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創健社、2029年3月期の営業利益1億円達成に向け、収益体質を再構築 高付加価値企業への進化を目指す

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2026年6月12日に発表された、株式会社創健社2026年3月期決算の概要と今後の展望の内容を書き起こしでお伝えします。

2026年3月期決算説明

中村靖氏(以下、中村):株式会社創健社代表取締役社長の中村靖です。よろしくお願いします。本日は天候が不安定な中、お忙しいところ当社の決算説明会にお越しいただき、誠にありがとうございます。

本日は、2026年3月期の連結業績の総括と、その背景にある当社の課題、今後の経営方針についてご説明します。今期からの3年間は、新しい中期経営計画がスタートする重要な期間です。第7次中期経営計画を中心にお話しする予定ですので、最後までお付き合いいただければ幸いです。

当社はおかげさまで、この2月に創立58年を迎え、現在は59年目に入っています。途中で会計期の変更があり、現在は第60期を迎えています。

社是・企業理念

当社は一貫して「地球環境を大切にし、食生活の提案を通して人々の健康的な生活向上に貢献する」という企業理念のもと、現在59年目を迎えています。

これまで当社は、日本の自然食品やオーガニック関連、こだわりの商品分野のパイオニアとして歩んできました。創業当時は、世の中に「オーガニック」という言葉もなく、自然食品は怪しいものと見られがちでした。

今ではよく目にする「無添加」という概念についても、「それは何?」という状況の中、言葉がまだ定着していない頃から、一貫して日本の食の安全を守り続けてきた自負があります。

その根底にあるのが、スライドに記された「理を有って身・心・経済の健やかさを創す」という社是です。これは会社名の由来にもなっていますが、天の理にかなった身心(心と身体)の健やかさや経済の健やかさを創出し、地球環境と調和した持続可能な食のインフラを構築するという強い決意を表しています。

この58年間で培ってきた信頼とブランドの歴史こそが、当社の最大の無形資産です。その無形資産を基盤に、第7次中期経営計画における変革をご紹介します。

それでは、直近3期、2024年3月期から2026年3月期の総括を行います。

現在の環境は、みなさまもご存じのとおり、食料業界に限らず他業界でも、原材料価格の世界的な高騰や歴史的な円安、物流費・人件費などのコスト上昇が続いています。これらが当社のみならず、みなさまの経営環境や当社の収益環境に多大な影響を及ぼし続けていることは事実です。

当社では、これは一過性の波ではなく構造的な変化として捉え、計画を立てて対応しなければ、非常に厳しい状況になると考えています。

一方で、消費者のみなさまの食生活や食に対する考え方を見ると、生活防衛意識の高い層は節約志向で、なるべく安価なものを求める傾向にあります。また、自身の健康や地球環境への配慮を重視し、付加価値の高い商品に対して労力やコストを惜しまないという、こだわり志向の層も存在します。

食の世界では、節約志向の消費者と、こだわり志向の消費者への二極化が進むと考えられます。さまざまな業界で見られる「二極化」ですが、食品業界でも同様に進んでいくのではないかと当社では想定しています。

もともとは一部の先進的な方々が、こだわりやオーガニック、地球環境といった要素を追求されていましたが、そうした方々が増加した今、この追い風を確実に業績へと結びつけていきます。

当社ではこれまで、どちらかというと数字に注目しがちでした。しかし今後は、強固な経営基盤を構築すべきだと考えています。

利益実績(連結)

足元の3期の数字をご案内します。スライドの数字は、2024年3月期から2026年3月期までの実績です。ご覧のとおり、前期は回復の兆しを見せましたが、今期は再び後退するかたちとなりました。これは極めて遺憾であり、厳粛に受け止めています。この状況を受け、先ほどお話しした会社の構造的な部分を改めて見直し、再構築していかなければならないと考えています。

