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株価2割暴落「日揮HD」は買いか?今期一転減益の下方修正となった2つの要因。長期投資家が見るべきリスクとは=佐々木悠

あなたは日揮ホールディングス(以下、日揮HD)という企業を知っていますか?知る人ぞ知る、プラントエンジニアリング業界の最大手の企業です。しかし、決算を受けて株価は20%暴落しました。そもそも日揮HDって何をしている企業?なぜ株価は暴落したのか?投資して良いのか?注意点はないのか?これらの疑問に答えていきます。早速みていきましょう!(『 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 』佐々木悠)

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プロフィール:佐々木悠(ささき はるか)
1996年、宮城県生まれ。東北学院高校、東京理科大学経営学部卒業。協同組織金融機関へ入社後、1級ファイナンシャル・プランニング技能士を取得。前職では投資信託を用いた資産形成提案や多重債務者への債務整理業務に従事。2022年につばめ投資顧問へ入社。

日揮HDって何をしている会社?

まずは日揮HDが何をしているか?です。

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出典:HYPER SBIより作成

一言で表すならば、プラントエンジニアリングの会社です。

プラントエンジニアとは、建設することが大変な設備の、設計・資材調達・建設を行うビジネスです。イメージしやすいのは石油プラントなど、資源採掘の現場などでしょう。

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国内のプレーヤーは独立系である日揮HD、三菱商事系の千代田化工建設、三井物産系の東洋エンジニアリングなどです。日揮HDは売上で国内トップです。

 

その売上を支えているのは、総合エンジニアリング事業です。

そしてその変動が激しいことも読み取れます。

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このビジネスを行う日揮HDに何が起こったのでしょうか?

次は、株価が暴落した理由を解説します。

好調の期待の中、24年3月期は一転減収へ…

その理由は大幅な下方修正です。

売上は8,000億円から変更ないものの、営業利益が380億円から160億円へ修正されました。

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前年、2023年3月期の決算が好調でした。

世界各国の経済活動再開に伴い、エネルギー需要が回復。さらに環境負荷が少ない天然ガスやLNGの重要性が高まり、産油・産ガス諸国の設備投資案件が着実に進展していきました。そしてロシア情勢の悪化によって、エネルギーの分散の必要性が認識され、プラント需要が増加したことも追い風でした。

 

好調の中で増収増益予想だったため、期待も高くなっていました。

(23年5月から数ヶ月株価は上昇を続けます)

しかし、その期待が大きく裏切られる結果となりました。

 

下方修正が起きた理由は何なのでしょうか?

Next: なぜ下方修正が必要だった?業績悪化に2つの要因

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