fbpx

『楽楽精算』ラクスの伸び代は?テレビCMで攻めの減益、コロナ禍で広告宣伝費を急増させた狙い=シバタナオキ

今回はラクス<3923>の決算を取り上げます。売上もすごい伸びていますが、かなり大きな投資をしました。特に「広告宣伝費」まわりで大きな投資をしています。そのため利益は減益になっていますが、かなり攻める意味でのアクセルを踏んで減益になっているという決算だと思います。広告宣伝費を急増させてもOKだった理由と、今後の成長性について解説します。(『決算が読めるようになるノート』シバタナオキ)

※本記事は有料メルマガ『決算が読めるようになるノート』2021年9月25日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:シバタ ナオキ
AppGrooves / SearchMan共同創業者。東京大学大学院工学系研究科技術経営戦略学専攻 博士課程修了(工学博士)。元・楽天株式会社執行役員(当時最年少)、元・東京大学工学系研究科助教、元・スタンフォード大学客員研究員。

CMでよく見かけるラクス、広告宣伝費を急増させてもOKだった理由は?

私のYouTubeチャンネルでは、決算読み解き実況中継をしています。おかげさまでYouTubeの方も多くの方にご覧いただいているのですが、特に忙しいビジネスパーソンの方たちから「YouTube動画の内容を知りたいが、動画を見る時間が無い」というお声を多数いただいています。

この記事では、上の動画の内容をスクリーンショット付きで文字起こししてあります。動画を見る時間はないけれど、内容を短時間でおさらいしたいという方に最適です。

001

――(Risa)皆さん、こんにちは。Risaです。今回は、クラウドサービス事業及びIT人材事業を展開するラクスの決算をシバタさんと一緒に読んでいきたいと思います。シバタさん、よろしくお願いいたします。

出典:株式会社ラクス決算説明資料

出典:株式会社ラクス決算説明資料

――ラクスは、「ITサービスで企業の成長を継続的に支援します」をミッションに掲げています。会計ソフト「楽楽精算」などの業務支援SaaSを提供するクラウド事業と人手不足の企業に対して社員を派遣するIT人材事業を展開している企業です。

出典:株式会社ラクス決算説明資料

出典:株式会社ラクス決算説明資料

――今期は、売上高46億1,300万円、営業利益5億1,900万円、純利益3億4,600万円となりました。

 出典:株式会社ラクス決算説明資料


出典:株式会社ラクス決算説明資料

――ラクスは、クラウド事業が売上の大半を占めています。また、売上は+33%と大幅な増収になったものの、販売管理費が増したことによって今期の営業利益は-42.9%の減益という結果でした。昨今はリモートワークを推奨する企業も多く、業務DX化のニーズが増してきているマーケット環境です。シバタさん、ラクスの今回の決算全体の印象を教えてください。

(シバタナオキ)SaaSの会社なので、一番大事なのは売上やトップライン、ARR(年間経常収益)の伸びが一番大事です。今回は前年同期比+33.3%ということで、規模がそれなりに大きいので非常に素晴らしい成長率だったと思います。

上図を見れば分かる通り、売上もすごい伸びていますが、かなり大きな投資をしました。特に広告宣伝費周りで大きな投資をしているのはすごく分かります。そのため利益は減益になっていますが、かなり攻める意味でのアクセルを踏んで減益になっているという決算だと思います。

Next: なぜ、このタイミングで広告宣伝費を大幅に増加させたのか

1 2
いま読まれてます

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー