■昭栄薬品<3537>の業績動向
1. 2026年3月期の業績概要
(1) 損益状況
2026年3月期は、売上高26,921百万円(前期比7.6%増)、営業利益504百万円(同9.8%減)、経常利益725百万円(同4.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益557百万円(同5.6%増)となった。
主力の化学品事業において、主原料である天然油脂価格が堅調な動きとなり販売価格は比較的高値で推移した。数量ベースでも自動車関連を中心に需要は底堅く推移し、全体の増収に寄与した。利益面では、売上総利益率は8.0%(前期比0.4ポイント低下)となり、売上総利益は2,163百万円(同3.1%増)にとどまった。その一方で、人件費の増加やシステム開発に伴う支払手数料の増加など、今後の成長に向けた費用が増加した。これにより、販管費が前期比7.8%増となった結果、営業利益は同9.8%減となった。
(2) 財務状況とキャッシュ・フローの状況
2026年3月期末の財務状況は、流動資産が11,527百万円(前期末比701百万円増)となった。主に現金及び預金が459百万円減少したほか、受取手形及び売掛金(電子記録債権含む)が1,063百万円、棚卸資産が74百万円それぞれ増加したことによる。固定資産は6,278百万円(同6百万円増)となった。主に減価償却によって有形固定資産が10百万円減少したほか、投資その他の資産(主に投資有価証券の時価上昇)が14百万円増加したことによる。この結果、資産合計は前期末比707百万円増の17,806百万円となった。
負債合計は前期末227百万円増の8,390百万円となった。主に支払手形及び買掛金(電子記録債務含む)が742百万円増加したほか、短期借入金が450百万円、繰延税金負債が40百万円それぞれ減少したことによる。純資産合計は同480百万円増の9,416百万円となった。主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上により、利益剰余金が424百万円増加したことによる。この結果、2026年3月期末の自己資本比率は52.9%(前期末は52.3%)となった。
2026年3月期のキャッシュ・フローの状況は、営業活動によるキャッシュ・フローは103百万円の収入となった。主な収入は税金等調整前当期純利益725百万円、減価償却費13百万円、仕入債務の増加732百万円で、主な支出は売上債権の増加1,051百万円、棚卸資産の増加65百万円となった。投資活動によるキャッシュ・フローは317百万円の収入となったが、主に定期預金の払戻による収入319百万円となった。財務活動によるキャッシュ・フローは、583百万円の支出となったが、主な支出は短期借入金の減少450百万円、配当金の支払額133百万円となった。この結果、2026年3月期中に現金及び現金同等物は前期末比134百万円減少し、期末残高は1,452百万円となった。
2. 事業セグメント別動向
(1) 化学品事業
化学品事業の売上高は24,899百万円(前期比8.9%増)、セグメント利益は630百万円(同1.9%減)と増収減益となった。天然油脂相場価格は高値圏で推移し、需要面では、米国関税政策による不透明感はあったものの、国内外の景気は底堅く推移し、自動車関連や繊維油剤関連の主要顧客からの受注が底堅く推移した。この結果、売上高は増収となったが、人件費等の費用増を吸収しきれずにセグメント利益は減益となった。
(2) 日用品事業
日用品事業の売上高は726百万円(同9.1%減)、セグメント利益は49百万円(同33.8%減)と減収減益となった。定番商品(洗濯槽クリーナーや用途別脱臭剤等)は堅調な売れ行きであったものの、全体では物価上昇に伴う買い控えが影響し、売上高は減少した。利益面では、円安や原材料高、包材・物流費などのコスト上昇が収益を圧迫する厳しい事業環境が継続した。販路別では、生協ルートの構成比が低下して量販店ルートの比率が上昇したことで、利益率が低下した。
(3) 土木建設資材事業
土木建設資材事業の売上高は1,295百万円(同3.4%減)、セグメント損失4百万円(前期は6百万円の利益)となった。土木建設資材(地盤改良工事及びコンクリート補修工事)では、特に関西圏における地盤改良工事の受注が上期に減少した。下期には回復傾向となり、工事用の材料や添加剤などの販売は好調に推移した。環境関連薬剤においては大型トンネル物件が堅調に推移したものの、その他の案件における需要減を補いきれず、セグメント全体として減収及び損失(セグメント損失4百万円)となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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