■業績動向
1. 2026年12月期中間期の業績概要
rakumo<4060>の2026年12月期中間期の連結業績は、売上高が前年同期比36.5%増の1,096百万円、調整後EBITAが同33.7%増の373百万円、営業利益が同16.3%増の261百万円、経常利益が同13.1%増の253百万円、親会社株主に帰属する中間純利益が同1.9%減の143百万円となった。
サービス別売上高を見ると、rakumoサービスは製品の価格改定効果に加え、クライアント数や有料ライセンス数の増加、自治体向け施策、「rakumo for Microsoft 365」の拡販などにより、前年同期比15.7%増の799百万円となった。その他サービスは、前期下期に子会社化したDEGINA及びエージェントシェアの新規連結効果により、同165.6%増の297百万円と大幅に拡大した。なお、2026年第1四半期にアイヴィジョンを吸収合併したことにより、rakumoサービスの売上高にSmartVisionシリーズの売上高が含まれていたものの、中核ブランドであるrakumoの成長率をより直接的に把握できるよう、当中間期からrakumoサービスの売上高よりSmartVisionシリーズを除外している。
売上原価は、Google向けサーバー費用を含む制作費、人件費、前期に子会社化した2社の原価が加わったことで、前年同期比37.8%増の332百万円となった。ソフトウェアの資産計上による他勘定振替高の増加が原価の一部を抑制したものの、売上原価率は30.3%と同0.2ポイント上昇した。販管費は同49.2%増の502百万円となり、販管費率は45.8%と同3.8ポイント上昇した。主な増加要因は、子会社2社を含む人員増やベースアップなどによる人件費が同79百万円増、のれん等償却費が同66百万円増、新設した株主優待制度に伴う費用が同13百万円増である。
この結果、営業利益率は23.8%と前年同期比4.2ポイント低下し、調整後EBITAマージンも同0.7ポイント低下の34.1%となった。親会社株主に帰属する中間純利益は小幅減益となったが、主因はのれん等償却費の増加により連結上の税負担率が上昇したことである。のれん等償却費や株式報酬費用、株主優待費用などを調整した調整後当期純利益は同31.7%増の256百万円と伸長した。rakumoサービスの成長にM&A効果が加わり、通期予想に対しても順調に進捗している点はポジティブに評価される。
2. 主要KPIの推移
(1) クライアント数及び有料ライセンス数
同社のクライアント数は、2026年12月期第1四半期末の2,558社に対し、中間期末は前四半期末比25社増の2,583社となった。有料ライセンス数も同20千ID増の1,265千IDと順調に積み上がった。ネットARRベースの1ライセンス当たり販売額は前年同期比15.3%増の1,339円、1社当たり販売額は同16.1%増の655,500円となり、大型アップデートに伴う価格改定効果が表れた。
同社は2026年12月期より、数量に関する主要KPIをユニークユーザー数から有料ライセンス数へ変更した。有料ライセンス数は実際の利用者数ではなく、各利用者が契約しているプロダクト数を合算した指標であり、「rakumo Basicパック」の場合は1人につき4IDとして算出される。売上高との連動性がユニークユーザー数よりも高いため、今後は有料ライセンス数、クライアント数及び解約率を主要KPIとして開示する方針である。
(2) 解約率
解約率は既存クライアントの離脱によって失われた売上高の割合を表す指標である。同社が開示するネット解約率は、対象月の月初売上高に対する解約分の売上高の割合として算出される。従来併記していた販売額ベースのグロス指標とは算定基礎が異なり、一般的なネットレベニューリテンションとは異なる点に留意が必要である。なお、本解約率は、SmartVision及びグループ会社の影響を除いたrakumoサービスの解約率であり、2026年12月期よりネット指標のみでの開示としている。
2026年12月期中間期のネット解約率は前年同期比0.20ポイント低下の0.71%となり、第1四半期の0.89%からも0.18ポイント改善した。2026年1月から既存顧客に対する価格改定が本格化したなかでも、解約率は1%未満の低水準を維持している。価格改定と有料ライセンス数の増加を両立できており、顧客基盤の安定性と今後の売上拡大余地をポジティブに評価できる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 吉林拓馬)
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