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PRONI、1Q売上+47.9%・営業利益+101.6%の大幅成長を実現 データ×AIと高ARPU戦略が奏功

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2026年5月14日に発表された、PRONI株式会社2026年12月期第1四半期決算説明の内容を書き起こしでお伝えします。

Purpose/Vision

柴田大介氏(以下、柴田):みなさま、本日はお集まりいただき、誠にありがとうございます。PRONI株式会社代表取締役CEOの柴田大介です。

小林亮氏(以下、小林):執行役員、経営企画部部長の小林です。

柴田:それでは、2026年12月期第1四半期の決算説明会を始めます。

まずは、PurposeとVisionについてです。Purposeは「中小企業の挑戦を支援し、日本経済の再成長に貢献する」、Visionは「受発注を変革するインフラを創る」と定めています。

26年12月期1Q 業績概要

第1四半期の業績概要についてご説明します。

スライド左側は売上高で、前年同期比47.9パーセントの増加により9億7,800万円となりました。右側の営業利益は前年同期比101.6パーセント増加し、第1四半期として1億5,400万円の利益を達成しています。

これらの成果は、当社の事業の方向性や戦略が数値として反映された結果と考えています。

26年12月期1Q 主要KPI推移

主要KPIについてご説明します。

スライド左側はマッチング成立数です。第1四半期は4万3,000件を超える数字を記録し、昨年から順調に伸びています。

中央は、当社の売上における受注企業ARPUの推移です。第1四半期は384万円となり、こちらも順調に伸ばすことができています。

右側は、後ほどご説明しますが、全体売上に占めるリカーリング売上の推移です。第1四半期は82.2パーセントで、売上を伸ばす中でもリカーリング売上のシェアを維持することができています。

26年12月期1Q Executive Summary

第1四半期のエグゼクティブサマリーです。業績に関しては、売上高・利益ともに前年比で大幅な成長を実現しました。売上高が47.9パーセント伸びる中、高い収益性も継続しています。売上高以上に営業利益を大きく伸ばせたことは、非常に良い結果だと考えています。

2026年12月期の通期業績予想についても、第1四半期の結果を見る限り、着実に進捗していると考えています。今後の成長戦略については、最終パートでご説明しますが、昨年度から継続している再現性の高い施策とAI活用を軸に、巨大市場を着実に開拓していきます。

Agenda

アジェンダです。第1四半期業績、通期業績、今後の成長戦略についてご説明します。

26年12月期1Q 業績概要

第1四半期の業績について、再掲になりますが、売上高は9億7,800万円となりました。

DXコンシェルジュを軸とした発注の獲得経路を多層化することに成功しました。その結果、マッチング成立数を伸ばしただけでなく、受注企業さまの予算増を実現し、受注企業ARPUを大きく伸ばすことができました。引き続き、リカーリング売上比率も維持することができています。

営業利益については、売上の伸びを上回る結果を達成しました。詳細については後ほどご説明しますが、第1四半期において、前回の発表でご説明した採用強化も順調に進展しつつ、利益率を維持できており、良好な結果だと考えています。

繰越欠損金があるため、税前利益よりも当期純利益が大きくなる状況は、引き続き今年度も継続する見込みです。

受発注双方への戦略展開が売上増を実現

受発注双方への戦略展開についてです。

当社は、発注企業の発注数を増やすことで、マッチング成立数を増やすことが可能です。その結果、受注企業ARPUが伸長し、売上につながります。

発注数の多様化に関しては、10年来継続しているオウンドメディア(オンライン)、ROIを重視したデータドリブン広告(オンライン)、DXコンシェルジュ(オフライン)など、多様な発注獲得経路を活用することで発注件数を増加させています。

結果として、マッチング成立数を前年同期比でも大幅に増加させることができました。受注企業ARPUについては、最終的に74.4パーセントの伸びを達成しています。

高ARPU企業への注力が売上増を牽引

高ARPU企業への注力が売上増を牽引する理由についてご説明します。スライドのコホート図は、最も濃いピンクの部分が、月間で200万円以上の売上をいただいている受注企業さまによる売上です。第1四半期においても、この部分を順調に伸ばすことができ、全体の売上を押し上げています。

三方良しの好循環についてです。受注企業さまに関しては、当社が継続してマッチングの質にこだわったリードを提供しているため、結果として予算のご計上をいただいています。

発注企業さまに関しては、当社のプラットフォーム上には数多くのプロダクト会社さまがいらっしゃいます。その中で、最も発注者さまに適した受注企業さまをマッチングしています。このことで満足度が向上し、継続利用につながっています。

