2026年5月22日に発表された、株式会社インティメート・マージャー2026年9月期第2四半期決算説明の内容を書き起こしでお伝えします。
INDEX
簗島亮次(以下、簗島):株式会社インティメート・マージャー代表取締役社長の簗島です。本日は2026年9月期第2四半期決算について、スライドに沿ってそれぞれのパートをご説明します。よろしくお願いします。
Mission

はじめに会社紹介です。最近株主になっていただいたみなさまのために、当社がどのような事業を行っているのかあらためてご紹介します。創業以来、インティメート・マージャーは「データ活用における革命を起こす」をミッションに掲げて事業を行っている会社です。
データを活用したマーケティング基盤であるデータマネジメントプラットフォーム(DMP)を提供することにより、世の中のデータ活用やデータドリブンによる意思決定の普及を目指しています。より効率的でシンプルに意思決定できる環境を構築することで、より良い社会の実現を目指している会社です。
最近ではデータ活用やデータ提供先としてAIが増えてきています。インティメート・マージャーとしては、「データ活用における革命を起こす」というミッションが、形を変えながら広告やマーケティング以外の領域にも広がっていることを実感する機会が増えています。
企業沿革

沿革です。インティメート・マージャーは2013年に創業し、データマネジメントプラットフォームの提供・運用・開発を行ってきました。国内DMP市場では導入シェアナンバーワンを達成しています。
最近ではDMPを提供する領域が広がり、もともと取り組んでいたアドテクノロジー、インターネット広告の分野から、クロステックと言われる多様なテクノロジーやDX(デジタルトランスフォーメーション)、IT化、AI化が進む産業に事業を拡大しています。
また、データのインフラを提供する会社として認識される企業も増えてきており、あらためて事業を成長させるフェーズに入っていると考えています。
代表のご紹介

簡単に自己紹介をします。私はインティメート・マージャーの創業以来社長を務めており、これまでデータやAIに一貫して関わってきました。ビジネス領域においても、データやAIを活用し意思決定を広げることに、個人また会社として取り組んでいます。
インティメート・マージャーの基盤技術

当社のサービスをご紹介します。当社は類似した事業を展開している企業が少なく、珍しい事業を行っているとよく言われます。
スライドに当社の事業をまとめています。インティメート・マージャーは、スライド中央の「IM DMP/CDP/CMP」という基盤技術を通じて、当社のデータを活用した商品開発やマーケティング、事業の開発などをお手伝いしている会社です。特に、サードパーティデータと呼ばれる、世の中に存在するさまざまなデータを持つ企業と、そのデータを利用したい企業をつなぐ事業を主に展開しています。
どのようなデータを保有しているかについては、スライド左側の丸がたくさん並んだ図をご覧ください。もともとはインターネット広告のデータで、「Webの人流データ」と表現されることもありますが、私たちはインターネット上の行動データを数多く保有しています。
そのデータを使ったターゲティング広告を実施できる環境を提供するところから始まり、現在では、私たちのデータにはBtoBの営業支援データとして営業活動を効率化できるものや、オフラインの情報として特定の場所を訪れた人流データのようなものも含まれています。
さらに、POSデータと呼ばれる購買データも統合して、オンラインとオフラインのデータを分析し、マーケティングや商品開発に役立てる環境を提供する機会が増えてきました。
ただし、創業時から開発を進めてきた基盤技術は、今でも変わらず大きな役割を果たしています。この基盤を応用できるサービスの範囲の広さが、当社の大きな強みであると考えています。
ビジネスモデル

ビジネスモデルについて説明します。若干変化している部分もありますが、全体像を示します。インティメート・マージャーは、「IM DMP」を中心にインフラを提供するサービスや、分析やデータ活用が可能なスタッフを提供し、導入支援まで行うサービスも展開しています。
昨今は世の中のデータ活用のレベルが上がり、生成AIが普及していることにより、“インフラ型”のサービス提供が増加しています。現在はインフラ型と“マネージド型”のサービスを、販売パートナーや代理店を通じてクライアント企業にご利用いただいています。その対価をいただくビジネスモデルです。
提供ソリューションの詳細

