2026年1月19日に発表された、平和不動産リート投資法人第48期決算説明の内容を書き起こしでお伝えします。
第48期決算説明
平野正則氏:みなさま、こんにちは。平和不動産リート投資法人を運営する、平和不動産アセットマネジメント株式会社代表取締役社長執行役員の平野です。みなさまには日頃より大変なご支援をいただき、この場をお借りして御礼を申し上げます。
平和不動産リート投資法人は、本決算発表をもって20期連続の増配を達成しました。これもひとえに、10年にわたるみなさまのご支援によるものであり、深く感謝申し上げます。今後も現状に満足することなく、一歩一歩着実な成長を目指していきます。
I 平和不動産リート投資法人の成長への取り組み
私たちの運用理念は「Steady Growth & Sustainable Profit」の実現にあります。つまり、着実な成長と持続的な収益を目指しています。不動産は浮き沈みが激しく、その価格や収益も大きく変動します。投資家のみなさまに安心して投資いただける環境を作ることが、最優先であると考えています。
この大方針のもとで最初に取り組んだことが、物件の入れ替えによるポートフォリオの強化です。NOI利回りを向上させるため、含み損のある物件を処分し、含み益を生む物件を確保してきました。
次に、合併により生じた負ののれんに由来する内部留保を活用し、分配金の安定的な維持と向上を図ってきました。これにより、投資口価格が大きく向上しました。
その後、バリューアップ投資により、物件ポテンシャルの顕在化とブラッシュアップを進めてきました。セットアップオフィスやリニューアルなどによるものであり、これらは昨今の売買市場における価格形成にも大きな影響を与えています。
そして、賃上げを通じて、金利上昇やインフレに負けないキャッシュフローの創出に努めています。
さらには、バリューアッド手法を用いた資産回転型戦略によって、成長資産の取得と投資主への還元を意識した譲渡益の確保を両立させています。
私たちは、時代の要請に応じた施策を迅速に実行していきます。
インフレと金利上昇は今後も確実に進行すると考えられ、投資家のみなさまが求める利回りも高まっていくと予測されます。
一方で、運営上のヒントも見えてきました。建築費の高騰により、再開発などによる再生産は困難な状況へと移行しつつあります。その地にしっかりと根づいている物件であれば、ライバルが突然登場して需要を奪うようなことも少ないでしょう。むしろインフレの波に乗り、賃貸収益を向上させることも可能になります。
私たちは、不動産価格が高騰する中でも特徴のある投資を行ってきました。東京都心で成長期待の高いレジデンスへの投資、都市としての魅力を増大させている大阪や、名古屋・札幌など地方中核都市における賃料ギャップのあるオフィスへの投資。好調な運営を続ける「船橋Faceビル」をモデルにした地域密着型の北千住・立川・八王子などのオフィスへの投資です。
今後も迅速な施策の実行を通じて、街の成長に寄り添いながら運用を続けていきます。
I 平和不動産リート投資法人の成長の軌跡

本決算期および来期以降の分配金についてご説明します。2025年11月までの本決算期である第48期は、前期より100円増額し3,950円としました。1年前の第46期と比較した年間分配金の成長率は8.5パーセントです。
また、現在進行中の第49期の業績予想は、前期比40円増額し3,990円に設定しました。さらに、第50期は前期比20円増額の4,010円としました。
今後も一歩ずつ着実な歩みを進めていきます。
I 平和不動産リート投資法人の成長

分配金の状況についてご説明します。本決算期である第48期の賃貸EPUは、物件売却の先行により前期比マイナス52円を予想していましたが、物件取得と内部成長によっておおむねカバーしました。また、売却益の拡大分を投資主還元に充当したことで、DPUは前期比プラス100円としました。
翌第49期については、金融費用の上昇があるものの、外部成長と内部成長でこれを打ち消す計画です。第49期の賃貸EPUは前期比プラス46円を見込み、DPU成長も同水準と予想しています。
第50期も金融費用が上昇するものの、着実な内部成長により、賃貸EPUは前期比プラス20円、DPU成長も同額を見込み、DPUは4,010円としました。
III NEXT VISION Ⅱ+

