■RIZAPグループ<2928>の成長戦略・トピックス
chocoZAP事業では、2026年3月期で証明された収益基盤を土台に、設備リニューアル・新規出店・AX等への集中投資を推進する。
1. 次世代chocoZAP成長戦略(国内)
(1) 全店舗リニューアルで、最新鋭マシンを大幅拡充
2027年3月期は、全店舗リニューアルを行い、顧客の体験価値の最大化を目指す。具体的には、既存店比でマシン数30%拡充(合計2万台規模)し、最新鋭のマシン、美容・ケアサービスの拡充、リラックス空間の拡充、ワークスペースやカフェスペースの新設などを行う。次世代マシンとして注目されるのが、EMS引き締めマシン、プロ級セルフケアマシン、骨盤底筋トレーニングマシンなどである。これまで、マシン・サービスが限定的、画一的で、スペースの使い方に余白がある店舗などがあり課題となっていたが、全店リニューアルを機に見直す。
(2) 女性専用店舗300店舗展開を計画
社会のフィットネス参加率を上げていくためには潜在的なマーケットへのアプローチが必須となる。その点で注力する顧客セグメントが女性である。厚生労働省が推進する「健康日本21(第三次)」においても特に若手女性(20~40代)の運動不足が課題となっている。同社では、「女性専用chocoZAP」の出店を決定し、2027年3月期に最大300店舗(国内出店計画は最大650店舗)を計画する。安心のプライベート空間で、女性特化型のマシンとサービスにより女性新規層の運動参加のハードルをより引き下げる構想だ。既に、都市部を中心に、既存店からのコンバート、新規出店を開始しており、高い需要が期待される。
(3) 採算性を見極めた利益効率の高い新規出店(直営、FC)
新規出店ペースは計画対比でやや後ろ倒しながら、採算性を見極めた利益効率の高い出店に注力している。新店も次世代マシンラインナップを大幅拡充した仕様となっている。また、FC展開に関しても、堅調に出店が伸びている。2026年8月14日時点のFC店舗数は54店舗であり、今後の見込みとしては加盟意向ありを含めて109店舗、2027年3月期末には286店舗(既存店舗の10%)を計画している。
2. AXの推進:「AIトレーナー」の実証実験が進行中
同社では、これまでも無人店舗を運営するためのIoT化やDXを推進してきたが、2027年3月期はAIを活用してさらに進化させる構想である。これまでの取り組みにより空調(温度)、煙、けが、清掃状態、マシン不具合、運動記録など様々な情報がリアルタイムで取得できており、今後は「AI店長」が分析・判断し、最適化する指令を出す。「AI店長」の下、スタッフやフレンドリー会員が動くことになる。直近では、「AIトレーナー」が運動中に声かけ・励ましを行い、来館継続率(=モチベーション)の向上を目指す実証実験が進行中である。「AIトレーナー」は生成AIデジタルヒューマンであり、実験ではトレッドミルに設置したタブレット上で利用者と、“いいですね!今日も一緒に20分、伴走します!”といった会話をしながら声かけ・励ましを行う。人物を検知できるのはもちろん、RIZAPトレーナーのノウハウや特徴を受け継いだデジタルヒューマンと、双方向で会話できる点で新たな体験価値を提供する試みである。2026年12月までには、効果検証が完了する計画だ。
3. chocoZAPの海外店舗が本格拡大:韓国で新業態「RIZAP LOUNGE」を出店
chocoZAPの海外展開は、実証フェーズから本格成長フェーズに入っている。香港の店舗数は2026年8月末には22店舗となり、出店が加速中である。香港の成功モデルは、日本よりも広い面積の店舗で、生活密着型サービス(フィットネスジム、マッサージ、ワークスペース、ランドリー、エステなど)を「オールインクルーシブ」で提供するというものであり、会員数で日本の1.4倍、客単価で1.8倍、収益力で2.5倍という優れたモデルである。本格展開を一気に加速しており、2027年3月期に最大100店舗も視野に入る。また、類似の店舗モデルで展開する台湾(2026年8月時点で2店舗)でも大きな手応えをつかんでおり、本格展開する方針だ。進行期には、マレーシアで2店舗目、韓国で1店舗目、ベトナムでも出店準備中である。韓国では新業態「RIZAP LOUNGE」を2026年8月に開業した。ローカルのニーズを取り入れ、“「働く&整える」をシームレスにつなぐ「都市型ワーク&セルフケアラウンジ」”をコンセプトにした大型店での初出店となった。2027年3月期に海外合計で最大150店舗の出店を計画しており、「アジアNo.1チェーン」への基盤を固める年になりそうだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)
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