fbpx

エスコン、住宅分譲と不動産開発が牽引し上期は大幅に増収増益 営業利益は前年同期比115.6%増、1株53円に増配予定

マネーボイス 必読の記事

2026年10月30日に発表された、株式会社エスコン2027年3月期第2四半期決算説明の内容を書き起こしでお伝えします。

目次

伊藤貴俊氏(以下、伊藤):みなさま、おはようございます。株式会社エスコン代表取締役社長の伊藤です。本日はお忙しい中お集まりいただき、またWebでもご視聴いただきまして、誠にありがとうございます。それでは、2027年3月期第2四半期の決算説明会を開催します。資料に基づいてご説明しますので、どうぞよろしくお願いします。

本日は、上期の実績、セグメントごとの詳細、進行中のまちづくり事業についてご説明します。

業績サマリー

はじめに、ハイライトです。この上期の売上高は555億2,300万円となりました。営業利益は105億7,800万円、前年同期比115.6パーセント増となっています。全体的に、前年同期と比較して大幅な増収増益で進捗しています。詳細は後ほどセグメントごとにご説明します。

主要セグメントにおける第2四半期実績及び第3四半期以降の見通し

主要セグメントにおける第2四半期実績および第3四半期以降の見通しです。住宅分譲事業は、今期竣工予定の案件や前期からの完成在庫が、計画に沿った引渡しで進捗しています。中東情勢等の影響によるナフサ由来の材料調達遅延などの懸念はありましたが、当社の事業では竣工スケジュールの遅延などは発生しない見込みで進行中です。

分譲マンションの引渡し実績および予定戸数につきまして、今期は910戸の供給を予定しており、販売も堅調に推移しています。詳細は後ほどご説明します。

不動産開発事業は、通期計画に対する進捗率が現在44.2パーセントと堅調に推移しています。第3四半期以降の契約に向けて協議・調整を進めている案件が下期の売上や利益にしっかりと寄与するよう、引き続き対応していきます。

第2四半期における主なプロジェクト ①

第2四半期における主要プロジェクトについてご説明します。1点目は、不動産開発事業において、商業施設および複数の底地を当社グループのエスコンインベストメントパートナーズが運用する私募ファンドへ売却しました。商業底地や商業施設をファンド化しており、底地をメインに据えているため、底地ファンド第1号の位置づけとなります。

もう1点は、当社の開発事業用地である静岡県掛川市において、事業用地を開発し、この上期に売却を実現しました。掛川市土地開発公社と共同で開発したプロジェクトが無事に完結しました。

第2四半期における主なプロジェクト ②

住宅分譲事業においては、「レ・ジェイド奈良三条通り」という奈良市のメインストリートである「三条通り」沿いに位置する総戸数77戸のプロジェクトが早期に完売を達成し、第2四半期に引渡しを完了しました。

1階にはベーグル店が入居し、引渡し後は店舗の売上も非常に好調とのことです。入居者の方に「この地を選んでよかった」と感じていただける商品作りを実現したプロジェクトとなっています。

次に、スライド右側です。不動産賃貸事業において、札幌のすすきのエリアで「ランドーホテル札幌ヘリテージ」を開業しました。客室数は125室で、一般的なビジネスホテルというよりは、グループでお泊まりいただける広めのお部屋をご用意しています。

すすきのエリアの中で旧建物が象徴的な施設でしたので、従前の素材などを活用したエントランスとし、アイコニックなデザインを共用部で引き継ぐかたちで竣工しました。6月26日に開業していますが、非常に高い稼働率で推移し、3ヶ月平均で90パーセントを超えています。

株主還元

株主のみなさまへの還元政策についてです。今期は1株当たり53円の配当を予定しており、前期比10.4パーセント増となります。期初の計画から変更はありません。今期も業績をしっかりと残し、53円の配当を株主のみなさまに安定してお届けしたいと考えています。

2027年3月期第2四半期実績 : 損益計算書

2027年3月期第2四半期の実績の詳細をご説明します。多様な収益物件の売却が業績を牽引し、前年同期を大きく上回る増収増益を達成しました。下期に収益計上が集中する傾向がある中、今回は約40パーセントの営業利益進捗率となり、順調に進行しました。

実績としては、売上高は555億2,300万円、営業利益は105億7,800万円で、通期計画である売上高1,450億円、営業利益265億円の達成に向けて順調にP/Lが進捗している状況です。