特に2026年3月期において数字が大きく落ち込んでいる理由ですが、売上総利益率は前期比で約0.1ポイント上げることができたものの、トップラインが落ちている点は、数字を見てご理解いただけるかと思います。

当社の分析では、消費が冷え込んでいることは確実です。この点は、後ほどご紹介するチャネル別の成績からも伝わると思います。全チャネルで、前期比マイナスが続いている状況です。

また、当社の営業活動を通じて、あるいは私が交流のある企業経営者の方々から各小売店の売上状況などをうかがう中で、全般的に芳しくない状況が続いているという声を聞いています。

さらに、売上に対して固定費が確実に増加しているため、2026年3月期は利益を出しにくい構造になってしまったと考えています。

売上高の増減要因(連結) [品目別]

品目別の売上です。油脂・乳製品については、健康に良いとされる「健康油」が多様化し、選択肢がいくつにも分かれています。

当社の主力商品としては、べに花油、えごま油のほか、亜麻仁油、オリーブ油などが挙げられます。以前は「健康に良い油」とされる商品の種類が限られていましたが、現在は選択肢が大きく増えました。健康志向の消費者が「これ一択」から「あれも、これも」と選ぶようになり、需要が分散した結果、油脂・乳製品全般の売上低下に影響しています。

当社の主力商品の一部であるマーガリンについても、「べに花ハイプラスマーガリン」「発酵豆乳入りマーガリン」を含むマーガリン類・スプレッド類の需要は減少傾向にあります。量販店のマーガリン売り場も以前より狭くなっており、消費者がこれらの商品を購入する機会が減っていると感じています。

さらに、パンの消費スタイルの変化も影響しています。昔ながらのトーストにバターやマーガリンを塗る食べ方よりも、そのまま食べられるパンや、バケットにオリーブオイルと塩をつけるなど、多様な食べ方が主流になっています。このような背景から、乳製品の需要も減少している状況です。

調味料は、コロナ禍が明けて外出の自由が戻ったことに伴い、内食が大幅に減少した影響が大きいと考えています。家で料理をする方が減り、外食をしない場合でも途中で出来合いの料理を買って帰り、自宅で食べる傾向があります。そのため、調味料を揃えて料理を作るのは、一部の料理好きな方やマニアの方に限られつつある状況です。

また、一般的な家庭では共働きが増え、早く帰宅して子どもに食事、入浴、就寝までさせる生活サイクルが重視されるようになりました。結果として、出来合いの食事を購入して自宅で食べる方が増え、調味料の需要は減少傾向にあります。

もう1つ、当社商品の中で最も売れている「有精卵マヨネーズ」についてです。この商品は昨年4月に容量を300グラムから200グラムへ変更しました。

3月から4月にかけては、300グラムの「有精卵マヨネーズ」と200グラムの「有精卵マヨネーズ」が同時に存在していました。原材料の有精卵が不足する中で、なるべく生産本数を増やすため、やむを得ず容量を変更したものです。

しかし、両商品が混在していたことで、昨年2月後半から4月にかけては双方が重複して比較的多く売れました。その影響もあり、4ページに示したとおり、2025年3月期の数字は比較的好調でした。

一方、2026年3月期に入ると300グラムの「有精卵マヨネーズ」の販売を終了し、200グラムへのダウンサイジングを行いました。これに伴い価格も下げたため、販売本数の伸びが限られる結果となりました。

本数が伸びなかった理由は明確で、増えすぎると原材料不足により生産が追いつかなくなる懸念があったためです。そのため、昨年の上半期頃まではチャネルを制限し、「有精卵マヨネーズ」を特定のチャネルにのみ展開しました。ほかのチャネルには「申し訳ございません」として対応し、販売を絞っていました。

このような制限がある中でも、当社としては大きな取り組みとなりましたが、「有精卵マヨネーズ」の単品売上数量は一定程度維持できました。ただし、売上金額は減少しました。

