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電算システムHD Research Memo(7):3ヶ年計画をリバイス、長期計画達成にM&Aも視野(1)

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■成長戦略

1. 長期計画「Challenge1000」
電算システムホールディングス<4072>は長期計画として「Challenge1000」を掲げ、ESG、SDGsの要素を加味しながら、2027年12月期に売上高1,000億円を目指している。これまで培った情報処理に関するノウハウと、IT技術とサービスを組み合わせることで生まれる「新しい価値の創造」を、「情報サービス事業」「決済サービス事業」「クラウドサービス事業」「新規事業」の4つの事業を通じて実現していく。

2. 3ヶ年計画
同社は現在、新事業創出に注力する段階にあることから、前中期計画(2025年12月期~2027年12月期)をリバイスする形で、2026年12月期~2028年12月期の3ヶ年中期計画を策定した。数値目標として、2028年12月期に売上高820億円(情報サービス事業:520億円、収納代行サービス事業:300億円)、営業利益46億円(情報サービス事業:25億円、収納代行サービス事業21億円)を目指す。長期計画「Challenge1000」の最終目標では2027年12月期に1,000億円の達成を目指しており、本中期計画の売上高目標である、2027年12月期の750億円、最終年度2028年12月期の820億円では未達となる。しかし、同社では長期計画の目標は変更せず、組織改編を跳躍台に計画達成に挑む。情報サービス事業では、高利益率を目指すクラウド関連事業や豊富な経験を有するBPO事業、需要の旺盛なAI・DX関連に集中し、収納代行サービスでは「TREE PAYMENT」を含む口座振替を強化するとともに「PAYSLE」を中心としたオンライン決済サービスを推進する。ブロックチェーン決済インフラ構築の2027年12月期以降の収益貢献を注視したい。

中期計画の達成に向け2026年12月期重点施策として、「DSK Transformation」「AI・DXの深化と拡張」「決済事業の進化と拡張」「人的資本経営」「その他の施策」を掲げた。「DSK Transformation」では、ストック型事業拡大に向けサービス型ビジネスの創出を目的に、「営業本部」を新設し、所属部署の枠を超えてアカウント営業となる体制を構築した。これにより、グループが持つ多様なリソースを顧客ニーズに合わせて最適に統合し、付加価値の高いソリューションをワンストップで提案するという意識が定着したようだ。具体的には、ミーティングを密に行い、アカウントプランを作成して実行に移す流れで、早期に顧客利益の最大化を実現する。実際、事業部間での顧客情報交換から生まれた案件の数は、前期と比較し増加した。加えて、同体制により営業活動における情報収集の効率化が進み、営業コスト削減から利益への寄与も期待できるだろう。ストック型事業については、2026年12月期中間期時点のストック収益比率は前期と同水準で推移している。主力のGoogle Workspaceに密接に連携し、社内ニュース、情報ナレッジ、ツールへのアクセスを1つの画面に集約するクラウド型社内ポータル(従業員エンゲージメントプラットフォーム)LumApps等を付加するなど、パッケージソフトやツールの拡充を推進しており、2025年12月期以降、協業も含め6つのサービス(Google関連3、AI関連2、DX関連1)をリリースした。これにより、ストック収益を下支えする。なお、2026年12月期上期は、自治体クラウドサービスを中心に大小様々なクラウド案件に積極的に挑戦するなか、それらに資金を投下した。BPO事業では、多様な業務を取り入れ、BPOによるサポートの範囲を拡大する方針である。ストック収益源となる収納代行サービス事業では、「TREE PAYMENT」等の口座振替や「PAYSLE」等により、オンライン決済の潮流に乗ることも重要と捉え、推進する。

次期決済インフラ構築のための準備について、同社は、決済技術を基軸に、有益な情報を生み出すデータシステムとして、現在3メガバンクが進める信託型ステーブルコインとは異なる顧客利益を創出するインフラの構築を目指し、議論を重ね検討を進めている。併せてユースケースの積み上げにも注力しており、2025年9月から、JPYC(株)と、同社の決済ネットワークとステーブルコイン「JPYC」を活用したB2C/B2B決済や精算のユースケースの具体化を進めている。同時期に、日本発ブロックチェーン「Japan Smart Chain(JSC)」を開発するAltX Research(株)のJSCプロジェクトメンバーと、ブロックチェーンを活用したB2C向け流通・決済ネットワークインフラと次世代決済サービスの実用化に向けたユースケースの検討とPoC(概念実証)に協働して取り組む計画を発表した。ほかにも、次期決済インフラ構築への布石として、「NIPPON WONDER FACTORY」の「DAOコミュニティ」構築において、グループ会社のUnyteが取り組む「貢献証明」を推進している。「貢献証明」では、LLMで貢献を評価してブロックチェーンで記録し、デジタル証明として発行する。最終的には、同社の進めるステーブルコイン決済基盤と連携して貢献に応じた報酬をステーブルコインで自動分配し、「貢献」と「価値移転」のWeb3経済圏の確立を目指す。現在「貢献証明」では多方面に提案を進めており、新規案件がいくつか発生している状況である。

「AI・DXの深化と拡張」では、同社のこれまでの自治体DX関連システムの導入実績から得た経験値が強みとなり、行政DX大型案件を獲得した。ほかにも、Google関連では、エンドポイントセキュリティを強化する高度なセキュリティ機能と企業向けブラウザを統合したChrome Enterprise Premiumや、仮想化ソリューションのCameyo by Google、デバイスをリモートで一元管理できるChrome Enterprise Upgradeなど、ソリューションを多様に揃えることによって、顧客の要望に合った環境を構築できることが優位性として機能している。加えて、ゼロトラストに基づいたシステム構築を徹底してセキュリティを担保すること、さらに独立系SIerとしてMicrosoft等の他システムからの移行にも対応可能なことは、競合に際し強く作用しているようだ。なお、教育関連DXに関しては、GIGA案件を通じてリレーションを確保した顧客を含め、自治体や教育機関に対して営業活動を進めており、足元では、東京都の八丈町の「校務ゼロトラスト構築に向けてGoogle Workspace for EducationとMacBookを基盤としたネットワーク環境再構築」に関し、支援した。

(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)

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