2027年3月期第2四半期実績 : 貸借対照表

貸借対照表です。現中期経営計画の最終年度ですが、3ヶ年の投資計画に対して順調に用地仕入れが進んでいます。来期以降の4年分プラスアルファの仕入れが完了していますので、バランスシートを適切に管理しながら、持続的な成長を実現していきたいと考えています。

発行済み社債及び格付け(AA-)

みなさまもご存じのとおり、不動産会社においては金利の上昇局面が顕在化してきています。当社は、以前から金利上昇を見据え、長期・固定金利を先行して確保しています。

当社は「AA-(ダブルエーマイナス)」の格付けを有しており、今年も7月に150億円の無担保社債を発行しました。中部電力グループの信用力を活かしながら、直接金融と間接金融のバランスをしっかりと取り、安定的かつ持続的な収益成長を目指していきます。

2027年3月期第2四半期実績 : 貸借対照表

第2四半期の貸借対照表です。借入額は現在3,400億円を超える水準にあり、調達レートは2026年3月期末の実績で1.6パーセントです。そのため、営業外の金利コストも積み上がっていますが、当社では金利を十分に消化できる利益率を確保し、利益成長を成果としてしっかりと残していきたいと考えています。

アセットについては、スライド右側の棒グラフに示しているとおり、棚卸資産が約3,000億円強へと積み上がっています。分譲マンション、商業施設、賃貸レジデンス、ホテル、オフィスなどのバランスを取りながら、全体の収益を複数のアセットでカバーする体制で成長を実現していきたいと考えています。

2027年3月期第2四半期実績 : 投資計画と進捗

先ほど少しお話しした投資計画とその進捗についてです。中期経営計画の最終年度における投資目標に対する進捗率は、現在74.8パーセントとなっています。残りの下期も魅力的な用地の取得に向けた交渉が進んでおり、中期経営計画では2,500億円の投資計画を立てていますが、その目標を達成できる見込みです。

2027年3月期第2四半期 : セグメント概況

セグメントごとの概況です。当社のセグメントは、住宅分譲事業、不動産開発事業、不動産賃貸事業、資産管理事業、その他事業の5つに分かれています。スライドに記載のとおり、いずれも収益は当初計画どおりに進捗しています。各セグメントの詳細は次ページからご説明します。

住宅分譲事業 : 実績及び計画

住宅分譲事業の実績および計画です。第2四半期の実績としては、1戸当たりの販売単価が上昇した結果、増収増益となりました。第3四半期以降も完売物件を控えており、計画に沿って着実に進捗する見通しです。今期の住宅分譲事業の売上高は665億円を見込んでおり、セグメント利益は123億円を計画しています。

住宅分譲事業 : 分譲マンション引渡し戸数

住宅分譲事業の過年度における引渡し戸数です。当社は、実需のマンション事業をメインに展開しています。実需においてお客さまの力強い購入意向が継続しており、現在の契約進捗率は84.7パーセントです。

引渡し戸数は910戸を計画していますが、順調に推移しています。

スライド下段には、当社マンションの引渡し戸数と販売単価の推移を記載しています。現中期経営計画を含め、以前から1,000戸程度の安定供給を実現していく方針で取り組んでいます。直近の販売単価は1室当たり約7,000万円です。引渡し戸数は若干減少していますが、売上や利益はしっかり確保しています。

住宅分譲事業 : 27/3期竣工実績・予定及び完成在庫

住宅分譲事業における2027年3月期の竣工実績および予定についてご説明します。第2四半期までに引渡しが行われた4物件については、ほぼ完売しています。一部の物件ではキャンセル住戸が1戸や2戸出ているものの、順調に推移しています。

第3四半期以降のプロジェクトに関しても、契約が積み上がってきています。第3四半期における大型物件としては、当社が駅前のまちづくり事業の一環として取り組んでいる「レ・ジェイド北海道北広島」という総戸数197戸のプロジェクトがありますが、11月末に引渡しを予定しており、すべて完売しています。その他の完成物件も堅調に推移しています。

住宅分譲事業 : 分譲マンション用地取得及びランドバンク

次年度以降の分譲マンションの用地取得およびランドバンクについてご説明します。現在、仕入済み分譲マンション用地は戸数ベースで約4,100戸、プロジェクト売上高ベースで約4,300億円が確保されている状況です。

