2026年10月17日にログミーFinance主催で行われた、第144回 個人投資家向けIRセミナーの第2部・インターライフホールディングス株式会社の講演の内容を書き起こしでお伝えします。
本日の説明会のポイント
貴田晃司氏(以下、貴田):みなさま、こんにちは。インターライフホールディングス株式会社代表取締役社長の貴田晃司です。本日はお忙しい中ご視聴いただき、誠にありがとうございます。
当社について、ご存知ではない方も多いかと思います。少しでもご理解いただけるようご説明しますので、どうぞよろしくお願いします。
本日の説明会のポイントは、スライドの4点です。1つ目が現在更新中の過去最高益を含めた当社グループの収益性について、2つ目がその収益性を生み出す当社グループの強みについて、3つ目が2030年に向けた成長戦略と将来性について、4つ目が積極的な株主還元についてです。ご理解いただけますようよろしくお願いします。
2027年2月期第2四半期 決算サマリー

貴田:まず、2027年2月期第2四半期の決算サマリーについてご説明します。当社は2月決算ですが、この中間期間における我が国経済は個人消費や設備投資に持ち直しの動きが見られ、景気は緩やかな回復基調で推移しました。
一方、中東情勢などに起因する資材価格の上昇や資材不足によるコスト増加もあり、不透明な状況が続いています。このような環境の中、当期においてはコスト上昇が業績に与える影響は軽微にとどまりました。
その結果、当第2四半期の売上高は96億5,700万円、前年同期比8.3パーセント増加となりました。営業利益は12億1,600万円、前年同期比33.0パーセントの大幅な増益を達成しています。さらに、営業利益率は12.6パーセント、前年同期比で2.3ポイント増加し、過去最高益を更新しました。
また、当期純利益は投資有価証券の売却益も寄与して9億8,600万円となり、前年同期比50.5パーセントもの大幅な増益となりました。その結果、ROEは18.7パーセント、PBRは1.7倍に向上しています。
通期業績予想の修正について

貴田:通期業績予想については、上期の業績が堅調に推移した結果、当初計画を上回る見込みとなり、修正を行いました。
営業利益は当初計画比1億5,000万円増の13億5,000万円、当期純利益は3億円増の11億円に上方修正しました。また、1株当たりの配当金にも特別配当6円を加え、年間配当金を36円に増配することを発表しています。
目次

貴田:それでは、本日の内容です。1つ目に会社概要、2つ目に2027年2月期第2四半期の決算概要、3つ目に2027年2月期の業績予想、最後に成長戦略についてご説明し、その後にご質問をお受けしたいと思います。
基本情報

貴田:まず、会社概要についてご説明します。当社は、東証スタンダード市場に上場しています。内装工事事業と音響・照明設備事業を展開するグループの持株会社です。
内装工事事業は日商インターライフ、音響・照明設備事業はシステムエンジニアリングとサンケンシステムが展開しています。
私たちについて

貴田:当社の経営理念は「私達は、あらゆる人々に感動と喜び溢れる快適空間を提供し、社会に貢献いたします。」です。社名である「InterLife」には、「人と人との生活空間を取り持つ企業でありたい」という思いが込められています。
また、「あらゆる人々」という言葉には、工事の発注者だけでなく、施設を実際に利用するお客さまに感動と喜びをお届けしたいという思いがあります。
私たちは、魅力的な店舗施策のトータルサービスを提供する施工現場のプロ集団として、グループ会社それぞれの強みを活かし、多岐にわたるジャンルの空間を創造してきました。
沿革

貴田:次に、沿革についてご説明します。当社は1975年に床材工事を主業務とする日商(現在の日商インターライフ)を設立し、50年を迎えました。
そして、日商は1990年に株式を店頭公開しました。その後、2010年に株式移転の方法によりインターライフホールディングスを設立し、JASDAQ市場に上場しました。そして、2022年には東京証券取引所のスタンダード市場へ移行しています。
コロナ禍以降、事業ポートフォリオの選択と集中を実施しました。ピーク時にはグループ会社が15社ありましたが、工事事業を主体とするグループ会社への再編を進めました。
その結果、現在は2013年に子会社化したシステムエンジニアリング、2023年に子会社化したサンケンシステムを含めた3社体制となっています。この事業ポートフォリオの再編が、現在の業績の好調につながっていると考えています。
内装工事事業のビジネスモデル

