2026年5月12日に発表された、西部ガスホールディングス株式会社2026年3月期決算説明の内容を書き起こしでお伝えします。
2026年3月期決算説明

加藤卓二氏:代表取締役社長の加藤です。本日は、ご多忙の中、当社決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。
2026年3月期の決算は、経常利益125億円と過去最高益を更新することができました。これは、グループ一丸となって「変えるべきものは変える」という意思のもと、事業構造改革に取り組んだことに加え、人材・仕組みの両面からの組織能力の向上に取り組んできた成果だと思っています。
加えて、これまで先行成長投資として耐えてきたひびきLNG基地の減価償却負担が一巡したことも追い風となり、「増収・増益」という結果につながりました。
一部には依然として課題を抱える事業もありますが、全体としては、売上高、利益ともに着実な成長を遂げています。
特に中期経営計画において総合エネルギー事業の成長ドライバーと位置づけている電力販売量は、5割増しの大幅増を達成しました。さらに、総合エネルギー事業、不動産事業に次ぐ第三の柱として育成を進めている国際エネルギー事業が、ガスアップ・クールダウンを中心に販売量換算で約5倍に拡大しています。
これらの取り組みは、当社グループの競争優位性の確保と強化に直結するものと一定の評価をしています。
今後は、ひびきLNG基地の能力増強に伴い、キャッシュアウトが本格化する局面に入ります。今まで以上に経営の機動性を高め、「集中」「スピード」「意思疎通」を徹底しながら、資本効率を重視した経営を進め、持続的な競争優位性の確保につなげていくことが、中長期的な企業価値向上に不可欠だと認識しています。
昨年度からは、全連結会社にROIC指標を導入し、改善に向けた取り組みを開始しました。今後は、BSを強く意識した経営をグループ全体に定着させ、その効果が確かな成果として現れるよう、着実に推進していきます。
最後に、昨年の決算説明会の場で、IRの在り方について、一定の部門を設けるべきとの声もありました。本年度より、投資家のみなさまとの対話を一層強化するため、「IR・株主価値創造管掌役員」として常務執行役員の生越を配置し、「IR推進室」を新設しました。
今後も、みなさまとの建設的な対話を通じて、企業価値向上に真摯に取り組んでまいります。引き続き、どうぞよろしくお願いします。
【2026年3月期 実績】収支状況等

森田省吾氏:取締役専務執行役員の森田です。資料に基づき、まず初めに2026年3月期決算実績及び2027年3月期決算見通しをご説明し、その後、中期経営計画の進捗状況と、企業価値向上への取り組みについてご説明します。
2026年3月期の決算は、経常利益ベース、親会社株主に帰属する純利益ベースともに、「増収増益」となりました。
売上高は、電力販売事業や国際エネルギー事業において販売量が増加したことなどにより、前期比2.9パーセント増の2,618億円、営業利益は、ひびきLNG基地の減価償却が完了したことなどにより前期比18.4パーセント増の124億円、経常利益は前期比18.6パーセント増の125億円、当期純利益は前期比12.3パーセント増の71億円となりました。
経常利益は過去最高、売上高と営業利益および当期純利益は、過去2番目に高い水準となっています。
【2026年3月期 実績】セグメント別売上高・営業利益

セグメント別売上高・営業利益についてご説明します。
表の左の売上高は、「電力・その他エネルギー」、「不動産」及び「その他」セグメントが増収となりました。
表の右の営業利益は、「ガス、LPG」及び「電力・その他エネルギー」セグメントが増益となりました。
【2026年3月期 実績】セグメント別の概況

「ガス」セグメントは減収・増益となりました。都市ガス販売量実績は前期比1.8パーセント減の9億1千万立法メートルとなり、用途別では、家庭用は前期比2.7パーセント減、業務用は前期比1.4パーセント減、卸供給は前期比2.6パーセント減となりました。
売上高は、原料費調整によるガス料金単価の下方調整の影響などにより、前期比3.5パーセント減の1,534億円、営業利益はひびきLNG基地の減価償却費が減少したことなどにより39.3パーセント増の79億円となりました。
【2026年3月期 実績】セグメント別の概況