提供しているソリューションは、「データマネジメント・アナリティクス」「Performance DMP」「マーケティング支援」です。先ほどのインフラ型サービスだけでなく、マネージド型サービスも提供しています。今後、インフラ型サービスにより注力していくことを検討しています。
「Performance DMP」は、マネージドサービスよりもお客さまに工数をかけず、導入コストを抑えて提供するサービスです。ソリューションとして、お客さまの負担を軽減しながら導入件数・導入回数を増やしていきます。
また、先期まで「Select DMP」と記載していた領域は、データマネジメント・アナリティクスに統合しました。今後は、クロステックやAIの領域に注力し、データマネジメント・アナリティクスのデータインフラの提供を強化していく予定です。
全社業績サマリー

ここからは、今期の進捗をご説明します。全社業績は、2期連続で半期売上高と営業利益の過去最高を更新しています。背景としては、スライドに記載のとおり、インフラ型およびストック型の売上が伸びています。我々のサービスを導入いただく企業が増加しており、営業利益率も向上しています。
マーケティング支援の領域については、最近、セルフサービス型と呼ばれる、あまりリソースをかけずにお客さま自身でサービスをご利用いただく事業領域が伸びています。全体的に、売上の伸び率に対して営業利益の伸び率が高くなっています。
最近の円安の影響でサーバーコストなどが上昇していますが、抑制がうまくいっており、全体として堅調に推移していると考えています。
当四半期のKPI

それぞれの事業領域のKPIについては、スライドに記載のとおりです。決算資料にも事業利益の詳細を記載しています。
データマネジメント・アナリティクスは非常に堅調で、売上高・利益・アカウント数・単価のすべてで伸びています。「Performance DMP」およびマーケティング支援の領域に関しては、アカウント数は横ばい傾向ながら、売上高・利益・単価は上昇しています。
また、当社のサービスをうまく活用いただき、サービスの価値を感じているお客さまも増えてきていると実感しています。事業自体も浸透してきており、今後は新規アカウントの獲得や成長を見込む事業領域において、現在の受注傾向を継続していきたいと考えています。
P/Lサマリー

ここからは数値の詳細をお話しします。第2四半期の業績では、売上高が前年同期比6.8パーセント増加し、着実に伸長しています。また、売上総利益率は前年同期比で0.8パーセント改善しました。今後はストック型や、利益率が高く収益性の貢献度が高いサービスの割合が伸びていく予定であり、進捗は順調です。
販管費については、将来に向けた販促費などに積極的に活用しています。これにより、成長しながら投資も進めることができています。また、2期連続で半期ベースの過去最高となる売上高と利益を実現できたと考えています。
ソリューション別売上高(四半期推移)

ソリューション別の売上はスライドに記載のとおりです。マーケティング支援領域はやや凹凸があるものの、全体的に堅調で、第2四半期も順調に推移しています。
ソリューション別では、データマネジメント・アナリティクスはポストCookie領域でのインフラとしてデータ利用量の需要が拡大しており、着実に売上基盤が成長を続けています。マーケティング支援でも受注工数の少ないセルフサービス型の提供が伸びており、当四半期の需要期に適切に売上を取り込むことができた結果、売上が大幅に増加しています。
「Performance DMP」については、単価・売上・利益率が上昇しています。この背景には、不採算案件をある程度絞ることで利益率や売上を高めたことに加え、新しいアカウントの受注方法を開発したことが挙げられます。減少傾向は下げ止まりを見せており、今後も売上成長が維持できると考えています。
ソリューション別限界利益(四半期推移)

