2026年9月15日に行われた、ソーダニッカ株式会社個人投資家向けIRセミナーの内容を書き起こしでお伝えします。
ソーダニッカとは?
目﨑龍二氏(以下、目﨑):ソーダニッカ株式会社代表取締役社長執行役員の目﨑龍二です。よろしくお願いします。まずは当社がどのような会社であるか、概要をご説明します。
荒井沙織氏(以下、荒井):最初に会社概要編ということで、どうぞよろしくお願いします。
坂本慎太郎氏(以下、坂本):まずご質問します。御社がどのような会社なのか、概要を教えてください。
目﨑:我々ソーダニッカは、化学品・機能材を扱う専門商社です。専門商社とは、特定の業界・分野に特化した商社を指します。本日は、当社の特徴として3つのポイントを中心にご説明します。
まず、当社は化学工業薬品であるカ性ソーダを主力商品としており、国内取扱高はトップクラスを誇っています。次に、顧客基盤が充実しており、取引先は3,500社以上あります。また、業績は過去から安定的に推移しており、直近では5期連続で過去最高益を更新中です。
坂本:御社は専門商社ということですが、主力商品であるカ性ソーダを含め、製造は行っていないのでしょうか?
目﨑:当社は先ほどお伝えしたように商社ですので、製造は行っていません。ただし、グループ会社である日本包装では、包装フィルムに印刷や加工を行う製造機能を持っています。また、物流基地であるケミカルセンターでは、貯蔵している化学品の濃度調整や小分け作業を行っています。
坂本:仕入・顧客数は3,500社以上とのことですが、取引先の規模はどのような会社が多いのでしょうか?
目﨑:おおむね大手製造業のお客さまが中心です。
取扱商品はどこで使われている?

目﨑:ソーダニッカの取扱商品は、実はみなさまの身近なところで使われています。スライドの図で示しているように、例えば家庭で使う紙や洗剤、スーパーマーケットにある食品パッケージや容器など、ソーダニッカは生活に欠かせない製品を支えています。
会社概要

目﨑:こちらのスライドには、当社の基本情報をまとめています。当社は1947年に設立され、80年目を迎えます。後ほど詳しくご説明しますが、販売ネットワークや取引基盤が強みだと考えています。また、5,000種類以上の幅広い商品を取り扱っており、各営業社員が市場や商品の専門知識を習得し、担当先に商品を販売しています。
坂本:御社は創業時から専門商社を営んでいたのでしょうか?
目﨑:それについては、次のスライドでご説明します。
沿革

目﨑:当社の沿革です。ソーダニッカは、戦前に設立され、国の管理下にあったソーダ製品の販売統制会社を前身としています。戦後、統制会社は3つの販売会社に分割され、民間へ移行しました。
そのうちの1つとして、1947年に曹達商事株式会社が設立されました。その後、1979年に、3つに分割された販売会社のうちのもう1社である新日化産業株式会社と合併しました。そして、曹達商事の「ソーダ」と新日化産業の「ニッカ」を組み合わせて、ソーダニッカ株式会社として今日に至っています。
冒頭にお伝えしたように、当社の主力商品がカ性ソーダであるということには、このような歴史的な背景があります。
事業概要 3つのセグメントで事業を展開

目﨑:事業セグメントをご紹介します。当社の事業領域は3つのセグメントで構成されています。
1つ目は化学品セグメントです。無機薬品・有機薬品を、化学、紙パルプ、食品・洗剤、公共インフラなど、さまざまな市場へ販売しています。
2つ目は機能材セグメントです。包装フィルム、合成樹脂、機器・材料などを、食品、樹脂加工、エレクトロニクスなどの市場へ販売しています。
3つ目はその他セグメントです。グループ会社の事業をまとめたセグメントで、グループ会社は国内に4社、海外に3社の計7社あります。
直近の売上高の構成比は、化学品セグメントが約7割を占めています。残る部分は、機能材セグメントが約2割、その他セグメントが約1割となっています。
坂本:御社には3つの大きなセグメントがありますが、売上高の比率は近年変わっているのでしょうか? 円グラフの中で伸びているセグメントがあれば教えてください。
目﨑:売上高の構成比は、近年は大きく変化していません。それぞれのセグメントが伸長していますが、直近では化学品セグメントがエレクトロニクス業界向けや自治体向けの取引で伸びています。
ビジネスモデル