左側の「LPG」セグメントは減収・増益となりました。売上高は、販売単価が下落したことなどにより、前期比2.9パーセント減の260億円、営業利益は、LPG購入単価の下落などにより、100万円となりました。
右側の「電力・その他エネルギー」セグメントは増収・増益となりました。売上高は、電力販売事業や国際エネルギー事業の販売量の増加などにより前期比35.0パーセント増の314億円、営業利益は、前期比441.8パーセント増の12億円となりました。
電力販売量は、下の表に記載のとおり前期比56.2パーセント増の10億4,200万キロワットアワーとなっています。
【2026年3月期 実績】セグメント別の概況

左側の「不動産」セグメントは増収・減益となりました。売上高は、分譲マンションの販売価格上昇などにより、前期比15.4パーセント増の477億円、営業利益は、海外事業において売上原価が増加したことなどにより、前期比20.1パーセント減の33億円となりました。
右側の「その他」セグメントには、食品販売事業や飲食店事業、情報処理事業などが含まれており、増収・減益となりました。
売上高は、システム開発事業の売上が増加したことなどにより、前期比6.1パーセント増の236億円、営業利益は、販管費の増加などにより、前期比79.1パーセント減の6,000万円となりました。
【2026年3月期 実績】対前期比較(経常利益)

経常利益は、ガス・LPG、電力・その他エネルギーの増益などにより前期比18.6パーセント増の125億円となりました。
【2026年3月期 実績】対前期比較(貸借対照表)

左側が前期末、右側が当期末の金額であり、中央に増減を記載しています。
総資産は、ひびきLNG基地能力増強や保有株式の時価上昇に伴う投資有価証券の増加などにより180億円の増加となりました。
有利子負債は、ひびきLNG基地能力増強に伴う借入金が増加したことなどにより83億円の増加となりました。
自己資本は、利益剰余金が増加したことや、保有株式の時価上昇に伴いその他有価証券評価差額金が増加したことなどにより114億円増加となりました。
【2026年3月期 実績】キャッシュアロケーション

当期は、本業で創出したキャッシュを基盤に成長投資を行うとともに、追加的な株主還元を実施し、必要に応じて負債(借入金)を活用するという方針に基づいたキャッシュアロケーションを行いました。
左側の「キャッシュイン」ですが、当期の営業活動によるキャッシュフローは、中期経営計画760億円の3ヶ年平均と同水準の253億円、資産売却は、政策保有株式の売却収入などにより41億円、有利子負債86億円は借入額から返済額を差し引いた金額です。
一方、右側の「キャッシュアウト」は、導管などの定常投資に134億円、ひびきLNG基地能力増強やひびき発電などの成長投資に272億円、株主還元については、配当金25億円に加え、当期は20億円の自己株式取得を実施しました。
【2027年3月期 見通し】収支状況等

2027年3月期の業績見通しについては、中東情勢の影響等による直近の市況水準を踏まえ、前提となる原油価格及び為替レートを、3月26日に公表した「グループ経営計画」から見直しています。
具体的には「原油価格を70ドルから80ドルへ」、「為替レートを150円から155円」に変更しました。
これに伴い、売上高は3月公表値から60億円増の2,530億円、一方、営業利益は20億円減の100億円、経常利益も20億円減の120億円、親会社株主に帰属する当期純利益は10億円減の80億円としています。
次期の配当については、今期と同様1株につき70円を予定しています。
【2027年3月期 見通し】対前期比較(経常利益)

2026年度の経常利益は、前年に比べ4.6パーセント減の120億円としており、各セグメントの増減を記載しています。
【参考】業績の推移と見通し

参考として、過去5年の業績の推移と2026年度の見通しを記載しています。
キャッシュアロケーションの進捗状況

「キャッシュアロケーションの進捗状況」です。良い滑り出しができた2025年度の経常利益の積み増し等により、営業キャッシュフローは順調に推移しています。
投資については、ひびきLNG基地の能力増強を中心に、蓄電池を含む再生可能エネルギーや、DXなどの成長投資を行い、2025、2026年度の2年間で、中計3年間で見込んでいた1,400億円の約60パーセントに相当する約870億円を計画しています。
また、昨年度は追加的な株主還元策として、20億円規模の自己株式取得を行ったほか、株主優待制度の新設を行いました。今年度も追加還元策の検討を継続するとともに、政策保有株式の売却についても、着実に実行していきます。
総合エネルギー事業(ガスエネルギー・電力その他エネルギー)の主な取り組み

