡まり株価は急騰した。ポケモンがバッテリーの減りが激しいことからAppBank<6177>のような携帯向けのアクセサリーの会社にまで、人気が波及した。
株式市場では関連銘柄を連想ゲームで探すことは日常茶飯事。「風が吹けば桶屋がもうかる」的な連想は、投資脳では大切だ。連想ゲームに強くなるためにも、会社をよく調べ、経験値を上げることが大事だ。
材料はどこにでも転がっている
インターネットが普及していなかった頃は、企業のニュースを調べるためには、図書館などで新聞のスクラップを見るか、日経テレコムなどでニュースを検索するかくらいしか方法がなかった。企業のバランスシートや損益計算書を細かく調べようと思っても、決算短信や有価証券報告書を閲覧することは、普通の人には簡単ではなかった。
それが今では、インターネットで何でも簡単に調べられる。各企業のIRサイトでは、短信、有報だけでなく、説明会の資料で使ったスライドや社長の動画、月次動向なども簡単に拾うことができる。
日経新聞のサイトで過去のニュースは簡単に調べられるし、YAHOOファイナンスや株探で、過去の決算や株価に影響の強い開示情報も即座に調べられる。
株主の情報や需給関係に関しても、信用残や大量保有情報、空売り情報などを簡単に調べられる。
今では、その気になれば、誰でもアナリストになることが可能だ。手に入る情報はトップ・アナリストもあなたもあまり変わらない。企業のIRや広報に電話をすると個人株主の質問にも答えてくれる企業も多い。