貴田:次に、各社の事業内容とその強みについてご説明します。
内装工事事業を展開している日商インターライフは、内装の下地工事をゼネコンなどからの下請けとして行う専業部門と、商業施設などの内装を発注者から元請けで受注する商環境部門を主業務としています。
専業部門では、床・壁・天井への軽鉄の施工やボードの設置など、下地工事を主に行っています。また、商環境部門では、飲食店や物販店の企画デザインから設計・施工・メンテナンスまで、一貫体制で対応しています。
強みとしては、50年にわたり築き上げた約250人の職人集団を抱える機動力、元請けと下請け、専業部門と商環境部門の両方を1社で施工できる対応力です。こちらは、オンリーワンの強みであると考えています。さらには設計から施工、メンテナンスまでの一貫体制が挙げられます。
音響・照明設備事業のビジネスモデル

貴田:音響・照明設備事業については、システムエンジニアリングとサンケンシステムが展開しています。
システムエンジニアリングは、ホテルの宴会場、各公共団体の議場、ホール、教育施設、スポーツ施設などにおける音響・映像・照明・吊物の演出特殊設備の総合プロデュースを展開しています。
また、お客さまのニーズに最適なソリューションを提供する提案力や、音響・照明・映像の3部門を一括して受注できる総合力を強みとしています。
また、サンケンシステムはAVC(オーディオ・ビジュアル&コントロール)機器設備のシステム構築から製作・施工を展開しています。
50年の実績で磨き続けた施工力や、特注品の機材を製作できる技術力を強みとしています。また、両社とも企画・設計・施工・保守までを一貫して支援できる体制を確立しています。
連結損益計算書(P/L)

貴田:次に、2027年2月期第2四半期の決算概要についてご説明します。連結損益計算書の概要です。
当第2四半期では、内装工事事業および音響・照明設備事業において、大型案件の工事進行が当初の計画以上に進捗したことに加え、期内の新規需要が堅調だったため、前年同期を大幅に上回る増収増益を達成しました。
スライドをご覧いただくとおわかりのとおり、特に利益率が大幅に向上し、これが業績に大きく貢献したと考えています。
また、投資有価証券については、アイ・グリッド・ソリューションズの株式を同社の上場に伴い売却したことで、売却益2億8,300万円を特別利益として計上しました。これにより、親会社株主に帰属する当期純利益が大幅に増加しました。
坂本慎太郎氏(以下、坂本):営業利益率がかなり改善しています。これは、建設資材の価格高騰に伴う値上げによるものでしょうか? それとも、高採算の案件が集中したことによる一時的な要因なのか、ご教示いただけますか?
貴田:先ほどご説明したように、資材価格の値上げがあったことは事実です。一部で値上げを行ったものもありますが、主に内装工事事業において、大型かつ高採算の工事が発生したことが主な要因です。
そのため一時的な要因とも言えますが、上期にそれが集中したことで増収増益となりました。そのようにご理解いただければと思います。
坂本:ありがとうございます。非常にわかりやすかったです。
連結貸借対照表(B/S)

貴田:貸借対照表についてご説明します。資産合計は現預金の増加などにより、前期末比で5億5,200万円増加し、98億2,200万円となりました。負債合計は前期末比で2,900万円減少し、45億6,300万円です。
その結果、純資産合計は利益剰余金の増加により、前期末比で5億8,200万円増加し、52億5,800万円となっています。
連結キャッシュフロー

貴田:続いて、連結キャッシュフローの状況についてご説明します。
営業活動によるキャッシュフローは、税金等調整前当期純利益の増加により12億4,400万円と、大幅なプラスとなりました。
投資活動によるキャッシュフローは、投資有価証券売却益2億8,300万円があったことから2億4,800万円のプラスです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払いなどにより4億2,000万円のマイナスとなりました。
その結果、現金および現金同等物の残高は前期末比10億7,200万円増加し、36億7,100万円となっています。
事業別の業績 [2027年2月期第2四半期]

