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広島電鉄、5年連続で増収 広島駅前大橋ルート開業、運賃改定で運輸業収益が伸長

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2026年5月14日に発表された、広島電鉄株式会社2026年3月期決算および中期経営計画説明会の内容を書き起こしでお伝えします。

2026年3月期 連結経営成績

仮井康裕氏(以下、仮井):広島電鉄株式会社代表取締役社長の仮井です。概要をご説明します。2026年3月期の連結決算は、増収減益となりました。売上高に関しては、37億6,000万円の増収です。インバウンドを中心とした旅行客の増加により、運輸観光部門が堅調に推移しました。

電車部門では、昨年3月に広島駅で商業施設「minamoa(ミナモア)」が開業し、8月には「広島駅前大橋ルート」が開業しました。また、昨年2月の運賃改定の効果もプラスとなっています。

バス部門についても、広島駅の「minamoa」の開業効果や運賃改定の効果があり、増収となりました。不動産部門については、分譲マンション「ザ・広島フロント」の完売により、昨年度と比べて増収となりました。

営業損益については、人件費や物件費の高騰など費用の増加がありましたが、赤字幅は縮小しています。営業利益、経常利益ともに赤字幅は縮小しているものの、最終的な当期純利益は「広電ボウル」などの不動産の減損損失および投資有価証券評価損を計上したため、減益となりました。

来期の業績予想については、中東をはじめとする不安定な世界情勢の中で、予想が難しいと考えています。現在、軽油価格や資材価格が高騰しており、資材については高騰するだけでなく、手に入りにくい材料も出てきているなど、非常に予測が難しい状況の中で計画予想を策定しています。

営業収益については旅館・ホテル業の「宮島コーラルホテル」、宮浜温泉の「IBUKU」、および飲食業の「わたや」などを運営している株式会社A&Cが新たに連結子会社としてグループに加わりましたので、増収を見込んでいます。

燃油価格の高騰が予想されるため、費用が大きく増加する見込みです。詳細については、後ほど常務の岡田がご説明します。

また、今年度から始まる3ヶ年の中期経営計画についても、後ほど専務の横田がご説明します。昨年「広島駅前大橋ルート」を開業し、広島の公共交通機関をいかに持続可能なものにしていくかを検討してきました。

今後も、広島電鉄として事業を継続するため、電車やバスについてさらなる改革やサービス向上を進めるための3ヶ年計画となります。成長の循環を構築し、10年、20年先を見据えた基盤の整備を進めていきます。

岡田茂氏:常務取締役の岡田です。それでは、決算短信資料および決算説明資料に沿ってご説明します。

売上高は374億円で、対前年で37億6,000万円の増収、前年比11.2パーセント増となりました。この増収の理由は、先ほど述べたインバウンド客や国内旅行客の増加、昨年2月の運賃改定、「広島駅前大橋ルート」の開業、そして、不動産業におけるホテルニューヒロデン跡地のマンション「ザ・広島フロント」の物件引渡し等が挙げられます。

一方で費用も増加しており、人件費や減価償却費が増えました。その結果、営業損失は2億9,000万円、経常損失は1億2,900万円となり、それぞれ11億円程度の改善が見られましたが、あと一歩のところで経常損失となりました。

経常利益については、減損損失や投資有価証券評価損が増加したため、当期純利益は昨年より2億2,000万円減益となりました。

連結業績の推移(営業収益・営業利益)

営業収益・営業利益の過去5年間の推移です。売上高はコロナ禍収束後は5年連続で増加しています。営業利益はマイナス2億9,000万円まで回復しました。

連結業績の推移(経常利益・当期純利益)

経常利益と当期純利益の推移です。最終利益は2年ぶりに減益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、グラフの一番右側に示されているとおり、11億5,800万円で、昨年より約2億円の減益となっています。

連結損益計算書(P/L)

連結損益計算書をご覧ください。営業収益は37億円の増加で、その内訳として運輸業が22億円、不動産業が9億円の増収です。

費用の内訳は、人件費が4億7,000万円、経費が7億6,000万円、償却費が5億6,000万円増加しました。売上原価は、マンション販売に伴う原価が大きく、7億5,000万円増加しました。その結果、営業損失はマイナス2億9,000万円、経常損失はマイナス1億2,900万円となりました。営業外費用では金利の上昇により、支払利息が7,300万円ほど増加しています。

