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消費税減税の世論調査に隠されたカラクリ。若者7割が賛成なのに高齢者だけが反対に回る本当の理由=大村大次郎

消費税の食料品減税が閣議決定され、各社が実施した世論調査では「減税賛成」が意外に少ないという結果が出ました。これを見て減税反対派は勢いづいていますが、調査の詳細を年代別に見ると、まったく違う風景が浮かび上がってきます。若い世代の7割が賛成する一方、高齢者だけが反対に回っているのです。メルマガ『大村大次郎の本音で役に立つ税金情報』では、著者で元国税調査官の大村大次郎さんが、世論調査の数字に潜むカラクリと、情報源の違いが生んだ世代間の断絶、そしてオールドメディアが減税に反対し続ける理由を解説します。

※本記事は有料メルマガ『大村大次郎の本音で役に立つ税金情報』2026年8月16日号を一部抜粋したものです。興味を持たれた方は、ぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:大村大次郎(おおむら おおじろう)
大阪府出身。10年間の国税局勤務の後、経理事務所などを経て経営コンサルタント、フリーライターに。主な著書に『あらゆる領収書は経費で落とせる』(中央公論新社)『悪の会計学』(双葉社)がある。

消費税世論調査の謎

ついに消費税の食料品減税が閣議決定されましたね。
この閣議決定前後に、マスコミ各社が消費税減税に関して、世論調査を行なったのですが、「減税賛成」が意外に少ないという結果が出ています。
8月8日、9日に行われたFNN・産経の合同世論調査では、食料品減税に関して賛成52.9%、反対40.6%でした。
8月1日・2日に実施したJNNの調査では賛成52%、反対39%でした。
日本経済新聞とテレビ東京が7月24日から26日に実施した調査では、賛成48%、反対44%でした。
このように世論調査では、一応、賛成の方が多くなっていますが、そこまで反対と大きな差はないということになっています。

減税賛成があまり多くない結果を見て、減税反対派は勢いづいています。
国民民主党の玉木氏なども「世間の人がメリットとデメリットが比較的正しく認識され始めた結果ではないか」などと述べています。

しかし、騙されてはいけません。
この世論調査にはカラクリがあるのです。
というのも世論調査の詳細を見れば、消費税減税に関するいびつな報道の実態が浮かび上がってくるのです。

高齢者と若者で明確に分かれる

8月1日、2日に行われたJNN(毎日新聞系列)の世論調査では、年代別の数値も公表されています。
その内容は以下の通りです。

                 賛成   反対
18歳から29歳        72%   20%
30代             63%   24%
40代             58%   33%
50代             50%   45%
60代以上           41%   50%
2026年8月JNN世論調査より

これを見ると、見事に若い人ほど消費税減税に賛成し、高齢になるほど反対に回っているということがわかります。
10代後半から30代にかけては、ほぼ7割が賛成し、反対は2割程度しかいません。
40代でも、賛成の方が反対よりも倍近くいます。
40代以下に限れば、賛成は反対よりもダブルスコア以上で上回っているのです。
これはどういうことを示しているのでしょうか?

高齢者の情報源はテレビと新聞だけ

若い人と高齢者では、ニュースを得る情報源が違います。
よく言われているように、若い人の間ではテレビ離れが進んでいます。
今年(2026)年春に行われたNHKの調査では、20代の若者が一日15分以上テレビをリアルタイムで見る比率は、わずか33%なのです。
その一方で、70代以上の高齢者は90%以上がテレビを視聴しています。
高齢者ほどテレビを情報源としている割合が高く、若者はネットなどが情報源になっている割合が高くなるのです。

平日に15分以上テレビをリアルタイムで見た割合

10歳~15歳    42%
16歳~19歳    27%
20代        33%
30代        43%
40代        55%
50代        73%
60代        84%
70代以上      92%
2025年度NHK国民生活時間調査より

では、テレビはどういう報道をしているかというと、消費税減税に反対する報道ばかりです。
たとえば、高齢者に人気のテレビ朝日のワイドショー「羽鳥慎一モーニングショー」では、繰り返し消費税減税に反対する報道を行なっています。
消費税減税に反対の意向を示している自民党の河野太郎元外相が出演し、「財源の裏付けがない」などと持論を繰り広げました。
そして、この番組の中心的なコメンテーターである、元朝日新聞社員の玉川徹氏は「冒頭から河野議員がおっしゃっていることに、ぼくは全面的に賛成」などと発言しました。