目﨑:ビジネスモデルをご紹介します。基本となるのは商社活動です。化学品メーカーが作ったさまざまな商品を仕入れ、お客さまのニーズに合わせてお届けします。我々はメーカーとお客さまをつなぐ役割を担っています。
これに付加価値を加えたビジネスモデルが、スライド右側に示している2つです。まず、ケミカルセンターは、当社の拠点のうち、化学工業薬品の貯蔵や出荷を行う施設のことです。
当社では、ケミカルタンカーや船舶などで大量に仕入れた化学品をいったんケミカルセンターで受け入れ、貯蔵した上で、お客さまが必要とする濃度に調整したり、必要な量に小分けしたりして出荷しています。特にカ性ソーダなどの液体の化学品は輸送コストが高いため、大量に船で仕入れることで物流コストを抑え、効率的にお客さまへ届けています。
受託仲介ビジネスでは、主に日用品分野において、メーカーさまの製造受託をトータルでサポートしています。化学品専門商社として培ってきた知見を活かし、単に日用品の原材料を販売するだけでなく、商品の企画からOEM先の選定、商品のパッケージ提案まで一貫して支援できることが、当社の強みだと考えています。
坂本:原料をただ販売するのではなく、使用する企業のことを考えてさまざまな加工を行うというビジネスモデルについては、ライバル企業も同様の取り組みを行っているのでしょうか? 特にケミカルセンターで希釈加工などを行うことで、使用する側も使いやすくなると思います。こうした点について、もう少し詳しく教えてください。
目﨑:化学品を仕入れて販売するという商社機能自体は、他の化学品を扱う商社でも行われています。一方で、当社のケミカルセンターのビジネスモデルについては、付加価値を提供することにより差別化を図っており、当社の特徴の1つだと考えています。
お客さまの要望に合わせた加工や小分け、タイムリーな物流でお届けすることで、周辺のお客さまからも非常に好評を得ています。
ソーダニッカの特徴① カ性ソーダ販売国内トップクラス

坂本:御社の特徴や強みについて、もう少し詳しく教えてください。
目﨑:まず1つ目の特徴は、先ほどお伝えしたとおり、主力商品であるカ性ソーダの販売において、国内トップクラスのシェアを誇っていることです。カ性ソーダにあまり馴染みがない方もいらっしゃると思いますので、簡単にご説明します。工業薬品のカ性ソーダとは、学校で習う化学名では「水酸化ナトリウム」のことです。
カ性ソーダは、工業分野では最も代表的なアルカリ性の薬品であり、私たちの生活を支える基礎物資の1つといえます。産業や生活に必要不可欠な化学品であるため、需要が多岐にわたっていることが特徴です。
製造方法は、スライドに示しているとおりです。塩水を電気分解することで作られます。カ性ソーダを製造すると、同時に塩素、水素が生産されます。電気分解による製造という特性から、我々の業界では製造メーカーのことを「電解メーカー」と呼んでいます。
坂本:カ性ソーダは産業や生活に必要不可欠な化学品であるため需要が高いと思いますが、季節や需要により販売状況に変動がある商品なのでしょうか?
目﨑:先ほどお話ししたとおり、カ性ソーダを生産すると、ほぼ同量の塩素が作られます。塩素は、主に塩化ビニルとして建築資材などで使用されており、水道管などにも活用されています。
カ性ソーダの市場とあまり関係ないように見えますが、実は塩素の市場の変動がカ性ソーダの市況や需給バランスにも影響を与えるという微妙なバランス関係があります。
また、生産コストの変動もあります。カ性ソーダの生産には非常に多くの電力を使用するため、エネルギー価格が上昇すると、当然ながら製品価格にも影響します。このように、季節的な要因というよりも、需給バランスやコストの要因により変動する商品といえます。
坂本:非常によく理解できました。今お話にありましたが、昨今の原材料価格の高騰やエネルギー全般のコスト上昇、さらに物流2024年問題による運賃の高騰などもあります。また、ローリーで輸送されることもあると思いますが、これらに対して適切な価格転嫁は進んでいますか?
目﨑:ご指摘のとおり、原材料やエネルギーコストに加え、生産設備の維持費用も急上昇しています。これは管理コストの上昇につながっています。当社としては、これらについて取引先に十分ご理解いただいた上で、適切な価格転嫁を進めていきたいと考えています。
ソーダニッカの特徴① カ性ソーダ販売国内トップクラス

