マツオカコーポレーション(3611)は、ユニクロ向けが売上の約6割を占め、年間5,000万枚超の衣料を生産する国内最大規模の縫製メーカー。中国、ミャンマー、バングラデシュ、ベトナム、インドネシアの5カ国に20工場超を展開し、企画から物流まで一気通貫で請け負う体制が強み。新中期経営計画「BEYOND2028」では、2029年3月期に生産枚数7,800万枚・売上高900億円を目標に掲げ、29期連続配当と配当性向35パーセントで株主還元も強化。国内の注目銘柄を紹介する新連載「ログミーFinanceの#銘柄発掘」。銘柄の選び方を学べます。
国内の注目銘柄を紹介する新連載「ログミーFinanceの#銘柄発掘」。ビジネスモデルやファンダメンタルズの分析を通じて、中長期で保有できる優良銘柄の見極め方が身につく実践的シリーズです。今回は、マツオカコーポレーションを取り上げます。
国内最大級の縫製ネットワーク、5カ国20工場超で年5,000万枚以上を生産
マツオカコーポレーション(3611)は、ユニクロを展開するファーストリテイリング向け製品を中心に、国内最大規模の縫製メーカーとして年間5,000万枚超の衣料を生産し、世界中のブランド向けに供給しています。なお、売上高の約6割がユニクロを展開するファーストリテイリンググループ向けとなっています。
世界市場は2032年に約2.3兆ドルへ、生産拠点の分散化が加速
世界のアパレル市場は2024年の約1.7兆ドルから2032年に約2.3兆ドルへ、年平均3.5パーセント成長が見込まれています。一方で人件費上昇や地政学リスクから中国一極集中を避け、ベトナムやバングラデシュなど複数拠点で調達する動きが強まっています。
一気通貫の請負体制で「品質」「コスト」「納期」を一括対応
同社は中国に加え、ミャンマー・バングラデシュ・ベトナム・インドネシアに自社工場を持ち、20工場超・約2万人の従業員で生産。また、企画段階からデザインや素材の相談に乗り、生地の手配、縫製、検品、通関・物流まで一気通貫で請け負う体制を整えています。この自社工場ネットワークと一気通貫の請負体制により、ブランド側は「品質」「コスト」「納期」を一括で任せることができます。多品種・大ロットをまとめて扱うことでスケールメリットが働き、国内外70社超のブランドのパートナーとなっている点がビジネスモデルの強みです。
新中計「BEYOND2028」で生産枚数7,800万枚、売上900億円を目指す
目下の成長ドライバーは、既存のユニクロ向けを中心に、新設したベトナムやバングラデシュ工場の稼働率を高め売上・利益を押し上げることです。新中期経営計画「BEYOND2028」では、衣類生産枚数を2026年3月期見込みの6,400万枚から2029年3月期に7,800万枚へ約22パーセント増やし、その多くをバングラデシュなどの新増設工場で賄う方針です。また、2029年3月期に売上高900億円・経常利益60億円を目標とし、2026年3月期見込みの売上740億円から約2割増の成長を目指しています。
29期連続配当、配当利回り約3.99%で株主還元を強化
株主還元面では、29期連続で配当を実施しており、2026年3月期の年間配当は1株90円を予想。新中期経営計画では配当性向35パーセントを目安に、業績に応じて株主還元を強化するとしており、足元の配当利回り約3.99パーセント(12月10日終値ベース)もインカムゲイン狙いの投資家にとって魅力的です。売上の多くをユニクロ向けが占めることは、ブランド側の戦略変更などの影響を受けやすいというリスクの裏返しでもありますが、世界衣料市場の成長とともに安定した利益成長を目指せる銘柄として、中長期の投資候補に検討できそうです。
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マツオカコーポレーションが登壇する12月20日(土)開催セミナー
タイムテーブル
・11:00~11:05
オープニング
・11:05~11:55
①コスモ・バイオ(3386)
・12:00~12:50
②ダスキン(4665)
・12:55〜13:45
③マツオカコーポレーション(3611)
・13:55〜14:45
④Macbee Planet(7095)
・14:55〜15:45
⑤ランドネット(2991)
・15:50〜16:40
⑥クイック(4318)
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マツオカコーポレーション、28年度の売上高900億円、経常利益60億円を目指す新中計発表 持続的成長可能な事業基盤確立へ
執筆者プロフィール

執筆:西田哲郎
ライター・コンテンツディレクター。投資歴15年。『神の手』の某社で大きな損失を出したことをきっかけにイナゴを卒業、ビジネスモデルとファンダメンタルズ重視の手法に切り替える。業界紙やスタートアップを経てフリーで投資情報メディアやM&A情報サイトの立ち上げに関わり、現在は主に週刊誌で投資や経済関連の記事を執筆。
※記事内容、企業情報は2025年12月5日時点の情報です。
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