ソリューション別限界利益の推移です。傾向はそれほど変わりませんが、利益面では、収益性の高いデータマネジメント・アナリティクスが利益を牽引しています。
ソリューション別では、主力のデータマネジメント・アナリティクスでポストCookieのデータ利用の需要が引き続き伸長しており、限界利益は前年比14.2パーセント増の1億4,500万円となりました。
「Performance DMP」は、広告配信運用の見直しや不採算事業の選別を行い、利益率が大幅に改善しました。限界利益は前年同期比74.1パーセント増の1億1,400万円となり、大幅な増益を実現しました。マーケティング支援についても、前年を上回る利益水準を維持できています。
すべてのソリューションで利益が前年同期を上回り、限界利益ベースで収益性が改善されている点を示すことができたと考えています。
アカウント数(四半期推移)

アカウント数についてです。全体としては、棒グラフの青色で示す「Performance DMP」が非常に大きく、先ほどのサマリーでもお見せしたデータマネジメント・アナリティクスは増加しています。「Performance DMP」とマーケティング支援は、単価が上昇する一方で減少傾向にあります。
一番注目していただきたいのは「Performance DMP」の領域です。アカウント獲得手法の改善や新しいサービスの提供により、足元では下げ止まりの傾向が見られています。今後は単価の向上と高収益の体制を維持しながら、新規獲得が可能な体制への強化を進め、アカウント数の増加を目指していきます。
平均単価(四半期推移)

単価については、各領域で上昇傾向にあります。スライド下部の「Performance DMP」も増加傾向にあり、データマネジメント・アナリティクス領域でも当社のサービスをご利用いただく企業が増えており、単価が上昇しています。
平均単価も前年同期比で8.8パーセント伸び、アカウント数だけでなく質も向上しています。今後は、より高い単価で当社のサービスを重点的にご利用いただけるお客さまを増やし、全社としての限界利益や利益率の向上を図り、過去最高の収益・売上を目指していきたいと考えています。
FY2026通期業績予想の進捗

通期業績予想についてです。第2四半期を終えた時点で、売上高が進捗率48.8パーセント、営業利益が55.8パーセント、経常利益が57.1パーセント、当期純利益が59.4パーセントと、事前の社内計画どおり順調に進んでいます。
これまで当社の業績は、顧客企業の需要状況に左右されやすいマーケティング支援が影響を受け、時期による変動が見られました。しかし、注力しているデータマネジメントなどストック型ソリューションへの移行が計画以上に進んだことで、年間を通じた業績の平準化がかなり進展しています。
その結果、各利益項目は通期達成予想に対して55パーセントを超えており、通期業績目標達成に向けて極めて良好な状況にあると考えています。
市場環境の変化

成長戦略についてご説明します。インティメート・マージャーは、生成AIの普及に伴い、データ活用の需要が拡大していることを強く実感しています。我々が掲げていたミッション「データ活用における革命を起こす」についても、生成AIの広がりによって世の中に浸透してきていることを体感する機会が増えています。
アドテクノロジーの領域だけでなく、さまざまな分野で当社のインフラを活用した事業開発や、データのサービス化に関して、多くのお客さまからご相談をいただくことが増加しています。
インティメート・マージャーとしては、もともとアドテクノロジーの一領域で事業を展開していましたが、全社的に生成AIにデータを提供し、AI-Readyデータの提供を実現する会社として、成長をさらに加速させていきたいと考えています。
生成AI事業の市場規模

みなさまもご承知のとおり、生成AIはこれから大きく広がっていく分野です。従来我々が属していたインターネット広告の世界と比較しても、生成AIの市場規模は飛躍的に成長しており、我々が保有するデータも、国内にとどまらず世界中でニーズが広がっていくのではないかと思っています。
生成AIにデータを活用し、AIエージェントにデータを組み込んでいく事業を拡大させることは、当社の事業領域において非常に重要であり、大きな手応えを感じています。
中長期成長のイメージ