特別損失は、減損損失6億4,000万円、投資有価証券評価損1億6,000万円を計上しました。昨年はこれらの大きな損失がありませんでしたが、今期はこれらが計上されたため、経常利益は11億円改善するものの、税金等調整前当期純利益は3億700万円の増益となりました。

さらに、法人税等調整額については、前期は繰延税金資産に関する会計処理を行ったため、マイナス4億6,700万円を計上しましたが、今期は通常の法人税等が適用され、最終的に当期純利益は11億5,800万円となりました。昨年比で2億2,000万円の減益となっています。

セグメント別経営成績①運輸業

セグメント別の状況です。運輸業の収益は、昨年より22億3,800万円増加し、10.7パーセントの増収となりました。「広島駅前大橋ルート」の影響などにより、8月以降にお客さまが増加し、その後も順調に推移しています。

来広者数は年間平均で前年比110パーセント程度で推移していましたが、8月は被爆80年という節目の年でもあり、前年比127パーセント程度と非常に好調でした。

宮島の船やロープウエーなどを含む海上運送業・索道業は、2025年度には、宮島来島者数が過去最多となり、増収となりました。

一方で、人件費はどうしても上げざるを得ない状況です。経費も資材価格高騰に伴い上昇し、さらに駅の開業や車両購入に伴う減価償却費も増加しています。

このような状況の中で、運行補助金23億円を加えても、運輸業は3億4,000万円の赤字となっています。昨年の9億円の赤字からおよそ3分の1程度に縮小したものの、依然として厳しい状況です。

セグメント別経営成績②流通業

流通業です。こちらは宮島サービスエリア(下り)において、わずかに増収増益となっています。

セグメント別経営成績③不動産業

不動産業です。セグメント収益は9億5,500万円、17.9パーセントの増収、利益も5億8,800万円の増加となりました。

賃貸業では、「イオンタウン楽々園」の土地賃貸借が通期で計上された影響に加え、先ほどもご説明したとおり、ホテルニューヒロデン跡地の「ザ・広島フロント」が、全戸完売したことにより、増収増益となりました。

セグメント別経営成績④建設業

建設業です。民間工事が減少した影響で、昨年より減収となりました。

高齢者福祉施設や「イオンタウン楽々園」など、昨年は民間の大型工事がありましたが、今期はそのような案件がなくなったためです。

セグメント別経営成績⑤レジャー・サービス業

レジャー・サービス業です。利用者の増加や、値上げ、ゴルフ練習場での新機種導入などにより増収となり、赤字幅も縮小しました。

設備投資の状況(連結)

設備投資額の状況です。設備投資額の推移について、昨年は90億円でしたが、今年は56億円と34億円ほど減少しました。

「広島駅前大橋ルート」の開業や循環線整備のため大きな設備投資として9億8,000万円を投じました。また、電車運行管理装置の導入では、駅開業に合わせた自動制御装置の設置に8億2,000万円を費やしています。

さらに、バス車両や電車車両の導入を行いました。ロープウエーの獅子岩駅線の搬器更新については約2億円で導入しました。「MOBIRY DAYS」の改修には、現金チャージ機能の追加や、一部来期実施予定の交通系ICカードおよびWAON対応も含まれています。

2027年3月期 主な設備投資予定(連結)

来期の設備投資予定です。電車1編成の購入に6億円、バス33両の購入に7億円の投資を予定しています。また、スライドの画像でも一部ご紹介していますが、交通系ICカードおよびWAONへの対応を実施します。

賃貸物件については、新たに2つの賃貸ビルを購入する予定で、投資額は6億円です。さらに、グループ会社の宮島松大汽船において、観光クルーザー1隻を購入する計画も進めています。

有利子負債の状況(連結)

有利子負債は、「広島駅前大橋ルート」の開業に伴う設備投資などが影響し、300億円程度となりました。昨年と比べて30億円程度増加しています。

2027年3月期 連結通期業績予想

翌期の業績予想についてご説明します。売上高は408億円で、前年比34億円の増収を見込んでいます。

「広島駅前大橋ルート」の開業効果は継続すると見込んでいますが、その他の大きな要因は、バスの運行補助金の勘定科目の変更です。

セグメント別経営成績①運輸業のスライドでお示ししていますが、運行補助金として23億9,700万円があります。これは従来、特別利益として計上していましたが、監査法人と協議のうえ、来期からは継続的な収益として営業収入に含める予定です。