各事業の取り組み状況と今年度の事業方針について、ご説明します。
最初に、ガスと電力の総合エネルギー事業の取り組みです。ひびきLNG基地能力増強については、昨年夏から本格的に工事を開始し、着実に進捗しています。
3号タンクの運転開始は2029年度上期と少し先ですが、運転開始後、早期にフル活用していくためにも、トランジション需要の開拓に注力していきます。
上段右側には、ガス脱炭素化の取組みとして行っているe-メタンの実証について、示しています。下水処理場から回収したCO2と副生水素を原料としてe-メタンを製造し、導管に注入する実証を行い、昨年12月にはCO2実質ゼロを証明するクリーンガス証書の発行を受け、お客さまへの環境価値移転を行っています。
電力事業については、ひびき発電所が、本年3月に運転を開始しました。安価で安定的な自社電源を生かして、電力販売の収益を拡大していきます。
また、再生可能エネルギーの取り組みでは、共同出資した国内最大の洋上風力発電所が3月に営業運転を開始したほか、系統用蓄電池開発に向けた検討も進めています。
総合エネルギー事業の主な取り組み(顧客接点を生かしたサービスの展開)

住まいや生活環境における多様なニーズにお応えし、地域課題を解決するサービスの展開にも取り組んでいます。
現在行っている2つの事例を記載しています。いずれも高齢化による地域課題に対応するもので、熊本地区では、実家の管理やリフォームといった住まいに関するお悩み相談窓口を設置するとともに、島原地区では、買い物代行サービスを展開しています。
総合エネルギー事業の2026年度事業方針

総合エネルギー事業の今年度事業方針です。ガスエネルギー事業では、産業用需要の獲得を通じた天然ガスシフトに加え、LPG事業におけるM&A、AIを活用したリフォーム事業の強化などに取り組んでいきます。
電力販売では、契約容量の高いお客さまをターゲットに件数拡大を図るとともに、環境価値付き電力の販売も強化していきます。
また、再エネ事業では、電源種の多様化に加え、蓄電池の本格導入を進めるとともに、国際エネルギー事業では、ガスアップ・クールダウンや積替・再出荷、LNGバンカリングなどの受注拡大に取り組んでいきます。
不動産事業の主な取り組み

不動産事業の取り組みです。九州大学箱崎キャンパス跡地地区におけるまちづくり事業者に正式決定しました。
2028年度のまちびらきを目指す日本最大級のスマートシティ開発であり、当社グループは、エネルギー供給や住宅開発に加え、カーボンニュートラルやエネルギーサービス、緑化推進など、幅広い分野で関わっていきます。
また、グリーンビルファンドへの出資参画など、サステナブルな不動産事業の推進も行っています。
不動産事業・食関連その他事業の2026年度の事業方針

不動産および食関連事業の事業方針です。
不動産事業では、分譲事業において引き続き安定的な住宅供給により収益を支えるとともに、賃貸事業では、低収益物件売却による資産の入れ替えを進めるなど資産効率向上に向けた取り組みを進めていきます。
食関連その他事業においては、金利上昇・インフレ時代に適応した事業構造への変革を進め、不採算領域についてはしっかりと見直しを図っていきます。
資本コスト経営強化の取り組み

資本コスト経営と人的資本経営の強化に向けた取り組みについてご説明します。2025年度は、グループの全連結会社において会社単位のROICツリー分析、改善計画の策定などを行いました。
また、セグメントを細分化した戦略的事業単位、SBU単位で会計実績を再整理するとともに、BS計画の精緻化など、資本効率を意識した経営管理基盤の構築を進めてきました。
2026年度は、SBU単位でのBSの予実管理の開始や客観的な事業評価に基づくポートフォリオマネジメントの仕組みを構築するなど、さらに取り組みを強化していきます。
人的資本経営強化の取り組み①