目﨑:先ほどご紹介したとおり、カ性ソーダを製造するメーカーを「電解メーカー」と呼んでいます。国内に電解メーカーは20社ありますが、当社はそのすべてのメーカーと取引を行い、カ性ソーダを販売しています。これにより、当社は取扱高でトップクラスを誇っています。
坂本:御社は取扱高でトップクラスということですが、シェアはどの程度あるのか、また他社との棲み分けについてお聞きしたいと思います。例えば、強みや地域性なども含めて教えていただけると幸いです。
目﨑:おおよそですが、国内市場における当社のシェアは約15パーセントであると認識しています。プライム市場上場企業の中で、カ性ソーダを主力商品として取り扱う商社は他にないのではないかと思います。そのような意味で、カ性ソーダの販売に強みを持っている点が当社の特徴であると考えています。
坂本:次に、新規参入の参入障壁についておうかがいします。おそらく劇薬であると思いますが、その管理や、船で大量に運んできた後に小分けしてローリーで製造メーカーにお届けする際、設備などが必要になるかと思います。このあたりについてお聞かせください。
目﨑:まず、化学工業薬品を販売する業界には、長年にわたって築いてきた取引関係やお客さまとの信頼関係があります。そのため、それらの知見のない企業が新たに参入することは難しいのではないかと思います。また、特別な設備が必要というよりは、カ性ソーダは毒劇物に指定されているため、誰でも販売できるわけではなく、資格や販売許可が必要です。
坂本:スライドに使用される産業の例が示されています。先ほど希釈加工のお話がありましたが、取引先に応じて加工したりしているのでしょうか? あるいは、同じものを販売することでコストを安くしているのでしょうか?
また、先ほど「カ性ソーダは毒劇物である」とお話がありましたが、どのようなものかイメージが湧かない方もいらっしゃると思います。ローリーで輸送するとのことですので液体だと思いますが、どのようなかたちで販売しているのかについて教えていただけると、視聴者の方もさらに理解が深まるかと思います。よろしくお願いします。
目﨑:基本的にはカ性ソーダは、48パーセントの濃度の液体として流通していることが多いです。この48パーセントという濃度は非常にアルカリ性が強いため、お客さまは慎重に取り扱う必要があります。その一方で、薄い濃度を希望するお客さまもいらっしゃいます。
そのような場合、当社ではいったんケミカルセンターで48パーセントの濃度で受け入れた後、お客さまのご要望に応じて、25パーセントや20パーセントといった濃度に薄めてお届けします。ローリーでの販売は通常10トン程度からですが、それでは多すぎるというお客さまには、1トンや2トンのコンテナでの対応も可能です。
坂本:細かく対応されているということですね。
国内電解メーカーの所在地と当社の拠点