貴田:続いて、事業別の業績についてご説明します。内装工事事業は前年同期比で増収・大幅増益、音響・照明設備事業は前年同期比で減収・減益となっています。両事業の売上比率は、内装工事事業が60パーセント、音響・照明設備事業が40パーセントです。
事業別の業績推移

貴田:内装工事事業では、商環境部門における継続した受注案件の完工に加え、先ほどご説明した高採算の大型案件がこの上期に集中して完工したことなどにより、売上高は58億7,400万円、前年同期比16.9パーセント増、セグメント利益は7億7,100万円、前年同期比101.1パーセント増と、前年同期を大きく上回る結果となりました。
また、昨年統合したFM事業本部については、清掃案件の受注が堅調に推移しています。さらに、大阪営業所においては大阪・関西万博関連周辺の開発需要は一巡しましたが、受注は順調に回復しています。
音響・照明設備事業については、受注済み案件の完工は順調に推移しました。しかしながら、前年度と比べて工事案件の規模が小さかったことから、売上高は37億8,300万円で前年同期比2.2パーセント減、セグメント利益は5億2,100万円で前年同期比12.9パーセント減と、減収減益となりました。
ただし、受注案件は計画どおりに完工しており、通期も計画どおり対応する予定です。このため、通期では増収増益の確保が見込まれています。
坂本:内装工事事業についてうかがいたいと思います。
都市部の再開発やオフィス・ホテル関連の需要が堅調であり、業績も好調ですが、大阪・関西万博の一時的な需要は一巡しました。下期および来期の内装工事事業の受注状況や引き合いの動向について、可能な範囲でお話しいただけますか?
貴田:前期の大阪・関西万博関連工事は一巡しましたが、新規顧客からの引き合いや受注が増加しています。当社が大阪に力を入れ始めたのは約5年前であり、この万博を見据えて取り組んできました。
その結果、お客さまから一定の実績をご評価いただき、万博需要がなくなった後も、既存のお客さまから追加受注をいただいたり、設計案件が増加したりといった好循環が生まれています。そのため、売上も引き続き確保できていると考えています。
今後は2030年に開業予定の大阪IRを視野に入れつつ、大阪では万博終了後の跡地開発や梅田中心部、中之島、森ノ宮などをはじめ、さまざまな都心部でインフラ整備を含む再開発案件が継続しています。
各種プロジェクトに関する情報収集を進め、受注獲得に向けて積極的に取り組む方針であるため、引き続き受注が見込まれると認識しています。
坂本:続いて、音響・照明設備事業についてもおうかがいします。
こちらは前年を若干下回る推移となっていますが、ホテル等の大型案件や、観光ならびに保守の増加で前年超えという記載もあります。
下期に盛り返す見込みがあるとは思いますが、中間期の減益要因については、案件の引き渡しのずれによるものなのか、それとも根本的な厳しさがあるのかを含めて、下期の回復に期待が集まっているかと思います。この点について教えていただければと思います。
貴田:先ほどもご説明したとおり、第2四半期については受注済みの案件をすべて完工し、それなりの数字を上げています。ただし、前年度と比べると減収減益となりました。
その理由として、前年の数字が非常に良かったということがあります。前年は大型案件がありましたが、今年はなかったため、売上が前年に比べて落ちたという背景です。売上が減少したことで、当然ながら利益も減少したという状況になっています。
そのような意味では、下期には前年並みの受注があり、通期では前年を上回る計画となっているため、まったく心配していません。
各社のビジネスモデル ピーアーク北綾瀬駅前 様

貴田:今期上期における、施工実績の一部をご紹介します。スライドの写真は、日商インターライフの主要顧客であるピーアーク北綾瀬駅前店さまの増築案件です。こちらは、数億円規模の施工実績となります。
各社のビジネスモデル TOFROM YAESU 様

貴田:次に、東京駅前の八重洲1丁目再開発案件である「TOFROM YAESU(トフロム ヤエス)」についてご紹介します。こちらのホールに関して、音響照明設備をシステムエンジニアリングが担当しました。
写真の掲載は難しいのですが、「TOFROM YAESU」の大型オフィス工事において、日商インターライフが5フロアの大規模な工事を担当しました。
各社のビジネスモデル ヒルトン東京お台場 様

