事件が起きてから現在までKADOKAWA<9468>の株価は21%近くの下落となっている。9468_被害を受けている上にサービスも停止し、損害補償などの問題も出てくる可能性もあるので、KADOKAWAグループの次の決算はかなり悪いものになるはずだ。

KADOKAWA<9468> 日足(SBI証券提供)
事態収拾が長期化すればするほどKADOKAWAは厳しくなるが、KADOKAWAグループは日本の表現を担う非常に重要な企業である。一刻も早い収拾と正常化を望んでいる。
それにしても思うのは、会社のすべてのデータがサーバーに保管されるのが当たり前になった今、ますますセキュリティの重要性が高まっていることである。すべてのデータが一箇所に集中することで、サーバーへの攻撃が成功した場合の被害が甚大になるのがKADOKAWAのケースを見てもわかる。
まさに会社の存続にかかわるともいえる。今後もランサムウェア攻撃が吹き荒れて、いくつもの企業が陥落するだろう。場合によってはランサムウェア攻撃で倒産する企業が出てきてもおかしくない。
サイバーセキュリティ企業は注目すべき対象
こうしたサイバー攻撃に対して、すべての企業は鉄壁の防御が必要になる。巨大な企業になればなるほど、一度でもランサムウェア攻撃の侵入を許したら壊滅的ダメージを受けて、多方面に長期的な悪影響を及ぼす。
こうしたこともあって、サイバーセキュリティ企業の重要性はより増していくことになるだろう。防御する側も、革新的な技術や包括的なセキュリティソリューションを提供しなければならないのだ。
現在、アメリカでは超高度なセキュリティソリューションを提供する企業がいくつもある。
サイバー攻撃の複雑化や企業のデジタル化の進展に伴い、もはや普通の企業では対処できなくなっているので、これらのサイバーセキュリティ企業の重要性は今以上に高まっていくはずだ。
投資家目線で見ると、サイバーセキュリティ企業は注目すべき対象である。時価総額の高いアメリカのセキュリティ企業はいくつもあるのだが、その中で投資対象としても注目されているのは以下の企業だろう。
- パロアルト・ネットワークス(PANW)
- クラウドストライク(CRWD)
- フォーティネット(FTNT)
- ジースケイラー(ZS)
- オクタ(OKTA)
これらの企業は、それぞれ異なる強みを持ちながら、急速に変化するサイバーセキュリティ市場で競争している。
パロアルト・ネットワークスとクラウドストライクは、とくに注目を集めている。両社ともAIと自動化を活用した先進的なソリューションを提供し、サイバーセキュリティの最前線にあるといえる。

パロアルト・ネットワークスの「ユニット42」
パロアルト・ネットワークスは数あるサイバーセキュリティ企業でもトップクラスの技術とスケールを持った企業である。
アメリカのビジネス誌「フォーチュン」は、アメリカ国内で前年度の総売上高がもっとも大きい企業の上位100社を「フォーチュン100」として発表しているのだが、パロアルト・ネットワークスはこれらの企業の85社のセキュリティを担い、150か国7万社以上の企業にセキュリティサービスを提供している。
パロアルト・ネットワークスで有名なのは「ユニット42」と呼ばれるセキュリティコンサルティングチームである。