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「月の領有権」まで奪い合い?インドと中国の間で加熱する資源争い=浜田和幸

インドと中国の争いは多岐にわたっています。人口、経済力、最先端技術、国境紛争と火花を散らしています。そんな折、月の領有権をめぐる争いの前哨戦かと思えるような動きが勃発しました。(「 浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』 浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』 」浜田和幸)

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※本記事は有料メルマガ『浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』』2023年10月6日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にご購読をどうぞ。当月配信済みのバックナンバーもすぐ読めます。

プロフィール:浜田和幸(はまだ かずゆき)
国際政治経済学者。前参議院議員。米ジョージ・ワシントン大学政治学博士。『ヘッジファンド』『未来ビジネスを読む』等のベストセラー作家。総務大臣政務官、外務大臣政務官、2020年東京オリンピック・パラリンピック招致委員会委員、米戦略国際問題研究所主任研究員、米議会調査局コンサルタントを歴任。日本では数少ないフューチャリスト(未来予測家)としても知られる。

多岐にわたる中国とインドの争い

インドと中国の争いは多岐にわたっています。

まずは「人口大国」の座をめぐる争いです。本年、国連が認定しましが、インドは中国を抜き、「人口世界1」の称号を獲得しました。しかも、人口の15%が65歳以上という中国に対して、インドは平均年齢が28歳という若さが売り物です。

経済力でもインドは躍進を続けており、2029年までにはGDPでアメリカ、中国に次いで世界3位に達するとの予測が専らとなっています。

また、「ゼロの発見」で知られるインドは、数学教育に熱心で、ITやサイバー技術の分野で世界を席巻しつつあるようです。

地政学的に見れば、ヒマラヤ山脈をめぐるインドと中国の国境紛争は軍事衝突を繰り返す原因となっています。

インドはグローバル・サウスの名主を目指し、アジア、アフリカ等の新興国を束ねる動きを加速させる一方です。

そのため、中国は焦りというか危機感を抱き始めています。

先月、ニューデリーで開催されたG20首脳会議ですが、珍しいことですが、毎回出席していた中国の習近平国家主席は欠席しました。

どうやら、影響力を増すインドのモディ首相との間で水面下の対立が深まっているように思えます。

インドが「月への移住」に王手?

そんな折、月の領有権をめぐる争いの前哨戦かと思えるような動きが勃発しました。

ご記憶でしょうが、インドはこの8月、月の裏側にあたる南極付近に宇宙ロケット「チャンドラヤーン3号」を着地させるという快挙を成し遂げたものです。

インドの国民は大歓声を上げ、モディ首相は「宇宙大国宣言」を発しました。

何しろ、月の南極付近には氷やレアメタルが大量に眠っていると見られるからです。

もし、インドが世界に先駆けて、月の氷から水を採取することに成功すれば、人類の月への移住が可能になるでしょう。

面白くないのは中国です。

Next: 対抗心を燃やす中国。月面着陸の日は近い?

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