スライド下段に示しているエリア比率をご覧いただくと、関東圏を中心に、関西、中部、北海道と非常にバランスの取れたエリア戦略を実現しています。

分譲マンション用地取得の推移については、スライド右側の棒グラフに示しているとおり、直近では厳選した仕入れにシフトしています。第3四半期以降においても、最も重要なのはしっかりと利益率を確保できるプロジェクトを取得していくことだと考えています。中長期の仕入れも順調に進んでいるため、さらに厳選取得を強化していきます。

住宅分譲事業 : 計4プロジェクトでグッドデザイン賞を受賞

建物のデザインを審査していただき、住宅分譲事業において今期は4つのプロジェクトがグッドデザイン賞を受賞しました。当社はものづくりデベロッパーとして、「同じものは作らない」というポリシーのもと、一つひとつをハンドメイドで手掛けてきました。その成果が、今期のグッドデザイン賞の複数案件の受賞につながったのではないかと感じています。

今後も価値のあるものを生み出し続けるために、大量供給を目的とした開発ではなく、それぞれの街の特色に馴染み、映える商品を作り出していくというポリシーを持ち続けます。そして、高収益な分譲事業を実現し、お客さまから高い評価をいただけるプロジェクトに邁進していきたいと考えています。

不動産開発事業 : 実績及び計画

不動産開発事業の実績および計画についてご説明します。冒頭で少しお伝えしたとおり、第2四半期までの実績は大幅な増収増益となりました。セグメント利益は、通期計画に対し55パーセントと高進捗で着地しています。

また、私募ファンドの組成、大型案件の売却、グループ会社であるピカソグループおよび芝リアルエステートの不動産売却も計画どおりに進んでおり、一部では計画以上の進捗を見せています。

不動産開発事業の収益は、売上高は246億5,100万円、セグメント利益は86億3,800万円と非常に高い利益率を有しています。下期も引き続き、高収益の物件売却を実現していきたいと考えています。

不動産開発事業 : 物件売却、取得の状況

売却・取得の状況についてご説明します。不動産開発事業における上期の売却実績としては、静岡県掛川市の事業用地や、大阪府堺市の商業底地など、当社が開発した物件の売却が着実に積み上がっています。

今期の取得状況については、沖縄県那覇市のホテル用地、京都市伏見区の商業施設、大阪府茨木市の区画整理事業の保留地、神戸市兵庫区の商業開発案件の取得が進んでいます。

開発事業 : 取得実績とエリア比率

スライドには住宅分譲事業と同様に、不動産開発事業の取得実績とエリア比率を円グラフでまとめています。現在、収益不動産のパイプラインは、多様なアセットに加え、分散されたエリアで3,800億円規模へと積み上がっています。将来の仕入案件は、住宅分譲事業と合わせて7,000億円強が積み上がっている状況です。

アセットタイプの比率は、スライドに記載のとおり、ホテル、商業施設、商業底地に加え、区画整理事業による売却用地などがその他16.9パーセントに含まれています。エリアについては、住宅分譲事業と同様に、東京、関西、中部、北海道とバランスを取ったかたちで仕入れが実現している状況です。

不動産開発事業 : 仕入契約額の四半期推移(累計)

仕入契約額の四半期推移です。前期2026年3月期末に加え、今期の第1四半期および第2四半期の推移を記載しています。直近では積み上げが少なく見える状況ですが、高利益率の物件を厳選して取得する方針に基づいており、下期も厳選仕入れを継続する予定です。

不動産賃貸事業 : 実績及び計画

不動産賃貸事業の実績と計画です。上期は、前年同期比で減収減益という結果となりました。要因としては、昨年の3月までに複数の収益不動産を売却したことが挙げられます。

ただし、その減少分については、先ほどお話しした「ランドーホテル札幌ヘリテージ」や、第3四半期に取得予定のアーク不動産の株式取得に伴う関西圏を中心とした収益物件が、来月以降に収益計画として積み上がる予定です。そのため、トータルでは昨年と同水準の着地になると見込んでいます。

また、保有資産の内部成長として、既存物件の賃料アップの交渉を積極的に展開しています。この取り組みの成果が、来期以降しっかりと積み上がっていくと見込んでいます。

不動産賃貸事業 : 保有資産の状況

保有資産の状況です。物件数ベースの円グラフを見ると、商業施設、賃貸レジデンス、ホテル、商業底地、物流施設といったかたちでアセットをバランスよく配分しています。エリアについては、これまでに関西の会社をM&Aしたこともあり、関西の比率が高くなっています。