我々のアドテクノロジー領域では、データを活用した意思決定が広がりを見せています。業界ではエージェンティック広告と呼ばれる分野で、より人間が介在せず、生成AIや媒体が持つAIがデータを選択して効率化を図るものです。
このような、「人間は意思決定には関わるが作業には関わらない」という動きは、当社のセルフサービス型サービスの需要が伸びている傾向と同様に、世の中でも広まりつつあります。
この傾向はアドテクノロジー以外の領域にも波及していくと考えています。当社の基盤サービス「IM DMP」が大きく広がり、事業領域の拡大や売上への貢献が期待できるとともに、先ほどの生成AIとの連携によって売上の伸びをさらに加速させると見込んでいます。
当社にはアドテクノロジー領域と同程度に、クロステック領域に関する相談や問い合わせが増加しています。クロステック領域においても、AIとデータ活用の分野で当社の基盤が利用される未来がすぐ近くまで来ていると実感しています。
マーケティング支援領域の市場環境

ここからは、領域ごとの状況についてお話しします。マーケティング支援領域は、エージェンティック広告と呼ばれる分野にも近いところです。データを活用した意思決定が広告主やデータを活用したマーケティングの担当者に広がり、求められることが増えています。
一方で、作業自体はどんどんAI化が進んでいます。その中で、いわゆるインハウス化といわれる、広告予算をなるべく自社で運用することにより効率化し、無駄な予算やコストを削減する流れが進んでいます。
インティメート・マージャーとしても、当社が保有するデータを活用したセルフサービス型の売上が伸びている背景には、このような流れがあるのではないかと思っています。インターネット広告の世界においても、当社のようなインフラを提供する会社には追い風が吹いていると考えています。
マーケティング支援領域の事業戦略

従前より、私たちは保有するデータをできるだけ多くの企業に、低コストで活用していただけることを目指してきました。
当初はサポートが必要な企業が非常に多かった状況でしたが、スライド下部に示したセルフサービス型へ事業領域が拡大することでシェアが伸びてきています。これは、インターネット広告やマーケティングにおけるトレンドをしっかりと捉えている結果ではないかと考えています。
マーケティング支援領域の事業戦略

AIエージェントの広がりも進んでいます。海外の大手プラットフォーマー各社は、人間の介在を減らし、作業や最適化をデータや媒体の仕組みを活用して進める取り組みを加速させています。最近では、媒体側のAIに当社が保有するデータを組み込むニーズも増加しています。
当社のデータは、これまで代理店や特定の企業に提供することが中心でしたが、最近ではAIにデータを提供する新たなビジネスも増えています。一般的なtoB、toCとは異なり、AIエージェントにデータを提供して事業を拡大する「toA」と呼ばれるビジネスが、当社の事業領域の1つとして実現に向かう機会が増えてきました。
マーケティング支援領域においても、当社のようにAIへデータを提供するインフラの重要性とニーズが拡大していくと考えています。
データ提供領域の市場環境

その他のクロステックといわれる領域においても、AIエージェントなどをかけ合わせたデータ提供が大幅に増加しています。
従来の、専門人材がいないとデータ活用が難しかった状況に対し、専門人材の役割をAIが担うことで、データを持つAIエージェントを当社の仕組みとして提供することにより、事業領域を拡大できるのではないかと考えています。
昨日プレスリリースしたサービスについても、初めは大量のデータ保有をセールスメリットとしていましたが、データとAIエージェントを組み合わせることで、多くの方に興味を持っていただき、導入の機会が増えています。今後は、アライアンスやデータを活用した商品開発をさらに加速させていけると考えています。
ポストCookieサービスの進捗

ポストCookie領域も順調に売上を伸ばし、当社の利益基盤を大きく支えるものとなっています。ポストCookie「IM-UID」の提供は、インターネット広告の世界でデファクトスタンダードとなりつつあります。
クロステック領域における事業展開

