犬猫生活<556A>は4月23日、東証グロース市場への上場と同時に2026年4月期第3四半期累計業績を発表した。売上高は33.31億円と前通期実績の29.01億円を既に超過。営業利益4.12億円、経常利益4.13億円、四半期純利益3.40億円を達成し、営業利益率は12.4%と高い水準を維持している。
主力の生活販売事業では、自社ECの定期購入が売上高の約90%を占める。ペットフードは成長後の給餌量が一定で解約されにくい特性があり、4~5か月間継続した会員の継続率は90%を超える。同社はこの強固な収益構造を背景に、売上高の3割を占めるWeb広告費を機動的に投入して拡大する好循環を確立しており、定期会員数は7.12万人にまで拡大した。商品面では、早期に市場開拓した「デンタルふりかけ」や、競合が参入する中でも地位を築く「ドライフード」が好調だ。獣医師共同開発の国産無添加という品質が、健康を重視する飼い主層から支持されている。今後は特定商品への依存度を下げるため、商品ラインナップの拡充を進める方針だ。
生活サービス事業などでは、自社で予防医療専門の動物病院を運営する実績を前面に出し、ペット領域の専門家としての強固なブランディングを実現した。実店舗での紹介を機にフード購入へつながる動きもあり、信頼獲得が主力事業へ還元されている。専門性と地域展開の加速に向け、動物病院のM&A戦略も推進する。市場の大半を占める売上1億円前後の個人病院では経営者の高齢化と事業承継が課題だ。同社は競争の激しい都心を避け、病院不足が深刻な地方の小規模施設をターゲットに細かく買収する戦略をとっており、2025年5月の島根県のクリニック買収を皮切りに展開を本格化させている。
販売チャネルの多様化に向けては、リテール(卸販売)の拡充にも着手した。市場全体の購買チャネルの約60%はリアル店舗が占めるため、従来のサロンや病院に加え、上場による知名度向上を活かして参入障壁の高い大手ホームセンターなどの大型店舗への展開を強化し、顧客接点を最大化する。
利益の20%(又は1億円)を上限に寄付する独自の動物福祉活動は、同社のブランディングにも寄与する独自性であり成長エンジンでもある。顧客の約33%が活動への共感を購買動機に挙げており、深いファンを育成している。さらに採用面でも、費用をほぼかけずに優秀な専門人材が集まるほか、創業からの正社員の退職が累計4名のみという極めて低い退職率にも寄与している。
海外展開では、2025年5月に開始した台湾での手作りごはん販売が月間約100万円規模と手応えを得ている。今後はフレーバーの追加やサプリ展開を予定しており、台湾を足がかりにシンガポールやタイなどアジア圏を中心とした世界市場への挑戦を本格化させる。
上場による調達資金は、定期購入者数の拡大に向け2028年4月期までに累計11.48億円を広告宣伝費へ集中投下する計画だ。国内シェアは未だ0.6%未満であり、投資による拡大余地は極めて大きい。そのため、現段階では事業投資を優先して配当は実施しない方針だが、中長期的な企業価値向上を遂げた適切な時期に株主還元を検討していく。今後もビジネスの拡大と社会貢献を両立させ、圧倒的な好感度NO.1ブランドを目指す。
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