スライド上段の表に記載しているとおり、当社保有物件の空室率は住居が0.6パーセントと非常に高い稼働率を実現しています。事業用については、権利調整を進めて空にして売却を予定している物件もあるため若干高めとなっていますが、いずれも高い稼働率で推移しています。

また、スライド下段に記載しているとおり、賃貸子会社として2021年にM&Aで取得したピカソグループ、2023年に取得した四条大宮ビル、昨年2025年に取得した芝リアルエステートについては、いずれも安定した賃貸収益を上げつつ、バリューアップ後の物件売却により収益に大きく貢献しています。

資産管理事業及びその他 : 実績及び計画

資産管理事業およびその他の実績についてご説明します。資産管理事業は、今後の新中期経営計画における成長エンジンとして捉えています。AUMの拡大や私募ファンドの組成に伴い各種手数料を計上し、マンション管理受託棟数が着実に積み上がったことで、運用・管理報酬が伸長しました。この結果、上期は増収増益を達成しています。

上期の実績としては、売上高は10億9,300万円、セグメント利益は6億3,200万円を確保しました。AUMは、グループのエスコンアセットマネジメントおよびエスコンインベストメントパートナーズを合わせて1,180億2,100万円です。今後もAUMを着実に増やし、運用・管理報酬を伸ばしていきたいと考えています。

最後に、その他事業は海外事業の受取配当金の影響により、増収増益となりました。なお、当社が主力として海外事業を推進しているハワイでは、総戸数430戸の「Ālia」というプロジェクトが来年の4月から5月に完成予定です。

そのため、来期から海外事業の収益が全体の収益に対して非常に大きく貢献するものと見込んでいます。以上がセグメントごとの詳細な実績と計画です。

愛知県①(豊田市): 大規模複合開発プロジェクトの第1弾始動

進行中のまちづくり事業についてご案内します。1つ目は、愛知県豊田市において、大型複合開発プロジェクトが始動しました。本件は、もともとキユーピー社の工場の跡地であり、全体敷地は約1万2,000坪です。この敷地を4分割し、商業ゾーンと住宅ゾーンを含む複合開発を進めています。

まず第1弾として、スライドに示しているA敷地の「レ・ジェイド豊田テラス」が先月着工しました。販売開始は来年を予定しており、地域住民のみなさまからも大きな注目を集めている物件です。今後、我々の商品力を周辺地域のみなさまにしっかりとアピールし、成約を積み上げていきたいと考えています。

愛知県②(刈谷市、名古屋競馬場跡地)及び土地区画整理事業一覧

愛知県に関する2つ目の案件です。2024年に取得したデンソー社の刈谷工場跡地では、全体で約3万坪の商業開発を現在進めています。主要テナントとの交渉も順調に進み、開発許可も取得済みです。このように、まちづくり事業は着実に進捗しており、来期および再来期以降の収益に結びつくプロジェクトとして順調にスタートしています。

スライド右側には、名古屋競馬場跡地に関する計画を示しています。愛知県では最近アジア大会が終了し、もともと選手村として計画されていた場所において、中部電力グループを代表企業として、当社も開発事業に参画しています。

来期以降、このプロジェクトも本格的に進んでいく予定です。地域のみなさまから高評価をいただけるようなまちづくり事業の開発を実現したいと考えています。

また、進行中の土地区画整理事業としては、大阪府堺市高倉台土地区画整理事業が2026年に事業完了予定です。また、大阪府茨木市彩都、大阪府河内長野市、大阪府枚方市高田地区、奈良県橿原市、愛知県瀬戸市では、区画整理に向けた準備組合の設立に向け、地権者のみなさまとの合意形成を進めています。これらが将来、当社の収益物件として寄与すると考えています。

北海道北広島市 :「北海道ボールパークFビレッジ」で更なる開発推進

北広島市の「北海道ボールパークFビレッジ」のさらなる開発推進についてです。「北海道日本ハムファイターズ」は惜しくも3位で優勝を逃しましたが、来季こそリーグ制覇を果たすことを期待しています。

球場を核としたボールパークの開発は順調に進んでいます。現在、スタジアムに最も近接する場所に、スライド下段中央に記載しているホテル「DHAWA(ダーワ)」が建設中です。こちらはバンヤン・グループのホテルブランドであり、182室を有するラグジュアリーホテルが2027年秋に開業する予定です。