目﨑:こちらのスライドは、国内の電解メーカーの工場の立地を示した地図です。工場は消費地に隣接した位置に比較的多くあり、この地図からわかるように、全国各地に電解メーカーの工場があります。
坂本:この地図を見ると、御社のケミカルセンターは全国に4ヶ所あります。ここにいったん集めたり希釈加工を行っていると思います。生産工場が全国各地に点在しており、そこで生産されたものを御社が受け入れるかたちだと思いますが、ケミカルセンターと生産工場の位置づけや立地の特徴について教えてください。
目﨑:地図をご覧になり、すでにお察しの方もいらっしゃるかと思いますが、当社のケミカルセンターは、各メーカーの生産工場がない空白地域に立地しています。その周辺エリアで各メーカーの出荷基地としての役割を担い、お互いに補完し合うことで供給をカバーしているという位置づけです。
ソーダニッカの特徴② 安定した取引基盤と販売網

目﨑:ソーダニッカの特徴の2つ目として、安定した取引基盤と販売網が挙げられます。幅広い業種・業界に3,500社以上の取引先を持っていることは、当社の強みです。
また、取扱商品は化学品だけでなく、それに付随する包装関連商品や樹脂などの機能材、設備や機器など、非常に多岐にわたっています。そうした5,000種類以上の商品を、全国の拠点を通じて販売しています。
坂本:5,000種類以上というのは非常に多い商品数だと思いますが、これらを供給するにあたり、御社ならではの工夫や得意な分野があれば教えてください。
目﨑:5,000種類といっても、1人の営業社員がすべての商品を取り扱っているわけではありません。それぞれの営業社員が、担当する市場に商品を販売するための専門知識を習得しています。
また、当社はメーカーと協力し、習得した知識を活用して技術的なフォローを行う体制も整えています。得意な分野というよりも、各業種で当社の強みを活かし、お客さまの期待に応えることを大切にしています。
ソーダニッカの特徴③ 過去最高益を更新中(安定性と成長性)

目﨑:ソーダニッカの特徴の3つ目として、業績の安定性と成長性を挙げています。スライドでは、過去10年間の業績推移を示しています。
坂本:グラフを見ると、売上高が大幅に増加し、利益も過去最高益というかたちで伸びています。一方で、新型コロナウイルス感染拡大時には一時的に業績が低下しています。この状況について、例えばカ性ソーダの生産量や需要の減少、それに対する御社の対応策など、市況が急変した際にどのような対策を講じたのかを教えてください。
目﨑:コロナ禍では、結果的に影響を最小限にとどめることができました。先ほどお話ししたように、当社は人々の生活に欠かせないさまざまな製品の原料となる化学工業薬品を扱っています。コロナ禍では生産がままならない商品もあったと思いますが、例えばマスクや殺菌剤など、生産が大きく伸びた業種もありました。
このように、取扱商品や取扱業種の幅が広いことにより、比較的安定的な推移となり、需要の増減が相殺された部分があると考えています。化学品は社会情勢が不安定な時期でも、基本的に需要が大きく落ち込みにくいという強みがあるのではないかと思います。
坂本:直近の業績は過去最高益を更新している状況ですが、この要因について教えてください。
目﨑:おかげさまで、2021年度から5期連続で最高益を更新しています。今期も最高益を更新する見通しです。この要因としては、現在進めている中期経営計画の各施策が順調に進捗していることが挙げられます。また、2022年頃から化学品市況が安定していることも後押ししていると考えています。
株主還元

目﨑:当社の株主還元方針です。4年間の中期経営計画「Go forward STAGE3」の期間中において、配当性向40パーセント以上の定常化を定めています。
前期2025年度の配当は、年間44円を実施しました。配当性向は42.5パーセントです。当期2026年度についても、現時点では普通配当として中間配当・期末配当ともに22円、年間44円の配当を予想しています。引き続き安定的な配当の維持を目指し、収益のさらなる拡大に努めていきます。
株主優待制度

