2026年2月20日に発表された、株式会社オロ2025年12月期決算説明の内容を書き起こしでお伝えします。
業績ハイライト

川田篤氏:代表取締役の川田です。本日はお忙しい中、株式会社オロ決算説明会にお集まりいただきありがとうございます。本日は、2025年12月期決算概要と中期的な見通しについてご説明します。
はじめに業績ハイライトです。連結売上収益は83億700万円で、前年同期比5.2パーセント増、営業利益は26億4,900万円で、前年同期比2.6パーセント減となりました。
事業別では、クラウドソリューション(CS)事業は、売上・利益ともに2桁成長を継続しました。一方、マーケティングソリューション(MS)事業は、主要クライアントの予算削減の影響が大きく、減収減益となりました。結果として、全体では増収減益に着地しています。
配当金・配当性向(連結)について

続いて、配当についてご説明します。当社は基本的に累進配当を掲げています。次期の配当予想については、中間配当を含めて当期と同じく50円とする予定です。
売上収益・営業利益・営業利益率推移

業績推移のグラフです。長期推移では、売上収益が右肩上がりを継続しています。営業利益率についても30パーセントを超える高水準を維持していますが、今期はマーケティングソリューション事業部不振の影響で減益となりました。
セグメント別売上構成

クラウドソリューション事業の概況をご説明します。売上構成では、主力製品「ZAC」のライセンス料、保守料・SaaSその他月額サービス料が着実に積み上がっています。第4四半期では、大型案件の獲得や既存顧客の新環境への移行が進み、「ZAC」の導入支援・カスタマイズ売上も成長する結果となりました。
契約ライセンス数推移

契約ライセンス数は、前年同期比で9.2パーセント増加となっています。1社あたり契約ライセンス数も微増ながら増加しており、顧客規模の拡大が順調に進んでいます。
MRR推移

MRRについてです。月次の経常収支は前年同期比10.7パーセント増の3億7,500万円まで伸びています。
月次解約率および契約・解約社数推移

解約率は月次で0.3パーセント前後を維持しており、引き続き低い水準を保っています。
ライセンス価格改定(買取型契約の廃止)と収益認識について

買取型契約については、毎回ご説明しているとおり、2022年12月31日に廃止しました。これにより、旧型ライセンスの按分計上は2026年12月期ですべて終了し、2027年12月期以降はSaaS型契約のみの計上へ移行します。
ZAC 新規契約後のスケジュールと収益認識の例

導入支援費用は工事進行基準となっています。それ以外については、毎月計上されるモデルで売上が成り立っています。
顧客獲得に向けた取り組み

続いて、顧客獲得に向けた取り組みについてです。「ZAC」「Reforma PSA」の広告宣伝費は約1億1,800万円で、案件の獲得は概ね計画どおりに進みました。
費用構成(連結)

費用構成についてです。企業規模の拡大に伴う人員増が主な増加要因であり、特筆する事項はありません。
従業員数の推移(連結)

従業員数の推移です。4月に25名前後の新卒社員が入社する予定であり、少しずつ増加しています。
セグメント別売上構成

続いて、マーケティングソリューション事業の概況です。売上は、これまで繰り返しお伝えしているとおり、特に第1四半期から第3四半期にかけて大変苦戦しました。第4四半期に入りかなり上向いてきたものの、通期では大幅な減収という結果となりました。
海外売上

海外の売上は増収が続いており、通期で4億5,000万円まで成長しています。
費用構成(連結)

人員については、現在、外部環境が非常に不透明であるため、外注費を少しコントロールしつつ、可能な限り内製化を進める方針で増員していく体制をとっています。新体制の確立によって、しっかりとリカバリーを図っていきたいと考えています。
従業員数の推移(連結)

従業員数については、4月に10名前後の新卒社員が入社する予定です。
修正後の通期業績予想と実績値の差異

修正後の通期業績予想についてです。今期は下方修正を発表しましたが、修正後の結果に対しては概ね変更なく着地できたと考えています。為替差損益の部分で、修正と結果にやや差異があるように見えますが、概ね修正どおりの着地と認識しています。
財政状態計算書(前期末比)

B/Sについては特筆すべき事項はありません。営業利益の増加に伴い、現預金が積み上がっている状況です。
2026年12月期 業績予想および2028年12月期までの業績見通し

続いて、中期的な経営の見通しについてお話しします。業績目標については、2026年12月期の売上収益が前年比15.2パーセント増、営業利益が前年比10.6パーセント増となる見込みです。2028年には、売上収益約129億円、営業利益約45億円の規模を目指して計画を進めています。
生成AIを応用した機能の開発を継続

生成AIに関するご質問をよくいただきますが、「ZAC」というプロダクト自体が非常に複雑で、要件を決めていくことが困難です。「生成AIで『ZAC』が作れますか?」という質問に対しては、生成AIを使って作るとしても、業務に合わせたフロー設計が相当必要となるため、簡単にはできないと認識しています。
一方で、これからは生成AIを活用したエージェントが「ZAC」を利用するような環境に変化していくのは間違いないと考えています。そのため、生成AIを使いやすい周辺インターフェースの整備や、「ZAC」の中で生成AIを活用した機能をどんどん追加していく予定です。
社内でもいくつかのリリースが行われていますが、これを対外的にも2026年12月期中にリリースしていきたいと考えています。
セグメント別の売上収益・営業利益率推移