また高齢者は、テレビのほかに新聞も重要な情報源となっています。
そして新聞の購読者の年代別割合は、次のようになっています。

年代別に新聞を購読している人の割合(2025年)

18歳~19歳    27.4%
20代        28.3%
30代        24.5%
40代        27.0%
50代        43.8%
60代        60.3%
70代以上      78.3%
新聞調査会公表データより

これを見ると、高齢者になるほど新聞購読割合が高くなることがわかります。
70代以上では、若者の2~3倍の購読割合となっているのです。
10代、20代の方が30代よりも購読割合が高くなっていますが、これは親元で生活している人が多いからだと推測されます。

新聞テレビは「消費税減税反対」の大合唱

そして、新聞が消費税減税に関してどういう報道をしてきたかというと、日本の場合、テレビと新聞は系列化されているので、テレビ・ニュースで報道されていることと同じことが新聞にも載ります。
大手新聞各紙はこぞってあからさまに消費税減税反対を表明しています。
メディアというのは本来、中立の立場をとらなくてはならないという建前があります。
しかし、今の日本の大手メディアはその中立の原則を平然と破り、あからさまに消費税減税反対を打ち出しているのです。

たとえば、朝日新聞は、8月4日の社説で「消費税減税に突き進む自民党 責任政党と呼ぶことはできない」と題し、
「少子高齢化と人口減が進む日本で、社会保障を支える財源である消費税を初めて減税する政治判断は間違っている」
「財源確保の道筋も将来世代への責任も示さず、目先の人気取りを優先し減税する自民党は、もはや責任政党と呼ぶことはできない」
などと強く批判しています。
社説というのは、その新聞社の意見を代表する記事です。その社説に、消費税減税反対ということを明確に表示しているのです。

また日本経済新聞でも7月31日の社説で、「消費税減税は未来への責任放棄だ」と題し、徹底的に消費税減税を糾弾しています。
読売新聞、毎日新聞、産経新聞なども似たり寄ったりで、消費税減税に反対しています。

新聞テレビなどのオールドメディアがここまで大々的に消費税減税に反対していれば、それを情報源にしている高齢者などは、当然、消費税反対に傾くはずです。
つまり、消費税減税の世論調査の結果というのは、当たり前と言えば当たり前の結果であり、出来レースに過ぎないのです。

未だに「消費税はいい税金」と信じ込んでいる高齢者

高齢者の多くは、今でも「消費税は社会保障の財源として必要不可欠」「消費税を社会全体で負担する公平な税金」と信じ込んでいます。

しかし、一定のネットリテラシーを持つたちにとっては「消費税が社会保障に使われているなど嘘っぱち」ということは、もはや常識になっています。
消費税が導入された直後に、それと匹敵する額の法人税、高額所得者の所得税が減税されているのです。
消費税は、社会保障の財源に充てられたわけではなく、法人税減税、所得税減税の穴埋めに使われただけなのです。
それは、消費税導入前後の税収の内訳を見れば、誰でも確認することができます。

また消費税には、低所得者ほど「収入に対する負担割合」が高くなる「逆進税」です。
低所得者は収入の大半を消費に回さざるを得ないからです。
そのほかにも消費税には致命的な欠陥がいくつもある天下の悪税なのです。
日本が格差社会に言われるようになったのは消費税導入以降のことですし、消費税の歴史と「失われた30年」は完全にリンクするのです。
こういうことも、ネットで消費税関連の情報を得ている人にとっては、もはや常識になっています。

しかし、高齢者の多くはこういう情報を知りません。
つまりは、消費税というのは、情報弱者を手玉にとって搾取する税金ということが言えるのです。
それにしても、なぜオールドメディアは、消費税減税に反対するのでしょうか?
それは、オールドメディアにとって、消費税は巨大な利権となっているからです。
消費税の軽減税率が設定されるとき、食料品に加えてなぜか新聞も軽減税率の対象になっていました。
これは、実は異常なことなのです。
オールドメディアは財務省にアメとムチで支配されているのです。
次回は、そのことについて掘り下げたいと思っております。

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image by:StreetVJ/Shutterstock.com

大村大次郎の本音で役に立つ税金情報」(2026年8月16日号)より一部抜粋・再構成
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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元国税調査官で著書60冊以上の大村大次郎が、ギリギリまで節税する方法を伝授。「正しい税務調査の受け方」や「最新の税金情報」なども掲載。主の著書「あらゆる領収書は経費で落とせる」(中央公論新社)「悪の会計学」(双葉社)

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