貴田:こちらは、システムエンジニアリングによるヒルトン東京お台場さまの大宴会場における大型LEDビジョン施工の実績です。
各社のビジネスモデル 徳島市危機管理センター 様

貴田:こちらは、徳島市危機管理センターさまの災害対応オペレーションシステムを施工した事例です。
各社のビジネスモデル 岡山市新庁舎 様

貴田:こちらは、岡山市新庁舎さまの議場システムです。このように、システムエンジニアリングがさまざまな分野で対応していることがおわかりいただけるかと思います。
連結業績予想 [2027年2月期]

貴田:次に、2027年2月期の業績予想についてご説明します。今期は、設備投資需要が引き続き堅調に推移すると見込んでいます。
受注残高もほぼ前年並みであることから、2027年2月期の業績予想については、売上高を170億円と据え置きましたが、営業利益を13億5,000万円、経常利益を13億7,000万円、親会社株主に帰属する当期純利益を11億円と、それぞれ上方修正しました。
四半期ごとの業績変動

貴田:当社グループの四半期ごとの業績変動について補足します。当社の事業では、工事や設備導入の引き渡し、完工のタイミングで売上や利益を計上するケースが多いため、四半期ごとの業績や進捗率には上振れや下振れが生じることがあります。
直近3年間を振り返ると、特に上半期に利益が集中する傾向が見られました。四半期ごとの変動はありますが、当社としては通期の業績を確実に達成するための事業計画や運営を行っています。当期においても上期の実績を踏まえ、通期で計画以上の達成ができる体制で対応しています。
坂本:御社の事業に関して、工事の完工のタイミングで数字がずれたり集中したりすることについては理解しました。下期の案件に関して、進捗管理や来期に関わる年度ごとのずれを平準化・コントロールするための具体的な工夫や施策があれば教えてください。
貴田:お客さまのご都合により完工時期が左右される部分があるため、当社で調整しているわけでなく、どうしてもずれが生じることがあります。そのため、工事の工程をきちんと進捗管理することが重要だと考えています。
特に、大型工事においては、「工事進行基準」という基準が現在業界で適用されています。これは完工時に売上と利益を一括計上するのではなく、例えば半年間の長い工事の場合、その期間にかかったコストを適切に計上し、売上を分割して計上するというものです。この基準を採用することで、実質的に平準化が進んでいると考えています。
工事進行中の売上や経費の計上方法、完工時に一括して増額となるケースなど、さまざまな要因で変動が生じますが、それらの修正方法を含め、工事進行基準を適切に管理することで、変動をなるべく抑えたかたちでコントロールできればと思っています。
配当金の推移|年間配当・配当性向

貴田:次に、配当金についてです。通期の業績予想の修正に合わせて、2027年2月期の配当予想を修正しました。
当期の中間配当金は15円、期末配当金は投資有価証券の売却益2億8,300万円を計上したことから、普通配当15円に特別配当6円を加え、計21円としました。
これにより、通期の配当金は36円、配当性向は50.2パーセントとなり、当社が掲げる配当性向目標である50パーセント以上を達成する見込みです。
今後も配当については、株主のみなさまへの長期的利益還元を重要な課題の1つと位置づけ、安定した配当を行うことを基本方針とし、配当性向50パーセント以上を目標に対応していきます。
連結業績推移|売上高・売上総利益率

貴田:ご参考に、過去5年間の業績推移を示したグラフです。グループ会社は2022年2月期には11社ありましたが、事業再編により、今期は3社となっています。その間も売上は増加し、売上総利益も確実に向上していることが見て取れると思います。
連結業績推移|販売費及び一般管理費の推移

貴田:販管費は、事業再編と売上増加に伴い、販管費率が年々低下しています。従業員の処遇改善などの経費増加はありますが、今期も販管費率は昨年同様になると見込んでいます。
連結業績推移|営業利益・営業利益率

貴田:営業利益と営業利益率の推移です。スライドをご覧いただくとおわかりのように、2022年2月期以降、大幅に改善しました。
今期は3社体制で、前期を上回る13億5,000万円の最高益を目指しています。この3年間で収益に関する当社の体質や基盤は大きく変わったと認識しており、新たなステージに移ったと考えています。
連結業績推移|親会社株主に帰属する当期純利益・純利益率

