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サイボウズ、IRグループ面談を実施 「kintone AI」を正式リリース、AI時代に適した業務改善プラットフォームへ進化

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2026年8月27日に開催された、サイボウズ株式会社IRグループ面談の内容を書き起こしでお伝えします。

目次

青野慶久氏(以下、青野):サイボウズ株式会社、代表取締役社長の青野です。上半期が終了しましたので、スライドの資料を用いて事業の近況をご報告します。

本日は、スライドに記載の目次の順に沿ってご説明します。

会社概要

まず、会社概要についてです。サイボウズ株式会社は創業から29年が経過しました。3人で立ち上げた小さな会社でしたが、現在の従業員数は1,356名と成長している会社です。事業内容は、情報共有サービスであるグループウェアの開発・販売を、約30年にわたり続けています。

企業理念

当社の企業理念は、「チームワークあふれる社会を創る」で、この理念に非常にこだわりを持って活動している会社です。私たちは、世の中のチームワークをさらに良くできると考え、チームワークあふれる社会を実現したいと思っています。この「チームワークあふれる社会」とは、5つのカルチャーを体現している社会を指します。

1つ目は理想への共感、2つ目は多様な個性を重視、3つ目は公明正大、4つ目は自主自律、5つ目は対話と議論です。この5つのカルチャーを普及させることが、私たちが描く「チームワークあふれる社会を創る」の姿であり、この企業理念を掲げて、それを実現するサービスを開発・展開していくことが、私たちの存在意義だと定義しています。

本日はこの点についてさらに掘り下げてお話しします。現在、この企業理念を再定義することを検討しています。これまでは「チームワーク」として、人と人のチームワークが前提でした。しかし、AIが非常に高い知性を発揮できるようになり、人とAIが協調してチームワークを高める時代が到来しつつあります。

そのため、企業理念について根本から考え直す必要があるのではないかと議論しています。ただし、現時点で私たちは、人とAIが一緒に働く時代になっても、この5つの要素は引き続き重要であり、むしろこれまで以上に重要だと考えています。

1つ目の「理想への共感」については、例えば、人とAIが協働する際には、お互いの理想を共有することが非常に重要です。AIが自由に暴走するリスクを防ぐためにも、いかに人間がリードを取り、「このような理想に向けてAIには動いてほしい」ということを的確に定義し、共有するかが鍵となります。

AIが理想に共感することは難しいかもしれませんが、人とAIが同じ理想に向かって進むことを重視しなければ、良いチームワークは実現できません。

2つ目の「多様な個性を重視」についてです。多様な個性を重視する時代においては、AIが進化したことにより、人間とAIそれぞれの特性を活かし合わなければならないと考えています。

例えば、AIが得意とする分野、人間が得意とする分野をお互いに活かし合うことが重要です。これを怠ると「もうなんでもAIにやらせればいいじゃん」といった事態が起こり得ます。

本来得意でない領域をAIに任せることで、人間の活躍できる場が減少する可能性があります。そのため、人とAIが互いの個性を最大限に活かして協力するチームワークを実現する必要があります。

3つ目の「公明正大」についてです。AIはご存じのとおり、悪意なく嘘をつくことがあります。これは、正しい情報に基づいて正確に推論させなかった場合に起きる現象です。

そのため、人とAIが公明正大に嘘偽りなくチームワークを形成するには、まず人間が正しい情報を共有する必要があります。もし人間が嘘をつけば、それを学習したAIも同様に嘘をつくことになります。

したがって、人間が正しい情報をオープンに共有し、それをもとにAIが正しく推論できるようにすることが重要です。したがって、私たちは、やはり公明正大はAIの時代により大切になると考えています。

4つ目は「自主自律」です。AIは主体性を持たず、人間の指示によって動きます。そのため、人とAIが協調作業を行う際には、人間が主体性を持つことが非常に重要です。

主体性が欠けると、AIの推論をそのまま鵜呑みにして、人間がそれに従うだけの退屈なチームワークになってしまいます。このような状況を防ぐためには、人間の主体性を引き出し、AIをパートナーとして活用するカルチャーを形成することが重要です。

5つ目は「対話と議論」です。AIは人の話を比較的じっと我慢して聞いてくれますが、人と人が対話し議論する際には、トラブルが起きることが少なくありません。

そこで、AIに介入してもらい、議論をファシリテートし整理することで、人と人との対話や議論がより建設的で効率的なものになると考えています。

このように、人とAIを組み合わせた対話と議論のカルチャーや技術を育てていくことが、私たちがイメージする、人とAIがスムーズにチームワークを高め合えるカルチャーであり、この実現のためにツールを開発し提供する、そのようにこのカルチャーを再定義しているというわけです。大事な内容であるため、話が長くなりました。

グループウェア事業

「チームワークあふれる社会」を実現するためにどのようなツールを作っているかについてです。チームワークの基盤となる情報共有プラットフォームを主に4つ開発しており、主力商品は「kintone(キントーン)」になります。

サイボウズNEXT

私たちが中長期で掲げている「サイボウズNEXT」という事業戦略についてです。これは、従来「kintone」が1部門で限られた業務を効率化するシステムとして利用されていたものを、全社的に展開し、より広範囲な基盤にしようというものです。

より多くの情報を扱い、多くの人々が情報を共有し、効率よく楽しく働ける基盤を目指していこうと、この「サイボウズNEXT」というコンセプトを掲げています。

約5年間、このコンセプトをもとに多様な人々に多様な情報を活用してもらう努力を続けてきました。現在は、AIを取り入れることで、このコンセプトのさらなるアップデートを進めています。