すべての選択肢を紹介するのではなく、最もマッチングの質にこだわった受注企業さまをマッチングすることで、発注者さまの満足度も向上しています。

当社としては、高い品質にこだわったマッチングを行うことで、事業の効率や生産性を向上させ、プラットフォームの信頼性を高めることができています。高ARPU企業に注力することが、結果として三方良しにつながっていると考えています。

受注企業ARPUと売上増の源泉となる「マッチングの質」

マッチングの質についてご説明します。中央に記載しているのは、当社が蓄積しているマッチングデータをもとに構築された、AIによるマッチングシステムです。スピード感のある即時マッチングで、発注者さまに適したタイミングでのマッチングを実現しています。

紹介方法は、商談のアレンジです。適正価格の追求では、プライシングもシステムにより最適化されたものを提供しています。紹介件数については、最適な件数を紹介しています。

その結果、受注企業さまの満足度が高いマッチングが増え、受注企業さまの顧客満足度が向上し、予算拡大やサービス拡充へとつながっています。

発注者さまについては、即時マッチング、商談のアレンジ、適性紹介数などをさらに向上させる取り組みを進めています。発注者さまの満足度が上がることで、顧客満足度と受注企業さまの満足度の向上にも寄与し、結果として現在の売上増加につながっていると考えています。

「継続収益」による強固な売上基盤を構築

利益率を高く保てている要因の1つについてご説明します。売上のうち、当社が安定収益と捉えているリカーリング売上が80パーセント近辺で維持されています。そのため、売上増に伴い、利益も着実に積み上がっています。

当社の収益の多くは「マッチング課金」モデルです。これは、紹介の都度、従量制で料金をいただく仕組みです。

そのマッチング課金のうち、リカーリング性有りと定義しているのは、月額10万円を半年間継続して利用いただいている受注企業さまの売上を指します。マッチング課金全体のうち、リカーリング性有りが8割を占めています。

「月額課金」は、その名のとおり、半年契約や1年契約の月額固定でいただいている売上です。

これら2つを足し合わせた比率は、スライド左側のグラフのとおり、継続して80パーセント近辺を推移しています。このように安定収益を確保することで、売上を伸ばしつつ収益構造を維持できていると考えています。

費用の推移

スライドの棒グラフは、2022年度から2026年度第1四半期までの費用の推移を示しています。まず注目していただきたいのが、赤色の折れ線グラフで表される人員数です。

前回の発表でもご説明しましたように、第1四半期において前倒しで採用を進めており、特に今期はDXコンシェルジュの採用を強化しました。この採用活動は順調に進み、折れ線グラフのとおり人員数は増加しています。それ以上に売上も順調に伸ばすことができました。

棒グラフの中で、最も濃い色の部分が重要なポイントとなります。人件費率については、前期通期の35.7パーセントから現在の32.1パーセントまで、人員数を増やしながらも低下させることができています。

外注費については、前期通期の4.9パーセントと比較し、今期は8.4パーセントに増加していますが、こちらは外部パートナーによる発注獲得に伴うコストです。売上に直結するコストであるため、外注費が増加した分、売上も伸長しています。

売上高コスト比率の抑制を継続しながら、今後のコスト見通しも適切に立てていきたいと考えています。

KPIの推移①

KPIの推移です。スライドでは、マッチング成立数、売上高、売上高のうちのリカーリング売上などの数字を昨年の第1四半期と比較して掲載しています。詳細はお時間のある時にご覧ください。

KPIの推移②

2つ目のKPIについてです。月額10万円以上の企業の売上高、受注企業ARPU、課金受注企業数を掲載しています。

課金受注企業数に関して、ご質問をいただくことがあるためご説明します。先ほどコホート図のところでお伝えしたとおり、私たちは高ARPUの企業、つまりプラットフォームの方向性を理解し、発注者さまの満足度が高い企業に注力しています。

その結果、売上とARPUを伸ばすことができていますが、現時点では課金受注企業数を追う方針をとっていないため、このような結果になっています。

26年12月期 通期業績予想概要

これらを踏まえ、2026年度の通期業績予想についてご説明します。今期の通期業績予想についてです。売上高は43億4,300万円で前年比34.3パーセント増、営業利益は8億1,200万円で前年比119.6パーセント増を見込んでいます。

今年度も持続的な売上増と、売上成長を上回る利益増を計画しています。今回の第1四半期決算では、2月に公表した通期業績予想を継続する方針です。第1四半期を中心とした積極的な成長投資は順調に進捗しており、その効果は第2四半期以降にさらに発現する見通しです。