人的資本経営の強化の取り組みです。グループ人財戦略の基本方針などを取りまとめた人的資本レポートを、昨年11月に発行しました。
人的資本経営強化の取り組み②

経営戦略を担う人財の育成や従業員の成長を支えるため、教育研修への投資を一層強化するとともに、従業員の挑戦を後押しする取り組みとして、新規事業提案制度やリスキリング支援制度なども創設しました。
初めて健康経営優良法人「ホワイト500」の認定をいただいています。
(参考)中期経営計画の進捗 ハイライト

ご参考に、中計で掲げている営業指標や、主なサステナビリティ指標の進捗状況をまとめて記載しています。
企業価値向上への取り組み

PBR向上を目指して、資本効率と市場評価の双方から取り組みを進めています。
資本効率の面では、財務健全性を前提に適切なレバレッジも活用しながら、利益率・資本効率の両面での取り組みによりROIC向上に取り組んでいきます。
市場評価の面では、投資家のみなさまから当社グループをご理解いただき、しっかりと評価いただくため、みなさまとの対話の強化に加え、サステナビリティの取り組みやガバナンス強化を通じた資本コストの低減に努めていきます。
その取り組みの中から、新たなビジネス創出の取り組みである「グローバルエネルギービジネス」と、「IR・株主価値創造」について、次ページ以降のスライドでご紹介します。
グローバルエネルギービジネスの取り組み_中長期的な基本方針

グローバルエネルギービジネスの取り組みです。海外エネルギー事業を、総合エネルギー事業と不動産事業に次ぐ第3の柱へと成長させるべく、取り組みを強化していきます。
具体的には、2029年度に運開する3号タンクを最大限に活用して基地利用事業を拡大するとともに、新たな挑戦分野として海外ガス中下流事業と海外LNG販売事業に取り組むことを基本方針とし、右下に記載の通り、2030年度までに利益を大きく成長させることを目指します。
グローバルエネルギービジネスの取り組み_重点取り組み事業の進め方

重点取り組み事業の進め方です。まずは、現在取り組んでいる基地利用事業について、ひびきLNG基地の立地優位性をはじめとする当社の強みを活かしながら、事業の最大化を目指し、これらのノウハウを活用しながら、LNG需要獲得を目的にアジアのガス中下流事業へ出資参画を進めるとともに、獲得した需要向けにLNG販売事業を展開することで、海外エネルギー事業を拡大していきます。
これらの取り組みについては、昨年度、戦略的提携合意を発表した(株)JERAとの協業も視野に入れて取り組みを進めていきます。
グローバルエネルギービジネスの取り組み_ロードマップ

ロードマップです。今年度から新たな基地利用の事業化や人財育成・体制強化を進めながら、次期中計期間となる2028年度より新たな中下流事業へ出資参画し、2030年度には出資先向けLNG販売を開始することで、収益の拡大を目指していきます。
IR・株主価値創造の取り組み①

IR・株主価値創造の取り組みです。
投資家のみなさまとの対話をより一層深化させることが、株主価値創造の基盤であるとの認識のもと、今年度よりIR体制を強化しました。
具体的には、「IR・株主価値創造管掌」役員の配置と、「IR推進室」の新設を行いました。今後、情報開示と対話の量と質を高めながら、IR活動をさらに強化していきます。
IR・株主価値創造の取り組み②

サステナビリティ・ガバナンス強化の取り組みです。ダイバーシティ強化として、6月の定時株主総会終了後、女性取締役を1名から2名に増員することを予定しています。
政策保有株式の縮減についても、目標である2024年3月比半減に向けて売却を着実に実行しており、今後も計画的に売却を進めていきます。
また、昨年度は20億円の自社株買いと株主優待制度を新設するなど、株主還元を強化しましたが、今後も、中長期の会社業績などを総合的に勘案した追加還元策を機動的に実施していきます。
(参考)主要指標推移