一方で、嗜好品・飲料部門はプラスとなっています。具体的には「安全で安心なお菓子を子どもに与えたい」と考えるお母さまから支持されている「メイシーちゃん」というキャラクターを用いた当社の「メイシーちゃんのおきにいり」シリーズが、小さなお子さまのいるお母さまに人気を集め、多く購入いただいたことで大きく伸びました。

ただし、お菓子は単価が低いため、個数が売れても単価の高い調味料や油脂類の売上減を全体の売上金額で補うことは難しい状況です。

売上高の増減要因(連結)チャネル別

スライドはチャネル別の数字を示しています。先ほどもお話ししたとおり、全チャネルが前期比でマイナスとなりました。特に量販店でのビジネス規模が大きいため、その影響が大きいと言えます。

量販店での落ち込みの理由の1つとして、スポット展開からコーナー展開への移行が難しかった点が挙げられます。また、先ほどご説明した「有精卵マヨネーズ」や当社の売れ筋である「えごま油」などの商品が売れると、大手量販店がそれらをストアPB(プライベートブランド)へ切り替えてしまうことも、大きく影響したのではないかと考えています。

全体として、生協宅配とeコマースでは、自宅で商品を購入する方が減少しています。特に生協については、組合員数の減少に加え、会員として登録されているものの売上が立たない会員が増えていることを嘆く声を、しばしば耳にします。このような要因により、購買者が離れているのではないかと思います。

その中でも注目すべき点は、自然食品ショップでのマイナスが比較的少ないことです。このチャネルには、商品の価格が多少高くても、自分が納得できるものであればお金を支払うコアな顧客が多く存在しています。そのため、消費が冷え込みマイナス傾向にある中でも、減少幅が小さく抑えられているのではないかと、当社では考えています。

貸借対照表の概要(連結)

2026年3月期の貸借対照表です。

キャッシュ・フローの概要(連結)

キャッシュ・フローです。本日お集まりのみなさまは、すでに当社が発表した決算短信をご覧になっています。決算短信には本日の私の説明よりも詳しく記載されていますので、そちらをご参照ください。また、お読みいただいた上でご不明な点がありましたら、後ほどご質問ください。ここでは簡潔に進めます。

2029年3月期 営業利益1億円を目指す

第7次中期経営計画についてご説明します。テーマは「共創と変革による成長基盤の強化」です。

2029年3月期までに、営業利益1億円の達成を目標に掲げています。

現時点では、今年の利益は約2,100万円にとどまっており、わずか3年で1億円に到達させるのは、非常に高いハードルだと思われるかもしれません。しかし当社としては、3年後の1億円達成を1つのマイルストーンと捉え、この3年間を目標達成に向けて計画的に進めていきたいと考えています。

具体的には、社内分析の結果、価格マネジメントをさらに徹底することで、売上総利益率を28パーセントまで引き上げられる可能性があると判断しています。また、PBの販売比率を高めることでも、売上総利益率の向上を図れると考えています。さらに今後は、基幹システムの改善やAIの活用によって固定費を抑制し、利益率の向上を目指します。

当社では昨年の夏頃から、社内の問題点を洗い出し、一つひとつ解消する取り組みを進めています。その結果、目標とする1億円は決して不可能な数字ではないという確信を得ました。

一見すると「一気に5倍」と大きな数字に思えるかもしれません。しかし、社内で把握している問題点を着実に解決していくことで、3年後の1億円達成は夢ではなく、十分に現実的な目標だといえます。このような考えから、1億円という数字を設定しました。

事業計画(連結)

今後3年間の計画値です。スライドのとおり、トップラインはほとんど上げていません。先ほどもご説明したとおり、売上総利益を高めつつ固定費を抑え、利益を確保する方針です。

当社は創業以来、コアなファンの方々に支えられ、場合によってはその層に依存しながら、やや内向きのビジネスモデルを展開してきました。外部に向けた取り組みは限定的で、当社に関心をお持ちの方々を中心に事業を行ってきたのが実情です。

