2026年8月14日に発表された、株式会社情報戦略テクノロジー2026年12月期第2四半期決算説明の内容を書き起こしでお伝えします。
当社のフィロソフィー
高井淳氏:いつもお世話になっています。情報戦略テクノロジー代表取締役社長の高井です。本日は第2四半期の決算説明をします。
フィロソフィーについてです。今年から「AIとヒューマニティーでこの国の潜在能力を解き放つ。」に変更しました。この変更は、当社の戦略に深く関わるものであり、外部環境による影響で当社の存在意義が大きく変化していることを示しています。フィロソフィーに関しては、よくご質問をいただく内容でもありますので、後ほど詳しくご説明します。
会社情報

会社情報についてです。従業員数に若干の変動がありました。また、2026年8月に株式会社Flybyの株式取得を決議しました。買収は来年1月に実施予定であり、現在は株式取得の決議段階ですが、取引が良いかたちでまとまりつつあると考えています。
グループ会社

グループ会社についてです。WhiteBox社、エー・ケー・プラス社、今年4月にグループに加わったピープルドット社、そして本体の情報戦略テクノロジーの4社でグループ運営を行っています。
エグゼクティブサマリー

決算情報についてです。第2四半期も極めて順調であり、第1四半期に引き続き、売上と利益ともに予算を上回る進捗を達成しました。
売上高累計は48億4,100万円で、前年同期比33.1パーセント増となりました。営業利益は3億5,100万円で、前年同期比119.5パーセント増です。
主な取り組みとしては、AI人材育成を提供するDXHR(現AXR)社との業務提携により、AI活用の定着を含めた教育事業としてのDX内製支援を強化しました。また、ミロ・ジャパン社とのパートナーシップ締結も非常に意義深い提携であったと思います。これについては後ほど詳しくご説明します。トピックスについても、後ほど詳述していきます。
連結業績(四半期実績)

連結業績についてです。売上高は前年同期比24.2パーセント増、売上総利益は前年同期比32.2パーセント増と、ともに好調に推移しています。ピープルドット社の研修事業は、データコンサルティング事業の取り込みなどにより粗利益が向上しています。一方、第1四半期比で営業利益が減益となったのは、新卒社員の受け入れなどの季節的要因によるものです。
初めて当社の業績をご覧になって心配される方も多いかもしれませんが、第2四半期には新卒採用の影響により一時的に利益が減少します。今年は40人以上の新卒社員が入社しましたが、彼らが売上に貢献するまでにはやはりタイムラグがあります。少なく見積もっても第2四半期、つまり彼らが入社する4月から6月までの間はコストのみが発生するため、第2四半期は毎年利益が減少する傾向があります。
純利益の前年同期比での減少は、M&Aなどの一時的な要因によるものであり、事業は順調に推移しています。
今後のトップライン拡大に向けて、M&Aや高度人材の採用、AIシフトを加速させる教育分野への積極的な投資を継続しています。数値は右肩上がりに推移しています。
収益構造の内訳

収益構造の内訳についてです。当社は売上原価のほとんどを人件費が占めています。その中で、M&Aにより以前はなかったのれん償却費などが少しずつ増加している状況です。また、販管費も増加していますが、これは教育投資やAI関連の設備投資が徐々に増えているためです。
売上高・営業利益の推移

売上高および営業利益の推移についてです。進捗率はおおむね45パーセントを超える水準となっています。当社は毎回お伝えしていますが、売上は右肩上がりに推移しており、後半に進捗が進む傾向が強いことから、極めて順調に推移していると言えます。
新規顧客の開拓状況

新規顧客の開拓状況についてです。数字に表れる前の段階の指標として極めて重要なものとなっていますが、年々進化し、より良いかたちになっています。特にエンタープライズ企業を中心とした新規顧客との接点の開拓が進められており、昨年同期では61社だったものが、今年第2四半期では79社とさらに増加しています。それに伴い、新規顧客の受注数も第2四半期において6社と、前年同期に引き続き高い水準を維持しています。
当社では営業活動についても新卒から育成する方針を採っています。2023年頃、当社は上場前に一度組織崩壊を経験し、その後立て直しを図りました。現在、若手メンバーが成長し、その成長に伴い営業の質も高まっていることで、このような結果につながったと考えています。
最も注目すべき点は、新規・既存を含めた総受注数に占める「0次LAB」や「0次コンサル」の割合が43パーセントに達し、ソリューションモデルへの着実な移行が進んでいることです。
当社は、人月モデルのSIerやソフトウェア事業者と同様に見られることが多い中で、当社の素早い移行は、他社との本質的な違いを表しているのではないかと思います。この点については後ほど詳しくご説明します。
採用とエンゲージメント