今期の計画も順調に達成していきたいと考えています。第1四半期は順調に進捗しています。高いマージン構造と高利益率を維持しつつ、今後の成長投資についても慎重に検討していきたいと考えています。

高マージン構造が支えるPRONIの利益構造

高マージン構造について、詳しくご説明します。売上高は、リカーリング性があり、積み上がる構造です。投下費用が着実に売上増につながる仕組みを引き続き追求していきます。

費用について、基本的に発注獲得コストを投じた分がそのまま売上につながるビジネスモデルとなっています。発注獲得コストは固定費の要素が強いため、売上比で同じ割合で伸びるものではありません。

第1四半期の結果においても、売上が伸びた分、営業利益率の改善が進められると考えています。したがって、2026年度通期については、前年比119.6パーセント増の営業利益を着実に達成できると見込んでいます。

(再掲)業績予想に関する留意事項

2月に発表した業績予想に関する留意事項の再掲です。季節性については現時点ではありません。

成長投資の方針については、こちらに記載のとおり、第1四半期の採用強化に関して計画どおりに進捗したと考えています。引き続き、今期の計画を着実に進めていきたいと考えています。

再現性の高い施策とAI活用を軸に巨大市場を着実に開拓(戦略の全体像)

今後の成長戦略については、再現性の高い施策とAI活動を軸に、巨大市場を着実に開拓していきます。

市場については、後ほど詳しくご説明します。発注企業側は、日本全国の中小企業336万社のうち、8割がDXを未導入の状態です。受注企業側においては、当社が注力しているDX、SaaS、AIの市場が、今後1.5倍から3倍の成長を見込んでいます。

この巨大な市場に対して、当社事業の戦略は、スライド下部に記載のとおり、発注者さまの獲得チャネルを多層化し、多くの方に利用いただけるようにすることです。

その上で、マッチングデータを基にした独自のAIシステムによりマッチングの質を向上させ、満足度の高いリードを提供することで、受注企業さまのARPUを引き続き向上させます。シンプルではありますが、今期もこの戦略のもと、順調に売上の成長を目指していきます。

DX領域に特化し、広大なポテンシャル開拓を図る

市場の詳細についてご説明します。DX領域に特化し、広大なポテンシャルの開拓を図っていきます。

発注企業側については、日本企業の99パーセントを占める中小企業336万社のうち、DX未導入の企業がまだ8割存在しています。

受注企業側については、DX、SaaS、AIの各市場が2029年から2030年にかけてさらなる成長が予測されており、当社としてもこの成長市場に切り込んでいきたいと考えています。

広大な市場ポテンシャルを着実に取り込むための現行戦略の加速

発注企業のチャネル強化についてです。新規顧客に関しては、昨年度1年間で5万社の新しいお客さまにご利用いただきました。この点に関しては、オウンドコンテンツの強化やターゲティング広告を進めていきます。既存顧客は現在25万社で、DXコンシェルジュが対応しています。

受注企業については、新規顧客の領域はまだ成長の余地が広がっています。スタートアップの中でも、新たにDX関連のプロダクトを作っている企業が多数存在しますので、そのような新規顧客にプラットフォームをご利用いただきたいと考えています。

既存顧客に関しては、実績として年間でARPUを69.1パーセント伸ばすことができています。引き続き、「マッチングの質」にこだわることで、さらなる受注企業さまのセールスアンドマーケティングコストの獲得を図りたいと考えています。

不可逆なDX需要拡大を捉え、あらゆる発注を獲得する持続成長モデル

発注の獲得経路をより詳しくご説明します。

左側には、構造的な発注増について記載しています。右側には多層チャネル戦略を、縦軸が新規顧客と既存顧客、横軸がオンラインチャネルとオフラインチャネルとして表現しています。この4層をうまく活用していることが、当社の強みだと考えています。

オンラインチャネルでは、年間5万件、月間に換算すると約4,000件の新規顧客がWebから発注を行っています。

オフラインチャネルでは、直接の営業担当、すなわち人的な部分により発注を獲得します。また、外部パートナーからの紹介による発注者さまの獲得が進んでおり、オフラインチャネルでも新規発注の獲得が進展しています。

その結果、現在では25万社の発注会員基盤を有しており、スライド左下にあるように、当社のサイトやマイページの強化により、オンライン経由やサービスサイト経由で自然にリピート注文をいただける顧客が増えています。

現在、最も伸びているのは右下に示されている領域です。DXコンシェルジュによる追加リピート注文の促進が、発注件数の増加につながり、結果としてマッチング成立数を拡大させています。