これはAIとの相性が非常に良いです。AIはデータを多く与えるほど賢くなります。そのため、「kintone」を拡大することで、より多くの仕事に関する整理されたデータを学習させることが可能となり、AIをさらに賢くすることができます。

また、現在はAIエージェントの時代に入っていますが、仕事のプロセスを広くカバーすることにより、AIエージェントの活躍の場をさらに増やしていくことができます。

さらに、より多くのデータやプロセスを「kintone」で扱っていただくことで、AIの活躍の場を広げていけるように、AI時代に対応したコンセプトのアップデートを進めています。

サイボウズの歩み

サイボウズの創業期からの売上および利益の推移です。創業から約30年を経てようやく成長を遂げることができました。しかし、特に創業から15年ほどは厳しい時期が続いていました。

この成長の転換点となったのは、いわゆるクラウドという新しいテクノロジーが出現した際に、この波にうまく乗れたことです。助走期間は5年ほどで、具体的には2008年から2012年にかけて研究開発を進めながらクラウドへの対応に取り組みました。

この結果、クラウドに適応することができ、「kintone」をリリースし、現在では持続的な成長を続けています。

ちょうど2011年から15年が経過しますが、コンピューター産業ではおおよそ15年ごとに革新的な変化が起きています。現在はまさにAIの時代に突入しており、私たちはAI時代に向けて自社のサービスを適応させる必要がある時期に差しかかっています。

このAI時代への適応がうまくいけば、持続的な成長が可能になると考えています。そのため、全力で取り組んでいきます。

2026年12月期 上期業績ハイライト

2026年12月期上期の業績についてです。上期の連結売上高は207億8,000万円で、前期比16.1パーセントの成長となりました。

売上高に占めるクラウドの割合は92パーセントとなり、ほぼクラウドの売上が主体となっています。

また、主力商品である「kintone」の売上は上半期で122億4,300万円となり、前期比プラス19.1パーセントと、堅調な成長を遂げています。

2026年12月期 上期 連結業績詳細

業績の詳細についてです。売上高は前期比で16.1パーセント増加しました。一方で、売上原価は前期比15パーセント増加しましたが、これは主にソフトウェア事業ではなく、子会社化したプロバスケットボールチーム「愛媛オレンジバイキングス」の運営費が売上原価に含まれたためで、比較的大きな伸びとなっています。

人件費は前期比8.6パーセント増加しており、採用や昇給にも注力していますが、売上の伸びに比べると小幅な増加となっています。

広告宣伝費は大きく伸びており、前期比で26.3パーセント増加しました。営業利益率が30パーセント近くと比較的お金に余裕がある時期であるため、国内のプラットフォームとして認知を定着させたいとの方針から、広告宣伝費を多めに計上し、積極的に広告宣伝を行っています。

具体的には、テレビCMをはじめ、地下鉄などの交通広告やインターネット広告をそれぞれ増やしています。

2026年12月期 上期 財務状況

バランスシートについてご説明します。大きな変化はありませんが、1点挙げるとすれば、自己株式を取得した点です。2月には「SaaS is Dead」「Anthropicショック」と言われる事象があり、株価が大きく下落しました。

このような状況の中で、手元資金を活用し、自己株式を取得したことが上期のトピックとなります。

2026年12月期 上期 製品別 連結売上高

製品別売上成長率についてです。先ほどご紹介した「kintone」は前期比プラス19.1パーセントですが、「サイボウズ Office」は前期比プラス5.7パーセント、「Garoon」は前期比プラス8.2パーセント、「メールワイズ」は前期比プラス14.9パーセントと、なかなか厳しい状況になっています。

この上半期はAnthropicショックの影響があり、また「mythos(ミュトス)」のような非常に強力なAIが登場したこともあり、市場においてはAIへの投資が不可欠という流れが加速しました。各企業がAI投資を大幅に増やす中、私たちは残念ながら十分な注目を集められず、このAIの波に現時点では乗り切れていない状況といえます。

ただ、社内においてはAIの利用をどんどん進めており、今後はこのAIへの流れを取り込むことで、製品別売上成長率の向上を目指していきたいと考えています。

製品別 SaaS経営指標

製品別SaaSの経営指標についてです。みなさまが気にされるのは、「チャーンレート」と呼ばれる離脱率、解約率かと思います。スライドのレベニューチャーンレートでは、4製品とも1パーセントを下回っており、決して嫌われて選ばれなくなっているわけではないといえるかと思います。

また、「ARPA」と呼ばれるサブドメインあたりの売上単価も、それぞれ伸びています。特に「kintone」は、価格改定前は3万から4万円程度だったものが、価格改定をきっかけに大きく伸びました。その後、大企業への営業活動が徐々にARPAにも寄与し、現在は4万9,300円まで単価が上がっています。

kintone 国内導入状況

「kintone」の国内における導入状況です。契約企業は4万社、東証プライム企業で約46パーセントとなっており、着実に広がりを見せています。また、「kintone」は業種・業態を問わず導入できることが強みとなっています。

kintone 顧客規模別MRR割合

スライドは、「kintone」の顧客を企業規模別に分けて計算した割合を示しています。SMBが顧客規模100名未満、MIDが100名から999名、EPが1,000名以上と、3つに分類されます。

現在、SMBのお客さまが全体の38パーセントを占めており、売上比率が高い状況です。しかしながら、EPの割合も徐々に増加し、27.5パーセントとなっています。MIDは34.5パーセントを占めています。