そのほか、来期から連結子会社に株式会社A&Cが加わることもあり、この2つの大きな要素によって、売上高は34億円増加し、前年比プラス9.1パーセントの増収を予想しています。

費用面では、人件費や減価償却費の増加、および資源価格の高騰を見込んでいます。営業利益と経常利益は、補助金の科目変更により前年比で増加しますが、営業利益は前期から11億円増加で8億1,000万円、経常利益は9億9,000万円増加で8億7,000万円を見込んでいます。

親会社株主に帰属する当期純利益は、今期に計上した減損損失や投資有価証券評価損が来期には発生しない見込みです。しかし、費用の増加により運輸業などでの損失計上が想定されており、1億5,800万円の減益予想となっています。

連結業績予想の前提条件

連結業績予想の前提条件として翌期の見通しを記載しています。レジャー・サービス業は、ボウリング業の営業終了があるものの、株式会社A&Cがグループに加わるため、前年比193パーセントの増収、増益を想定しています。

翌期の予想は難しい状況です。足元の計画策定は2026年4月時点の燃油価格などの水準を前提としていますが、今後もその価格が続くかを見通すのは困難です。現時点では、そのような先行きが不透明な状況の中で算出した数字となっています。

決算短信1ページ目の「2. 配当の状況」に記載していますが、 今期の年間配当金は8円とし、来期の期末配当予想も継続して8円としています。通期予想に関しては「3. 2027年3月期の連結業績予想」に記載があります。

決算短信16ページ目に記載していますが、本日の取締役会では、株主総会に付議する役員人事についても決議しました。新任取締役候補として、中川智彦氏および濱野滝衣氏を選任予定です。また、田村興造氏と平田かおり氏が退任予定となっています。これらについては、2026年6月26日開催予定の定時株主総会にて正式に決定されます。

1. 広電グループ経営総合3ヵ年計画2028サマリー

横田好明氏:専務取締役の横田です。それでは、私から経営総合3ヶ年計画をご説明します。スライドは、この3ヶ年計画のサマリーをまとめたものです。今回の3ヶ年計画では、スライド上段に記載のとおり、「財務基盤の再構築」と「成長領域の経営資源配分強化」を同時に進め、「成長の循環」を構築する3ヶ年と位置づけています。

重点戦略として、持続可能な公共交通サービスの確立と進化、不動産・建築事業の収益基盤強化、観光の成長ドライバー化、事業機能の独立・外部展開、グループ経営体制の最適化を掲げています。これらの戦略を推進することで、財務目標としてROE4.5パーセントの達成を最重要KGIに設定しています。

先ほどご説明した2025年の実績ではROEは2.7パーセントでしたが、これを2028年度には4.5パーセントまで引き上げ、将来的にはROE8パーセントを早期に達成したいと考えています。

成長領域への経営資源の配分については、スライド右側に示したキャッシュアロケーションの考え方を基に実施していきます。

この3年間の計画では、営業キャッシュフロー230億円を軸とし、資金調達も加味した手元資金を活用してキャッシュアウトの方向性を明確にしました。株主還元とのバランスも考慮しながら進めていきます。

また、安全・安心のために必要な設備投資をはじめ、不動産販売や収益物件への投資、さらにはさまざまな成長分野への投資を通じて、収益の向上を図っていきます。これが本3年間の計画となります。

4. 広電グループ経営総合3ヵ年計画2028 全体像とパーパス

当社グループの存在意義として「広島のワクワクを創造する」を掲げています。これは前回の計画からの継続ですが、達成するための具体的な取り組みを進めていきます。

4. 広電グループ経営総合3ヵ年計画2028 サステナビリティ経営の推進

スライドに記載のとおり、サステナビリティ経営を推進し、環境や気候変動対応など「8つのマテリアリティ」を設定しており、それぞれのマテリアリティを踏まえて長期経営計画を組み立てていきます。

4. 広電グループ経営総合3ヵ年計画2028 長期経営戦略

コーポレート戦略と事業戦略についてご説明します。コーポレート戦略では、グループ経営体制の強化や財務・人財戦略の推進に取り組みます。事業戦略では、安全・安心なサービスの提供ならびに交通サービスの価値向上に加え、新たな収益機会獲得への挑戦を進めていきます。

