日揮HDに投資する際のポイント
ここまでの内容から、投資のポイントを考えてみましょう。
ポイントは「変動」です。あえて対義語を示すならば「安定」でしょう。
日揮HDのビジネスは、資源価格・景気動向・天候・その国特有の法律など様々な影響を受け、それにより大きく業績が変動します。
投資を検討する際には、その変動に耐えられるか?が重要になるでしょう。
また、競合の千代田化工建設は、過去に液化天然ガス事業で巨額の損失を計上。三菱商事から経営再建のための資金融資を受けました。
東洋エンジニアリングも2017年に、信越化学グループのエチレン製造設備の工事を請け負いましたが、大きく赤字計上しピンチに陥りました。
つまり業界として「想定外でした!」が多いのです。
日揮HDの現状を考えると、今がボトムになる可能性も十分に考えられますが、より長期で考えた時に、あなたのポートフォリオに「安心」を与えるかどうか、ぜひ一度考えてみてください。
私の正直な感想は、「もっと安定し、将来に期待できる企業に投資したい」です。
今回の下方修正をもたらした2つの案件は、日揮HDの目玉案件とは言えないものです。
決算説明資料を見るとサウジとインドネシアよりも、より重要なプロジェクトがあるように見えます。もしもその目玉案件で何かしらの予想外が発生したら…と考えると、正直恐ろしく感じます。
短期的な株価変動で慌てて購入しないように、その企業の変動の理由は何か?じっくり考える必要性があるでしょう。
※上記は企業業績等一般的な情報提供を目的とするものであり、金融商品への投資や金融サービスの購入を勧誘するものではありません。上記に基づく行動により発生したいかなる損失についても、当社は一切の責任を負いかねます。内容には正確性を期しておりますが、それを保証するものではありませんので、取り扱いには十分留意してください。
『
バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問
バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問
』(2024年2月14日号)より
※記事タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。