DXの伴走が必要な企業にもリーチ可能な独自の発注獲得チャネル

発注獲得経路やパターンについて、スライドに記載しています。縦軸にDXの関心度が高い・低い、横軸に伴走の必要性が低い・高いとして表しています。

中小企業の8割がまだDX化を進めていない状況です。一方で、ほとんどの中小企業がDX化に興味をもち、導入したいと考えています。そのような企業に対して、オンラインやオフライン双方で対応を行っていますが、伴走支援を実施することで発注案件を拡大し中小企業の経営の効率化が進むと考えています。

そのため、当社ではDXコンシェルジュを強化しています。この取り組みを通じ、潜在的な顧客層を取り込むことで、引き続き発注案件を増加させていきたいと考えています。

AI活用により、売上・利益成長をドライブする

今期方針として、引き続き「AI」を掲げています。PRONIでは昨年、一昨年からAI活用に取り組んでいますが、競争環境の関係上、具体的な内容については言及しづらい部分もあります。

2025年度において、年間を通じて「データ×AI」も活用することで得られたアウトプットの数字、つまり成果として、顕著な伸びを記録しましたので、あらためてスライドに掲載しています。

発注獲得の加速においては、当社が活用しているデータとAIモデルにより、発注企業へのアプローチの質を向上させるとともに、DXコンシェルジュの業務を効率化し、マッチング成立数を年間を通じて40パーセント以上伸ばすことができました。

マッチング成立数の増加が売上成長に貢献し、売上高は前年比47.1パーセント増となりました。

生産性向上に関しては、データとAIの活用により売上を伸ばしつつも、人件費率を前年比で13.8パーセント削減することができました。利益成長にも寄与し、利益率の大幅な改善を実現しています。

このように、データとAIを活用して生産性を向上させるとともに事業を加速させてきたことが、昨年度の成果として表れています。

今期についても、当社にはさらに取り組むべき余地が多く残されており、解決したい課題が多数あります。そのため、戦略の一環として引き続き「データ×AI」を活用し、生産性の向上と売上拡大を目指していきます。

私からのご説明は以上です。ご清聴いただき、ありがとうございました。

質疑応答:200万円以上の顧客増加の要因について

小林:「スライドの図にあるとおり、月間200万円以上の顧客が非常に増加している状況です。最初は小規模で取引を始めた顧客が200万円以上に育っているのか、それとも最初から大企業をターゲットにしているのでしょうか?」というご質問です。

柴田:結論からお伝えすると、前者で、徐々に金額を増やしていただいています。導入時の初期予算は数十万円から始まることが多く、それは、受注企業さまが「まずは試してみたい」という気持ちを抱いているためです。

仮に月次の初期予算がいきなり200万円程度になる場合、初月から非常に多くの案件をお渡しすることになります。当社の提案する三方良しを実現するためには、受注者さまが発注者さまに対してきちんと対応していただけるか、きちんと連絡を取り、製品の説明をしっかり行っていただけるか、などを丁寧に調整することが重要です。従って、初月は小さい規模からはじめ、三者が満足する形で徐々に金額を増やしていくことが大半となります。

それらは、受注企業さまのインサイドセールス体制が整っていなければ担保できず、発注者さまの体験も向上しません。受注企業さまとしても、自身の体制を整え、当社のお客さまに対応した上でコンバージョン率(CVR)や数字を確認していただかなければ、当社の費用対効果を十分に評価することは難しいと考えています。

基本的には、まず数十万円からスタートし、その後100万円、200万円と増えていきます。現在最も多いのは200万円以上のお客さまで、さらに昨年1年を通じて一緒に伴走することで、最終的には非常に大きな金額まで成長させることができました。

質疑応答:発注取得におけるオンラインとオフラインチャネルの比率と傾向について

小林:「発注取得において、オンラインチャネルとオフラインチャネルの比率はどの程度でしょうか? また、傾向はどうなっていますか?」というご質問です。

柴田:戦略上、詳細な数字の割合は公表していませんが、イメージとしては、オンラインチャネルとオフラインチャネルがほぼ半々程度であるとお考えください。

傾向としては、現状では、人を介したオフラインチャネルのほうが追加発注を中心に、比率が増加傾向にあります。

当社の強みは、発注獲得経路をミックスできる点にあります。状況によっては、オンラインのPPC広告だけでなく、SNS広告などのチャネルを活用し、四半期ごとに状況を見て調整することが可能です。

