トレジャー・ファクトリー(3093)、衣料を主力に総合リユース事業を展開。既存店売上は60カ月連続増収、出張・宅配買取と新規出店を強化し、営業利益は前年同期比24.0パーセント増。国内の注目銘柄を紹介する新連載「ログミーFinanceの#銘柄発掘」。銘柄の選び方を学べます。
国内の注目銘柄を紹介する連載「ログミーFinanceの#銘柄発掘」。ビジネスモデルやファンダメンタルズの分析を通じて、中長期で保有できる優良銘柄の見極め方が身につく実践的シリーズです。今回は、トレジャー・ファクトリーを取り上げます。
衣料・服飾雑貨が商品販売高の73.0%、総合リユース事業を展開
トレジャー・ファクトリー(3093)は、消費者などから衣料や家具・家電、ブランド品を買い取り、実店舗とECで再販売する総合リユース企業です。2026年2月期の連結売上高の97.6パーセントを「リユース事業」が占め、レンタルやシステムなどの「その他」は2.4パーセントでした。
リユース事業の商品販売高では「衣料」が49.9パーセント、「服飾雑貨」が23.1パーセントで、合計73.0パーセントです。総合店「トレジャーファクトリー」や衣料専門店「トレファクスタイル」などで扱うファッション関連商品が業績を大きく左右します。
同社によれば、低単価衣料は仕入れ競争が比較的緩やかで粗利率を確保しやすく、販売件数を増やして粗利益額を積み上げる構造です。
店舗販売市場は6.8%増、商品を集める「買取力」が競争力に
リユース経済新聞の推計では、2025年の国内リユース市場で店舗販売は前年比6.8パーセント増の1兆3,222億円と、好調が続いています。物価高を背景に割安な中古品の需要が広がるなか、リユース企業には販売力だけでなく、売り手から商品を集める力も求められます。
この点、トレジャー・ファクトリーは衣料から家具・家電までまとめて買い取り、大型品の出張買取や物流にも対応するほか、集めた商品を総合店と専門店で売り分けることで、買取先の拡大につなげています。
既存店61カ月連続増収、販売件数5.6%増が売上をけん引
リユース品需要の広がりは既存店にも表れています。同社の単体既存店売上高は2026年9月まで61カ月連続で前年同月を上回りました。
2027年2月期第1四半期は販売単価が前年同期比1.0パーセント増だったのに対し、販売件数は5.6パーセント増でした。販売単価よりも販売件数の伸びが売上を支えました。9月の既存店売上も前年同月比4.3パーセント増で、衣料の販売が好調でした。既存店の売上を伸ばしながら、新規出店でも売上を積み増せるのが同社の成長余地と言えます。
2028年2月期は年間35店から40店を計画、出張・宅配買取を強化
同社は2027年2月期に30店から35店、2028年2月期と2029年2月期はそれぞれ年間35店から40店を出店する計画です。ただし、新店の売場を埋め、既存店の品揃えも維持するには、買取量を増やす必要があります。
そこで店頭買取に加え、出張・宅配買取を強化しており、2027年2月期第1四半期の連結商品仕入高は前年同期比15.7パーセント増となりました。単体では出張買取が28.0パーセント増、宅配買取も16.8パーセント増と、店舗以外からの商品調達が拡大しています。
クーポン上乗せ率を見直し、営業利益は24.0%増
商品量の拡大とともに重要なのが、仕入れ採算の維持です。買取価格を上げすぎれば、商品は集めやすくとも粗利が圧迫されます。
同社は2026年2月期第3四半期から、買取価格を上乗せするクーポンの上乗せ率を最大50パーセントから上限20パーセントへ変更しました。この施策が奏功し、2027年2月期第1四半期の連結売上総利益率は前年同期比0.5ポイント改善しました。売上総利益が拡大し、販管費も計画内に収まったことで、営業利益は前年同期比24.0パーセント増となっています。
粗利率の押し上げは第3四半期末に一巡へ、高単価衣料の仕入れが焦点
もっとも、クーポン変更後は「トレファクスタイル」などで高単価衣料やブランド品が集まりにくくなっています。また、クーポン変更による粗利率の前年同期比押し上げ効果は、2027年2月期第3四半期末ごろに一巡する見込みです。
今後は、出張・宅配買取の強化で新店・既存店に十分な商品を供給しながら粗利率を維持できるか、買取網の拡大を売上総利益額と営業利益の成長につなげられるかに注目です。
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執筆者プロフィール

執筆:西田哲郎
ライター・コンテンツディレクター。投資歴15年。大きな損失を出したことをきっかけにイナゴを卒業、ビジネスモデルとファンダメンタルズ重視の手法に切り替える。業界紙やスタートアップを経てフリーで投資情報メディアやM&A情報サイトの立ち上げに関わり、現在は主に週刊誌で投資や経済関連の記事を執筆。
※記事内容、企業情報は2026年10月8日時点の情報です。
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