「NEXT VISION Ⅱ+」の進捗状況についてです。分配金は、目標とする4,200円が射程圏内に入ったと考えています。また、資産規模も着実に成長しています。賃料収入の年間成長率は2.3パーセントから3.3パーセントとなり、目標である5パーセントに向けて1パーセントポイントの前進を果たしました。
格付けは資産規模の拡大に伴い、目標に着実に近づいています。ESGについては、すでに目標を達成しています。
IV ポートフォリオの状況

ここからは、外部成長、内部成長、財務についてのご説明です。スライドは、ポートフォリオの推移を、含み損益率とNOI利回りの観点からグラフ化しています。着実にポートフォリオの良化が続いています。
また、ポートフォリオの良化と成長資産への入れ替えを両立させています。さらに、バリューアップ工事や賃上げによるキャッシュフローの向上を通じて、含み益の拡大に取り組んでいます。物件によっては、売却によってキャピタルゲインの獲得を目指していきます。
IV 外部成長 本決算期以降の取得概要

スライドは、本決算期以降に取得した物件についてまとめています。これらは、公募増資とそれによって生じた借入余力を活用して取得しました。取得価格と鑑定評価額との差額は35億円で、高い含み益を有する状況から運用を開始します。公募増資後、大阪のオフィス1棟と東京都区部のレジデンス5棟を取得しました。
IV 外部成長 取得の概要(前期決算発表後に公表した取得資産)

代表物件である「ルーシッドスクエア船場」についてご紹介します。本物件は、大阪メトロ中央線および堺筋線の堺筋本町駅から徒歩1分の場所に位置しています。駅前で視認性の高いオフィスビルであり、38台分の駐車場を備えており、地下鉄利用による交通利便性に加え、営業車を利用するテナントの需要にも対応可能です。
エントランスや各階水回りなどの共用部は、すでにリニューアルされています。そのため、賃料ギャップが15.2パーセントあり、今後の内部成長が期待されます。なお、CASBEE不動産評価認証制度で最高ランクである「Sランク認証」を取得しており、環境性能の高いオフィスビルです。
平和不動産リート投資法人は近年、大阪の都市としての成長性や将来性を見込み、オフィスビルへの投資を継続してきました。リニューアルを施された物件を購入することで、賃上げによるアップサイドを享受することに成功しています。本物件についても、リニューアルで生じた賃料ギャップを賃上げにつなげ、キャッシュフローの向上を目指していきます。
IV 外部成長取得の概要(前期決算発表後に公表した取得資産)

レジデンスは、成長が著しい東京都区部で築浅物件の取得を進めています。新型コロナウイルス感染拡大期間中に供給されたため、賃料ギャップが生じた物件をターゲットとしました。タイトに推移する賃貸マーケットを追い風に、キャッシュフローの向上を図っていきます。
IV 外部成長 スポンサーの販売用不動産

平和不動産の販売用不動産についてご案内します。スライドは平和不動産の決算説明資料を抜粋したものですが、ポートフォリオの入れ替え過程において物件売却益を獲得していく方針が示されています。
IV 外部成長 競争を排除した取得戦略① ‐スポンサーサポートの活用による普通借地権開発

普通借地権のレジデンス開発も着実に進捗しています。押上では新たな開発プロジェクトを開始しました。昨年取得した「HF押上レジデンス」と同じお寺を底地権者とする物件です。
IV 内部成長 オフィス運用状況

ここからは内部成長についてです。まず、オフィスの運用状況についてご説明します。
本決算期の期中平均稼働率は99.1パーセント、期末稼働率は99.4パーセントとなりました。保有物件が所在する全エリアで活況を呈しています。
IV 内部成長 オフィス運用状況

オフィスポートフォリオ全体における賃料増額率は年率3.51パーセントとなりました。第48期の半年間の成長率は1.96パーセントであり、これを単純に2倍すると4パーセントに迫る勢いです。
また、賃料ギャップも市場賃料の上昇や新規取得物件の効果により拡大しています。これは、今後の賃料増額の可能性が高いことを示しています。賃料増額改定の結果、賃料指数の伸びもしっかりと確認されています。
IV バリューアッド戦略(オフィス)