このように比率をコントロールしながら、売上の成長と利益率の担保を両立させる方針で進めていきたいと考えています。

オンラインチャネルとオフラインチャネルの比率は半々程度ですが、伸びているのはオフラインです。

質疑応答:DXコンシェルジュの伴走支援の料金体系について

小林:「DXコンシェルジュの伴走支援は、売上が発生するものなのか、それとも無料サービスなのでしょうか?」というご質問です。

柴田:コンシェルジュに関しては、現在完全に無料で実施しています。DXコンシェルジュの人員を増やし、完全に無料提供している状況でも、現時点の売上と利益率を維持しています。

売上に占める発注獲得費用においても、DXコンシェルジュの費用は、人件費ベースで考えてもかなり少ない状況です。現時点では、発注者さまから料金をいただかなくても、現状の売上や利益を十分に維持できる仕組みとなっているため、無料で提供しています。

今後の展開として、発注者さまの導入支援のさらに先の段階についてもご要望をいただいており、そのようなかたちで発注者さまから料金をいただく機会も十分にあると考えています。

質疑応答:アンソロピック・ショックによるSaaS企業の動向とその影響について

小林:「今年2月頃からのアンソロピック・ショックにより、SaaS企業の衰退が危惧されています。顧客にはSaaS企業が多い状況ですが、今後の動向についての懸念はありますか?」というご質問です。

柴田:結論からお伝えすると、カテゴリや用途によって大きく異なるため、全般的に懸念があるかないかについて一概に回答することは難しい状況です。

足元の実績としては、当社のプラットフォーム上でご活躍いただいている受注企業さまにおいては、セールスアンドマーケティング費用に影響は出ていません。

実際、上場されている企業においても決算が発表されており、その内容を当社も確認していますが、現時点では特に影響は見られません。

ただし、SaaS業界全体にどのような影響が生じるかは現時点では見極め切れないため、注視していきたいと考えています。しかしながら、足元では当社が注力しているプラットフォーム内で特別な影響は確認されていません。

アンソロピック・ショックについては、いくつか懸念が分かれると思いますが、そもそも、SaaSを使わなくなるのではないかという懸念があるかと思います。しかし当社では、昨年度には有料のSaaSを約30種類利用していましたが、第1四半期には約60種類にまで増加しました。

当社には数十名のエンジニアが在籍し、AIを活用して自社プロダクトを開発しています。ただし、たとえAIを活用してプロダクトを簡単に作れるようになったとしても、エンジニアの工数は自社事業に充てるべきと経営判断しています。

さらに、現在利用しているSaaSを仮に自社開発できたとしても、その後のメンテナンス、保守、セキュリティ確保、データ蓄積などの工程を自社のエンジニアで対応することは、当社として経営判断上行うつもりはありません。

そのため、現在当社が活用しているSaaSは、非常に高い価値があると判断しています。日本全国の中小企業の約80パーセントはまだSaaSを導入していない状況であり、今後これらの導入が進むと考えています。

質疑応答:AI検索の影響と発注プラットフォームの役割について

小林:「AIの影響をどのように捉えているでしょうか? 極論すると、AI検索によってIT企業を自分で探せるようになることも考えられるでしょうか?」というご質問です。

柴田:私の考えをいくつかに分けて回答します。

AIのオーガニック検索への統合によって、検索の世界観は確かに変わったと思います。みなさまもご利用いただければおわかりになると思いますが、検索結果として一番上に表示されるものの影響は、確実に現れていると感じています。

当然、当社のサービスサイトの検索結果にも影響が出てくる可能性があります。我々としては、サテライトサイトをはじめ多数のサイト構築、さらにPPC広告の強化によって、オンラインの発注件数を維持しています。

AI検索によって、自社サイトや製品サイトに影響を受けているケースもあると考えられます。そうした場合に、代替されるリードの獲得手段や発注獲得手段としてPRONIが選ばれていることは、追い風になっていると考えています。

検索ではなく、例えば「ChatGPT」のような生成AIによって発注先を探すことができる時代が訪れるか、という観点については、前提として生成AIが提供する情報は基本的にインターネット上の情報に基づいたものです。

そのため、生成AIを使えば、従来の検索と同様の成果は得られますが、それでも対応しきれない部分はあり、そのために我々のようなプラットフォームを利用していただく価値があると考えています。

特に、自身で要件定義ができない、発注の課題はあるものの解決方法が見つからないといった場合には、コンシェルジュがいることで曖昧な発注の経営課題を解決に導けます。AI検索によって、すべての企業が適切なパートナー企業を探し出せる時代が来るとは現時点では考えていません。

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