ボールパーク内のタワーマンション「エスコンフィールドタワー」については、今年9月に分譲を開始しました。現在、開始からわずか数ヶ月で200戸を超える水準の契約が見えています。完成は2028年12月を予定しており、引渡しは2年以上先となります。

新駅が2028年春に開業予定であり、その開業を経てタワーマンションが完成することから、非常に多くの方々に期待されているプロジェクトです。

さらに、スライド右側には開発中のプロジェクトとして「(仮称)F Village複合施設プロジェクト」を掲載しています。こちらは、新駅から球場につながるペデストリアンデッキの中央部に位置し、低層階が商業施設、高層階がオフィスという構成です。工事はすでに着工済みで、2028年春の開業を予定しています。

また、隣接地には北海道医療大学が移転を予定しており、建設工事が急ピッチで進められています。この大学の移転計画に合わせて、当社は共立メンテナンス社と協働で隣接地に単身向けマンションの開発を進めており、こちらもすでに着工しています。

全体敷地が32ヘクタールあるこのボールパークのまちづくりは、毎年着実に新たな施設を迎え入れて成長しています。2028年には新駅が開業し、さらにもう一段の飛躍が期待される場所でもあります。このエリアにおける実績を着実に積み上げていきたいと考えています。

北海道北広島市 : JR北広島駅前開発「駅西口エリア活性化事業」

最後に、一昨年に現在の最寄り駅である北広島駅前に「エスコンフィールドHOKKAIDOホテル 北広島駅前」を完成させました。この商業施設から歩行者デッキが駅とつながっており、このデッキをさらに延ばすかたちで「レ・ジェイド北海道北広島」が今年11月に完成します。

当社は周辺に隣接する北広公園の整備にも参画し、街全体のエリアマネジメント事業に取り組むことで、地域のみなさまとの交流を図っています。以上が上期の進捗状況です。

次ページ以降では、中期経営計画における業績の進捗推移を掲載しています。当初の3ヶ年計画を上回るペースで売上・利益ともに成長しています。下期は確実に成果を残したいと考えており、来期以降の新中期経営計画の策定に向けて全社一丸となって事業に取り組んでいます。

私からの説明は以上です。ありがとうございました。

質疑応答:「長期ビジョン2030」の達成見込みについて

質問者:次の中期経営計画期間において、「長期ビジョン2030」で目指す数値を達成する見込みはありますか?

伊藤:2024年に公表した中期経営計画および長期ビジョンですが、2030年に不動産アセット1兆円、経常利益300億円を目標として掲げています。

1兆円については、当社がバランスシートで保有するのは6,000億円程度であり、残りの約4,000億円は、当社のアセットマネジメント会社が組成する不動産私募ファンドやエスコンジャパンリート投資法人のREITのAUMを合わせたものを計画しています。

当時の政策金利は0.25パーセントという水準でした。金利変動に伴い、営業外コストが60億円から70億円程度上振れることを予想しています。

一方で、当社が現在開発中または進捗中の物件においては、こうした局面も念頭に置いたうえで、利益率を重視した取り組みを進めてきました。そのため、経常利益300億円の達成について、現時点ではそれほど難しくないと考えています。新中期経営計画の詳細は、来年以降にみなさまへ発表し、その内容をしっかりとお伝えする予定です。

質疑応答:金利上昇による仕入れ・販売への影響について

質問者:「長期ビジョン2030」の達成を裏づける環境についてです。金利がどんどん高くなってきている中で、「しっかり対応できています」とお話がありましたが、実際に物件の仕入れや販売に何らかの影響が出ているのかという外部環境に関して教えてください。

伊藤:仕入れについては、先ほどお話ししたとおり順調に進捗しており、積み上がっています。また、利益率も確保できています。今後、金利上昇に伴いイグジット価格に多少の調整が入る可能性があると認識していますが、当社は保守的に計画を見ているため、金利上昇後も計画どおりの数値を達成することは十分可能だと考えています。

販売面については、特に住宅分譲事業で、一般的には好調な物件と不調な物件が明確になりつつあると考えています。

当社では、今期販売中のプロジェクトは先ほどご説明したとおり順調に推移しており、来期以降の販売物件もすでに工事が着工し、販売が開始されているものは計画どおりに進捗しています。そのため、当社のプロジェクトにおいて減速感は見られないと考えています。一方で、業界の動向を確認すると、減速感が出ているケースもあると捉えています。