5. 2026年度~2028年度における重点戦略 安全・安心なサービスの提供

事業戦略の具体策として、まずは安全・安心なサービスの提供です。安全輸送設備の計画的な更新・整備や車両の計画的な代替においてEVバスの導入を検討するほか、電車事故防止支援システムの実験・検証、危機対応強化や安全・事業継続体制の強化を実現します。

5. 2026年度~2028年度における重点戦略 交通サービスの価値向上 -電車事業-

電車事業です。電停の統廃合による安全性・速達性の向上、バリアフリー化の推進、および電車優先信号の拡充について関係各所と協議を進め、定時性・速達性の向上を目指します。また、現在一部で導入している電車全線ワンマン化や、運行制御の自動化にも積極的に取り組んでいきます。

また、運賃制度の見直しや設備投資や安全対策の強化などによって増加するコストに対応しつつ、都市交通の中核として存続すべく、適切な運賃制度の見直しも検討していきます。新線計画についても、「広島駅前大橋ルート」が開業しましたが、次は平和大通りルートの実現に向けて関係機関との協議を進めるほか、太陽光発電の導入も進めていきます。

5. 2026年度~2028年度における重点戦略 交通サービスの価値向上 -バス事業-

バス事業については、路面電車や新モビリティと連携強化し、バス単独ではなく、多様なモビリティと連携した路線再編を行い、利用者の利便性の向上に取り組んでいきます。

路線再編・移管・ネットワーク最適化では、AIを活用したシミュレーションを踏まえ、行政との連携を強化し、地域公共交通モデルの確立を目指します。共同事業化では、一般社団法人バス協調・共創プラットフォームひろしまと議論を進めています。さらに、多くのバス事業者と連携し、さまざまな取り組みに挑戦していきたいと考えています。

運賃制度の見直しは、利用実態や利用ニーズに応じた、わかりやすく利用しやすい運賃制度の導入を検討します。また、自動運転バスの運行に関しては、レベル4実装に向けた実証運行なども実施していきたいと考えています。

5. 2026年度~2028年度における重点戦略 新たな収益機会獲得への挑戦

新たな収益機会獲得への挑戦についてです。まず、CRE戦略、社用地の有効活用・高度利用による収益拡大を図ります。

交通関連システムの外販・導入支援では、「MOBIRY DAYS」や、当社で使用している勤務シフト編成システムの外部販売を進めています。また、これらのノウハウを活用し、運営コンサルティング業務への挑戦も視野に入れています。

不動産賃貸収益物件の積極的な取得を通じて、収益力の向上を目指します。また、イベント企画やグッズ販売などを通じて収益力を強化していきます。さまざまな電車グッズを活用し、収益化につなげていきたいと考えています。

5. 2026年度~2028年度における重点戦略 新たな収益機会獲得への挑戦

グループの総合力を活かした観光事業推進についてご説明します。新たに株式会社A&Cがグループに加入しました。これにより、宿泊サービスに加えて、宮島航路、購入をすすめていますクルーズ船、宮島ロープウエー・ハイヤーサービス等、グループを総合的に組み合わせた企画商品を開発し、収益の向上を目指していきます。

また、広島都心の活性化やまちづくり団体などと連携し、都心の回遊性向上を図っていきます。さらに、Park-PFIなどの民間活用への積極的な参画を検討していきたいと考えています。加えて、M&AやVCファンド投資を通じて、新たな事業を創出したいと考えています。

5. 2026年度~2028年度における重点戦略 グループ経営体制の強化・財務戦略

グループ経営の体制強化についてです。さまざまなグループ企業がそれぞれの事業に責任を持って取り組み、グループの総力を活かした横断的な業務を進めていきます。それらの取り組みを通じて、グループ全体の成長を目指します。

5. 2026年度~2028年度における重点戦略 人財戦略

続いて人財戦略となりますが、さまざまな取り組みを通じて、ウェルビーイングの向上と生産性の向上を両立させていきます。

6. 2026年度~2028年度における財務計画 目標数値

数値目標については、冒頭でもご説明しましたが、2028年度にROE4.5パーセント、将来的には8パーセントを目指し、右肩上がりの成長を続けていきたいと考えています。

