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バフェットの「日本買い」で次に選ばれる企業は?守り続ける“3つ原則”に合致する銘柄=栫井駿介

商社への追加投資はある?

実際にバフェットはチャンスがあれば追加投資すると言っています。

株価は全体として2倍くらいになっていますが、PBRは平均して0.9倍といったところです。

買ったときの約0.5倍からすると上がっていますが、まだ1倍を割っている割安な状況です。

東証がPBR1倍以下の企業は改善するように要請していて、その対象となっているので今後割安感の解消に動く期待もあります。

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東証からのプレッシャーに応えて、PBR1倍割れを解消するように資本改善策や経営改善策を打ち出すのであれば、外国人投資家からの注目も集まって株価も上昇に向かうのではないか、もしそうなればバフェットにとっては願ったり叶ったりの状況となります。

もう1つ指標となり得るものに配当利回りがあります。

 

配当利回りは4%くらいをキープしていて、配当的なうまみは十分にあります。

もし株価が上がらなくても、日本の低金利で資金を調達すれば利ざやが取れるというしたたかな投資でもあります。

バフェットが次に買いそうな日本株は?

バフェットの原則に従って、バフェットが次に買いそうな日本株は何かということを考えてみたところ、ひとつ合致しそうなものを見つけました。

<三菱地所>

株価がここのところ下がってきています。

三菱地所は、シンプルなビジネスモデルなのでバフェットも理解しやすいのではないかと思います。

不動産などは買ってから値上がりしたりするので、その値上がり分を反映した一株当たり純資産(修正BPS)に対するPBR(時価PBR)は0.4倍とかなり割安感があります。

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時価PBRが0.4倍ということは、価値の半分くらいの価格しかない、つまり2倍の上昇余地があるとも言えます。

今、世界的には不動産に逆風が吹いていて、金利の上昇で利益が圧迫されてしまうと言われています。

しかし、日本の金利はそもそも安いですし、三菱地所は最近金利の安い借り入れに置き換えるだけではなく長期固定金利での借り入れを行っていて、金利が上がったとしても急にダメージを被るとは考えにくい状況です。

もちろん不動産価格が下がることもあり得ますが、日本の不動産価格は中国や欧米に比べてそこまで上がっていません。

長期的に見ると、バフェットの3原則の「クオリティ」を持っているのではないかと思います。

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業績は右肩上がりで直近でも最高益を記録していますが、株価は下がっています。

PBRは0.97倍とありますが時価を反映すると0.4倍、PERも12.9倍で比較的安い数字です。

不動産という業種の特徴上、配当を高く出せる企業ではないですが、資本効率向上のための自己株式取得には積極的です。

また、東証からのPBR1倍割れ解消のプレッシャーにも、日本を代表する企業として応えなければならないと考えられ、投資家の回帰も期待できます。

ひとつ気になるとすればROEが8.05%ということで、8%が合格ラインとされる中でギリギリの水準です。

ROE10%という目標は物足りなくも感じますが、無理をしない現実的な目標とも言えます。

あとはいかに資本効率を意識して経営するか、海外投資家の目に留まるか、ということになります。

株価は明らかに安くなっているので、投資の対象としては面白いのではないかと思います。

(※編注:今回の記事は動画でも解説されています。ご興味をお持ちの方は、ぜひチャンネル登録してほかの解説動画もご視聴ください。)


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image by:Rob Crandall / Shutterstock.com
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バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 』(2023年4月8日号)より
※記事タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。

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