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網屋 Research Memo(5):売上高・営業利益ともに中間期最高を更新。営業利益は期初予想の53.2%まで進捗

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■業績動向

(1) データセキュリティ事業
網屋<4258>のデータセキュリティ事業の売上高は1,429百万円(前年同期比27.7%増)、セグメント利益は681百万円(同51.5%増)となった。主力製品である「ALog」を中心に、ログ管理・監視需要の拡大を背景として高い成長を維持している。近年はランサムウェア対策に加え、経済安全保障や内部統制、サプライチェーン監査などへの対応が企業の重要課題となっており、国が推進するセキュリティ対策強化の流れを受けて、企業のログ管理ニーズは一段と高まっている。特にエネルギー関連企業や防衛関連企業をはじめとする重要インフラ分野からの引き合いが増加しており、受注拡大の追い風となっている。

「ALog」は企業内のITインフラ全体における操作履歴やアクセスログを記録・分析するログマネジメント製品として導入が進んでおり、サイバー攻撃発生時の原因究明や内部不正対策、監査対応など幅広い用途で活用されている。サブスクリプション契約の累計受注件数は前期比56.7%増加し、契約の積み上がりが順調に進展している。また、解約率は3年平均で0.7%と極めて低い水準を維持しており、製品の高い競争力と顧客基盤の強固さを示している。

収益面では、2024年4月に完了したサブスクリプションモデルへの全面移行効果が本格的に顕在化している。既存顧客の移行も順調に進展しており、ARRの拡大と契約負債の積み上がりを通じて収益の安定性が高まっている。利益率の高いストック収益比率の上昇が利益成長を牽引しており、セグメント利益は売上成長率を大きく上回る伸びを示した。成長ドライバーは価格改定による単価上昇から契約件数の拡大へと移行しており、今後は新規顧客獲得と旧ライセンス契約顧客のサブスクリプション移行をいかに円滑に進めるかが重要なテーマとなる。

製品面では、主力製品の新バージョンである「ALog V2」をリリースした。AI機能の強化を含む各種機能拡張を実施しており、海外ベンダー製品に対する競争力向上を図っている。既存顧客に対しては、サブスクリプション契約内で最新機能を利用できる仕組みであるため、顧客満足度や継続利用率の向上に寄与すると考えられる。一方、新規顧客に対してはAIを活用した高度なログ分析や自動監視機能が差別化要因となり、今後の契約件数拡大につながることが期待される。

販売面では、大手ITベンダーや流通を中心とした代理店チャネルを通じて拡販を進めており、特定代理店への依存ではなく幅広い販売網を活用している。また、菱友システムズとの資本提携を通じた新たな顧客層への浸透も期待されている。サプライチェーン全体のセキュリティ強化が求められるなか、防衛産業やエネルギー関連企業など従来とは異なる業種からの引き合いも増加しており、市場拡大の余地は大きいと見られる。

一方で、外部環境要因として半導体不足の長期化には留意が必要である。同社製品は依然としてオンプレミス環境での導入比率が高く、サーバーや関連ハードウェアの調達遅延が発生した場合には、「ALog」の導入時期も後ろ倒しとなる可能性がある。ただし、これは製品競争力や需要動向に起因する課題ではなく、業界全体に共通する外部環境リスクと位置付けられる。

総じて、同事業はサブスクリプションモデルへの転換を完了し、高い契約継続率とストック収益の積み上がりによって収益基盤を強化する段階に入っている。今後は「ALog V2」の機能強化や新規顧客開拓を通じて契約件数の拡大を進めることで、さらなる市場シェア向上と収益成長が期待される。

(2) ネットワークセキュリティ事業
ネットワークセキュリティ事業の売上高は1,967百万円(前年同期比20.9%増)、セグメント利益は494百万円(同7.7%増)となった。同事業は、クラウド型ネットワークサービス「Network All Cloud」を基盤に、ネットワーク機器販売によるフロー収益とライセンス・運用サービスによるストック収益を組み合わせた事業モデルを展開している。近年はテレワークやハイブリッドワークの定着を背景として、ネットワーク機能とセキュリティ機能をクラウド上で統合管理するSASEへの需要が拡大しており、企業のゼロトラスト対応や運用負荷軽減ニーズを追い風に市場環境は良好に推移している。

主力サービスである「Verona」は、VPNやファイアウォールなど従来個別に運用されていたネットワーク・セキュリティ機能を統合したフルマネージドSASEサービスであり、リモートワークを行う企業を中心に幅広い組織で導入が進んでいる。特に外食、小売、製造業など全国に多数の拠点を有する企業では、ネットワーク管理の効率化とセキュリティ強化を同時に実現できるソリューションとして評価されている。ARRは前年同期比29.4%増と高い成長を維持しており、従来の機器販売中心の収益構造からストック収益型モデルへの転換が着実に進展している。

足元では「Verona」の認知度向上を目的とした積極的な販促活動を展開している。展示会やイベントへの出展を例年以上に拡大し、ブランド認知の向上と案件創出に注力した結果、引き合い件数は着実に増加しており、先行投資の効果が表れ始めている。また、キヤノンマーケティングジャパンとの協業拡大も進んでおり、今後の販路拡大や顧客基盤の拡充が期待される。

一方で、同事業は今後の成長加速に向けた投資フェーズにある。営業体制の強化やブランディング投資に加え、SASE市場の拡大を見据えた研究開発投資を積極化しているため、利益成長率は売上成長率を下回る結果となった。特に3,000~5,000ユーザー規模の大規模案件では、海外大手ベンダーであるZscaler,Inc.などと比較した際の導入実績や認知度が受注率向上に向けた課題となっており、今後は大規模環境でも安定稼働可能な機能強化や実績の積み上げを進める方針である。

また、2026年12月には「Verona」の大型アップデートが予定されている。現時点で開発は計画通り進捗しており、機能拡充により競争力向上と大規模顧客への提案力強化が期待されることから、今後の受注拡大に寄与する可能性が高い。足元では「Verona」を中心としたサブスクリプション収益の積み上がりが続いており、中長期的にはSASE市場の成長を取り込みながら高い成長ポテンシャルを有する事業であると弊社では見ている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)

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