そのため、現状の経営環境や社会情勢を踏まえ、持続的な成長軌道を描くには、より外部に目を向ける必要があります。自社業務を変革し、最先端のデジタル技術も活用しながら、新たな成長基盤の完全な再構築に取り組むべき3年間だと認識しています。

私は社内でも、トップラインの売上を単純に引き上げることを目指すのではなく、現状の社会環境下では短期的な売上向上は非常に難しいと考えています。そのため、社会環境がある程度改善し、黄色信号から青信号に変わるタイミングでスタートダッシュを切れるよう、今は基礎を築く2年から3年の期間だと捉えています。

当然ながら、社会情勢の変化を私一人でコントロールすることはできません。社会が正常化した際にすぐ行動を起こせる体制を築き上げ、それまでは足元を着実に固める期間だと捉えています。

チャネル別販売計画 3ヶ年

3ヶ年のチャネル別販売計画です。この計画は、先ほど示したトップラインの数字に基づいており、特定のチャネルに注力して大きく伸ばそうという考えはありません。

したがって、チャネル別の売上推移も、先ほどのトップラインの売上推移とほぼ同じです。

定量目標 PB比率

PB比率を伸ばしていくことは、3年間の目標の1つです。

毎年お伝えしていますが、PBにさらに付加価値を加え、PB比率を高めることで、利益をしっかり確保することが重要だと考えています。したがって、PB比率を着実に引き上げる取り組みは、今後も変わらず推進していきます。

現在のPB比率は64.2パーセントほどですが、3年後に66パーセント以上へ引き上げることができれば、当社としても利益面で非常に大きなプラスになると考えています。

自然食品市場は拡大が続くが、一方で新規参入も多く、成長のためには大きな戦略転換が必要

当社のビジネスモデルについては、先ほどもお話ししたとおり、当社に関心を寄せてくださっている方々に向けて、一生懸命取り組んでいます。

一方で、当社にまだ関心をお持ちでない方々にも積極的に働きかけ、関心を持っていただけるよう、今後はさらに注力していかなければならないと考えています。

これまでもその意識で取り組んできましたが、まだ不足している点が多いと反省しています。今後はそれらを着実に改善していきたいと思います。

厳しさを増す事業環境

現在、事業環境は一段と厳しさを増しています。景気の先行きも不透明で、事業環境全体の厳しさがさらに強まっています。食品流通業界では、製造業から末端の小売業まで、適正な利益を確保できている企業があるのかと思われるほど、非常に厳しい状況の中で業界全体がビジネスを展開しています。

そのような状況下でも、利益を上げていかなければなりません。この厳しい環境の中、役員と社員が一丸となって、次にご説明する取り組みを進めていきます。

第7次中期経営計画についてお話ししながら、さらなる価値の訴求を目指していきたいと考えています。

目標を達成するための5つの戦略

目標達成に向けた5つの戦略です。「リブランド」「商品開発と営業機能の一体化」「商品開発力の強化」「DX推進によるウェルビーイングの実現」「サステナビリティ」、この5つを柱に、3年間で先ほどみなさまにご案内した1億円という数字に到達したいと考えています。

戦略① リブランド

1番目のリブランドについてです。当社の商品を愛用している方は非常に多く存在しています。例えば「有精卵マヨネーズ」やえごま油、マーガリンのファンに加え、「メイシーちゃん」のお菓子のファンの方も多くいます。

しかし、そのファンの方々の多くが「え、あれも創健社の商品なの? これも、それも創健社の商品なの?」というように、当社の存在に気づいていない場合が多い状況です。

私自身もこの仕事を通じて、偶然お会いした方々から「創健社をよく知っています。『有精卵マヨネーズ』を使っています」と言われる一方で、その商品の派生商品について「そのような商品も販売しているのですか? あれも、これもですか?」というように、詳細はほとんど認識されていないという現状を痛感しています。これは非常に残念に思います。