過去10年間の主要指標の推移を記載しています。ご説明は以上です。ありがとうございました。
質疑応答(要旨)1

Q:説明会資料の11ページの2027年3月期見通しの各セグメントの増減要因について、可能な限り定量的に教えてほしい。
A:売上高の主な増減要因は、電力・その他エネルギーセグメントがLNG(ガスアップ・クールダウン)の取引量が減少することにより約30億円の減収、不動産セグメントは分譲マンションの販売戸数の減少に加え、受注工事の減少により約25億円の減収、ガス・LPGセグメントも減収を見込んでいる。
営業利益の主な増減要因は、ガス・LPGセグメントがスライドタイムラグの影響等により14億円の減益、電力・その他エネルギーセグメントは売上高の減少等により2億円の減益、不動産セグメントは売上高の減少はあるものの、前期に計上した海外の販売用不動産の評価損がなくなることから13億円の増益、その他セグメントは賃上げによる労務費の増加や物価上昇による諸経費の増加等により3億円の減益を見込んでいる。
質疑応答(要旨)2
Q:電力・その他エネルギー事業におけるJEPX(電力卸取引市場)の価格変動が業績にどのような影響を与えるのかを伺いたい。
A:当社は、昨年度までは自社電源を持っておらず、相対取引および市場から調達してきた。中東情勢の影響による市況上昇によって卸市場価格が上昇しており、現在も約2割程度を市場から調達しているため、その部分が業績に対してマイナス影響となる。
今後は相対取引を増やすことで影響を抑えつつ、ひびき発電所の稼働による原価低減効果を活かし、収支改善を図っていく。
質疑応答(要旨)3