6. 2026年度~2028年度における財務計画 キャッシュアロケーション

次にキャッシュアロケーションですが、こちらも冒頭のサマリーでご説明したとおりで、キャッシュイン・キャッシュアウトの使途を成長戦略へもしっかり振り向けていきたいという考え方です。

6. 2026年度~2028年度における財務計画 株主還元

株主還元の方向性です。2025年度の配当性向は21パーセント、配当金は8円となっていますが、2028年度には配当性向30パーセントを目指し、経営基盤を強化して配当に反映させていく考えです。

6. 2026年度~2028年度における財務計画 事業ポートフォリオ

事業ポートフォリオの考え方についてご説明します。スライドの棒グラフに示されている営業利益推移を見ると、緑色で示された交通運輸関係の分野では現在マイナスが続いています。これを2028年度までに運輸業を含め、すべての分野でプラスに転換していきたいと考えています。

事業ポートフォリオの割合についてです。右下の円グラフは2025年度の実績を示していますが、運輸業の割合を現在の62パーセントから、2028年度には58パーセントへ引き下げる計画です。他分野の収益拡大を通じてポートフォリオの改善と見直しを図っていきます。

今後の3年間でさまざまな取り組みを進めていきますが、これらを着実に実行し、目標達成に向けて全員で努力していきます。

質疑応答:決算に対する社長の率直な受け止めについて

質問者:決算について社長におうかがいします。今回の決算は増収減益とのことですが、現状の率直な受け止めを教えてください。

仮井:今年は先ほどもご説明したとおり、被爆80年や「minamoa」開業、「広島駅前大橋ルート」開業などの影響により、電車事業においては想定以上の運輸収入の伸長があったと考えています。9月頃にはある程度落ち着くと予想していましたが、その後も広島駅の乗降客数は増加しており、電車利用者が着実に増えていると認識しています。

一方、バス事業に関しては十分な改善には至っておらず、この点に関しては先ほどご説明した3ヶ年計画で、運輸事業を黒字化、少なくとも収支均衡まで持っていきたいと考えています。

質疑応答:減益の要因と認識について

質問者:利益面では減益でしたが、この点についてどのようにお考えですか?

仮井:減益となりましたが、経常利益まではプラスでした。最終的に減損処理を行った結果、減益となったものです。当期純利益は減少しましたが、その原因は明確であり、本業によるものではありません。むしろ、来期に向けての減損という位置づけですので、一定程度良い決算だったと認識しています。

質疑応答:原油高や中東情勢が事業に与える影響について

質問者:お話にもありましたが、原油高や中東情勢など、先行きが見通しにくい状況が続いています。現状でなにか影響を受けていますか? また、今後もなにか影響があるのでしょうか?

仮井:現在のところ、最も影響を受けているのは軽油価格です。価格自体は暫定税率廃止前よりも上がっていますが、現時点で供給が滞るという段階ではありません。ただ、エンジンオイルなど原油由来製品を多く使用しているため、この状況が続くと、経営面だけでなくさまざまな影響が出てくる可能性はあると考えています。

質疑応答:2027年3月期の収入計上変更と運輸業の黒字化見通しについて

質問者:2027年3月期について、細かい点ですが、収入の計上方法変更で営業利益や経常利益の段階で黒字になるのかという点をお聞きしたいです。

営業収入に補助金が計上されることについて、純利益に関しては最終的にさまざまな要因があると思いますが、営業ベースあるいは経常ベースで前期と比較して運輸業はどの程度改善しているのでしょうか? 運輸業の黒字を目指すとお話がありましたが、それがどのあたりまで見えているのかを教えてください。

また、開示はされていないのですが、路面電車単体で見た場合、黒字化の見通しは見えているのでしょうか? 