現在、多岐にわたる商品があり、それぞれにファン層が存在しています。当社のブランドをもう一度刷新することで、どの商品を見ても「私がいつも使っているマヨネーズの会社と同じ会社だ」「私が使っているマーガリンの会社と同じ会社なのか」と、当社の商品であることを認識してもらえるよう、パッケージデザインのトーンやマナーを統一する方針です。一目で当社の安心・安全な商品であることが伝わるようなビジュアルを確立し、ブランド化を進めていきたいと考えています。

特に売れ筋商品を中心に、早い段階でパッケージの刷新を行っていきたいと思います。

戦略① リブランド

先ほどお話しした「メイシーちゃん」のほか、当社ではヨーロッパのオーガニックブランドである「ジロロモーニ」シリーズも取り扱っており、こちらにもファンがいます。

これら二大ブランドと創健社ブランドの3つが機能的に結びつくことで、「どの商品も同じ会社が販売しているのか」とご認識いただけるよう取り組んでいきます。そして、健康的なライフスタイルを提案することで当社のブランド価値を高め、これまでの価格競争から脱却して価値の訴求を目指します。

また、点が面となるように、このブランドを支持しているそれぞれのファンの方々が一体となるかたちを作り上げていきたいと考えています。

戦略② 商品開発と営業機能の一体化

2番目は、商品開発と営業機能の一体化です。当社は商品本部、営業本部、管理本部の3本部制を採用しています。

この3本部の横の連携は、多くの企業が抱える大きな課題だと思います。当社は60名弱の小規模な会社ですが、連携が取れているように見えても、実態としてはまだ不十分です。そこで、3本部を横断してつなぐ部署を新設することにしました。

具体的には、4月1日付で、社長直轄の「経営企画室」を設置しました。この部署は、全社情報を一元化し、商品開発や営業本部が行う販促・広告を統括しながら、各部署を横断的に調整する役割を担います。現場の営業も含め、3部門が機能的に連動する仕組みの整備を目指しています。

この部署を機能させることで、各部署で個別に行っていた取り組みを全社単位で統一し、無駄を削減します。実際に、各部署で類似業務が多く見受けられるため、全社として1部署への集約を進めていきたいと考えています。

戦略② 新価格設定 プロセス導入

今お話しした商品開発と営業機能の一体化の中で、もう1つ目指していることが、新価格設定プロセスの導入です。これまで当社では、新商品の価格設定や値上げ時の価格設定を「原材料価格がだいたいこのくらいで、人件費がこの程度。上積み方式で、そこに利益をこのくらい乗せて、このくらいで売ればいいね」というように決定していました。つまり、周囲を見まわして同様の商品がどの程度の価格帯で販売されているかを調べ、その情報をもとに価格がなんとなく決まっていました。

しかし今後は、リブランドを通じて商品価値の訴求を強化し、市場ニーズを的確に反映させる方針です。市場ニーズを反映しているつもりでも、実際には反映できていなかったことが多くありました。マーケットをしっかり見て価格を決めているかというと、十分にできていない部分があったため、この点を今後、より丁寧に見ていきます。

原材料の背景にあるストーリー、生産者のこだわり、卓越した健康価値、環境への配慮といった本質的な付加価値を、みなさまにどのように見せるか、そしてそれを価格に反映させ、どのように納得していただけるかを考え、注力していきます。

戦略② 新価格設定 プロセス導入

こちらも、新価格設定のプロセスについてです。具体的には、付加価値を伴う価格の最適化や顧客起点の商品・価格設計が挙げられます。顧客ニーズの調査や購買行動の分析をさらに徹底する必要があります。

また、市場環境を踏まえた価格マネジメントも重要です。市場動向や競争原理、カテゴリ別価格帯などを総合的に勘案し、そこに当社がみなさまへ伝えるストーリーとしての付加価値をどの程度反映させるかについても検討していきます。

