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マイクロアド Research Memo(4):他社プラットフォームの拡大と海外事業の成長により大幅増益

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■マイクロアド<9553>の業績動向

1. 2026年9月期中間期の業績概要
2026年9月期中間期の連結業績は、売上高が前年同期比17.7%増の9,633百万円、のれん償却費と株式報酬費を考慮した調整後営業利益が同75.1%増の899百万円、営業利益が同79.8%増の777百万円、経常利益が同84.0%増の732百万円、親会社株主に帰属する中間純利益が592百万円(前年同期は27百万円)となった。なお、第1四半期と比較して第2四半期単体で営業利益が微減した要因としては、監査法人との対話を踏まえた株主優待関連費用の前倒し計上(約2,000万円)や、粗利率の低下、及び海外子会社(インドネシア・中国)の連結に伴う販管費の増加が影響している。前期から進めてきた生産性向上施策の効果が顕在化したことに加え、海外事業の拡大も寄与し、売上高及び各段階利益のすべてにおいて大きな成長を実現した。売上面では既存事業の伸長に加えて大手SNSや動画プラットフォームへのデータ連携などの新たな拡販施策が着実に成果を上げ、利益面では業務効率化やリソース配分の最適化によって収益性が改善した。従来は成長投資を先行させる局面が続いていたが、その投資効果が業績に反映される形となっており、本格的な利益創出フェーズへ移行したことがうかがえる。単なる売上拡大にとどまらず、利益成長を伴う構造への転換が進んでいる点は、今後の持続的な成長可能性を示す内容と評価できる。

通期予想に対する業績の推移も売上高・各段階利益ともに想定を上回る着地となった。2025年9月期に実施した生産性向上施策の好影響が継続していることに加え、新たに注力を開始した他社プラットフォームも戦略どおり拡大、海外事業では(株)IPmixerによるIPコラボ商品の売上増も寄与しており、新たな成長ドライバーとしての兆しが見え始めている。また、生産性向上施策を継続しながら、新規事業への投資も並行して進めており、短期的な利益成長と中長期的な成長投資の両立が進んでいる点が特徴である。収益性改善が一過性ではなく、事業構造そのものの変化によって支えられていることから、今後の利益成長に対する蓋然性は高いと弊社では高く評価している。

(1) データプロダクト
データプロダクトの売上高は前年同期比12.3%増の5,462百万円、売上総利益は同21.6%増の2,002百万円となった。売上高の増加については、今期より注力している他社プラットフォームへの広告配信による拡大が大きく寄与している。また、売上総利益については自社・他社プラットフォーム領域共に売上高を上回る増加率であることから、生産性向上施策による利益率改善が進展していることが確認できる。データ活用範囲の拡大と業務効率化の両輪によって、事業収益性が高まっていると弊社では見ている。業種別では、中小顧客を中心にBtoB向けの「シラレル」や、人材領域向けの「MARBLE」が安定的な売上を創出している。また、業種別シェアの観点では、幅広い業種へ製品展開を進めることで、特定業種や特定企業に依存しない事業構造を構築している。

UNIVERSEの自社プラットフォーム領域では、生産性向上による利益率改善を背景に、売上高は前年同期比2.7%増の3,788百万円、売上総利益は同13.4%増の1,548百万円となった。売上規模の維持・拡大に加え、収益構造の改善が利益成長につながっている。KPIである稼働アカウント数は、新卒社員の増員や営業拠点の拡大によって前年同期比7.6%増の2,425件と安定的に拡大した。

UNIVERSEの他社プラットフォーム領域では、2026年9月期より拡販を本格化させたことで、売上高は前年同期比52.4%増の1,675百万円、売上総利益は同66.9%増の454百万円と大きく拡大した。上期の稼働アカウント数の伸びが落ち着いた要因としては、案件の急増に伴い一時的に手作業による運用リソースが逼迫したことが挙げられる。これに対して、現在AIによる他社プラットフォームの広告運用効率化ツールを開発中であり、第4四半期頃からの本格稼働により、運用効率の大幅な向上が見込まれている。これに伴い、さらなるアカウント数拡大に向けたボトルネック解消が期待される。

顧客属性別の動向に着目すると、安定的な成長が期待できる「中小顧客」に重点を置いた戦略が展開されている。新人社員の配属や営業拠点の拡大といったリソースの重点投下により、この領域の強化が進められた。大手顧客の代理店領域では前年同四半期比(2025年9月期第2四半期比、以下同)2%増となった一方で、前四半期比では(2026年9月期第1四半期比、以下同)19%減となった。景況感や季節性の影響を受けやすくボラティリティの高い領域であるが、2026年1月に落ち込んだ後、最需要期となる3月には過去最高売上を記録しており、需要の回復が確認されている。一方で大手顧客の直販領域では前年同四半期比32%減、前四半期比でも15%減となった。一部の大手顧客における予算減少の影響を受けたことが主因であり、前年同四半期比ではマイナスとなったものの、景況感の影響を受けにくく、本来のポテンシャルは大きい顧客層である。年始の影響によって前四半期比でも弱含んだものの、3月には回復している。中小顧客の代理店領域は前年同四半期比2%増、前四半期比8%増となり、堅調な成長が続いている。景況感の影響を受けにくく、今後の成長ポテンシャルも大きい領域として位置付けられており、人員強化と生産性改善の効果による拡大トレンドが継続している。さらに、今後は他社プラットフォームの活用による販路拡大も見込んでおり、同社の成長ドライバーとしての重要性が高まっている。

収穫逓増・高収益である「データプロダクト」が売上高に占める割合は、2021年9月期の32%から2026年9月期中間期には56.7%まで高まった。今後も同社は「データプロダクト」に注力する方針であり、より一層収益性が高まるものと弊社は予想している。

(2) コンサルティング
コンサルティングの売上高は前年同期比25.6%増の4,170百万円、売上総利益は同33.1%増の1,076百万円となった。国内メディア向け事業と海外コンサルティングの双方が順調に拡大し、大幅な増収増益を達成した。高付加価値サービスとしての収益性向上が進んでいることがうかがえる。国内メディア向けコンサルティングでは、インターネットメディアの広告収益最大化を支援するサービスとして、契約メディア数や広告枠数の着実な積み上げが進み、売上高は前年同期比39.1%増の2,138百万円、売上総利益は同30.3%増の482百万円となった。契約基盤の拡大が安定成長に寄与している。海外コンサルティングでは、(株)IPmixerによるIPコラボ商品の売上増が寄与し、売上高は前年同期比14.0%増の2,033百万円、売上総利益は同35.5%増の595百万円と高い利益成長を示した。商品販売を含む海外展開が収益貢献度を高めていることが確認される。

(3) オルタナティブデータ事業の進捗
オルタナティブデータ事業では、「UNIVERSE」に蓄積されたデータを活用し、自己資金による株式投資を行っている。2026年9月期中間期の実績は32,751千円のプラスとなっており、データ分析に基づいてポートフォリオ運用が進められている。また、新たに最適化したヘッジモデルを2026年5月から適用している。加えて、新たな分析モデルを継続的に試行しており、今後も随時アップデートを行いながらパフォーマンス向上を目指す方針である。UNIVERSEのデータ活用を広告・コンサルティング領域にとどめず、金融領域へ広げる試みであり、今後の収益多角化に向けた新規事業として位置付けられる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木 稜司)
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