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原油価格100ドル継続で日経平均は35,000~53,500円!?現物買い余力は残したい

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前回のコメント「2026年の日経平均は50,500~59,000円!?イラク攻撃でヘッジ売りニーズも増す(2026年3月6日)」から大きく前提が変わりつつあるのが原油価格となります。トランプ政権が断行した「壮絶な怒り(エピック・フューリー)作戦」により、イランの最高指導者ハメネイ師が死亡したとの一報は、金融市場を「リスクオフ(回避)」に陥れていました。戦闘が長期化するにつれて、日経平均は2月下旬の高値59,000円超から一時51,000円を割り込むまで調整、ドル円も155円から160円近くまで円安に振れ、WTI原油先物は60ドル台半ばから100ドル前後まで上昇しています。

■日経平均50,500~59,000円の前提
原油価格の影響を見る前に、日経平均の想定レンジに対する前提を押さえておきましょう。2025年度通期および2026年度ともに様々な業績予想が出ていますが、今期が前期並みからやや増益、来期が10%成長と置いた場合、日経平均53,500円は来期予想PERで約18倍です。国内株価指数はPERで13~15倍のレンジが平均的という認識を持っており、そうであればPERの約18倍は、来期2026年度で前期比2割程度の増益が織り込まれているということになります。なくはありませんが、達成にはややハードルが高そうだなという印象です。
仮に、デフレ脱却や企業の株式市場への向き合い方の変化から、国内の株価指数の上限がPER18倍に切り上がっているとすれば、日経平均53,500円は上限近辺ながら妥当なレンジ内となります。繰り返しになりますが、ややハードルが高そうだなと想定しながらも、2026年度の利益成長が10~20%成長に切り上がれば、日経平均59,000円が意識されるということになります。
以上が通常時での相場予想となりますが、アメリカのイラン攻撃で不確定要素が増大しました。原油価格が1ドル100ドル前後ともなれば、製造業は5%程度の減益圧力が発生すると予想もあります。製造業の国内上場企業に占める利益の割合は4割強となりますので、数%の利益下押し要因になりそうです。5%成長のPER18倍となる50,500円~上記の59,000円という大きなレンジで予想を立てたのが前回まででした。

■原油価格100ドル継続で日経平均は35,000~53,500円!?
原油価格が10%上昇すると、日本の上場企業は純利益が1~2%減少するという予想もあります。現状、原油価格は5割強の上昇となっており、仮にこのままの推移だとしたら、10%の増益が吹き飛ぶということも視野に入れる必要ありでしょうか。来期の成長はなし(増益率は±0%)、成長プレミアムもないので日経平均のPERは15倍が中心であるとしたら、日経平均は41,000円程度が試算されることになります。上限を10%増益のPER18倍としたら日経平均は53,500円、下限を0%増益のPER13倍で同35,000円というレンジになります。

■大幅調整時の現物買い余力は残したい
原油価格は戦闘の行方次第となり、どこまで続くかは分かりません。そもそも仮に来年度いっぱい原油の流通が厳しいとなった場合、株価は試算よりも厳しい状況におかれるでしょう。様々なシナリオがあり過ぎて、難しいということであれば、現金化が一番単純です。落ち着いてから投資を再開するのです。ただ、危機のたびに現金化をして、落ち着いている時だけ投資をするというのであれば、腰を据えた投資などほぼ無理ですし、危機の際こそ株価が割安になります。

前回はリスクが顕在化すると想定して、個別銘柄のかぶオプのプットを買っておくことで保険をかけておくことも一考ですと述べました。具体的に挙げたのは、取引ランキング(想定元本ベース)のトップであるNEXT FUNDS日経225連動型上場投信<1321>のかぶオプです。信用売りの損失が理論上で無限大なのに対して個別株オプションが損失を限定できること、一般的に信用取引よりも高い資金効率を魅力として挙げています。今回も上記レンジの試算からは、下へのバイアスが強い状況も想定されますので、調整した場合の割安銘柄現物に現金を残しつつ、資金効率を考えて単純明快にかぶオプでヘッジを継続することも一考です。

なお、オプション取引は実のところ、色々な戦略を組むことが可能です。資源高メリット銘柄の「ターゲット・バイイング(原油高で業績へプラスに働く銘柄を、「安くなったら買いたい」と考えつつプレミアムを受け取る)=プット・オプションの売り」、資源高デメリット銘柄の「カバード・コール(原油高によるコスト増を現物株保有 +コールの売りで乗り切る)」、下落リスクをダイレクトに抑える「プロテクティブ・プット(株価急落に備える、最もシンプルなプット・オプションの買い)」などです。燃料費の急騰がプラスに寄与しやすいかぶオプ銘柄は三菱商事<8058>、マイナスに影響するであろう同銘柄は、日本郵船 <9101>、川崎汽船<9107>、NIPPON EXPRESS <9147>、日経平均が大きく動くのであれば寄与度の高い東京エレクトロン <8035>、アドバンテスト<6857>などが挙げられます。これらの銘柄の現物やかぶオプを組み合わせることで、相場環境や個別銘柄の特性に応じた柔軟なリスク管理や収益機会の創出が可能となります。

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