高千穂交易(2676)、外資系データセンター事業者との取引実績と施工網を強みに、同分野の売上を2028年3月期に2倍超、営業利益率25%を目指します。累進配当で年間76円を予想。国内の注目銘柄を紹介する新連載「ログミーFinanceの#銘柄発掘」。銘柄の選び方を学べます。
配当利回り:3.71パーセント
国内の注目銘柄を紹介する連載「ログミーFinanceの#銘柄発掘」。ビジネスモデルやファンダメンタルズの分析を通じて、中長期で保有できる優良銘柄の見極め方が身につく実践的シリーズです。今回は、高千穂交易を取り上げます。
営業利益の約3分の2を稼ぐビジネスセキュリティ
高千穂交易(2676)は、セキュリティシステムや電子・機構部品を提供する独立系技術商社です。機器販売に加え、設計、施工、保守、クラウドまで手がけます。2026年3月期は、入退室管理や監視カメラ、店舗防犯、保守などのビジネスセキュリティが売上の51.3パーセント、半導体・電子部品や機構部品を扱うエレクトロメカニクスが48.7パーセントを占めました。
売上構成はほぼ半々ですが、ビジネスセキュリティは営業利益の約3分の2を稼ぐ高収益事業です。なかでも、データセンターやオフィス向けの入退室管理・監視システムを扱うビジネスソリューションは15.0パーセントの増収となり、同事業の増益をけん引しました。
データセンター向け売上2倍超へ、生成AIやクラウド利用拡大が背景
データセンター向け売上は、2028年3月期に2025年3月期比で2倍超へ拡大する計画で、すでに目標額の6割超を受注しています。受注を支えるのが、外資系事業者との取引実績と国内での案件対応力です。
日本に進出する主な外資系データセンター十数社のうち、3割超と取引しているほか、世界トップメーカーの製品を扱い、過去5年間の案件を通じてサブコンや設計会社との関係を築いてきました。こうした顧客基盤と施工関係者とのネットワークが、既存施設の増設や新規案件を取り込むうえでの同社の強みと言えます。
生成AIやクラウド利用の拡大に伴うデータセンター投資の増加は、同社にとって追い風です。入退室管理や監視カメラの導入案件を獲得するだけでなく、その後の保守やシステム運用支援、クラウドライセンスまで提供できれば、単発の機器販売を継続収益へつなげられます。データセンター向け売上の拡大を、サブスクリプション型ビジネスの成長につなげられるかが、今後の収益性を左右しそうです。
サブスクリプション売上27.2億円、営業利益率25%を目指す
2026年3月期のサブスクリプション型ビジネスは、売上27.2億円まで拡大し、ビジネスセキュリティ売上の18.0パーセントを占めました。ただ、営業利益率は19.9パーセントにとどまり、中計初年度の目標である23パーセント以上には届いていません。
会社は、2028年3月期に営業利益率を25パーセントまで高める計画です。採算改善が進めば、連結営業利益率を7.1パーセントから8.6パーセントへ、ROEを8.2パーセントから10パーセント超へ引き上げる中計目標の達成を後押しします。
エレクトロメカニクスは営業利益24.9%減、利益率改善が課題
一方、2026年3月期のエレクトロメカニクスは、円安による仕入れコストの増加や、営業要員の増加などの成長投資によって販管費が増え、営業利益が24.9パーセント減少しました。営業利益率も4.8パーセントへ低下しています。ビジネスセキュリティが伸びても、売上の約半分を占める同事業の低収益が続けば、連結利益率の改善を抑える可能性があります。
予想PER約23倍、利益率とROEの改善が評価の焦点
また、2026年7月21日終値を基準とした予想PERは約23倍で、割安な技術商社とは言いにくい水準です。サブスクリプションの採算改善やROE向上が進まなければ、中計の利益目標達成が遠のくだけでなく、成長企業としての評価倍率が低下する点にも注意が必要です。
累進配当で年間76円予想、継続収益の拡大に注目
株主還元では、2027年3月期から累進配当を採用し、年間76円を予想します。足元の予想配当性向は約86パーセントですが、利益成長が続けば、将来の増配余地も生まれそうです。
今後は、データセンター向けの新規受注の積み上がりに加え、サブスクリプションの構成比と利益率、ビジネスセキュリティの利益率を確認したいところです。データセンター案件を伸ばすだけでなく、導入後も顧客から継続的に利益を積み上げる会社へ進化できるかが、中計達成後の評価を左右しそうです。
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高千穂交易が登壇する8月22日(土)開催セミナー
タイムテーブル
・11:05〜11:55
①高千穂交易(2676)
・12:00〜12:50
②大石産業(3943)
・12:55〜13:45
③ガイアックス(3775)
・13:55〜14:45
④第一実業(8059)
・14:55〜15:45
⑤パワーソリューションズ(4450)
・15:50〜16:40
⑥TOA(6809)
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※当日は投資家向けに注目テーマの解説や質疑応答などを予定しています。
執筆者プロフィール

執筆:西田哲郎
ライター・コンテンツディレクター。投資歴15年。大きな損失を出したことをきっかけにイナゴを卒業、ビジネスモデルとファンダメンタルズ重視の手法に切り替える。業界紙やスタートアップを経てフリーで投資情報メディアやM&A情報サイトの立ち上げに関わり、現在は主に週刊誌で投資や経済関連の記事を執筆。
※記事内容、企業情報は2026年7月21日時点の情報です。
※当記事内容に関連して投資等に関する決定を行う場合は、ご自身の判断で行うものとし、当該判断について当社は一切の責任を負わないものとします。なお、文中に特定の銘柄の投資を推奨するように読み取れる内容がある可能性がございますが、当社および執筆者が投資を推奨するものではありません。