採用とエンゲージメントについてです。新卒採用に関しては、紹介会社との関係性が年々深化しており、ますます優秀な人材が集まりやすい環境になっていると考えています。その若手人材に対しては、AIを含めた高度な実践環境を提供することで即戦力化を進めています。ハッカソンなどでも新卒2年目が大活躍しており、こうした点も優秀な人材の確保につながっています。
また、人材の定着率も徐々に向上しています。エンジニアの離職率については、昨年約10パーセントでしたが、それが2ポイント改善し、今期は約8パーセントとなっています。今年4月には新卒44名が入社しました。
エンジニア数の推移

エンジニア数の推移についてです。2026年12月末時点で、当社グループ全体で423名規模のエンジニア体制を目指しています。2026年4月にはエンジニア職の新卒社員32名が入社しており、生成AI時代に対応した高度な新卒教育を実施しています。当社は国内でも有数のAIに関する教育環境を有しているため、新卒社員を迅速に戦力化することを期待しています。
今後は人月ビジネスからの脱却が進んでいくことが明確であるため、採用計画に関して引き続き重要なKPIとして発表するかどうかについては、今後検討する必要があると考えています。
0次LAB(ラボ型)の内製支援の実績

「0次LAB」の内製支援実績についてです。今期は非常に大きく伸びており、その内容も変化しています。「0次LAB」は引き続き好調に推移し、前年同期比145.4パーセントと大幅な増収を継続しています。
また、ミロ・ジャパン社とのパートナーシップ締結により「0次ACE」というサービスを提供しています。さらに、「AWS Skill Builder」の導入やセキュア人材開発研修の実施を通じて、若手の戦力化が素早く進んでいます。
当社はITやDXに関する独自性を創出する企業です。これまでは顧客企業が、当社を利用しているという情報を他社に隠したい、またはライバルに知られたくないという傾向が強くありました。
しかし、AI時代の到来に伴い、各社がAI導入の遅れを懸念し、当社との取引を積極的に発表していただける状況になっています。当社に関する記事が掲載されたり、他社と共同で登壇する機会が増えたりしており、これが営業面でプラスに働いていると考えています。
プロジェクト領域においては、生成AIやデータ分析、PMなどの上流工程が順次増加しています。生成AI時代には、プログラミングを効率化する下流工程だけを考えるだけでは効率が上がらないため、顧客のニーズや修正箇所など課題に近い領域で業務を行う当社が、AIを駆使することでさらなる生産性向上につなげられると考えています。
M&Aの進捗

M&Aの進捗についてです。先ほどもお話ししましたとおり、Flyby社およびFlyby社の株式を所有するFlyby Management社を同時に買収することが決まりました。コンサルティング領域の支援に強みを持つFlyby社のグループは、仕組み化が非常に得意な会社です。
利益率も高く、当社グループに加わることで、当社の営業力やパイプラインを活用し、Flyby社自体の成長を加速させます。また、Flyby社の利益率を高める仕組みを当社に取り込むことで、相乗効果を狙い、さらにグループ全体の成長につなげることを目的として、今回の決議に至りました。
トピックス

トピックスです。これからAIのリスキリングは企業ごとに進められていくと思われます。この中で最先端の生成AI教育アセットを提供するため、DXHR(現AXR)社とさらに緊密な提携を進めることになりました。
現場で営業に携わる営業上位職の方々からよく聞く話として、AIを大企業に導入する際やAIソリューションを提供する際の課題があります。現場サイドでは「導入したい」というニーズが強いものの、稟議や決裁の段階になると、どうしても躊躇される場合があるそうです。
これは、経営層がAIに触れていないケースや、大企業において経営層に年配の方が多いことが背景にあります。そのため、営業に近いかたちでの研修を提供できるとよいという話も聞いており、今後それらを実現していくことを考えています。
トピックス