さらに、コスト変動や商品ポートフォリオの見直しに応じて、必要に応じた価格改定を行います。これまでは、メーカーから値上げ交渉で提示された価格などを基に、当社の仕入れ価格の値上げを行ってきました。しかし、より能動的に市場を見極め、価格改定の必要性について積極的に分析し、対応すべきだと考えています。

当社のこれまでの値上げ対応は後手に回ることが多く、例えば仕入れ先から値上げの案内を受けても、当社が卸先や納品先へ値上げを案内した後、最終的に受け入れられるまで早くて3ヶ月、遅い場合は半年から9ヶ月ほどかかることがあります。その間、当然ながら当社の利益は減少します。この点を改善し、段階的に適切な対応を進める必要があります。

これまでの値上げ対応は、言葉を選べば流れに身を任せて行ってきた部分がありました。しかし今後は、明確な理屈と論理をもって、「できるものはできる、できないものはできない」とはっきり伝え、みなさまへ案内することで、当社の利益を確保していきたいと考えています。これを行わなければ当社の明日はなく、利益の確保は当社の将来にとって不可欠です。

戦略③ 商品開発力の強化

3番目は、商品開発力の強化です。ご存じのとおり、当社にとって商品開発は命といえます。しかしこれまで、社内事情により人・物・金を十分に集中できませんでした。そこで今回は思い切って、営業現場の人数を減らし、商品開発部門へ配置しました。この措置は現場の反感を買いましたが、当社にとって商品開発が最重要だと考えています。

商品開発では、良い商品を作り、消費者のみなさまに納得していただける商品を提供することが大切です。良い商品があるからこそ営業部門も活きます。営業部門も商品開発の重要性は理解しているものの、実際に人数を減らされるとなると、抵抗はしなかったとしても、快く受け入れにくい状況でした。

それでも会社の姿勢を貫き、この3年間の計画のメインは商品開発力の強化であることを示すため、営業部門の人員を商品開発部門へ振り分けました。当面は人・物・金を商品開発に集中させ、良い商品を生み出すことを目的としています。極端な例を挙げれば、良い商品ができれば、営業部門の人数が多少減っても、商品自体の力で市場に広く受け入れられます。

つまり、商品開発が最も重要だという認識を、当社の社員全員が共有しています。当社をよくご存じの方であれば、「そうだよね」とご理解いただけると思います。会社としての意思表示であると同時に、商品開発へ一層注力すべきだという考えから、商品開発部門の体制を拡充しました。これが当社の商品開発体制の強化です。

また、4月に設立した経営企画室を活用し、部門横断の連携も進めます。これまで商品開発が「こういう商品を作りました。このような特徴があります」と説明しても、営業からは「今のマーケットで売れるわけがないので不要だ」といったやり取りが、何度も発生していました。

そこで、営業が求めるもの、その先のお客さま、さらにその先の消費者の方々のニーズを汲み上げ、商品開発と結びつけることで、みなさまが求める商品をいち早く提供できるよう整備します。その際、経営企画室が調整の中心となり、取り組みを進めていきます。

さらに、顧客参加型の商品開発にも取り組みます。ロイヤル顧客やユーザーコミュニティの声を活用し、お客さまの意見を積極的に反映する体制を整えています。

当社にもロイヤル顧客が存在し、お客さま相談室には、例えば「在庫商品の賞味期限は新しいものに変わったのか」といった問い合わせが寄せられています。中には1人で10万円以上を使うお客さまもいらっしゃいます。そのような声をさらに拾い上げていくことが重要だと考えています。

また、「メイシーちゃん」シリーズや「ジロロモーニ」シリーズでは、ユーザーコミュニティとして「Facebook」や「Instagram」を活用し、ファンの方々を集めてオフ会なども開催しています。開催するだけでなく、みなさまが当社にどのような商品を望んでいるのか、積極的に意見をいただくべきだと考えています。

次に、市場分析に基づく商品企画についてです。これは当然行うべきことですが、実は当社では基本的な部分が十分にできていませんでした。今後はこれをしっかりと実践していく必要があると考えています。