目﨑:株主優待制度についてご紹介します。毎年3月末時点で500株以上保有している株主さまには1,000円分の「QUOカード」を贈呈しています。
また、1,000株以上保有している株主さまには3,000円分の「QUOカード」を贈呈するとともに、保有株式数に応じて「ソーダニッカ・プレミアム優待倶楽部」の優待ポイントを贈呈し、カタログギフトのような形式で好きな商品を選べるようにしています。
坂本:非常に手厚い株主還元となっていると思いますが、御社が株主優待を「QUOカード」や「プレミアム優待倶楽部」にした理由をお聞かせください。さすがに原料を直接お客さまにお届けするわけにはいかないと思いますので、その点で工夫されたと思いますが、教えていただけると幸いです。
目﨑:「QUOカード」の贈呈は以前から実施しており、現在も継続しているものです。一方で、株主さまにより良い還元ができないかと検討した結果、「プレミアム優待倶楽部」を2023年から導入しました。保有株式数に応じたポイント設計ができることに加え、さまざまな商品をお客さまにお届けできる点が、導入の決め手の1つとなりました。
坂本:「プレミアム優待倶楽部」は、選択画面に株主優待を提供する会社が選んだ商品、例えば自社製品や取引先製品などを表示できるシステムになっていると思いますが、御社でも同様の取り組みを行っていますか? また、おすすめの商品があれば教えてください。
目﨑:残念ながら、当社が直接「この商品を載せてください」といったことは行っていません。しかし、最近ではECサイトでのお買い物に利用できるギフト券なども追加されています。掲載されている商品以外にも、株主さまが必要と思われるものに有効活用できるのではないかと思います。
保有株式数ごとの総合利回り

目﨑:保有株式数ごとの総合利回りは、スライドに示したとおりです。例えば、2,500株を保有していただくと、「プレミアム優待倶楽部」の付与ポイントは4万ポイントとなります。8月31日の株価を基に想定した場合、配当と優待を合わせた総合利回りは約4.5パーセントとなります。
坂本:現在でも非常に高い配当・株主優待の利回りだと思います。手厚い株主還元ですが、長期保有株主への追加優待を行う会社もあります。御社のお考えをお話しできる範囲で教えてください。
目﨑:現時点では具体的な内容は決まっていませんのでお話しすることはできませんが、株主さまへの還元の充実は大切な経営課題の1つと捉えています。今後も株主優待や配当の拡充を図れるよう、業績の拡大に努めていきます。
荒井:会社概要編ということでお話ししていただきましたが、坂本さん、ここまでうかがっていかがでしたか?
坂本:会社の内容をじっくりうかがう機会はあまりないため、今日は非常に勉強になりました。特に御社が扱っている商品はBtoBで、消費者に直接販売するものではないため、イメージが湧かない方も多くいらっしゃったのではないかと思います。
本当に化学に詳しい方でなければイメージが湧かなかった部分もあったと思いますが、非常に丁寧にお話しいただき、私自身も理解を深めることができましたし、ご覧になっている方々も非常に理解が深まり、親近感が湧いたのではないかと思います。また、現在取り組んでいる工夫や、最後にお話があった株主還元の部分も興味深かかったのではないかと思います。
次に、成長戦略編として、今後の成長に向けた取り組みについてお話をうかがいます。
長期ビジョン “Go forward”

目﨑:現在取り組んでいる中期経営計画「Go forward STAGE3」についてお話しします。まずは中期経営計画の説明に入る前に、2030年度までの長期ビジョン「Go forward」についてご紹介します。この長期ビジョンは2016年度にスタートし、事業価値と社会価値の双方の向上を目指して、各種の取り組みを推進してきました。
長期ビジョン “Go forward” 「目指す社会」と「役割」

目﨑:長期ビジョンで目指す社会と当社の役割をまとめた図がこちらのスライドです。目指す社会を「豊かで持続可能な社会」、当社の役割を「“社会と化学のコーディネーター”として、取引先・地域社会とともに社会課題を解決する」と定義しました。この役割を果たすため、社会課題の解決に資する次世代ビジネスの創出を目指していきます。
中期経営計画 “Go forward STAGE3”