戦略としては、これまでSMBで培ってきたノウハウを活用し、徐々に規模の大きい顧客に向けて展開していくことを目指していますし、まだまだ伸びる余地があると考えています。

グローバル 導入状況

グローバル展開についてです。現在、グローバル市場においては地政学的要因も含めて、ビジネスを進める上で難しい状況が続いています。

まず、中華圏についてですが、当社は比較的早い段階からこの地域で事業を展開しており、1,000社以上のお客さまにご利用いただいています。しかし、昨今、データ越境規制が厳しくなり、当社のデータセンターが日本とアメリカに設置されている関係で、中華圏のお客さまが重要なデータを預けることに対して難色を示されるケースが増え、ビジネス環境が以前より困難になっています。

そのため、現在は新規の顧客数を増やすことよりも、既存のお客さまに離脱されないようフォローを強化し、利用をより深めていただく活動に注力しています。

次にアメリカ市場についてですが、こちらも別の課題を抱えています。主な要因は円安と高いインフレ率です。現在、当社はお客さまを930社ほどまで増やしてきましたが、これ以上の増加を目指すには広告やマーケティング予算をさらに投入する必要があります。

4年、5年前であれば1ドル110円で投資できたところが、現在では1ドル160円となり、予算の限界が生じています。さらにインフレによるコスト増も影響し、新規顧客を開拓するコストが以前に比べて高騰している状況です。

したがって、北米では新しいお客さまをどんどん増やすという方針を少し見直し、既存のお客さまをしっかりサポートしながら、ユーザー数を追加してもらい、横の部門に広げてもらうなど、さまざまな使い方を促進しています。

これにより、新規のマーケティング費用を抑えつつ売上を伸ばす方向にシフトしています。この対応が、中国とアメリカという二大大国での方針となっています。

APACと呼ばれるアジアの動きは少し状況が異なり、比較的広告投資が実施しやすい状況です。現地パートナーと協力してマーケティング活動を進め、社数を増加させています。

2026年度上期トピックス

上期のトピックスを4つご紹介します。

ワイドコースの機能アップデート

1つ目は、全社・大規模導入の推進です。

先ほどEPという顧客セグメントについてお話ししましたが、大企業に全社的にもっと利用してもらえるように、「kintone」の大企業向け機能開発を現在進めています。

すでにリリースされているものとしては、ポータル機能を拡張したり、管理機能を強化したりしています。

お客さまの中には、何千個ものアプリケーションを「kintone」上で運営している方もいらっしゃいます。そのようなアプリケーションの性能をダッシュボードを用いて分析できるような機能も提供しています。

また、同時書き込みに特化したアプリケーションの性能をカスタマイズできる機能もあります。さらに、「BigQuery」や「Oracle Database」といったデータベースからデータを取得し、「kintone」で活用できるようにする機能もあります。このような大規模な利用を想定した機能を順次実装しています。

そして今回、5月にリリースしたのは切り札的な機能です。これは複数ドメインを統合的に管理する機能となります。

用途としてわかりやすい例を挙げると、ホールディングカンパニーの下に複数の子会社がある場合、それらをまとめて管理することができます。また、複数の事業部で分けて使用しながらも管理を一元化したいというニーズにも応えることができます。

さらに、子会社や関連企業、自治体においては、都道府県単位で基礎自治体を管理する際など、大規模な管理が必要な場面で求められる、複数ドメインをまたがる管理が可能になりました。今回、このような機能の提供が開始されました。

大規模導入事例紹介 –埼玉県庁-

導入事例です。最近は自治体での導入が増加しており、特に埼玉県庁では全職員の1万3,000人が利用しています。現在、公式で運用されているアプリケーションは400を超え、さまざまな部門で多様な使われ方がされており、大きな業務改善につながっています。

1万3,000人という多くの方々が1つのプラットフォームで情報を共有されており、ここにAIを適用することでさらに県庁の業務効率が加速度的に向上するのではないかと期待しています。

愛媛県松前町との全域DXの取り組み

2つ目のトピックスは、「kintone」の導入・活用用途の拡大です。

愛媛県松前町という、人口約3万人の比較的小規模な町における全域DXの取り組みについてご紹介します。当社ではこの取り組みを「まちまるごとDX」と呼んでいます。

まずは、町の数百人規模の職員の方々が主体となり、自らアプリケーションを作成して業務効率化を進めています。しかし、これにとどまらず、現在は次のステップへ進もうとしています。

それは、役場内のみならず、周辺の地元住民、保育所の関係者、公共施設を管理する指定管理業者、イベントを企画する住民の方々など、さまざまな関係者にIDを配付し、自治体と情報共有を進める取り組みです。

このように、地域全体が一体となり、活動を効率化し、チームワークを向上させる試みを、当社も後方支援というかたちでサポートしています。この取り組みによって、日本では地方の衰退が問題視されていますが、あらためて地域を1つのチームとして再編し、効率的かつ楽しく地域運営ができるようになるのではないかと考え、挑戦を続けています。

AI時代にkintoneが提供するバリュー

3つ目のトピックスは、AIへの取り組みです。

本当にこの上半期はAIに振り回された期間であったと感じています。「AIでアプリケーションが作れるようになったら、『kintone』なんかいらないじゃないですか」というお問い合わせを何度もいただき、半年前のIRの場でも繰り返しご質問をいただきました。

