■会社概要
1. 会社概要・経営体制
アクモス<6888>は、システムインテグレーション(SI)やソフトウェア開発からネットワーク構築、システム保守・運用までを一貫して提供する独立系の中堅ITサービス企業グループである。一般企業向け業務システムや自治体向けITソリューションの開発をはじめ、宇宙関連システム、防災・行政分野における社会インフラを支える各種ソリューションを展開している。また、地理情報を活用したGISソリューションにも強みを持つ。
社是である「挑戦する心」の下、企業理念として「仕事を通して心の豊かさと技術の向上を追求する」を掲げ、顧客価値の最大化と技術力の強化に取り組んでいる。高付加価値案件への対応を通じて顧客との長期的な関係構築を進めるとともに、安定的かつ持続的な成長基盤の確立を目指している。
同社グループは、事業持株会社である同社と連結子会社5社で構成されており、システム開発から運用・保守までをワンストップで提供できる体制を整えている。事業セグメントは、SI・ソフトウェア開発や消防防災ソリューション、GISソリューションなどを展開する「ITソリューション事業」、IT基盤・ネットワーク構築やクラウド関連サービスを手掛ける「ITインフラ事業」、第三者保守サービスや病院情報システム維持管理サービス、BPOサービスなどを提供する「ITサービス事業」の3つで構成される。
経営面では、創業者である代表取締役会長兼CEOの飯島秀幸(いいじまひでゆき)氏と、代表取締役社長兼COOの清川明宏(きよかわあきひろ)氏が経営を主導している。取締役会は、監査等委員である取締役を除く取締役4名(うち女性社外取締役1名)と、監査等委員である取締役4名(うち社外取締役3名、いずれも独立役員)の計8名で構成され、監査等委員会設置会社としてガバナンス体制の強化に継続的に取り組んでいる。2026年6月末時点の従業員数はグループ全体で546名、このうち同社単体では320名を数える。
2. 沿革
同社の前身は、1991年8月に経営コンサルタント業を目的として設立された(株)アイ・エフ・シーである。1994年2月に社名をアクモス(株)※へ変更するとともに、半導体事業へ進出し事業基盤の構築を進めた。1996年12月には日本証券業協会の店頭市場へ株式を公開し、資本市場からの資金調達体制を確立した。なお、2022年4月には東京証券取引所の市場区分見直しに伴い、JASDAQ(スタンダード)市場からスタンダード市場へ移行している。
※ 社名の「アクモス」は半導体回路の一種である「アナログCMOS」に由来する。
1999年5月には「連邦経営」と呼ぶ独自の経営戦略を掲げ、M&Aや株式交換を活用したグループ経営を推進した。同年12月には最初のM&Aを実施し、2000年4月には半導体事業などを分社化して純粋持株会社体制へ移行した。
2000年代に入ると、M&Aを活用して事業領域の拡大を進めたほか、2002年4月に人材紹介事業を新たに立ち上げ、IT事業と人材紹介事業の2本柱とした。一方で、2003年6月には半導体事業から撤退し、不採算・非中核事業の整理を進めるなど、事業ポートフォリオの再構築にも取り組んだ。2005年9月には現在の主力事業につながる茨城ソフトウェア開発(株)を完全子会社化し、その後の2008年1月に吸収合併して事業持株会社体制へ移行した。また、2007年1月にはデータ処理サービスを手掛ける(株)ジイズスタッフを子会社化している。
2010年以降は、多角化路線から「選択と集中」を重視する戦略へ転換した。非中核事業の売却を進める一方、2010年3月には医療系システム開発を手掛ける日本メカトロニクス(株)(現 アクモスメディカルズ(株))を買収した。また、2013年6月にはASロカス(株)が(株)昭文社デジタルソリューションの事業の一部を承継し、防災・GIS分野へ事業領域を拡大した。こうした取り組みにより、現在のITソリューション事業の基盤が形成された。
2015年7月には、生産性向上を目的として全員参加型のマネジメント体制「ウィングシステム」を導入した。また、2016年9月には監査等委員会設置会社へ移行し、コーポレート・ガバナンスの強化を図った。
近年では、2022年6月に第三者保守サービスを展開するフィールドワンを子会社化したほか、2024年1月にはシステムエンジニアリングサービス(SES)、システム受託開発を手掛けるプライムシステムデザインを子会社化した。これにより、インフラ構築からシステム開発、運用・保守までをカバーする総合ITサービスグループとしての体制を強化した。さらに、2026年1月には金融業界向けにSESを提供するシステムズサービスを子会社化(2026年10月に吸収合併)し、金融分野における顧客基盤の拡充とサービス領域の多様化を進めている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正)
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