このインフラを通じて得られた仕組みやデータ提供を事業として新たに強化することで、今後クロステックにおける事業展開がより広がっていくと考えており、スライド中央の「データ×AI」が非常に重要なポイントになると考えています。
この点については、当社でもあらためてリソースを割くための社内チームを編成しました。また、現在進行形で、当社が保有するデータや仕組みを展示会などを通じて多くの企業に情報提供するPR活動にも力を注いでいます。
AIの普及は思ったほど速くはないと感じていますが、AIの活用を世の中に広げる役割を、当社が率先して担っていければと考えています。
クロステック売上の推移

クロステック領域の売上に関しては、足元の売上が上がるまでには少し時間がかかる状況です。
ただし、問い合わせや相談は着実に増加しているため、全体の売上に影響を与えられるような状態を早期に作り出し、インティメート・マージャーとしての成長速度の向上につなげていけるのではないかと考えています。
事業領域別サマリー

事業別の詳細については、当社IRサイトに公開している『2026年9月期第2四半期決算説明資料』の6ページから8ページにシンプルにまとめています。事業領域ごとに今後の事業戦略や想定内・想定外の状況を記載していますので、ぜひ今日の説明と合わせてご覧ください。
以上で私からの説明を終わります。
質疑応答:生成AIの広がりを踏まえたアドバンテージと事業拡大の展望について
司会者:「生成AIの広がりにより、データ量の増加とその活用方法の進展が見込まれています。この見通しにおいて、貴社のアドバンテージと事業拡大の方針について教えてください」というご質問です。
簗島:以前はデータ分析を行うために、いわゆるデータサイエンティストという専門職に依存したり、データのインフラ整備に長い時間と大きなコストを費やす必要がありました。しかし、生成AIを活用することで、データサイエンティストの専門性や分析環境が、かなり安価に導入できるようになっています。
これにより、企業がデータ資産に対する投資を行いやすくなり、また、そのデータ自体の価値が再評価されつつあると思っています。
当社のアドバンテージとしては、アドテクノロジー領域で培ってきたオンライン・オフラインにまたがる大量のデータをお客さまに提供してきたノウハウと、データ提供のインフラをすでに構築している点が非常に大きいと考えています。
これまで当社はマーケティング領域に特化した企業でしたが、今後はAIエージェントを活用した広告の完全内製化を支援するだけでなく、アドテクノロジー以外の領域でも当社が保有するデータを基盤として提供し、スピーディな事業展開を進めていきます。
当社と同様のデータやインフラを提供するための整備には非常に時間がかかるため、当社からデータを購入する企業も増えてくるのではないかと考えています。すでにこの領域で事業を展開しているというアドバンテージを最大限活かせる環境にあると考えています。
質疑応答:クロステック領域の現状と今後の展開について
司会者:「クロステック領域の現状と今後の展開について、あらためて教えてください」というご質問です。
簗島:クロステック領域は、我々の次の成長の柱として位置づけています。もともと我々が持っているデータの活用にはかなり高いハードルがあり、そのため投資余力のある企業に使っていただいていた背景があります。
しかし、現在ではデータ活用がかなり容易になってきたことから、セールステック領域を中心に、成果報酬型や従量課金型のサービスモデルを積極的に広げていく計画です。今後は導入ハードルを下げつつ、着実に売上に計上できる体制の構築を目指しています。
金融、小売、HR、医療などさまざまな領域のパートナー企業に、当社のサービスへ興味を持っていただいています。当社が提供するAIに対応可能なデータインフラを活用し、新しいサービス開発を目指す企業とともに、中長期的な収益基盤として育成していきたいと考えています。
質疑応答:日本におけるデータ基盤の統合と事業領域の注目について
司会者:「直近で貴社の同業者であるLiveRamp社が買収されましたが、日本においてもデータ基盤の統合のような事象は想定されますか?」というご質問です。
簗島:我々の資料でも以前からよく取り上げているLiveRamp社は、もともとアメリカの市場に上場している企業でした。このたび海外の代理店に相当な額で買収されたことで、あらためて当社の事業領域が注目されていると考えています。