これに対して、私たちがどう考えているかということですが、もちろんAIが私たちの事業に影響を与えないとは思っていません。非常に大きな影響が出ると考えています。

しかし、AIによってアプリケーションが簡単に作れるようになったことで、「kintone」のような基盤ソフトが重要性を増しています。これについての価値をしっかりと伝えていく必要があると考えています。現在、スライドに記載の4点において、AI時代における「kintone」の必要性を伝えています。

1点目は、開発生産性です。もちろん、AIを利用してコーディングするのはかまいませんし、それでも良いケースもあります。「使いやすいアプリが必ずできますか?」という質問において、安全性とメンテナンス性が高いアプリが量産されるのであれば問題ありません。

しかし、現実には玉石混交の状況が生まれることが多く、優れたスキルを持つ人が携われば良いアプリを作ることができますが、不十分なスキルのまま開発が行われると、安全性の低い野良アプリが増加するなど、深刻な問題が発生します。

その対策として「『kintone』をプラットフォームにして、その上でAIを活用してアプリを作りませんか?」ということを提案しています。

これにより「kintone」を基盤としたユーザー管理やプラットフォーム、プロセス管理機能、各種フィールドおよびUIの機能を活用しながら、AIを用いたアプリの開発が可能になります。したがって、非常に使いやすく、安全性が高く、メンテナンス性に優れたアプリケーションを生み出せます。また、本当に優れたアプリを「kintone」のプラットフォームだからこそ量産できるのです。

以前のテレビCMでは、豊川悦司さんが「ドラッグ&ドロップでシュシュッと作れちゃう」と述べていましたが、現在はAIと対話しながら「kintone」でアプリを作成するというCMに切り替わっています。このように、開発生産性という観点でも、「kintone」のような優れたプラットフォームが重要であるということです。

2点目は、運用生産性です。具体的には、作成したアプリの運用についてです。アプリはどこかで運用しなければなりません。この際、「毎回どこかのクラウドサービスを借りて、インフラ基盤にお金を払って運用しますか?」といった環境では運用が困難ですし、労力やコストがかかりすぎるため効率的ではありません。

一方で、「kintone」にはセキュアなインフラ基盤が標準で備わっており、追加で手配する必要がなく、そのまま運用可能です。

さらに、この基盤では組織やユーザーの一元管理が可能で、アクセス権の設定も「kintone」の機能を用いて行えます。そのため、多数のアプリケーションが、安全・安心なセキュア基盤上で統合管理され、効率的に運用できる仕組みが整っています。

このような運用生産性の高さが「kintone」の価値として挙げられるポイントであり、現在、それを広く伝える取り組みを進めています。

3点目は、データ活用基盤です。蓄積されたデータを最大限に活用するために、やはりAIを利用することが重要になりますが、その際に必要なのは、データガバナンスです。

大切な社内データをAIに安全に処理させ、検索、分析、要約、再活用などを行いながら、AIを活用し続けていくためには、安全で安心な「kintone」基盤の上で、適切に設定されたアクセス権を活用し、そのままAIで処理できるようにすることが理想的です。このように考えると、「kintone」の上でアプリを開発し、運用しておくことが望ましいと言えるでしょう。

4点目は、AIエージェント基盤です。これは、私たちが新たに提供を予定している機能になります。「kintone」上でAIエージェントを動かし、データを登録したり、それを処理したりする作業をAIに任せられるようにしていきます。

ただし、その際に注意が必要なのは、正体不明のAIエージェントが社内システムを混乱させるような事態を避けることです。このようなリスクを防ぐために、「kintone」のプラットフォーム上でAIエージェントを構築し運用していただくことで、統合管理された状態で正しくAIエージェントを活用することが可能となります。こうしたAIエージェント基盤としても「kintone」は利用できるということです。

このような基盤の有無により、AI時代における安心かつ有効なAIの活用や、より賢いAIの創出が可能かどうかが変わってきます。そのため、私たちにとって、この基盤としての「kintone」の価値を一層高め、広く訴求することが今後の重要な課題となります。

kintone AI 正式リリース

AI機能の実装はかなり進んでいますが、現時点では課金は行っていません。6月から、それ以前のベータ版機能から「kintone AI」を正式機能として提供を開始しました。現在は、みなさまに毎月一定量を無償で付与し使用していただいています。AIの活用が進むとともに、当社としても着実に売上を上げられるよう、年内には追加で購入可能なAIクレジットオプションを用意する計画を進めています。

また、「kintone AI」は多岐にわたる利用が可能です。データの検索や分析、要約といった機能に加え、アプリをAIで作成・管理することもできるなど、さまざまな用途で活用いただけるようになっています。

ゆくゆくは、ここにAIエージェントのような機能が導入される予定です。この「kintone」をプラットフォームとして、さまざまなAI機能が活用できる世界を目指しています。

AI エコシステムの拡大

「kintone」をAIで利用するにあたっては、「kintone」の内部だけでなく、外部のシステムとの連携も考慮する必要があります。そのために、「kintone」をAIから利用できるようにするMCPサーバー機能を実装し、提供を開始しています。

また、「kintone」のドキュメント、具体的にはAPIの仕様やカスタマイズ事例など、公式ドキュメントをMCPサーバーで提供する取り組みも開始しました。

これにより、「kintone」に対応したアプリを作成したり、カスタマイズしたりするAIが次々と社会に生み出され、発展していくことが期待されます。これに伴い、「kintone」エコシステムの拡大が見込まれます。

また、「Garoon」のようなグループウェア機能をAIから利用できるようにするため、「Garoon」向けのローカルMCPサーバーを開発し、提供を開始しました。これにより、予定の登録などをAI経由で行えるようになります。