目﨑:ここからは、中期経営計画についてご説明します。現在進めている「Go forward STAGE3」は、先ほどご説明した2030年度までの長期ビジョンの3段階目に当たります。この期間は、「新たな成長軌道をつくるために『変革』を果たす」ステージと位置づけています。
定量目標はスライドに示しているとおりです。最終年度である2026年度の財務目標は、連結当期純利益が24億円以上、ROEが8パーセント以上、配当性向が40パーセント以上です。また、投資枠は4年間の累計で100億円を設定しています。
中期経営計画 STAGE3 計数計画の進捗

目﨑:前中期経営計画からの業績推移です。スライドのグラフは、連結当期純利益とROEの推移を示しています。
当期純利益は、最終年度の目標である24億円以上に対して順調に伸長してきました。また、ROEは目標値の8パーセントに向けて、7.5パーセントまで改善が進んでいます。今期は最終年度となるため、残りの期間で各目標の達成に向けて努めたいと考えています。
坂本:中計目標は、連結当期純利益24億円以上、ROE8パーセント以上としています。2025年度の実績では当期純利益が23億6,200万円、ROEが7.5パーセントまで達しており、目標にかなり近づいています。今期の予想は24億5,000万円で、目標水準をほぼ射程に収めた状況といえるのではないかと思います。
下期に向けた業績の上振れ余地や、ROE8パーセントの達成を決定づける主要な利益成長ドライバーについて教えてください。
目﨑:社会情勢にはさまざまな不安定な要素がありますが、当社としてはこれまで投資を行ってきたケミカルセンターなどの設備の稼働が成長のポイントになると考えています。また、下期以降に予定している海外向けの包装関連機器などのスポット案件も、業績に寄与する見込みです。
さらに、日用品や化粧品などのOEM・ODMビジネスも、今後の成長ドライバーとして期待しています。
中期経営計画 STAGE3 キャッシュ・アロケーション想定

目﨑:中期経営計画「Go forward STAGE3」期間中のキャッシュ・アロケーションの想定です。中期経営計画の4年間で約140億円のキャッシュ・インを見込んでいます。それに対するキャッシュ・アウトとして、株主還元を30億円から50億円程度、成長投資は70億円から90億円程度と想定していますが、投資機会によっては最大で100億円まで拡大する考えです。
坂本:成長投資を約70億円から90億円、最大で100億円と設定していますが、その内訳を教えてください。
目﨑:次のスライドでご説明します。
中期経営計画 STAGE3 キャッシュ・アロケーション(2023年度~2025年度)

目﨑:2023年度から2025年度までの累計キャッシュ・アロケーションです。キャッシュ・インとキャッシュ・アウトは累計で約90億円となり、中期経営計画の最終年度である2026年度の想定に対して、おおむね計画どおりに進捗しています。
成長投資の主な内訳としては、グループ会社のパッケージ製造工場の新設、物流機能を強化するための特にケミカルセンターへの設備投資を行いました。また、社内システムへの投資も実施しています。
中期経営計画 STAGE3 開示セグメントと中計事業区分の関係性

坂本:中期経営計画では、どのような事業戦略に取り組んでいるのかをご説明いただければと思います。
目﨑:まず、中期経営計画で取り組んでいる事業と決算書で開示しているセグメントに若干のずれがありますので、その点について先にご説明します。
中期経営計画で注力する分野を、基盤事業、パッケージ・新素材事業、生活ソリューション事業という3つの事業区分に分けています。これらの3つの事業区分は、開示セグメントを横断するかたちになっています。
中計3事業の戦略

目﨑:中期経営計画の3つの事業では、従来のトレーディングという商社機能に加え、プラスアルファの機能および当社としての付加価値の獲得を目指しています。
基盤事業では物流機能、パッケージ・新素材事業では製造機能、生活ソリューション事業では製造受託機能をそれぞれ強化してきました。次のスライドからは、これらの機能を3つの事業区分でどのように活用していくかをご紹介します。
基盤事業×「物流機能」

