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次期日銀総裁・副総裁3人の学歴偏差値は史上最高。開成高校出身・岸田首相が秀才を選択した理由とは?=山崎和邦

次期日銀総裁・副総裁の3人の学歴偏差値は史上最高

植田日銀新総裁は、東大数学科卒、マサチューセッツ工科大学、高度な数式を操り、学友は欧米を代表する秀才揃い。

副総裁になる永見野良三前金融庁長官は、語学堪能、中国語で中国の古典を読むのが趣味と言い、高校時代には全国模試において常に上位であったという。

もう一人の副総裁候補の内田真一理事は、日銀きっての秀才で、無駄な付き合いをせずにさっさと帰宅して、勉強に余念がなかったという。

開成高校出身の岸田首相の好みそうなメンバーである。新総裁の植田氏は、黒田現総裁とツクコマ(筑波大学附属駒場高校)の先輩後輩の関係であり、岸田人事の筑駒偏愛を、自民党宏池会幹部も苦笑いしているであろう。この人事から岸田首相は何を気にしているかが見える。「俺が決めたのだ」とわからせる高偏差値組を構成したのだ。また、就任してから豹変する図々しい者ではなく、純粋なエリートを厳選したつもりだと思う。

植田氏は東京大学教授になる前に、日銀調査局の課長級の職務や、大蔵省財政金融研究所の主任研究官などの現場も経験して、政府や日銀に通ずる顔があった。日銀審議委員会では速水優という優柔不断な総裁と、福井俊彦という現実を重んずる名総裁(彼の時代に不良債権処理への公的資金の強制注入が行われた。ただし、これは彼が行ったわけではない)の二人に仕えて、理論的支柱となった。

岸田内閣が、日銀総裁・副総裁を選ぶのに手間をかけている期間、国葬問題や統一教会問題が出て内閣支持率が急落した。岸田首相の「新しい資本主義」も、宏池会の初代首相池田勇人の真似をして、所得倍増を「資産所得倍増」に言い換えたりした。このブレは隠しようもない。宏池会の成功体験である池田勇人の所得倍増計画にこだわるにせよ、これを資産所得倍増計画に置き換えるのは、軽々しいにも程があると言いたい。

また、宏池会三代目の宮澤元首相の知能指数はすこぶる良く、経済を全てわかっている男であるが、実行力に欠けた。92年春の銀行株一斉暴落を見て、不良債権が横たわっているからだということを察知した。公的資金をぶち込んで一挙に解決しようと決心したところまでは正解だったが、中島秘書官に止められて、92年夏の決意は先延ばしになった。結果的には2003年の小泉竹中ラインの公的資金注入まで延ばされて、「失われた13年」を作るもとになってしまった。

保守本流の名門は、官僚出身の多い経済重視の本格政権ということになっていて、これが宏池会だということにしたいのだろうが、岸田首相はそれを模倣し、それに憧れるために、結果的には軽々しく見える。筆者は就任当時から期待を込めて見ていたので、余計にその軽々しさが目立つ。

功績大なる人には讃辞無きに如かず

「功績大なる人には讃辞無きに如かず」これは、国王とガリレオと共に3つ並んでいるマキャベリの棺に書かれた文言である。筆者はイタリア語が一字も読めないから、ガイドに訳してもらったら標題の通りだった。

今、これを黒田総裁に言いたい。功績大なる人に対しては、副作用に拡大鏡を当てて「英雄の末路、哀れむべし」とするのが人情である。黒田さんは絵にかいたようなそれであろう。

1)「大胆な金融政策」によって円安を誘導して、輸出立国の日本を支えた。
2)任期中に2度連続の消費増税(5%→8%→10%)に耐えて、デフレスパイラルを止めた。
3)500万人の雇用を作った。
4)経済小国への転落を止めた。

植田さんは、それをよく分かっているから、着任するまでは何も語らないが、審議委員の任期中にゼロ金利と量的緩和を理論的に応援し、優柔不断の無能元総裁速水氏の早すぎる引き締めに反対した。今の一番難しい局面も上手く静かにやってのけるであろう。ただし時間はかかるであろう。

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<山崎和邦の投機の流儀vol.556 1/29号>

■ 第1部:当面の市況
(1)市況コメント
(2)米利上げが金融システムに影、シリコンバレー銀行の破綻
(3)先々週末のシリコンバレー銀行の破綻
(4)投資信託に1兆円超の資金流入
(5)「波高きは天底の兆し」? 
(6)問われる日銀の「市場との対話力」
(7)グロース株は9カ月ぶりの上昇率、一方で銀行株は3ヶ月ぶりの安値
(8)裁定買い残が急増
(9)欧米、特に米国の金融市場対策は、いつでもやることが早い
(10)どちらとも言えないが、筆者は過去のアノマリーの方を採る。
(11)賃上げ率は26年ぶりの高水準─「分配と成長の好循環」の循環は、まず賃上げから始まる。その賃上げは「成長」のための第一歩だ。
(12)製造業の8割が満額回答だが、今の「連合」では話にならない。
(13)賃上げと役員報酬
(14)「分配と成長の好循環」において賃上げと株式投資の有利不利の関係
(15)変化のサインか?
(16)岸田政権の支持率下落に歯止めがかかった。

■ 第2部:中長期の見方
(1)OECDの世界経済見通し、僅かに好転だが、日本経済は下方修正
(2)米国に景気後退ありや無しや─労働市場と金銀価格比の推移から言えるという説
(3)米に景気後退はあるか、無いか?
(4)NYダウは、年末にかけて上昇するという見方が大勢を占めるようになった─景気の趨勢の見方によって市場行動は今から大きく異なる。
(5)世界の著名投資家たちの見方を要約する。
(6)菅元首相が岸田降ろしに動いているが「発想が首相の器ではない」
(7)日本の輸出顧客としては最大の中国経済、景況感は予想以上に回復
(8)岸田首相の下での政局の行方
(9)日本の貿易赤字体質は定着するのか?
(10)「気球問題」で、習近平が間抜けな大恥を晒した。

■ 第4部;読者との交信蘭

[ 紙幅の関係上で来週号に回すもの ]
〇賢い投資のやり方について考える No.2 
〇原発の処理水の海洋放出は安全だという理論が、諸学者から出てきた。
〇「国策銘柄東電」について─「原子力憲法」の改正を2月28日に閣議決定  
〇ウクライナ侵攻はいつ終わるか?
〇ウクライナ侵攻について─ロシアとウクライナが互いに軍事力では相手を負かせないと判れ
ば、政治的解決を探るしかなくなる。
〇人口問題─人口減少して栄えた国は古代から無い。
〇本当の意味での「地殻変動」は税制改定を伴う。
〇トルコ事情について

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山崎和邦 週報『投機の流儀』』(2023年3月19日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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大学院教授(金融論、日本経済特殊講義)は世を忍ぶ仮の姿。その実態は投資歴54年の現役投資家。前半は野村證券で投資家の資金運用。後半は、自己資金で金融資産を構築。さらに、現在は現役投資家、かつ「研究者」として大学院で講義。2007年7月24日「日本株は大天井」、2009年3月14日「買い方にとっては絶好のバーゲンセールになる」と予言。日経平均株価を18000円でピークと予想し、7000円で買い戻せと、見通すことができた秘密は? その答えは、このメルマガ「投機の流儀」を読めば分かります。

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