貴田:親会社株主に帰属する当期純利益は、保有株式の売却があったため、今期は11億円、営業利益率は6.5パーセントとなっています。
連結業績推移|PBRとRОEの推移

貴田:ROEは、直近の資本コストが約7.2パーセントと見込まれる中、今期はこれを上回る22.0パーセントを見込んでいます。また、PBRは昨年同様の1.8倍ラインを目指して取り組んでいます。
第5次中期経営計画とビジョン

貴田:次に、成長戦略についてご説明します。
今期は、2年目を迎えた第5次中期経営計画「NEXT STAGE 2030」において、「持続的な利益成長による企業価値の向上を目指し、新たな成長ステージへの基盤を構築する。」を基本方針とし、「新たな成長基盤の構築」「更なる収益性の向上」「ESGの推進」の3つを重点課題として取り組んでいます。
また、目指すべきビジョンを「快適空間をプロデュースする最強のプロ集団によるオンリーワングループ企業となる。」と定めています。
当社は、企画・設計・施工・保守までを一貫体制で提供できる強みを持つプロ集団です。また、内装事業と音響照明設備事業の2業態で構成されていることは、他にはない企業グループの強みです。
これらの強みを活かし、唯一無二のオンリーワングループとして、すべてのステークホルダーから信頼と支持を得て、持続的成長を目指します。
今期の重点課題への取り組み

貴田:第5次中期計画の重点課題の取り組みについてご説明します。
1点目の「新たな成長基盤の構築」では、施工実績と信頼の確立による大型案件受注体制の強化を進めるほか、大阪IR関連工事の今後の獲得を目指し、大阪拠点の基盤拡充を図っていきます。
また、特許を取得した「アトラスボード」や「スライディングLEDウォール」といった新商材の販売強化を進め、戦略商材として育成していきます。この内容については、後ほど説明します。既存事業の成長領域を拡大するため、M&Aや事業提携の検討も引き続き進めていきます。
2点目の「更なる収益性の向上」では、高採算の大型案件の獲得に引き続き注力し、建設資材や商品価格の値上げに迅速に対応することで、原価コントロールを徹底し、高い利益率を確保していきます。
さらに、生成AIの積極活用によるDXの推進や、プロ資格者の育成による技術力の底上げを図り、生産性の向上を目指します。
3点目の「ESGの推進」では、人材不足を喫緊の課題として認識しています。人的資本への取り組みを強化するため、各社の人事部門を増員し、人材の採用、育成、定着、処遇改善に向け、積極的な投資を進めています。
さらに、資本コストと株価を意識した経営においては、「配当性向50パーセント以上」という方針を掲げ、株主還元を充実させるとともに攻めのIRを展開し、当社の株主基盤の強化に努めています。
これらの取り組みを強力に推進し、現状においても大型で利益率の高い案件の獲得に注力することで、利益率の改善と持続的な利益成長を実現し、企業価値の向上を目指していきます。
1. 新たな成長基盤の構築 新商材の開発

貴田:新商材の開発について、特許を取得している2つの商材をご紹介します。
1つ目は、日商インターライフが特許を取得したリサイクル紙とアルミ箔からなる超軽量ハイブリッド建材「アトラスボード」です。
こちらは、震災や経年劣化による天井落下事故の事例を踏まえ、落下によるけがの危険性を限りなく低くするために超軽量建材の開発に取り組んだものです。より安心で安全な建材として、施工時の重労働からも解放される新商材として開発されました。
「アトラスボード」事例紹介

貴田:「アトラスボード」を使用した施工事例です。スライド左側は「HERALBONY LABORATORY GINZA」さまの外壁、右側は熊本県益城町にある施設です。こちらは熊本地震の際にもまったく影響を受けず、災害復旧ボランティアの活動拠点として利用されました。
1. 新たな成長基盤の構築 新商材の開発

貴田:次に、こちらはシステムエンジニアリングが特許を取得した「スライディングLEDウォール」です。スクリーンを多彩なバリエーションで可動できることから、今後は他のホテルからの引き合いも大いに期待されている商材です。
「スライディングLEDウォール」事例紹介