目﨑:基盤事業で強化しているのは物流機能です。ここでは、全国の4ヶ所に設置しているケミカルセンターを活用していきます。ケミカルセンターは、遠隔地のメーカーの工場から液体の化学工業薬品などをケミカルタンカーと呼ばれる船舶で受け入れ、いったんセンター内のタンクに貯蔵し、近隣のお客さまの需要に応じてタンクローリーなどで出荷する施設です。
単に化学品を保管するだけでなく、お客さまの要望に応じた濃度調整や、必要な量に応じた小ロットでの配送など、多様なニーズに対応できることが特徴です。
また、ケミカルセンターを活用することで、周辺エリアの需要に応じるだけでなく、安定供給も可能にしています。輸送効率の向上も図れるため、ドライバー不足といった社会課題の解決にもつながると考えています。
坂本:御社の物流機能を改善・強化することで、利益が生まれる部分があると考えます。物流機能強化の事例があれば教えてください。
物流機能に関連する投資①

目﨑:物流機能を強化するための投資として、広島大野ケミカルセンターへの投資をご紹介します。中国地方での化学品需要の増加を見越し、各種設備を増強しました。投資額は約12億円で、投資効果としては中国地区全域での拡販体制を確保することができました。出荷量の増加により収益性も向上し、業績に貢献しています。
物流機能に関連する投資②

目﨑:もう1つ、静岡県富士市に化学品の物流倉庫を新設しました。今年4月からすでに運用を開始しています。単なる倉庫業ではなく、お客さまへの安定供給を通じてお役に立ち、本業の拡大につなげることが目的です。そのために、管理システムによる保管効率や作業効率の最適化を図る機能も付加しています。
静岡県富士市という首都圏に近い立地を活かし、関東から中部地方の新たな物流拠点として、収益拡大に活用したいと考えています。
パッケージ・新素材事業×「製造機能」

目﨑:パッケージ・新素材事業で強化しているのは製造機能です。当社のグループ会社には、フィルム印刷加工メーカーである株式会社日本包装があります。日本包装の製造機能と、ソーダニッカ本体が持つ商社機能を掛け合わせることで、パッケージに関するあらゆる商流に当社が一貫して対応することが可能です。
商社機能と製造機能を兼ね備えていることが当社の大きな特徴であり、他社との差別化にもつながると考えています。
坂本:御社には3,500社以上の取引先があるからこそ、これまでにご説明いただいたような取り組みにつながっているのだと思います。取引先の要望を汲み取りながら業務を行っていると思いますが、今後予定している新たな取り組みや、取引先からの要請でお話しできることがあればお聞かせください。
目﨑:おっしゃるとおり、パッケージ事業は、当初はフィルム原反の販売のみを行っていましたが、取引先からのさまざまな要望に応える中で、加工製造へと展開を広げることができました。これは、取引先との多様な取り組みを通じて生まれたと考えています。
また、最近では海外のお客さまから日本製の食品用包装機械に関する要望が増えており、これらに対応することで業績の拡大に貢献できると思っています。
製造機能に関連する投資

目﨑:製造機能に関する投資として、日本包装の本社工場についてあらためてご紹介します。日本包装では主に食品業界向けのフィルムの印刷やラミネート加工の貼り合わせを行っています。今回の投資では最新鋭の設備を導入し、製造能力を従来より大幅に増強しました。投資総額は約43億円です。
坂本:43億円はかなり大きな額だと思います。日本包装の岡山新工場は、試運転を経て順調に稼働しているとのことですが、現在の稼働率を教えてください。また、食品用フィルムということですので、食品メーカーから案件が来ていると思いますが、新規案件の獲得状況はいかがでしょうか?
目﨑:新規案件の受注は徐々に増加しています。ただし、大手食品メーカーとの取引では、取り扱う商品が食品であるため、当社工場の査察やさまざまなサンプルテストなど、各段階を非常に慎重に進めます。時間が必要だと考えていますが、それらをクリアしながら、本格的に稼働が伸びていく段階に差し掛かっています。
坂本:本格的に収益に貢献し始める時期の目安があれば教えてください。
目﨑:先ほどお話があったように、現在は操業を開始し、徐々に稼働時間を延ばしています。来期以降にはフル稼働となり、収益に貢献できると見込んでいます。
生活ソリューション事業×「製造受託機能(OEM・ODM)」

