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ラキール Research Memo(6):2030年12月期に営業利益30億円を目指す

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■ラキール<4074>の中期経営計画

1. 基本方針
日本企業を取り巻く事業環境は、生産年齢人口の減少により従来の労働集約型の業務モデルが限界を迎える一方、人的資本の戦略的活用が企業の持続的成長における重要な経営課題となるなど、構造的な転換期を迎えている。さらに、AIの進化に伴い、企業のDX化やクラウド移行などのシステムモダナイゼーションへの投資が本格化している。こうした事業環境の変化を成長機会と捉え、同社は2026年12月期を初年度とする5ヶ年の中期経営計画を策定した。基本方針として、「業務×データ×AIプラットフォーム」企業(AX企業)への進化を目指し、もとよりAIを前提にしたLaKeel製品群のAI化を加速するとともに、AIを活用して顧客企業の業務自律化を促進する考えである。これにより、顧客が業務の生産性を飛躍的に高め貴重な人材を戦略的業務へシフトし、「人の創造力」と「AIの実行力」が連携する新しいビジネスモデルを構築することを支援する計画である。このため、プロダクトサービスを柱として強化し、2030年12月期に売上高200億円、営業利益30億円、ROE20%以上、プロダクトサービス売上比率70%以上を目指す。

製品戦略を軸に数値目標達成へ

2. 成長戦略
中期経営計画の数値目標を達成するため、製品戦略を軸に、営業・マーケティング戦略、人事・組織戦略、財務戦略を着実に実行する計画である。メインとなる製品戦略ではLaKeel製品群のAI化を加速するが、なかでもLaKeel HRのAIエージェント化、システム開発を自律化するLaKeel AI Platform、業務を自律化する(仮称)LaKeel Ontology Platformが中核となる。

(1) 製品戦略
LaKeel HRでは、人事業務の現場作業の約5割を占める「見えない業務(マイクロタスク)」を自動化するため、3層のAIエージェント(Decision、Process、Microtask)を実装する。これにより、2030年には人事業務向けに提供する機能のAI化率80%を目指し、使うほどに成長する「AI人事プラットフォーム」へと進化させる。LaKeel AI Platformでは、要件定義・設計(上流工程)から開発(下流工程)、品質保証、運用に至る全工程において、AIエージェントを統合して自律化を進める。既存のソフトウェア部品をAIが理解し、新たなビジネス要件を自律的に組み上げることで開発期間を70%短縮し、「ITをゼロから作る」時代を終わらせることを目指す。(仮称)LaKeel Ontology Platformは、開発したシステムによる業務を自律化するため欠かせない重要な基盤で、リリースが待たれる画期的な製品といえる。こうした製品戦略により、AIエージェントがシステム開発から業務までを自律実行できるようになり、顧客のシステム投資の効率や業務の生産性が飛躍的に向上する世界を目指している。

(2) 営業・マーケティング戦略
顧客基盤の拡大とARR(年次経常収益)の最大化を目的に、AIデモによるPoC※の獲得を推進する。また、営業組織を「新規開拓」「プリセールス」「既存拡大」「CS(カスタマーサクセス)」の4チームに分業化し、持続的なARRの積み上げサイクルの構築と最適化を図る。

※ PoC(Proof of Concept):概念実証。本格導入に入る前の検証プロセスで、効果が期待できれば本格導入につながる。

(3) 人事・組織戦略
全社員がAIを駆使し高い生産性を発揮する、AIハイブリッド人材化を推進する。AI人材の採用・育成を最優先課題と位置付け、各拠点での人材の採用・育成を強化して強固な開発体制を構築する。また、AI倫理やデータガバナンスに対応したガイドラインの策定など、AX企業として実効性のあるガバナンスと機動的な意思決定を両立する体制の構築も図る。

(4) 財務戦略
成長戦略を着実に遂行するため積極的な投資を実行するが、そのための主要原資を中期経営計画期間中に創出される営業キャッシュ・フローとする一方、資本効率の向上やM&Aに備え、有利子負債の活用や外部資金調達も柔軟に検討する。具体的には、LaKeel製品等の開発に約50億円を投じるほか、労働環境の整備、営業体制・開発拠点の拡充、AIハイブリッド人材の育成・採用など優先事項を決めて配分する方針である。また、成長投資との適切なバランスを追求するキャッシュ・アロケーションの方針に基づき、自己株式の取得などを通じた株主還元を実施する考えである。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田 仁光)
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