貴田:昨年オープンした、JWマリオット・ホテル東京さまの宴会場に導入・施工した施工事例です。
坂本:JWマリオット・ホテル東京の宴会場に導入されている「スライディングLEDウォール」という商品は、通常の内装や設備施工と比較して高付加価値商品になり得るものだと思います。
他のラグジュアリーホテルへの展開やそれを含めた横展開について、現状の手応えがあれば教えていただければと思います。
貴田:あまり見かけられたことはないかと思います。この第1号がマリオットさまに導入されたケースとなるため、見学も多く、高く評価されていると考えています。
特許も取得していますし、他社に対する優位性もあると思っています。他の外資系ラグジュアリーホテルさまからもさまざまなお話をいただいており、いくつかはすでに受注をいただいています。今後、主力商品になるのではないかと考えています。
坂本:この商品について、もう少し教えていただきたいです。高級感があるのは見てわかるのですが、どの点が特に優れているのか、詳しくお聞かせください。
貴田:スライドの写真を用いてご説明すると、画面は3つほどに分かれています。通常は、スライド右下にあるような大きな画面が一般的です。
坂本:LEDが大きく配置されていますね。
貴田:これが標準的なかたちだと思います。広い宴会場では、多くの場合、このような大型の画面が1つ設置されているものですが、宴会場は必ずしも1つの空間として使用されるわけではありません。時には半分だけ使用したり、仕切りを設けたりして利用されることもあります。
坂本:仕切りを設けたり、逆に全体を使ったりすることもありますね。
貴田:例えば「4分の1しか要らない」という場合、仕切りを設けることがあります。そのような状況で大きなLEDが中央に配置されていると、仕切られた後の見映えが少々不自然になることがあります。
坂本:仕切りによって、見えにくい場所も出てきますね。
貴田:そのとおりです。そこで、仕切りに合わせて変更できるように、実はこの商品は仕切りにくっついている設計になっているのです。
坂本:なるほど、仕切りにパネルが取り付けられているのですね。
貴田:はい、仕切りに合わせて動かせる仕様です。そのため、1つ小さな部屋ができても、パネルを動かせばそちらで見えるようになっています。非常に臨機応変に対応できるため、付加価値の高い商品だと思います。
坂本:わかりやすいご説明をありがとうございます。続きをお願いします。
1. 新たな成長基盤の構築 新商材の開発

貴田:システムエンジニアリングにおいて、先月発売した「電動巻上式LEDスクリーン」という商品を開発しました。
こちらは巻き上げで収納できる新しい画面のシステムで、LEDビジョンとスクリーンを融合した技術を採用したものです。必要となったときに降下させ、使わないときは天井に巻き上げて収納できるようになっています。こちらは、これからの商品です。
第5次中期経営計画