スポーツエンターテイメント事業の歩みと現状

4つ目のトピックスは、スポーツエンターテイメント事業です。

先ほどお伝えしたように、サイボウズも財務的に余裕が出てきたことを活かし、少しストレッチのあるチャレンジとして、愛媛オレンジバイキングスという地域スポーツの経営に参画しました。

これにより、地域に対するデジタル化の推進が進むとともに、私たち自身も新しいエコシステムの拡大が期待できると考え、1年前に挑戦し始め、現時点では順調に経営が進んでいます。

1年前に子会社化して以降、パートナー、いわゆるスポンサー企業が50パーセント以上増加し、来場者数も20パーセント以上増えました。

「来場者数はあまり伸びていないな」と思われるかもしれませんが、入場料収入では実際に倍増しています。来場者数を拡大しつつ、入場料をきちんといただけるようにし、経営として健全な状態へと大きく前進することができました。

愛媛オレンジバイキングスの成績ですが、当社が買収する前は60試合中5勝55敗という、愛媛県民にとって非常に厳しい戦績状況でした。しかし、この1年で38勝22敗となり、初めてB2リーグのプレーオフに進出しました。これにより、愛媛県民のみなさまが大変喜び、盛り上がっています。

結果的に、自治体や地元企業との関係構築にもつながり、このことが愛媛県内におけるデジタル化事業にもポジティブな影響を与えるだろうと考えています。

また、アリーナ建設の計画も進めています。当社は子会社化の際から、この課題に取り組む必要性を認識していました。しかし、現在の建設費高騰に直面しており、いかにローコストで建設を完了させるかが重要なポイントとなっています。そのため、ローコスト建設に向けて調査を重ね、「100億円から150億円ぐらいで作れそうだ」という段階までシミュレーションを進めることができました。

現在、このアリーナをどこに建てるかについて検討を進めており、伊予市にある「ウェルピア伊予」という複合レジャー施設に建設する案が適していると考えています。このため、サウンディング調査に参加し、土地の使用について話を進めている状況です。

愛媛県におけるアリーナ建設の本格的な検討開始(4月30日適時開示)

スライドは、伊予市のサウンディング調査の話が出る前に、ローコストでアリーナを建設した場合のシミュレーション結果を示しています。

結果として、ローコストで建設しても累積損失は解消が難しいという厳しいグラフとなっています。ただし、シミュレーションを厳しく設定しているため、その点は差し引いてご覧いただきたいと思います。

さらに、自治体からの支援が一切ないという仮定で作成しているため、実際にはもう少しよい結果が期待できる可能性もあります。しかし、アリーナ単体では採算が厳しく、ローコストで建設しても依然として厳しい状況を示すシミュレーション結果となっています。

そこで、まさに先ほどお伝えした「ウェルピア伊予」のような複合レジャー施設の話につながってきます。「そうか。アリーナ単体で見るからいけないのだ」ということで、複合施設としての視点を取り入れる事例を挙げると、北海道の「エスコンフィールド」が挙げられます。

「エスコンフィールド」には野球場としての機能だけでなく、商業施設、温浴施設、ホテル、レジデンスが併設されています。また、近くにはタワーマンションが建設され、大学が誘致される予定です。さらに、子どもが遊べるアクティビティやアスレチック施設など、さまざまな要素が組み込まれています。

このように、スタジアム単体ではなく、エリア全体を開発することで、半日から1日、場合によっては前泊や後泊まで含めて滞在してもらえるようにし、単価の高いビジネスを目指す取り組みが行われています。その結果、とても採算性の高いビジネスモデルが実現しています。

私たちもこの事例を参考に、アリーナを作るだけで終わるのではなく、こうした複合施設の特徴を活かし、飲食、物販、宿泊、温浴、周辺のアクティビティを含むトータルなビジネスモデルを構築すれば、大きく異なる成果を生み出せると考えています。

このようなギリギリのグラフではなく、より右肩上がりで成長していくビジネスができるのではないかということで、現在、企画を進めているところです。

2026年12月期 通期業績見通し

通期の見通しと中期の目標についてお話しします。今期の業績予想は売上高421億6,800万円で、前期比プラス12.7パーセントと見込んでいます。

前期は価格改定の影響もあって大きく成長した時期でしたが、今期についてはAIトレンドの影響もあり、厳しい状況になるのではないかと考えています。また、今後数年間はなかなか厳しい状況が続く可能性もあると見ています。

しかし、利益についてはしっかりと確保できる見通しです。現時点では20パーセント台の営業利益を予想しており、上期も順調に推移していると認識しています。

配当についても利益がしっかり出ていますので、着実に増配し、前期よりさらに10円積み上げ1株あたり50円となる計画です。

中期ターゲット

中期のターゲットについてです。これまでにもお話ししているとおり、2023年の売上高254億3,200万円から5年後の2028年には倍増の509億円を目指す目標を掲げています。

AIの波により、現状では数字の見通しが難しい状況ですが、AI課金のような新たな収益源も始まるため、なんとか2028年には509億円を達成できるよう、成長へのアクセルを踏んでいきたいと思います。

中期の注力活動

中期の注力活動について、3つお伝えします。1つ目は、やはり大規模導入が挙げられます。一部門で導入されているものを全社導入に拡大し、大企業に全社導入していただく取り組みを進めています。このようなユーザー数の増加活動にも力を入れています。