また、取引先との協業強化についてです。当社の商品を製造しているメーカーと、より密接に連携し、2社間、あるいは3社間で独自の商品を開発できるよう、協力体制を強化していきたいと考えています。

さらに、商品ポートフォリオの最適化にも取り組みます。販売効率や収益性を踏まえて創健社ブランドを見直し、売れない商品は早い段階で撤退し、将来性のある商品の開発を積極的に進めていきたいと考えています。

戦略④ DX推進

4番目は、DXの推進です。人が行うべき仕事と、人が行わなくてよい仕事が必ず存在すると思っています。そして現在、ITツールが大きく進化している中、人が行わなくてよい仕事はツールに任せるべきだと考えています。

人が担うべき仕事は、戦略や戦術の検討、そして人情ある対話、つまりお客さまとの対話です。また、現地での活動も人が行うべき仕事の1つです。一方で、単純作業やデータの収集、定型対応については自動化を進めていくべきだと考えています。

当社では基幹システムを2028年度までに刷新する計画を立てており、現在その準備を進めているところです。

戦略④ DX推進

もう1つ、社内でのAI活用を活発化させたいと考えています。現在、全社員を対象に定期的なAI研修を導入し、私から現場の社員に至るまで、全員がAIを活用できる環境を整えています。当社では、Googleが提供する「Gemini Pro」を全社員が利用できるようにしており、積極的に活用してもらうことで、これまで自分で行っていた作業をAIに任せられるようにしています。

私は当初、このAIに対して非常に懐疑的でした。しかし、当社で「Gemini Pro」を導入して試しに使ってみたところ、その性能には驚かされました。ここにもAIを使いこなしている方々が多くいると思いますが、私はまだ出遅れているほうです。それでも、AIの可能性には大きな驚きを感じています。

ただし、全社員がAIを十分に活用できているわけではありません。利用環境は整えていますが、まだ使いこなせる段階には至っていないため、定期的な研修を通じて、社員全員がAIを適切に活用し、人が行わなくてよい業務はAIに任せられるようにしていきたいと考えています。

最近では、「ChatGPT」を「チャッピー」と呼ぶように、私は「Geminiくん」と呼び、活用事例を社内で議論しています。

このようなAIツールを活用する際は、人が担うべき範囲を見極めるとともに、使いこなす上で注意すべきポイントも研修を通じて十分に周知していきたいと考えています。

戦略④ DX推進

基幹システムの改善とAIの導入により、データに基づく意思決定をさらに高度化することを目指します。また、業務効率の向上も図り、社員が本来注力すべき付加価値の高い業務に従事できる時間を創出します。

さらに、社員が取り組みたい仕事やプライベートの時間を確保できるよう、改善を進めています。これを通じて、いわゆるウェルビーイングを実現し、社員が働きやすい会社を目指します。究極的には、当社がどれほど小規模でも、立地が不便でも、社屋が老朽化していても、「あの会社で働きたい」と社員が誇りに思える会社を築きたいと考えています。

戦略⑤ サステナビリティの取組

5番目は、サステナビリティへの取り組みです。「サステナビリティ」という言葉が広まったのは最近ですが、その考え方自体は当社が創業以来一貫して実践してきたものです。

原料については、オーガニックや植物性素材の活用に加え、MSC認証を取得した水産資源を積極的に利用しています。また、包装材についてはプラスチック原料の削減を進めるとともに、FSC認証やバイオマス認証を取得した素材を活用しています。

これらに加えて、基幹システムなどを活用して在庫の廃棄を極力減らすことで、食品ロスの削減を目指します。

これまでの創健社、これからの創健社。変わらぬ想いで、おいしい食卓をお届けしてまいります

私たちが目指すのは、単に規模の大きな企業になることではありません。自然食品を中心に、本当にオーガニックでこだわりのある食品のパイオニア企業として、58年間培ってきた絶対的な誇りと価値があります。この軸を一切ぶらさず、デジタルを的確に活用し、新しい組織の仕組みも取り入れながら、大胆に変化し、小さくても極めて強固で高付加価値な企業を目指していきたいと考えています。

