■ドル底堅く162円台で推移、中東情勢緊迫とタカ派発言でドル買い優勢
今週(7月13日-17日)のドル・円は、162円台を中心とした底堅い展開が続いた。トランプ米大統領のイラン港湾再封鎖宣言や原油高、ウォラー米連邦準備制度理事会(FRB)理事のタカ派発言を受けて、「有事のドル買い」が強まる場面があった一方、米6月消費者物価指数(CPI)や卸売物価指数(PPI)が予想以上のインフレ鈍化を示すと、ドル・円は一時161円台まで下落する場面もみられた。ただし下値は堅く、押し目は買い戻された。週末にかけては、米6月小売売上高や新規失業保険申請件数の強い結果に加え、複数の地区連銀総裁からタカ派発言が相次いだことから、米長期金利が上昇。17日には、米6月住宅着工件数やミシガン大学消費者態度指数(速報値)が予想を上回ったほか、米・イラン軍事衝突の激化による原油高で年内利上げ観測が強まり、ドル買いが加速した。
17日のロンドン外為市場でドル・円は小高い。原油相場の上昇や米長期金利の底堅さを受けたドル買いで、162円27銭から162円45銭まで値を上げた。その後は162円40銭台を維持しながらもみ合った。
■底堅い展開か、根強い円買い圧力もドル買い地合いは継続
ドル・円は底堅い展開か。日本の為替介入への警戒感や国内資産への投資拡大期待で、円買い圧力は継続する見通し。ただ、中東情勢は混迷を深め、ドルは下げづらい展開となりそうだ。7月14日に発表された米消費者物価指数(CPI)は総合、コア指数とも想定外に鈍化。翌15日の生産者物価指数(PPI)も弱い内容となり、米連邦準備制度理事会(FRB)の9月利上げを見込んだドル買いはいったん後退した。ただ、米国とイランによる戦闘の再開で中東情勢は再び混迷を深めており、原油相場が急反発し、主要中銀は今後のインフレ再燃への不安を織り込み始めた。ウォーシュFRB議長は就任後初の議会証言に臨み、CPIの結果を受け、「任務完了とは認識していない」と述べた。その上で、「FRBは物価安定に向けた手段がある」とし、インフレ対応への積極姿勢を見せたことから、ドルは売りづらい。一方、円買い要因としては、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が運用資産の配分を見直し、海外資産を減らして国内資産を増やすとの観測が浮上。足下で円買い圧力となっている。ただ、21日の「骨太の方針2026」で財政健全化の色彩が後退すれば、国債増発懸念から長期金利は上昇、日本の財政悪化や格下げリスクが意識されやすく、それによる円売りが強まれば、ドル・円を下支えしそうだ。
【日・6月全国消費者物価指数(CPI)コア指数】(24日発表予定)
24日発表の全国消費者物価指数(CPI)コア指数は前年比+1.6%と、前回の+1.4%から加速が予想される。それを受け早期利上げ観測が強まれば円買い材料となろう。
【米・3月製造業・サービス業PMI】(24日発表予定)
24日発表の米3月PMIでは、足下の景況感が注目される。前回は製造業が53.9、サービス業は51.2だった。製造業が50を大きく上回る内容が続けばドル買い材料となろう。
予想レンジ:158円00銭-164円00銭
○上値・下値ポイント一覧
上値ポイント:170.0円、177.8円、191.6円、209.1円
下値ポイント:162.0円、159.0円、152.0円、145.0円、127.2円
【ドル買い要因】
・日米金利差の拡大によるドル買い
・エネルギー価格高止まりを背景とした米インフレ警戒によるドル買い
・米金利高止まりを背景としたドル買い
【ドル売り要因】
・日銀の追加利上げ観測
・過度な円安を是正するための円買い介入
・162円台での介入警戒と利益確定売り
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