2つ目は、横に広げるだけでなく、多様な情報やアプリケーションを活用し、データを大量に取り込み、多数のプロセスを動かす仕組みを構築していきます。これにより、横への展開と縦への深掘りの両面を進めていきたいと考えています。

結果的に、このAI時代において、AIを活用するプラットフォームとして「kintone」を選んでいただけるようになるのではないかと考えています。

3つ目は、グローバル展開です。こちらも引き続き挑戦していきたいと思います。現在開発中の新しいサービスはグローバル展開を前提に設計した製品であり、日本市場での実績を基盤としてグローバル展開を目指しています。

私からの近況報告は以上です。

質疑応答:AIディスラプションに対する見方や影響について

青野:「AIディスラプション(破壊的変革)に対する見方や影響について教えてください」というご質問です。

先ほどもお話ししましたが、当社はかなり影響を受けていると認識しています。少し雑な言い方になりますが、「短期的には向かい風、長期的には追い風」と表現できるかと思います。

短期的には、当社はAIそのものを開発しているわけではないため、注目度が下がる部分もあります。しかし、「AIをきちんと自社で導入して、うまく統合管理しながら活用していこう」という状況になれば、「『kintone』のような基盤が必要だね。やはりデータを集めてプロセスを回して、きちんとIDを管理できるような基盤が必要だね」となることで、再び追い風が吹いてくると考えています。これが当社のAIに対する見方です。

質疑応答:「kintone AI」の立ち上がり状況について

青野:「『kintone AI』の立ち上がり(ユーザーからの引き合い)状況について教えてください」というご質問です。

こちらについては、具体的な数字は公開していませんが、徐々に動きが見られます。既存のお客さまから、「kintone」に溜まっているデータを活用し、AIを活用したいという引き合いが確実に増えています。

ただし、この分野では、AIを野放しに使うのではなく、アクセス権やガバナンスなど、これらに関して踏み込んで取り組む必要があります。さらに、企業側ではルール定義やポリシーの設定、データの蓄積、プロセスの整理など、AI活用に向けてまださまざまなハードルが存在していると考えています。

このような背景の中で、私たちはお客さまに対し、パートナーと一緒に伴走しながら、AI活用の取り組みを進められるよう支援していきます。長期的な視点で、この取り組みに臨む考えです。

質疑応答:「kintone AI」の収益へのインパクトについて

青野:「『kintone AI』の収益へのインパクトに対する見方について教えてください」というご質問です。

先ほどもお話ししたように、年内の課金開始を目指しています。ただし、それがすぐに多く売れ始めるかというと、2つ目のご質問にもありましたように、まだお客さま側の準備が必要と考えています。

準備を進めなければ、「どんどん『kintone AI』を使うぞ」という成果には結びつかないと思います。そのため、売上が一気に上がるのではなく、長期的に着実に向上していくと想定しています。

したがって、今年や来年に大きな収益インパクトがあるとはいえないかもしれません。ただし、2028年に目標として掲げた売上高509億円に少しでも貢献できるよう、現在準備を進めているところです。

質疑応答:社内でのAIの活用状況について

青野:「サイボウズ社内のAIの活用状況について教えてください」というご質問です。

現在、ほとんどの社員がAIを活用して仕事を進めていますが、サイボウズとして特にインパクトのあるAI活用分野として挙げられるのは、開発です。

当社はプログラムを開発し、サービスとして提供する企業であるため、AI活用による開発効率の向上には大きな期待を持って取り組んでいます。今年に入り、開発部門でのAI活用が本格化し、コーディングやテスティングの分野でAIが十分に実用可能となりました。

これにより開発スピードが大幅に向上していると考えていますが、具体的な数値をお伝えするのは難しいところです。ただし、今年11月に予定されている「Cybozu Days 2026」では、新機能の発表数が大幅に増加する見込みであり、この点からも開発効率の向上にAIが大きく貢献しているといえます。

さらに、サイボウズは顧客数が非常に多い企業です。「kintone」だけで4万社、「サイボウズ Office」や「Garoon」を合わせるとさらに数万社に上ります。そのため、カスタマーサポートは非常にコストのかかる重要な業務です。

現在、4カ所ほどに設置しているコールセンターにおいても、AIが大きく貢献できるようになってきました。

今月から、製品に関する問い合わせをする際、まずAIチャットが対応する仕組みが始まっています。このAIチャットの活用が、お客さまの間で進んでいる状況です。

サイボウズへの直接の問い合わせに至らなくても、前段階として私たちが用意したカスタマーサポートAIで、多くの問い合わせを処理できるようになってきています。

それでも解決できない場合には、お客さまが電話やメールで問い合わせをされますが、これについても、私たちのスタッフの作業がAIにサポートされることで、1顧客あたり、1問い合わせあたりの回答までにかかる工数が削減されています。

こうした取り組みを積み重ねることで、カスタマーセンターの効率が大幅に向上すると考えています。

質疑応答:グローバル展開の状況について

青野:「グローバルの展開状況とその評価について教えてください」というご質問です。

こちらに関しては先ほどご説明した内容のとおりです。

中国とアメリカという二大国でのビジネスについては、私たちにとってしづらい状況にあります。そのため、方針や戦略を切り替えながら、なんとかお客さまを少しずつ積み上げていけるよう努力していきます。