仮井:路面電車単体では赤字が大きい状況です。広島駅関連の投資に加え、車両のバリアフリー化も継続して進めてきたため、投資負担が大きく、黒字化はなかなか厳しいと判断しています。

乗合バスについては、2027年3月期から運行補助金を売上高に計上することでプラスにはなるものの、これを踏まえても2027年3月期時点で黒字化には至らない見通しです。補助金をいただいてもなお赤字状況が続いており、そこを改善していくのが今後の課題です。

連結決算において、営業利益、経常利益、当期純利益のすべてが黒字になったのは2016年で、それ以降は営業ベースおよび経常ベースで赤字が続いています。これはもちろん、補助金は特別利益に計上しています。

電車の運用は非常に厳しい状況ですが、一方で広島駅の状況を踏まえると、必要な投資を継続しなければならないため、運賃のあり方も含めた検討が必要です。補助金に頼るだけでなく、当社も努力を重ね、官民一体で取り組む必要があると考えます。

質疑応答:「MOBIRY DAYS」の役割と外販について

質問者:投資実績の1つに「MOBIRY DAYS」がありました。外販のお話もあったと思うのですが、「MOBIRY DAYS」が中期あるいは長期における運輸業の経営の安定に果たす役割について改めてお聞かせいただけますか? 

仮井:「MOBIRY DAYS」の外販については、現在、北海道の北見バスさんでご利用いただいています。また、もう1社からご要望をいただいています。「MOBIRY DAYS」は従来の「PASPY」の代替となる運賃決済システムとして導入しています。

従来のシステムを継続した場合、何年か後には再度リプレイス費用が発生する可能性がありましたが、「MOBIRY DAYS」はクラウドシステムであるため、継続的に使用できるという点で事業の安定に効果があると考えています。

「MOBIRY DAYS」は、柔軟な運賃の設定が可能なシステムなので、これにより増収やお客さまの逸走をなくすことにつながるという点で、経営にプラスになると考えています。

質問者:「MOBIRY DAYS」の外販とは、県外での外販ということでしょうか?

仮井:県外です。

質疑応答:3ヶ年計画における電停統廃合について

質問者:3ヶ年計画についておうかがいします。電車事業における電停の統廃合についておうかがいしたいです。

仮井:市街地には隣接している電停があるため、駅間の距離が短い区間については一定程度整理が可能であると考えています。また、停留場自体が非常に狭いにもかかわらず、利用者数が多い場所も存在します。そのような場所はバリアフリー化を進め、より広く、安全で使いやすい停留場にしていく必要があると考えています。

現在、具体的に場所をお伝えできる段階ではありませんが、いくつか検討可能な場所があるのではないかと考えています。この件については、道路管理者や公安委員会などの関係機関と相談しながら進めていきたいと考えています。

質疑応答:電車全線ワンマン化について

質問者:電車全線ワンマン化については、宮島線についても、ワンマン化するのかどうかについてもお聞きしたいです。

仮井:宮島口を含めて、ワンマン運転が可能な区間は順次拡大していきたいと考えています。一度に全線をワンマン化するのではなく、区間や時間帯を整理しながら、可能な限り早期にワンマン化を進めていきたいと考えています。

質疑応答:回生電力活用について

質問者:現行の仕組みがよくわからないのですが、設備投資の中で、回生電力の蓄電システムというのがあるのですが、連接電車の導入などで回生性能が上がるので、もっと回生電力を使っていこうということなのか、おうかがいしたいです。

仮井:回生電力の貯蔵装置についてですが、回生電力とは電車が回生ブレーキをかけた際に発生する電力を、近隣の電車へ返す仕組みです。ただし、一定区間内にいる電車にしか返せません。そこで、電力を貯蔵する装置を一定の地点に設置することで、その区間に電車がいなくても、次に来た電車で利用できる装置です。

現在、廿日市には設置されていますが、今後は市内線にも拡大していく予定です。これまで活用できなかった電力を再利用するという取り組みで、再生可能エネルギー活用の観点からも推進していきたいと考えています。

質疑応答:近年の電停統廃合の実施状況について

質問者:電停の統廃合に関して、近年統廃合したケースはあるのでしょうか? 

仮井:近年の電停の統廃合についてですが、路線がなくなったケースはありますが、統廃合したケースは近年ではないかと思われます。

質疑応答:電停統廃合の想定場所について

質問者:先ほど電停について具体的な場所への言及はありませんでしたが、統廃合の対象として想定されているのは広島市中心部、例えば八丁堀周辺の路線という理解でよろしいでしょうか?

仮井:現時点で具体的には申し上げられませんが、駅間距離が近い場所や、電停として安全面に課題がある場所、例えば後方に柵がないところなどについては整理していきたいと考えています。

質問者:中心部だけの問題ではないということですね。

仮井:中心部だけではありません。

質問者:例えば己斐方面など、西側に行くと非常に狭い場所がありますよね。そのような場所も対象となるのでしょうか?