貴田:次に、第5次中期計画の更新についてご説明します。「NEXT STAGE 2030」では、2030年の大阪IRの開業を見据え、時代の変革に挑み続けることで持続的成長を実現することを目指してスタートしました。
第5次中期計画は、2028年2月期をターゲットにした3年間の計画です。当時はオープンにしていませんでしたが、売上高200億円、営業利益10億円、時価総額100億円を目標として掲げていました。
すでに売上以外の目標は達成しています。3年かかる計画を1年余りで達成したため、このままでは中期計画の意義が薄れてしまいます。
そのため、2030年ビジョンの最終年度である2031年2月期に向け、新たに売上高250億円、営業利益20億円、時価総額150億円を目標として設定しました。
この目標達成に向けて、現中期計画において何ができるかを見極め、新たな成長ステージの基盤を構築することを目指しています。この機会を活かし、残り1年余りで確実な基盤を築きたいと考えています。
具体的には、1つは人材の確保です。業界として、人手不足は喫緊の課題です。売上を現在の1.5倍にするという計画の中で、現状の人数では、大型案件を受注しても対応が難しい状況となります。そのため、特に施工管理者の採用に重点を置きながら、人材採用に力を入れています。
もう1つの重点項目として、新しい領域の開拓に取り組んでいます。売上を増やすためには、これまでの手法を踏襲するだけでなく、新たな取り組みが必要だと考えています。
1つ目は「アトラスボード」です。先ほども説明しましたが、こちらはさまざまな引き合いがあります。例えば地方の建設会社から、「自分たちにもこれを使わせてくれないか」という話がありました。
これに伴い、当社が施工するのではなく、この商品を商材とする販売代理店として地方と契約し、地方の建設会社に利用してもらう契約をいくつか進めています。
結果的に、当社は施工ではなく商品を販売する新たな事業モデルを生み出すことができると考えており、大きく期待しています。
また、先ほど言及のあった「スライディングLEDウォール」はこれからの主力商品になると考えているため、その映像の強化にさらに力を入れて取り組みたいと思います。
さらに、昨年実施した「TOYOTA ARENA TOKYO」のようなアリーナ建設案件も複数進行中です。実際に進めているものもあり、アリーナや防災センターなど、今後ニーズが高まるものについて積極的に取り組んでいきたいと考えています。
次に、M&Aの実現についてです。現状ではなかなか進んでいないものの、ぜひ取り組んでいきたいと考えています。そのような意味では、大きなビジネスチャンスである2030年開業予定の大阪IRの関連需要をしっかりと獲得し、今後、力強い成長を目指して対応していきたいと思います。
坂本:中期経営計画では、売上250億円、営業利益20億円、時価総額150億円が掲げられています。しかし、現在の売上高から80億円程度増やさなければ目標に到達できないという状況です。
現在の環境としては、首都圏をはじめとする再開発が継続しています。首都圏に加え、大阪や名古屋でも同様の動きが続いており、さらに大阪のIR構想が大きなポイントとなっています。
これらを含めて、パスは点線で示されていますが、どの程度の売上規模や時期を想定しているのか、中期経営計画の最終年に向けたイメージについて、もう少し教えていただければと思います。
貴田:今後数字を作り込む過程の中で、次の中期経営計画の数字として具体的に示されるかと思いますが、右肩上がりで上昇していくかどうかについては現時点では明言できません。さまざまな投資をさらに進めていきたいと考えています。
ただ、目指すべきは2031年2月期だと考えています。この理由として挙げられるのは、この期が大阪IRの売上が計上される時期だと見込んでいるためです。
IRについては現在、さまざまな話が具体的に進行しており、建築作業も現在進行中です。さまざまな議論がありますが、これは万博をはるかに上回る規模の話だと思っています。
ボリューム感があると見ており、我々としても数十億円規模の案件となる可能性があると考えているため、力を入れて取り組んでいきたいと思います。
株価推移 (2023年2月末~2026年8月末)

貴田:最後に、株価推移です。昨日の株価は609円でした。一方的な右肩上がりであり、利益が増加している中で、着実に上昇していることがおわかりいただけるかと思います。
株主構成 [2026年8月31日現在]