また、アジア地域にはまだ投資余地があると考えていますので、積極的にマーケティング投資を進めていく方針で動いています。

質疑応答:「kintone」の「ワイドコース」の導入状況について

青野:「『kintone』の『ワイドコース』の導入状況とその評価について教えてください」というご質問です。

先ほど十分にご説明できなかった点ですが、大企業向け機能を利用可能にした「ワイドコース」の販売を開始しています。

この製品はおかげさまで着実に販売が進んでいます。具体的な数字は非公開ですが、私たちのお客さまの中でも大企業で大規模運用をされる方々が、この「ワイドコース」へ切り替え、より多くのアプリケーションをより統制の取れたかたちで運用するようになっています。

また、このような提案に関するノウハウも私たちのほうで蓄積されてきています。引き続きこの「ワイドコース」の販売を伸ばしていきたいと考えています。

質疑応答:愛媛オレンジバイキングスの運営状況について

青野:「愛媛オレンジバイキングスの運営状況について教えてください」というご質問です。

こちらも先ほどお話ししましたが、チームとしての運営は、おかげさまで現在のところ驚くほど順調に進んでいます。

まったくノウハウのなかったプロスポーツエンターテイメントの経営が、なんとか1年間、予想以上にうまくいったという状況です。

また、それとともに、アリーナ建設という次のビジネス展開のところでも、現在さまざまな情報が集まってきており、勝ち筋が少しずつ見えてきた状況です。ここも引き続きアクセルを踏んでいきたいと考えています。

質疑応答:第2四半期の業績と主要KPIの状況について

林忠正氏(以下、林):サイボウズ株式会社執行役員経営支援本部長兼セキュリティ室担当の林と申します。よろしくお願いします。

「2026年第2四半期の業績、主要KPIの状況とその評価について教えてください」というご質問です。

第2四半期の業績については、おおむね想定どおりと認識しています。また、現在開示している通期の業績予想も変更はありません。もし大きな変化等がありましたら、速やかにみなさまに共有します。

主要KPIの状況については、先ほど青野からもご説明がありましたが、スライドに記載のとおりです。詳細については後ほどご確認ください。

全体としては、私たちが想定している、また進めようとしている戦略どおりに数値が推移している状況です。

補足として、ARPAが上昇しています。これは、「ワイドコース」などの順調な導入を含め、想定どおりに上昇してきていると捉えています。

また、2024年からの価格や単価の改定、最低ユーザー数の引き上げに伴い、新規の減少傾向が見られます。しかし、ARPAの上昇でこれをカバーしながら、引き続き新規の獲得にも積極的に取り組んでいきたいと考えています。

質疑応答:中期見通しの変化の有無について

:「中期見通しの変化の有無について教えてください」というご質問です。

通期業績について、現時点では2028年に売上高509億円と掲げていますが、大きく数字を変更する予定は、今のところありません。

質疑応答:顧客の重要業務での「kintone」の使用状況について

司会者:「AIによる代替リスクに関して、顧客企業の主要業務、重要業務で『kintone』が使われる状況であれば、代替リスクは小さいのではないかと考えます。全体感として、顧客の重要業務で『kintone』が使われつつあるのか、どのようにご覧になられていますか?」というご質問です。

青野:いくつかの観点でお話ししたいと思います。まず、お客さまにとって重要な業務で使用される機会が増えているかという点についてですが、大まかには「イエス」といえるかと思います。

「kintone」が最初にリリースされてから15年目となり、機能が大幅に充実してきました。また、パートナーの数も増え、非常に難しいカスタマイズにも対応できるようになったことで、お客さまの重要な業務でも「kintone」で可能な場面が増えています。

ただ、「kintone」は基幹システム、いわゆる大企業の売上管理システムなど、そうした領域で使用することは想定していません。そこを目指しているわけではないため、むしろ専門的に作られたもの、ERPのようなシステムと連携し、その周辺を「kintone」が補完するというスタンスを採っています。この方針は今後も変わることはありません。

また、先ほど「サイボウズNEXT」の話もありましたが、私たちが目指しているのは、中核的な機能だけを抑えるというよりも、どの部門でも当たり前のように周辺業務で使用されることです。この点が、私たちの基本的な世界観となっています。

ただ、「kintone」で可能なことが増えてきたことで、重要な業務にも対応できるようになってきています。このような認識でお考えいただければと思います。

質疑応答:新製品について

司会者:「新しい製品を作っているというお話がありましたが、5つ目の製品という認識でよいですか? どの分野向けの製品でしょうか?」というご質問です。

青野:これについては、まだお話しできないことも多いのですが、サイボウズが目指しているのは、グローバルで活用してもらえるようなプロダクトを提供することです。

そのため、日本国内の業務に特化したアプリケーションというよりは、インフラ側のサービスを構想しています。

クラウドサービスを通じて、世の中の多くの人々がインターネットを利用して業務を行えるようになりました。さらにそこにAIのような技術が加わることで、「インフラとしてどうあるべきか。本当に安心してチームワークを形成するために、どのようなインフラが必要なのか。何を管理しないといけないのか」という視点を踏まえた新しいサービスを開発しています。

5つ目の製品かと言えば、そのように認識していただいてよいかと思います。比較的インフラ側の管理サービスを念頭に置いています。

質疑応答:最低ユーザー数の変更に伴う業績寄与について

司会者:「2026年度における最低ユーザー数の変更に伴う業績寄与は、主に第4四半期に出ますか?」というご質問です。

:ご質問の内容について、答えは「イエス」となります。「最低ユーザー数引き上げ前からお使いいただいていたお客さまは、2年間そのまま最低ユーザー数のまま使って大丈夫です」という移行期間が設けられていたものが、この10月に終了します。

