米ドル/円は反発上昇のエネルギーの強い相場が続く。上値のメドとしては赤線水準の116円前後を考えたい。再び下落エネルギーの強い相場に転換する価格のポイントは赤丸水準の108円75銭を終値で割り込むことだ――正五角形の黄金比率で相場を読み解く「ペンタゴンチャート」の第一人者・川口一晃氏による最新の各通貨ペア分析をお届けします。(☆ペンタゴンチャート分析<為替編>)
※本記事は『☆ペンタゴンチャート分析<為替編>』(2016年12月11日号)の一部抜粋です。興味を持たれた方はぜひこの機会に今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。
ペンタゴンチャートの見方
(1)ローソク足(値段)は各辺に沿って動いたり、各点に引き寄せられる
(2)各点が変化日になる
(3)各点に引き寄せられたもののその点に到達できなかった場合には反転する
(4)中心点の上方を通過すれば次のペンタゴンは上方か真横、下方を通過すれば真横か下方に付く
(5)時間の逆行は起きてはいけないこととされている
米ドル、ユーロ、豪ドル、ポンド 各通貨ペアチャート分析
米ドル/円(USD/JPY)さらなる上昇が続くのか
先週のレポートでは、BDラインに注目した。BDラインが下値支持線となり堅調な展開が続くのか、それともBDラインを割り込み上値の重たい展開になるのかがポイントになったからだ。実際には、BDラインを割り込むことなく、ADラインを超えて、新しいペンタゴンが
右上に描き足された。次の注目日は12月20日前後である。
B点水準:約113円25銭
今週のポイントは、さらなる上昇が続くのか否かということである。
あくまでも個人的見解
BDラインに注目したい。先週もBDライン水準を維持しながら堅調な展開を続けている。逆に言えば、BDラインを維持できている限り、堅調な展開が続くことになるからだ。
(川口の捉え方…取扱いに注意)今週開催されるFOMCを意識した動きが強くなっている。多少のマイナス要因が出ても、マーケットは吸収、消化して堅調な展開が続いている。しかも、大きな節目であるADラインをも超えて、右上に新しいペンタゴンが描き足されたことで、ドル高エネルギーは強いと推察される。
値動きのポイント
反発上昇のエネルギーの強い相場が続く。上値のメドとしては赤線水準の116円前後を考えたい。再び下落エネルギーの強い相場に転換する価格のポイントは赤丸水準の108円75銭を終値で割り込むことだ。
現在のシナリオ
堅調な展開が続く可能性がある。上述したように、下値支持線BDラインを維持している。
上値抵抗線であったADラインを超えて右上に新しいペンタゴンが描き足されることになった。しかも、上値のもち合いを上放れた感があるからだ。
第2シナリオ
上値の重たい展開になる可能性も残っている。上値抵抗線CDラインが控えている。D点水準まで時間があることから、ADラインおよびBDラインを割り込み、真横に新しいペンタゴンが描き足される可能性が残っているからだ。
なお、MACDは売りシグナルが点灯したのだが、その後はMACD自体とシグナルが重なり推移している。スローストキャスティックスの数値は徐々に下落しているが、80%台の買われ過ぎ状態は続いている。
ユーロ/米ドル(EUR/USD)ど真ん中の時間帯を通過
先週のレポートでは、ACラインに注目した。下値支持線ACラインを維持できることで下げ止まりから落ち着いた動きになることが期待されたからだ。実際には、A点以降、終値でもACラインを維持し下げ止まる気配を見せていたのだが、先週末にかけて再度ACラインに引き寄せられた。次の注目日は12月21日前後である。
A点水準:約1.055ドル
B点水準:約1.125ドル
今週のポイントは、落ち着いた動きになるのか否かということである。
あくまでも個人的見解
B点に注目したい。先週末にB点が位置するペンタゴンのど真ん中の時間帯に到達した。つまり、新しい流れが出るのか否かがポイントになるからだ。
値動きのポイント
下落エネルギーの強い相場が続いている。下値のメドは1.045ドル前後を考えたい。上昇エネルギーの強い相場に転換するのは赤丸水準の1.09ドルを終値で超えることである
現在のシナリオ
上値の重たい展開が続く可能性はある。下げ止まるのであれが、ABラインに沿って反発することが期待されたのだが、ABラインから下放れ、そして上ヒゲの長い陰線を示現した後に再び下落に転じ、ACラインに引き寄せられたからである。
第2シナリオ
落ち着いた動きになる可能性も残っている。ACラインが下値支持線になることが期待できる。また、B点が位置する時間帯が変化日となり流れが変わる、すなわち反発上昇に転じる
可能性もあるからだ。
なお、MACDは買いシグナルが点灯し、上値の重たい展開を示唆している。スローストキャスティックスの数値は上昇が続いていたのだが、50%台に乗せると同時に、上昇が鈍化してきた。