目﨑:生活ソリューション事業では、日用品分野での製造受託機能を強化しています。一般的にOEM・ODMと呼ばれるもので、当社は委託先と連携し、原料の調達から製品化までを担い、完成品を日用品メーカーに提供しています。
昨今、消費者ニーズが多様化していることから、「多品種・小ロット生産」の需要が高まっています。当社は一貫したサポート機能により、これらの需要に柔軟に対応することが可能です。事例としてスライドに示すように、薬用歯磨きジェルの共同開発を行いました。
生活ソリューション:今後の展望

目﨑:生活ソリューション事業の今後の展望です。短期的には日用品市場に加え、化粧品市場やペット市場などへOEM仲介の分野を広げる取り組みを進めています。将来的には、海外OEM先を活用することで事業拡大を目指していきます。
最近のトピックスとして、スライドに記載しているとおり、当社がOEM仲介で携わったペット向けの健康商品が販売されました。素材の協議から委託先の提案まで一貫して当社が対応し、ペットの安全と快適を両立させた商品を提案できたと考えています。このような付加価値のあるビジネスを、さらに増やしていきたいと考えています。
坂本:スライドに記載の「新規輸入商材」とはどのような商材で、取引の規模はどのくらいを想定しているのでしょうか? お話しできる範囲で教えてください。
目﨑:生活ソリューション事業では、先ほどお話ししたOEM仲介事業と並行して、日用品・化粧品・食品会社向けに原材料の販売も行っています。例えば、洗剤やシャンプーに配合される界面活性剤や殺菌成分などを輸入して販売しています。
1つの商品の売上規模は、数千万円から数億円程度とそれほど大きくはありません。しかし、取り扱う商品の品ぞろえを増やすことで、お客さまへのサービス向上が図れるとともに、当社の収益向上にも寄与すると考えています。
坂本:スライド右側に記載の「海外OEM」は、どの分野を考えていますか?
目﨑:主に日用品の分野を想定しています。OEM仲介について、現在は日本国内で製造委託を行っています。ただし、生産物や原料の種類によっては、海外に製造委託を行うほうがコスト面で有利になる場合もあるため、海外での製造委託も検討しています。OEMの協力先については、東南アジアを中心に考えています。
坂本:御社はもともと商社であり、日本包装を含めて製造機能も保有しているため、両方のビジネスが把握できている状況だと思います。スライドに記載の「製造機能の保有検討」については、どのようなものを考えているのかを教えてください。
目﨑:現状では外部の協力先へ製造を委託していますが、将来的に案件数や規模が拡大した際には、当社で設備を保有することも収益拡大策の1つと考えています。
設備の一例としては、原料の調達から配合、容器への充填、検査、出荷を行うような内容をイメージしてください。自社で生産することで加工による収益を取り込むだけでなく、使用する材料や原料、包装資材を当社が選択できることで、ビジネスの拡大も期待できるのではないかと考えています。
Go forward 社会と化学のコーディネーター

坂本:最後に、今日初めて御社を知った方もいらっしゃるかと思います。2030年の長期ビジョンに向けて、そのような方々が一番ワクワクして期待できる夢や挑戦があれば、ぜひ教えてください。お話を聞いてよかったと思っていただけると思いますし、御社のファンも増えるのではないかと思います。
目﨑:現在の中期経営計画では、従来の商社機能に比べて、事業構造や収益構造の変革を図っています。当期純利益は5年連続で過去最高益を更新しており、今期もさらなる更新を目指しています。
メインである化学品や機能材の販売といった収益基盤を着実に伸ばしていくとともに、それらを土台として製造や物流機能への成長投資を進め、付加価値をさらに高めていきます。これにより、収益を拡大することが目的です。
また、来年度から新たな中期経営計画がスタートします。今後発表する内容にもぜひご期待いただき、ご覧いただければ幸いです。当社の着実な成長にご期待ください。よろしくお願いします。
