仮想通貨にシステム崩壊の危機が近づいています。以前からマイニング・流通にかかる電力コストの限界が指摘されていましたが、いよいよ現実的になってきました。(『いつも感謝している高年の独り言(有料版)』)
※本記事は、『いつも感謝している高年の独り言(有料版)』2018年6月29日号の抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。
どんどん膨らむ電気消費量。採掘コストが価格を越えてきた…
仮想通貨の限界が見えてきた
以前から、仮想通貨にかかる電力消費量の理論的な限界が存在すると指摘されて来ました。そして今、環境上の負担コストの現実的な増加で、仮想通貨の限界が見えてきています。
取引を重ねる度に、そのブロックチェーンの履歴の長さが伸びて行くのですから。何ともしがたいシステム上の欠陥と言えるかも知れません。
海外の報道を翻訳しながら、その限界について解説します。
「コスト>利益」が現実的になってきた
ビットコインは世界中で電気の無駄使いになってしまい、現実にビットコインの「発掘(マイニング)」作業は、赤字になる可能性が大きい。
仮想通貨のビットコイン価格はピークを付けた後としては最低を記録。ビットコインのマイニングコストが高くなり、利益が出ない状態になっている。
ビットコインのマイニング作業や取引作業には、莫大な電気代と、発掘時間短縮の為のパソコンの買い替え、パソコンの冷却装置の設置が必要である。
どんどんコストが増加し、1BTC=6500ドルを割っているような現状では、利益が出なくなっているのだ。
仮想通貨アナリストの Robert Kelly氏は、利益を出し続けるには、1年半毎にパソコン等の電子機器を買い換えなければならないと指摘する。
その買い換えコストの平均が、6500ドルなのだ。
電子機器コスト以外に、電気代も高い。ドイツやデンマークでは特に高く、4000ドル程度になるのだ。
その点、電気代の安い米国では、それほど問題になっていない。しかし将来的にビットコイン価格が下がれば、必ず問題となるだろう。
ビットコインだけの問題ではない
問題はビットコインの発掘および取引作業にかかる電気量が急激に増えていること。現在では、全世界の発電量の0.5%に匹敵するほど莫大な量になっているのだ。
例えば1回のビットコインの取引に必要な電力量は、オランダの平均家庭の1ヶ月分に相当するのだ。
これはビットコインだけの話ではない。ほかの仮想通貨も価格が下がっており、これは仮想通貨システム全体の崩壊の危機と言える。
仮想通貨の価値がゼロに近づいているのだから、新たな「発掘」に取り掛かるのは無理なのだ。
出典:同上
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