Q:説明会資料の28ページの企業価値向上・資本効率向上について伺いたい。ROEを引き上げる観点で見ると、財務レバレッジは一定程度かかっているため、ROICが同業他社と比べて高くない可能性があると見ている。この要因をどのように捉えているのか教えてほしい。
A:当社のガス事業は地域ごとに製造・供給設備を有するなど、資産効率が低い構造にある。また、不動産の賃貸事業は安定収益を生む一方で、ROICとしては低めに推移する特性があるため、その影響を受けている。
質疑応答(要旨)4
Q:2027年3月期見通しについて、一過性要因(スライド差など)がどの程度含まれているのか、それを除いた実力ベースでの利益水準を教えてほしい。また、中期経営計画で掲げる収益性の向上がすでに実現できているのか、まだ積み上げが必要なのかを確認したい。
A:営業利益ベースでは、2026年3月期の実績では約108億円、2027年3月期はスライドタイムラグでマイナス約22億円を見込んでいるため、約122億円程度が実力と見ている。
2026年3月末にひびき発電所が稼働したため、電力事業の収益力が強化される。その点で、稼ぐ力はついてきたと考えている。
質疑応答(要旨)5
Q:ROE8パーセントの目標を掲げていると思うが、どの程度達成にこだわっているのかを教えていただきたい。
政策保有株の売却などにより純利益の上振れの可能性がある一方で、経常利益135億円の計画から考えると、自己資本との関係においてROE8パーセントを達成するには一定のハードルがあるように見受けられる。
特に、足元では包括利益なども含めて自己資本が積み上がっており、内部留保をする余地はあまりないのではないかと感じている。
こうした中で、自己資本の還元なども含めて意図的に8パーセントを狙っていくのか、それとも外部要因も踏まえて自然体で見ていくのか、この点に対する考え方を教えていただきたい。
A:ROE8パーセント達成への意気込みは強く持っているが、自己資本比率が低いため、自己資本の積み増しも必要と考えている。そのため、一定程度は自然体に委ねる部分もあるが、利益の積み増しによってしっかりと達成を目指していく。
質疑応答(要旨)6
Q:地域におけるLPガスを含むガス料金の値上げは、検討に値するものなのか、それとも現実的には難しいのか教えてほしい。
地方においては、経費と顧客数のバランスからコスト構造が厳しくなってきているとの印象を持っており、料金政策によってどこまで対応できるのか、それとも難しいのかについて、説明してほしい。
A:ガス料金については、物価や人件費の上昇を踏まえ、一定の限界を超えた場合には値上げを検討する考えである。
一方で、ガス事業はエリア内で顧客を獲得していくことが中長期的に非常に重要であることから、顧客視点も踏まえつつ、収益性と需要開発の両面から総合的に判断していきたいと考えている。
質疑応答(要旨)7
Q:不動産の賃貸事業については、極端な例として、事業をやめるという考え方もあり得るが、そのような選択肢が検討対象となり得るのか、それとも事業を推進する上で賃貸事業は不可欠であるという前提なのか、この点について教えてほしい。
A:当社の不動産事業の稼ぎ頭は分譲事業と賃貸事業であり、現時点で賃貸事業をやめる考えはない。アセットライトの観点から資産は可能な限り圧縮していく方針であり、収益性などを評価し、優先順位を付けた上で、売却やファンドへの組み入れなどにより入れ替えを進めていく考えである。
質疑応答(要旨)8
Q:アジアでのガス事業展開については、同業他社の事例を見ても、順調に進展しているケースとそうでないケースが存在しており、必ずしも進出すれば収益化できるものではないと認識している。そのような環境の中で、成功に向けて重視しているポイントや留意点について説明いただきたい。
A:アジアでのガス事業については、現在ベトナムのガス配給会社に出資しており、まずはその出資を通じて、当社の経常利益の向上を図っている。加えて、現地ではインフラが十分に整備されていない地域も多いことから、当社がこれまで培ってきたコンテナや中小型船による輸送ノウハウを活用し、需要開拓を進めていく方針である。
この出資先のバリューアップによる利益の上積みに加え、LNG販売も展開することで、リスクを抑えながら収益性の向上を図っていく考えである。
質疑応答(要旨)9
Q:ガス事業において、ひびきLNG基地3号タンクの建設が進められており、3年後に運用開始されると認識している。
運用開始後の事業戦略については、すでに具体的な検討やプレマーケティングが進められていると考えるが、この基地をどのように活用し、どの程度の収益性を見込んでいるのか、現時点で開示可能な範囲で説明してほしい。また、潜在的なガス需要の規模およびその業績への寄与度についても併せて伺いたい。
A:北部九州は、アジアに近いという地理的優位性に加え、幅広い産業が集積するなど、非常に恵まれた環境にあると認識しており、潜在需要は大きいと見込んでいる。足元でも燃料転換やデータセンターの誘致などが進んでおり、具体的な折衝が進んでいる需要として、石炭からの燃料転換で約15万トン、石油等からの転換で約18万トンあり、今後10年間で約27万トンの需要を獲得していく考えである。
利益面については、2029年以降、基地の償却開始により一時的に利益は低下するが、2030年代初頭には連結ベースで約4割程度の利益を押し上げることを見込んでいる。また、LNGの取扱量は、将来的に現状の約2倍にあたる約160万トンまで拡大可能であり、まずは2030年代に140万トン規模の達成を目指す考えである。
質疑応答(要旨)10
Q:不動産事業は規模がかなり大きくなっており、関心を持って見ているが、現状の開示内容ではやや情報が不足しており、評価しづらいと感じている。
賃貸、分譲、海外事業など、それぞれの収益構造について、売上や利益への貢献度も含め、もう少し詳細に説明してほしい。また、今後どのような取り組みを進めていくのかについても、より具体的に説明してほしい。
全体の利益に占める割合も大きくなってきていることから、エネルギー事業との比較も含め、説明の充実を図ってほしい。
A:不動産事業は、賃貸事業の規模が大きくなってきているため、資産効率の観点から、一部を売却・再投資を行ったり、不動産ファンドへの出資を行うなど、比較的アセットを持たない仕組みを活用していく考えである。
まずは、現在の中期経営計画を着実に達成することを目指していくが、土地価格や建築コスト、金利上昇などにより不動産事業を取り巻く環境は厳しい状況にあるため、こうした点も踏まえつつ、次期中期経営計画において今後の不動産事業の方向性を提示していく考えである。
不動産事業については、現在、マンション分譲、戸建分譲、賃貸、管理・海外・総合建設の4つのSBU(戦略事業単位)に分けて管理していく取り組みを進めている。
現時点ではその内訳や詳細についてお示しできる段階には至っていないが、今後は、それらも含めてしっかりと説明していく考えである。
※質疑応答部分は、企業提供の要旨になります。