DMPという事業領域は、インターネット広告の1領域とされていましたが、戦略上の基盤として重要になってきています。海外ではすでに進行していることから、日本でも同様の動きが出てくるのではないかと考えています。
当社は国内で圧倒的なデータ量を保有しており、ポストCookieのソリューションにおいても、LiveRamp社を含むさまざまな企業と連携可能な技術基盤を持っています。すでに国内外でデータ提供を行っている事例も増加しています。
そのため、日本国内に限らず、当社のようなサービスがアドテクノロジーやインターネット、PoC以外も含めて、さまざまな領域で注目される機会が増えていくのではないかと思っています。
このように同業企業が買収される事例を受けて、我々も事業価値をさらに向上させ、より多くの方々から注目される企業になっていかなければならないと、あらためて感じた次第です。我々も引き続き努力を重ねていきたいと考えています。
質疑応答:「Browsi」との連携の業績反映と来期以降の予測について
司会者:「今回の『Browsi』との連携は業績にどのように織り込まれているのか教えてください。また、来期以降の予想について、根拠を示して教えてください」というご質問です。
簗島:「Browsi」との連携については、多くの方々から注目をいただき、我々も重視しています。「Browsi」のデータを活用した事業領域は非常に広く、短期的にはマーケティング支援の領域で「Browsi」のデータを使用した広告配信の効率化を検討しています。
日本は今後人口が増えていく国ではないため、競合からユーザーを獲得することが事業上の重要なポイントとなります。そのため、競合各社との差別化を活かし、広告配信メニューとして当社のデータを使用していただく取り組みを進めています。これにより、マーケティング支援、データマネジメント・アナリティクスの領域で売上が向上していくと考えています。
中長期的には、このデータを金融や小売など多岐にわたる領域で活用することで、事業領域をさらに広げていけると考えています。まずは我々のデータを活用した広告の受注が今後も増加すると期待しています。理由は、競合他社が提供するターゲティング広告に類似するメニューがほとんど存在せず、国内の多くの企業で当社のデータに対するニーズが高いためです。
将来的には、自社で保有できない他社データを意思決定に活用することで、商品開発や金融領域など多方面で事業を拡大する企業も増加すると見込んでいます。この領域については、現時点では売上として明確な数字が見えにくい状況ですが、今後成長していくと確信しています。
質疑応答:AI以外に注目するテクノロジーやトレンドの変化について
司会者:「AI以外で社長が注目しているテクノロジーやトレンドの変化、社会動向の変化を教えてください。また、それらの事項が昨年の今頃と比べてどのように変化しているのかお聞かせください」というご質問です。
簗島:AIがまったく関わらないテクノロジーは、最近では非常に少ないと思います。そのため、AIが完全に関与しないものではありませんが、事業領域の1つとして、AIを使って労働効率を上げる方法などにおいて、AIを効果的に活用する方法が今後のトレンドになるのではないかと考えています。
AIを導入したものの使いこなせない、あるいは導入コストを吸収しきれないという課題について、当社への相談が増加しています。例えば、1つのサービスを3,000円で導入しても、従業員が1,000人いれば月々のコストが大幅に増加し、年間ではさらに負担が大きくなります。生産性に対する投資リターンがあまり得られないという相談が多く寄せられています。
この問題は人的要因によることもあれば、AIを活用した新たな収益モデルを構築する必要性がある場合もあります。実際、AIを導入後の課題に関する相談は今後さらに増えていくのではないかと感じています。
昨年の今頃と比較すると、AIを導入する企業が増加している一方で、AIを十分に活用できず、結果的に無駄にコストをかけている企業も増えてきています。海外ではこのような傾向を「トークンマキシング」と表現することがありますが、トークンを大量に消費してしまったり、十分に使いこなせず生産性が低下する事例も見受けられます。
したがって、AIそのもののテクノロジーに加えて、そのテクノロジーが導入された後の組織の変化にも我々はサービスを提供できるのではないかと考える機会が増えています。