ここからは、オフィスにおける具体的な取り組みについてご紹介します。スライドは、「岩本町ツインビル」「HF池袋ビルディング」のセットアップオフィス化事例を取り上げています。賃料収入の拡大に伴い、含み益も拡大しており、バリューアッド運用の効果が明確に見られます。
オフィス賃貸市場において、セットアップオフィスの人気が高まっています。これは、従業員満足度を高めたいというニーズのみならず、リモートワークからの出社促進を目的とした移転や、スタートアップ企業の成長過程における短期間を想定した移転、既存オフィスからの長期使用を見据えた移転、テナント工事費の高騰や工期長期化を背景とする極力工事を伴わない早期移転など、さまざまなニーズによるものです。
これらにより、セットアップオフィスがオフィス移転の一般的な選択肢の1つとなっています。そのため、さらなるセットアップ対象の拡大を検討していきます。
IV 内部成長 オフィス運用状況

近年に取得したオフィスの賃料改定実績についてです。「HF名古屋錦ビルディング」の実績が顕著です。これは、取得直後にエントランスや水回りなど共用部のリニューアルを実施し、賃上げをお願いしたことが理由です。
また、取得したばかりの「パークイースト札幌」でも早くも大きな実績を上げています。札幌エリアでは、「HF北二条ビルディング」に続き2棟目のオフィスとなります。引き続き地域に根ざしていきます。
IV 内部成長 レジデンス運用状況

レジデンスの運用状況についてです。期中平均稼働率は96.3パーセント、期末稼働率は96.5パーセントとなりました。ファミリータイプおよびコンパクトタイプの稼働率が若干低下していますが、これはバリューアップを推進したためです。
IV 内部成長 レジデンス運用状況

賃料改定の状況ですが、増額改定の傾向が拡大しています。前期から通算した年間の賃料増額率は3.06パーセントとなりました。新規テナントにおけるタイプ別の変化率は、ファミリーがプラス24.6パーセント、DINKsがプラス16.4パーセント、シングルがプラス7.6パーセントとなっており、シングルタイプも賃料の上昇が顕著です。
将来の賃上げにつながる賃料ギャップも拡大しており、今後の賃料増額改定の蓋然性が高まっています。
IV バリューアップ戦略 ‐短期回収型(レジデンス専有部)

レジデンスのバリューアップは、効果の高い東京都区部のファミリー・DINKs向け物件を中心に実施しています。70平米前後の部屋においても、総額500万円程度とコストを抑えつつ、キッチン、バス、トイレなどの水回りを更新し、床、壁、天井をバリューアップしています。
3月に取得した「HF目黒行人坂レジデンス」では、稼働率と賃料の両面で成長が見られます。
IV 含み損益の推移

含み損益の状況です。物件の入れ替えに伴う含み益の顕在化が17期連続で続いています。一方、バリューアッド運用による賃料増額改定や新規物件取得の効果により、含み益額は過去最高を更新し667億円、含み益率は26.6パーセントとなりました。
IV 財務

続いて、財務状況についてです。借入金の残存年数と金利固定化比率は、前期比で同水準を維持しています。鑑定LTVは40.4パーセント、内部留保残高は60億4,000万円、フリーキャッシュは58億8,000万円となっています。
IV サステナビリティ

ここからは、ESGへの取り組みについてです。GRESB評価は「3スター」を維持しています。引き続き、グリーンビル認証の取得をはじめ、環境意識を高めていきます。
IV サステナビリティ

運用会社では、社員に対する健康経営を推進しています。また、女性の活躍推進や子育てサポートにも、引き続き力を入れていきます。
V 資産運用会社 社員インタビュー

働き方改革の進展や資産規模の拡大に伴い、若手社員を積極的に採用しています。社員インタビューのコーナーでは、彼らの率直な声を集めました。お時間がある際にぜひご覧ください。
平野氏からのご挨拶
本日は最後までお聞きいただき、ありがとうございます。私たちは、さまざまな環境の変化に応じ、その街にしっかりと根ざした不動産を育てていきます。
本日の決算発表を新たな第一歩と位置づけ、引き続き取り組んでいきます。平和不動産リート投資法人ならびに平和不動産アセットマネジメントを、どうぞよろしくお願いします。