セグメント別の売上収益・営業利益推移についてはスライドのとおりです。
2028年12月期 業績見通しにおけるKPI設定

KPIについてです。ARPAに関しては、クライアントの大型化が進むため、今後も徐々に上昇していくと考えています。チャーンレートも低位推移を続けられるよう、顧客満足度の向上に努めていきたいと考えています。
体制変更を実施、足場を固めてV字回復へ

マーケティングソリューション事業部に関して、今年1月からいくつかの大幅な体制変更を行い、事業部長を若手にバトンタッチしています。
また、開発本部を新たに設立しました。これまでクラウドソリューション事業とマーケティングソリューション事業は別々の開発体制で運営していましたが、昨今の開発プロセスにおけるイノベーションを受けて、情報共有を推進するために統合することとなりました。
開発本部を統合することで、システム・プロダクト開発のナレッジを強化し、マーケティングソリューション事業においても、よりシステム力を高めた提案が可能になるよう取り組みを進めていく方針です。
新規顧客の獲得も引き続き行いますが、特に2026年12月期は、新体制の下で既存顧客とのコミュニケーションを強化し、既存顧客からの売上拡大を目指します。
セグメント別の売上収益・営業利益率推移

セグメント別売上収益の見通しについてです。今期と来期は比較的投資フェーズと捉えています。基本的に案件自体の収益性を落とすつもりはありませんが、AIを活用した開発体制の変更やさまざまな投資を行うことで、3年後からの果実取りに備えていきたいと考えています。
以上で2025年度決算の概況と中期的な方針に関する説明を終わります。ありがとうございました。
質疑応答:インハウス化によるビジネスへの影響について
「顧客がAIを活用して自社でデジタル広告の運用を行うようになると、さらに市場が縮小するリスクがありますか?」というご質問です。
我々は大手クライアントと取引を行っていますが、実際にインハウス化が進んでいると感じています。ただし、インハウス化が進んだとしても、やはりサポートが必要不可欠です。
我々は、お客さまが仮にAIを活用して自社でデジタル広告を運用する場合でも、ツールやコンサルティング的な支援などのかたちでサポートを提供しています。そのため、我々のビジネス自体が大きく縮小することは考えにくいという認識です。
各社さまざまな運用手法がある中で、我々のようなエージェンシーがそれらのベストプラクティスを把握していれば、お客さまへのコンサルティングや実際の運用代行は依然として残ると考えています。
質疑応答:「ZAC」のライセンス解約数増加の要因について
「『ZAC』のライセンスについて、12月・1月は解約が多かったように見えますが、何かしらの変化があるのでしょうか?」というご質問です。
特に目立った市場の変化があったわけではなく、大きなグループが1つ欠けたことが大幅な減少の原因となっています。新規の獲得も最近は非常に好調に推移しており、大きな外部要因があるとは考えていません。
質疑応答:TOPIXへの残留観点からの企業価値向上施策について
「TOPIX(東証株価指数)への残留を意識しているかどうかお聞きします。流通時価総額を増加させる必要があると思いますが、株主還元の強化等についてどのように考えていますか?」というご質問です。
TOPIXへの残留については、もちろん議論しています。本質的には、企業価値を高めて株価水準を上げていくことが重要だと考えており、もちろん株主還元の強化も選択肢の1つとしています。
流動株式比率を高めるために、主要株主からの株を少し売り出すなど、さまざまな手段を検討しながら流通時価総額を上げていきたいと考えています。
質疑応答:クラウドソリューション事業の中長期的価格戦略について
「クラウドソリューション事業において、今後の中長期的な価格戦略をどのように考えていますか?」というご質問です。
価格戦略は非常に重要です。いくつかの考え方がありますが、単純な値上げではなく、物価水準などの変動に伴い、値上げを継続的に検討していきます。
今後は従来のユーザー課金に対し、エージェントがシステムを利用するケースが増えることで、実際の利用ユーザー数がやや減少する可能性も考えられます。そのため、AIを活用する場合においても、価格体系全体の見直しを行い、月次顧客から理にかなった費用をいただける仕組みを検討中です。
また、一部の機能、特にAIを活用するような機能については、利用に応じた従量課金の導入を検討しています。したがって、中長期的に見ると、価格戦略というよりも事業の変化に対応した価格体系の変更を検討せざるを得ないと考えています。
質疑応答:今期の広告宣伝費計画について
「今期の広告宣伝費の計画をお聞かせください」というご質問です。
今期は昨年度よりもやや上振れた計画となっています。マス広告など特に大きな施策を実施するような計画は立てていませんが、獲得目標が上振れしている分を着実に活用していきたいと考えています。
「ZAC」というソリューションの属性上、すべてのお客さまに導入していただくよりは、やや業種特化している部分があります。そのため、その業種に向けてしっかりと効果が届くような内容を中心に広告宣伝費を活用する方針です。
昨年は展示会が非常に効果的だったため、今年も引き続き、積極的な出展を計画しています。
質疑応答:AI活用に関するコスト削減目標について
「社内でのAI活用のコスト削減効果に関して、目標値はありますか?」というご質問です。
目標値を定めているというよりは、かなり前向きに、全体的に活用しながら削減を行っています。そもそもの仕事のやり方を大きく変えている最中ですので、おそらく削減は進んでいくと思いますが、目標値として設定しているKPIは今のところありません。