今後の数年間はトップラインを上げることよりも、利益を着実に確保し、企業体質を改善することで、さらに高付加価値企業へと進化する3年間にしたいと考えています。

今後とも、みなさまからのご協力とご指導ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。以上で本日の説明を終わります。ご清聴ありがとうございました。

質疑応答:粗利改善と価格政策の役割について

質問者:これまでの中期経営計画も多く見てきました。大変失礼なのですが、本当に中期経営計画らしい中期経営計画になっているという印象を受けるものの、まだ少し気になる点があります。

資料の10ページから13ページでは、粗利率が25パーセントから28パーセントに改善することで、営業利益が2,000万円から1億円になる一方で、売上高は47億円から50億円に増加するだけで1億円の利益が出ると記載されています。これは、価格政策を十分に実施することが前提という理解でよろしいでしょうか?

中村:おっしゃるとおりです。価格の見直しや、先ほどからお伝えしている、当社がみなさまに提供している価値のPRなどを十分に行い、粗利益を上げていきたいと考えています。

また、営業利益1億円という目標を踏まえ、基幹システムの変更やAIの推進により固定費を削減していくことも検討しています。

質疑応答:eコマースの成長見込みについて

質問者:eコマースの売上が2億9,000万円から3億3,000万円と、あまり伸びていません。5億円程度を目指してほしいところですが、この点は慎重に見ているのでしょうか?

中村:eコマースには、当社が運営する直販のeコマースも含まれていますが、ほとんどはeコマースを基盤とする企業との取引が中心です。

質問者:その結果、3億3,000万円にとどまるということですか?

中村:おっしゃるとおりです。現在、多くの企業が困難な状況に直面しているため、当社もあまり過度な期待を抱くべきではないと考えています。

質疑応答:PB比率と代理店ブランドの数値について

質問者:細かい点ですが、13ページについて確認です。先ほど社長が「PB比率は62期の計画で32.9になるのではないか」とお話しされていましたが、この数字はNBを足して数字を入れ替えたものなのでしょうか?

中村:これを100にするには、当社の表現でいうところのDB、つまり代理店ブランドも入ります。ただ、申し訳ありませんが、ここでは出していません。

質問者:NBを100パーセントにするのではなく、NBの32.9パーセントに代理店ブランドが加わって66パーセントになるという理解でよいですか?

中村:いいえ、そうではありません。PBの金額は32億9,000万円です。

質問者:比率ではなく、PBが32億9,000万円で、PBとNBを合わせた比率が66パーセントになる、ということですね。

中村:すみません、資料がかえってわかりづらかったようです。

質疑応答:基幹システムの大幅入れ替えに伴う投資について

質問者:先ほどお話があった、基幹システムを大幅に入れ替えるという件ですが、十分な投資資金を確保していると考えてよろしいでしょうか? また、費用は償却していくという理解でよろしいですか?

中村:なるべく費用を抑える方法を検討していますが、完全に無料にはできません。ですので、ある程度の投資は必要だと考えています。

中村氏からのご挨拶

中村:正直に言うと、本日ご紹介した数字には世の中で現在起きている出来事を加味していません。また、来年の消費税が0パーセントや1パーセントになるという話がありますが、それが本当に4月から実施されるのかどうかもまだ決まっていません。

仮に4月から実施される場合、みなさまもご承知のとおり、当社に限らず食品関連企業では1月から3月、特に2月と3月の業績が非常に厳しい状況になるのではないかと思っています。この点については私どもも覚悟していますが、残念ながら現時点では明確ではありません。そのため、目標とする数字にはその要素を加味していません。

3年のスパンでこの目標を目指すという考え方で、みなさまに捉えていただけましたら幸いです。

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