仮井:そのとおりです。例えば、小網町は電停自体のマウントアップがされていません。それが果たして安全といえるのかといった点については、議論を進める必要があると考えています。

ただし、そうした電停をすぐに廃止するわけではありません。近隣利用者への影響もあるため、安全面だけでなく、速達性などさまざまな事情を総合的に考慮しながら整理をしていきたいと考えています。

質疑応答:平和大通りルートの新線計画について

質問者:新線計画の推進についてですが、平和大通りルートとは、白神社前から比治山橋のあたりのそれぞれの路線をつなぐイメージでしょうか? 

仮井:現在は観音町のほうへ入り土橋方面に行きますが、それを西観音町から白神社につなぐイメージです。

質問者:それ以上は延伸しないということでしょうか?

仮井:そこまでの計画はないと認識しています。

質問者:白神社から西広島駅までの間を平和大通りルートとして検討しているという理解でよろしいですか? 

仮井:そのとおりです。今後も検討を進めていきたいと考えています。

質問者:どのような理由からでしょうか?

仮井:先ほども申し上げましたが、安全性がその大きな理由です。現在の観音町、西観音町、小網町周辺は非常に狭い区間を運行しています。当時は電車の車両も小型でしたが、現在は30メートル級の大型車両が運行しており、現在の環境で本当に安全に走行できるかという課題があります。より広い道路を走行するほうが、安全性や利便性の向上につながると考えています。

将来的には、広島市が構想している「アストラムライン」の西広島駅延伸計画があります。その輸送需要を考慮すると、西広島駅から白神社までのルートについても、輸送力向上の観点から検討が必要だと考えています。

質問者:電停の統廃合や新モビリティとの連携強化とも関連していますか? 

仮井:そうですね。地下鉄がない広島市内では、路面電車を主要な大量輸送公共交通機関として位置付ける方針を念頭に、会社として何ができるかを考えています。ただし、道路管理者や行政、警察・公安との協議が不可欠ですので、関係機関との連携を図りつつ進めていきたいと考えています。

質疑応答:3ヶ年計画の意気込みと目標について

質問者:3ヶ年計画は内容が多岐にわたり、なかなか質問を一つに絞りにくいですが、その中でROEの4.5パーセントが最も重要であると述べられていました。改めて社長から、10年、20年先を見据えた3ヶ年計画についての意気込みや、どのような方向性で進めていきたいと考えているのか、お聞かせください。

仮井:当社は運輸業を中心とする会社であり、公共交通を維持していくという社会的役割を担っています。一方で、民間企業として利益を確保し、株主やステークホルダーに還元していく、

もちろん人件費も上げ、これらを両立していく必要があります。この3ヶ年計画では、当社の特性を活かし、今後10年、20年先も広島で経営を継続できる体質を目指します。

この3ヶ年計画の1番の目標は、運輸業の赤字を不動産事業などの利益で補填する体質を改善し、運輸業自体が自立できる体制を構築することです。行政などからの支援は引き続きお願いするかたちになりますが、運輸業として自立した企業グループを目指しています。この計画は、その第一段階と位置付けています。

質疑応答:交通系ICカードの利用開始とその影響について

質問者:7月からICOCAなどの交通ICカードが利用できることについてです。運行状況など県外の方からもさまざまな意見もあると思います。その点を踏まえ、改めて7月の利用が始まることについて、通常の決算内容に加え、それ以外の運行関連で利用者のみなさまへ何かありましたらご教示ください。

仮井:7月から「MOBIRY DAYS」と交通系ICカードを使った乗車方法が統一されます。これにより、これまでのように「ICOCAをご利用の方は乗務員がいる乗降口に来てください」といったご案内を行わなくても、路面電車で全扉からの乗降が可能となり、利便性が向上すると考えています。

また、従来は交通系ICカードについて「どこから乗ってどこで降りたか」というデータを取得できていませんでしたが、「MOBIRY DAYS」によってそのデータの取得が可能になります。

今後、交通系ICカードが2タッチとなることでデータも取得でき分析もできるようになるため、利便性の向上に加え、会社としてもそのデータを活用し、より良いサービスの提供につなげられるのではないかと考えています。

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