「Miroソリューションパートナープログラム」において、公式パートナーとして認定されました。
当社では以前から、システム開発をお絵かきに例えて説明してきました。システムに関して要件定義を行い、「このような機能が欲しい」という要望をすべて要件定義フェーズで決定します。その後一括請負で制作し、完成したものを顧客に使用していただきます。こういう流れが、従来のソフトウェア開発業界での一般的なシステムの作り方でした。
当然、完成後に「これは違う」「あれは違う」といった要望が多々出てきます。利便性も含めて考えると、「いつ完成するのか」とか、完成後に「使えない」といった話も出てくるわけです。
一方で、我々がこれまで取り組んできたことは、常にお客さまの目の前で要望をお聞きし、作り上げたものをすぐに提示するという、シームレスなプロセスでした。したがって、目の前で図を描いて見せながら確認し、システムを構築するという、図を描くのと同じような取り組み方を行っています。
これを非常に良いかたちで実現できるのが、この「Miro」というサービスです。
今までは、概念的なお話をして、実際に仕事を進める中で初めて、当社が同業他社とは異なる点をお客さまに実感いただいていました。一度お付き合いいただくと長くお付き合いいただけるのですが、営業段階では何が他社と違うのかが見えにくかった部分があります。
そのような部分がミロ・ジャパン社との提携によって、よりわかりやすくなりました。これは今後、大きな成長のポイントになると考えています。
トピックス

「0次ACE」についてです。先ほどの「Miro」を中核に、当社独自のソリューションとして「0次ACE」というサービスを提供開始しました。これは、「0次LAB」がさらに飛躍し、当社にとってエース級のサービスへと成長することを願っていますし、そうなると確信しています。
トピックス

アマゾン ウェブ サービス ジャパン社主催のハッカソンについてです。冒頭にもお話ししましたので簡単に触れますが、百数十チームが参加した中で、決勝に進出した5チームのうち2チームが当社グループのチームでした。その中で1チームは優勝し、もう1チームは新卒2年目の社員で構成されたチームです。
このことからも、AIの活用において当社が極めて短期間で即戦力を育成できる企業であることを示していると考えています。
当社が目指す姿