貴田:株主構成です。株主は引き続き増加しており、外国人投資家も増えているのが現状です。こちらもさらに増やしていきたいと考えています。
以上で、ご説明を終わります。ありがとうございました。
質疑応答:建設コスト上昇に対する対応策と今後の受注見込みについて
荒井沙織氏(以下、荒井):「東京や大阪で再開発が続いているイメージがありますが、今後数年の受注環境をどのように見ていらっしゃいますか? 特に期待している分野は、やはり大阪IRということでよろしいでしょうか?」というご質問です。
貴田:現在、建設コストがかなり上昇している状況で、みなさま心配されていると思います。中には延期や中断、中止となった案件もありますが、建設会社からは「2030年までは十分な受注がある」という話を聞いています。
そのような状況の中でも、今後の我々の業務に関する案件は、少なくとも2030年頃まで悪くない環境が続くのではないかと思っています。
その対応を進めるために、まずは施工管理者を含めた要員を強化しなければ、せっかく受注があっても対応できない状況になるため、その点を強化していくかたちになると思います。
特に期待している点としては、先ほどお話しした「アトラスボード」を正しいかたちで展開していくことです。また、危機管理センターについても現在進行中の案件があり、新たな需要として捉えています。
さらに、アリーナのようなこれまで手掛けていなかった分野にも、すでに動き始めているものがあり、積極的に取り組んでいきたいと思っています。
以上の状況を踏まえると、今後も受注は引き続き見込まれると考えており、むしろその受注への対応体制の構築が重要な課題になると考えています。
質疑応答:大阪・関西万博後の工事とIR関連の展望について
荒井:「最高益の背景には、大阪・関西万博関連の工事もあったかと思います。万博が終わった後の反動や建設業界全体の人手不足、資材高は今後の業績にどのように影響しそうでしょうか?」というご質問です。
貴田:先ほどお話ししたとおりかと思います。万博の工事は昨期で一巡しましたが、我々は大阪において5年前から万博をイメージして取り組んできました。
結果としてお客さまが増え、信頼を得ています。その実績をもとに、IR関連はもちろん、それに伴う開発も大阪では非常に活発に進められているため、それらの工事を受注していきたいと考えています。
また、建設コストの上昇などさまざまな課題に対してもしっかりと対応し、業績に影響がないよう努めていきたいと思っています。
質疑応答:「アトラスボード」と施工関連製品の業績貢献見込みについて
坂本:「本日もお話しいただいた御社の『アトラスボード』に加え、スライドするLEDウォールなど、おもしろい商品が紹介されています。これらは今後、どのくらい業績に貢献しそうでしょうか?
また、すでにお話しいただいた内容も含まれますが、御社が施工会社でありながら代理店販売を行っている点や、地方の建設会社への物品提供についても触れられていました。
特許も取得されているため、それ以外のところにも販売していくようなかたちを取られるのか、イメージを教えてください」という質問です。
貴田:特許も取得しているため、せっかくなので力を入れていきたいと考えています。ただ、現時点ではまだ認知されていない部分が大きいと認識しています。
そのような意味では、広報活動や今後の戦略を含めて、特に「アトラスボード」に関しては現在、コンサルタントも活用しながら力を注いでいます。今後、どのような活用法があるのか検討を深めていきたいと思っています。
今述べたように、天井が落ちてくる場合、石膏ボードよりも「アトラスボード」のほうが軽量であるため良いという点があります。
ただし、一部の話によれば、石膏ボードでは粉塵が出るという課題があります。一方、今回の素材はダンボールを使用しているため、粉塵が発生しづらいという特徴があります。
この利点に関する一部の事例としては、コンピューター関連の利用があります。例えば、データセンターが該当するかは不明ですが、粉塵は絶対に避ける必要がある環境では重要なポイントです。
坂本:クリーンルームのような仕様が求められる場所もありますよね。
貴田:そのような用途に関連して、「何かあっても粉塵が出ない『アトラスボード』って、おもしろいじゃないの?」という話もすでに寄せられています。
このような観点も含め、今後、我々としてさらに可能性を深掘りしながら、どのような活用ができるかを詰めていかなければならないと考えています。
また、LEDは先ほどもお伝えしたとおり評判が良いため、さまざまな場所で展開が進み、それを通じて「これいいね」といったかたちでさらに広まるのではないかと期待しています。
坂本:この巻き取れるLEDスクリーンも、プロジェクターで映すより非常に鮮明に映るため、そのあたりの需要も確実にあると思います。
貴田:そうですね。
質疑応答:乃村工藝および東京建物との関係について
坂本:「株主構成について、乃村工藝と東京建物が株主ですが、お仕事上の関係などはあるのでしょうか?」というご質問です。
貴田:乃村工藝は当社の株主であり、また、同業の会社でもあります。実は、乃村工藝はこの業界における圧倒的なNo.1の会社です。
1つは人的なもので、取締役として乃村工藝の出身者を1人迎え入れています。同業であることから、むしろ乃村工藝から下請けの仕事をいただいている関係です。これは乃村工藝に限らず、丹青社をはじめとするいろいろな大手企業からの下請け業務も行っているため、そのような仕事のつながりがあります。
また、東京建物との関係についてですが、先ほどご説明した八重洲に関する案件があります。
坂本:八重洲のあたりですね。
貴田:あれは東京建物が絡んでいる再開発案件ですが、その関係かどうかは別として、きちんと取引をいただいて対応している関係になります。株式持ち合いに関してはさまざまな議論があるものの、我々としては十分に価値のある持ち合いだと考えています。
貴田氏からのご挨拶
貴田:本日はお忙しい中、ご視聴いただきありがとうございました。まだまだ説明が不十分かもしれませんが、我々はすべてのステークホルダーに信頼されるよう、今後も一生懸命取り組んでいきます。
