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「日航機墜落事故」当時の日経平均チャートを見てわかった次の相場の転換点=高梨彰

8月12日は坂本九さんの命日。あれから35年です。1985年(昭和60年)当時の日経平均株価推移と主な出来事をみると、「バブル世代」が最も輝いていた時代だと改めて気付かされます。(『高梨彰『しん・古今東西』高梨彰)

※本記事は有料メルマガ『高梨彰『しん・古今東西』』2020年8月12日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:高梨彰(たかなし あきら)
日本証券アナリスト協会検定会員。埼玉県立浦和高校・慶応義塾大学経済学部卒業。証券・銀行にて、米国債をはじめ債券・為替トレーディングに従事。投資顧問会社では、ファンドマネージャーとして外債を中心に年金・投信運用を担当。現在は大手銀行グループにて、チーフストラテジスト、ALMにおける経済・金融市場見通し並びに運用戦略立案を担当。講演・セミナー講師多数。

相場が動くとき、裏では大きな国際合意があった

本日8月12日は坂本九さんの命日。あれから35年です。

当時、私もニュースにクギ付けでした。飛行機墜落事故で乗客の日常が突然に失われ、命のあっけなさを痛感したことが印象に残っています。

35年経って、件のボーイング747(通称ジャンボ)の生産打ち切りが発表されています。ここ数年、ボーイング社の航空機には何かと疑問符が付く出来事が続いていますが、航空機は現代社会に不可欠な存在です。月並みですが、安全な運航を願うばかりです。

1985年(昭和60年)当時の日経平均株価推移と主な出来事をみると、「バブル世代」が最も輝いていた時代だと改めて気付かされます。

1985年4月1日にNTTが民営化。また9月22日にはプラザ合意。ドル高是正に主要国が同意する一方、日本では株価や地価がウナギ登りとなります。

その後1989年末まで日経平均株価は上昇を続けるのですが、やはり相場が大きく動くとき、国際政治の世界にて何らかの大きな合意があると再確認するところです。

ここ10年では、安倍首相の「Buy my Abenomics(私のアベノミクスを買って)」に象徴される一連の動きが該当するでしょうか。アベノミクス自体はもう何処かに行ってしまいましたけど。

コロナは相場の転換点になりうるか?

1985年のプラザ合意から1989年末の最高値更新と今日を無理矢理関連付けるとして、コロナ禍と重なるものはないかと探してみました。

時間の長さは異なりますが、株価が急落した出来事としては1987年10月17日の「ブラックマンデー」が近い存在です。

ただ、「ブラックマンデー」にしても、1990年以降の株安にしても、切っ掛けは利上げなどの金融引き締めや、土地の「総量規制」など株価や地価を直接下げる政策にあります。

これに対して、コロナ禍は感染症であって、基本的には政策には頓着しない存在です。また、「低インフレは終わらないでしょ」と、低金利が永遠に続くものと捉えている世界でもあります。

だからこそ、例えば「ワクチンは出来たものの、感染拡大は止まらない」ような出来事が、あっさりチャートを反転させる可能性もある。そんなことを1989年前後の日経平均株価のチャートが語っているようにもみえます。

Next: 「ベルリンの壁崩壊」しかり、相場転換期にはビッグニュースがある

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