成長戦略についてです。これはいつもお話ししている「DX総合商社」というビジョンです。我々が持つ顧客との良好なコミュニケーションを活かし、サービス形態を広げることで、常にお客さまのニーズを把握することが可能になります。
また、常にお客さまの「ありがとう」を集めるサービスを提供しており、そのようなところから新たなサービスを購入したいという気持ちが生まれるのではないでしょうか。
この顧客ネットワークをしっかりと広げて強化することを基盤にしつつ、M&Aにより新しいサービスを追加し、自社で開発したプロダクトを展開することで、「DX総合商社」としての実現を目指していきます。
よくいただく質問
最近よくいただく質問についてお話しします。当社のフィロソフィーを変更したことについて、「フィロソフィーを刷新した理由を教えてください。」というご質問です。
当社はもともと、業界に存在する多重下請けをはじめとしたさまざまな課題をすべて解消し、再構築していくことをフィロソフィーとして掲げていました。そして、それらをすべて排除するというかたちで表現してきました。
ITやDXは、国民生活においても、またエンタープライズ企業にとっても非常に重要なものですが、これらがきちんとしたかたちで運営されていないために日本が国力を失ったと言っても過言ではないと思います。そのような状況を変えていきたいという思いから立ち上げた会社です。
実はその延長線上に、AIがありました。当社は多重下請けをなくすことに取り組みながら、現在のビジネスモデルを発展させてきました。しかし、AIの出現により、我々がAIの社会実装を加速させることで、もともと抱いていたIT業界やソフトウェア開発業界の悪しき部分を取り払うことに直結するのだと気づいたのです。
「プログラマーが要らなくなるのではないか?」というご質問をよくいただきます。確かに、将来的にはそのような話が現実化する可能性はあるかもしれません。
しかし、当社が不要になるということはございません。それは、課題や「これをこうしたい」「ああしたい」といったニーズが依然として存在しているからです。ここにAIが関わることが重要です。
一般の2次請けや3次請けのプログラマーが仕事をする現場ではどのような課題やニーズがあるかといえば、生産性のさらなる向上や、現場の改善を求める要望があると思います。ただ、最終的にはそれは作業ベースでの話に過ぎません。
AIによって改善される部分の効果と、お客さまの課題やニーズに直接関わる部分でAIを活用する場合とでは、アウトプットや生産効率に大きな差が生じます。
したがって、私たちはお客さまの課題やニーズに直結する分野で仕事をする上で、このAIを非常に強力な武器として活用しています。
実際に、AIだけで機能する時代はまだ先の話です。そこで、私たちはお客さまとのコミュニケーションやホスピタリティを大切にしながら、人間がAIを活用してお客さまの課題やニーズに対するソリューションを迅速に提供することを進めています。
この取り組みによって、国の国力を向上させるとともに、お客さまの経営をプラスの方向に導くことを目指し、当社のフィロソフィーを変更しました。
次に、「0次の概念を教えてください。」というご質問です。やはり私たちが掲げる「0次」という概念、具体的には「0次DX」「0次開発」「0次コンサル」「0次LAB」など、さまざまなかたちがありますが、特に「『0次開発』に関して他社との違いは何か?」といったご質問をよくいただきます。
この点については、上場前に類似企業の選定を行った際にも証券会社から詳しく掘り下げられ、なかなか伝わりにくい部分がありました。そのため、何度もご説明したほうがよいと考えています。
「0次開発」についてお話をする前に、まずはこの業界の構造を理解していただく必要があると思います。そこで、ソフトウェア開発業界の構造について簡単にご説明します。
ソフトウェア開発業界では、例えばみなさまもご存じのNTTデータ、富士通、日立製作所、日本アイ・ビー・エムなど、大手と呼ばれる企業が1次請けを担っています。
実際に開発を行っているのは、1次請けの会社が何を作るかを決め、その内容を子会社や規模の大きなSIerに依頼するかたちです。
この2次請けのSIerが、実際の開発をマネジメントしながら進行します。一方で、3次請けの会社は、2次請けのプロジェクトに不足しているエンジニアを派遣ではなく供給する構造になっています。
そのため、上場している企業でも、エンタープライズ領域においては一部の企業を除き、ほとんどが2次請けや3次請けを担う会社です。
そのような意味では、大手エンタープライズ企業と直接契約を結び、仕事をしている会社は、みなさまがよくご存じの非常に大きな1次請けのSIerと当社ぐらいしか存在しません。
中小企業の1次請けについては例外もありますが、当社が契約している1,000億円を超える企業に関しては、基本的には先ほどお話したような仕組みとなっています。
そのため、当社規模の会社がほぼ100パーセントのかたちで大手企業の元請けとして仕事をすること自体が、非常に大きな特徴であるといえます。
さらに、当社では請負というかたちでシステム開発を行っていません。これは、当社のエンジニアやマネージャー、コンサルタントが、お客さまの経営企画や開発チームと一体となり、新しいサービスを共同で作り上げていく業務形態を採用しているためです。
このように考えると、当社の業務は請負には該当しないと言えます。また、「請け」という言葉には下請けのイメージが伴いますが、当社はお客さまとワンチームとなって開発を行っており、この観点からも当社のサービスは請負とは異なると考えており、さらに下請けにも該当しません。
そこで「0次」という言葉が生まれました。つまり「0次」とは、当社がお客さまと非常に近い関係性であることを表しており、お客さまとワンチームとして取り組む体制を象徴しています。
このようなビジネスモデルで事業を行う会社は少ないです。一部には当社と似た取り組みをしている企業もありますが、これを主業務とする会社は極めて少ないのが大きな特徴です。
また、当社は多重下請けの構造を壊すことを目指してきました。ただし、2次請けのようなかたちで協力会社からエンジニアをお借りしていることについては、多重下請けを作っているのではないかという指摘を受けることがあります。
これについては半分事実であり、半分異なるとも言えます。確かに協力会社からエンジニアをお借りして活用していることは事実です。
一方、多重下請けの世界観がなぜ形成されているかについてですが、これは3次請けだけでなく、4次請け、5次請け、6次請けといったかたちで、下請けがさらに深くなる構造が背景にあります。
こうした状況が生じる理由としては、会社の与信問題や各企業の経営力が影響していると考えられます。具体的には、下請けの層が深まれば深まるほど収益率が低下し、会社の与信が維持できなくなります。その結果、当社がお取引をしているような大手企業は、そうした企業とは取引を行いません。さらに、そのような企業に大きな業務を任せることも難しくなります。
このため、規模の大きな仕事を請け負うには、それを受けられるだけの体制を整えた企業が必要となり、直接的な取引が難しいケースでは、そのチームの一員として協力する必要が出てきます。こうした役割を担っているのが当社です。
「0次」というサービスを提供するにあたっては、コミュニケーション能力が高く、お客さまのニーズを具現化できる優秀なエンジニアが必要です。こうした役割も当社が担っています。
残念ながら、下請けで働くエンジニアの中には、そのレベルに達していない方も多くいらっしゃいます。そのため、当社としては、0次サービスにおいて活躍できる方々を選定し、適材適所での配置を進めていく役割も担っています。
お客さまに良いサービスを提供することと、なるべく多重下請け構造にならないことを両立させる機能を当社は備えています。
協力会社からの協力を得て、エンジニアのみなさまにもご協力いただいていることは事実です。ただし、「多重下請け構造を当社が作っている」という話ではないことをご理解いただければと思います。
以上です。ご清聴ありがとうございました。