11月には、これまで猶予期間があったお客さまの引き上げが一斉に行われることで、第4四半期以降に影響が出ると思われます。

ただし、年間の売上で考えると11月と12月の2ヶ月分となるため、非常に大きな影響が出るというよりは、来年以降も影響が続く部分の引き上げが、このタイミングで発生すると考えています。

質疑応答:「Garoon」のARPAについて

司会者:「『Garoon』のARPAも増えていたと思いますが、この要因はどのように分析していますか?」というご質問です。

青野:私の認識では、主に単価を上げたことや価格改定の影響によるものだと考えています。

質疑応答:上期の増収率と契約数の関係性について

司会者:「上期の増収率を契約数と単価上昇に分解するとどうなりますか? また来期には、契約数と単価で分解すると、それぞれどのように変化するか、現時点のイメージがあればご共有ください」というご質問です。

:こちらに関しては詳細を公開していないため、回答は控えさせていただきます。

質疑応答:グローバルでの導入状況について

司会者:「北米と中国では提供企業数が増えていないと思います。中国は個人情報越境移転認証弁法等が要因とのことですが、構造的な問題で厳しいと思います。アジア等にリソースを集中させるなど、社内ではどのように議論していますか?」というご質問です。

青野:中国から撤退してアジアに集中することは、現時点では考えていません。

地政学的状況もまだ変動する可能性があり、当社としても個人情報の越境問題についてなんらかのかたちで対応できるのではないかと考えています。

具体的には、中国のデータセンターで運用可能にすることで、そのあたりの問題を解決できるケースもあります。そのため、現時点で撤退を考えておらず、粛々とできることを進めていくということで、既存顧客の深掘りに注力しています。

質疑応答:北米での広告投資について

司会者:「北米では円安によるコスト高で広告投資が打ちにくく、新規が取れないとのお話でしたが、北米で生じたキャッシュフローを使えば為替は関係ないと思いますが、いかがでしょうか?」というご質問です。

青野:キャッシュフローが生み出せていない状況です。現在まだ赤字で、クラウドの特性上、ある程度お客さまが増えることで利益が出てくるのですが、まだそのthreshold(閾値)には達していません。

そのため、日本から投資を行い、アメリカでマーケティングを展開する必要があります。

質疑応答:クレジット使用量について

司会者:「『検索AI』等のAI機能を6つ展開していると思いますが、クレジット消費が多い機能は何ですか? また、顧客クレジットを使い切る方はけっこういますか?」というご質問です。

クレジットの使用量については、「検索AI」をはじめとするkintone AI機能別のクレジット使用量が掲載されているサイトがありますので、そちらもご参照ください。

青野:サイトをご覧いただければと思いますが、このクレジットは使い方によって消費量が変わります。

これはあくまで目安ですが、「検索AI」の場合、対象レコードが増えた瞬間にクレジットを多く消費することもあります。「レコード一覧分析AI」についても、レコード一覧に多くのデータが入っていると、それに応じてクレジットが消費されることがあります。

そのため、クレジット消費量は使い方次第で変動します。一部にはクレジットを使い切る方もいらっしゃると認識していますが、まだ積極的に使用される方は少数派という認識です。

質疑応答:AI機能の原価やトークンコストについて

司会者:「顧客へのAI機能の原価、トークンコストなどはどれぐらい想定されていますか?」というご質問です。

青野:こちらについても計算を進めながら、課金に関する部分も含めて現在、社内で調整を進めているところです。

非常に難しい点がありますが、それは、トークンの価格が日々変動する現状があるためです。また、使用するLLMやそのバージョンによっても大きく変動し、さらに、それらの価格改定による影響も受けます。そのため、AIクレジットの提供においては、原価コントロールが重要になってきます。

したがって、私たちも原価をコントロールできるよう準備を進めたいと考えています。

質疑応答:競争環境について

司会者:「現状での競争環境の整理はいかがですか? 環境は実際にAIで変わったりしましたか?」というご質問です。

青野:「どのレイヤーで何と競争するのか」ということもありますが、広い視点で見ると、特にこの上期はAIが話題の中心となったと感じています。

そのため、広い分野で、私たちのようなDXがAXといわれるように、AIの分野に話題を持っていかれた部分があると考えています。

実際にはここは連続性があり、「DXしないとAXができない」といった認識も少しずつ広がってきているため、競争関係もまた変化していくのではないかと思います。

より狭い分野におけるノーコード開発ツールの競合についてですが、この上期において特筆すべきものはほとんど見受けられなかったと思います。

むしろ、各ノーコードツールがAI機能を実装し始めている印象です。「kintone」もAIで開発可能になりましたが、競合ツールも同様にAIによる開発機能を取り入れてきています。

質疑応答:AI機能の付与で期待している点について

司会者:「顧客へのAI機能の提供は、顧客離脱を減らす効果と、利便性を高めてARPAを引き上げる効果の2つがあると思いますが、御社がAI機能の付与で期待しているのはどのようなことですか?」というご質問です。

青野:まさにARPAを引き上げる効果を期待していますが、それがどれほどARPAの向上につながるかについては、実行しながら探っていくかたちになると思います。

トークンコストは、「1年間で何分の1に下がってしまう」というような、大きく変化している状況です。

したがって、これがどれほどARPAに貢献できるかについては、試行錯誤しながら探っていく必要があると考えています。

ただし、ご指摘のとおり、顧客離脱を減らす効果は間違いなく期待できます。AIが支援してくれることで、この環境から抜け出すことが難しくなり、結果として顧客離脱を減少させる効果にもつながると考えています。

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