当社としては、販売価格や商品のポテンシャルをしっかりと分析しつつ、当初計画以上の成果を目指し、仕入れおよび販売ともに堅調に推移しているとご理解いただければと思います。

質疑応答:今後の投資計画について

質問者:スライド13ページに投資計画と仕入れの状況が記載されていますが、特に収益物件開発や海外投資において通期計画をしっかり達成できるのかについて教えてください。また、次の中期経営計画期間では、今回の中期経営計画のグロース投資額2,500億円と比較して、どの程度の投資をしっかり仕込んでいけるのか、見通しについてお聞かせください。

伊藤:今後の投資物件に関する考え方については、これから金利が上昇していく中で、マンション事業や不動産開発事業の競合は減少していくのではないかと考えています。建設コストの高騰や工期の長期化により、簡単に利益を出せる環境ではなくなりつつあると認識しています。

当社は総合デベロッパーとして、用地取得力や付加価値を高める企画力に力を注いできました。そのため、これからは投資機会が増える可能性もあると見込んでいます。先ほどお話ししたとおり、厳選取得の方針をあらためて徹底しています。

既存および新規投資が順調に積み上がったため、今後の取得については、より高い収益を上げられるプロジェクト、さらには事業として当社が付加価値をしっかりと生み出せる物件に厳選し、投資していく方針です。来年以降の具体的な投資計画については現在調整中ですので、適切なタイミングであらためてご説明します。

また、次の中期経営計画は現在鋭意策定中であり、2030年までを視野に入れた次の4年間の中期経営計画を来年の春頃を目標に発表したいと考えています。市場環境が大きく動くと見られるこの半年間の状況を見据えつつ、投資家のみなさまのご期待に添える計画の策定を目指しています。

質疑応答:厳選仕入れが減益につながる可能性について

質問者:仕入れの厳選が、来期以降の収益不動産の減益や全社的な減益につながることがないか、確認させてください。

伊藤:当社の開発事業における利回りは、取得段階では高めに設定し、売却段階では保守的に計画を立ててスタートしています。現在の調整程度では下振れする兆候はなく、そのようなリスクは現時点ではないとお考えいただければと思います。

質疑応答:販売好調な物件と不調な物件の違いについて

質問者:先ほどマンション市況について一部コメントがありましたが、そのフォローアップとして1点うかがいます。好不調が分かれてきている中で、御社のプロジェクトは「大丈夫」という力強い言葉をいただきましたが、御社の視点で見て、好調な物件とそうではない物件の違いはどこにあるとお考えですか?

エリアの問題なのか、それとも転売目的で在庫が積み上がり崩れてきているエリアがあって問題となっているのか、考えや見方について補足をお願いします。

伊藤:特に住宅分譲事業の市場では、ものづくり力や商品企画力が重要であると考えています。現在の市場価格や金利の高騰感が続く中では、魅力に乏しい物件はお客さまが購入に踏み切れないのではないかという見方をしており、当社では物件一つひとつを画一的にならないハンドメイドで開発しています。

関西圏では千里中央や阪神間、北摂などに特化して展開しています。住宅地として非常に人気の高い場所に絞り込んでしっかりと用地を取得している点に加え、建設コストが高騰している中でも「良いものを作る」という考え方に共感していただき、一緒に取り組むことができるパートナーが存在している会社は、堅調に推移していると分析しています。

さらに、今後も全体的にインフレ傾向のマーケットが続く中で、所得が伸びてくるタイミングが少し遅れてくるケースもあるかと思われます。企業にお勤めの方々が好むエリアで用地を取得し、付加価値のあるものを提供していくことが重要です。

当社は引き続き、デベロッパーとして価値のあるものを作り出すというポリシーを掲げ、取り組んでいきます。

質問者:苦戦している物件のプロジェクトは、徐々に値下げされてきているのでしょうか?

伊藤:エリアによっては出てきていると聞いています。しかし、例えば2008年のリーマン・ショック時は、完成した物件をバルク売りで処分せざるを得ず、当時は我々も逆の立場で半値でしか売却できなかったような状況でしたが、現在はそこまでのケースはありません。

値引きして一定の数を売却するという話をいただく場合もありますが、値引きの目線としては1割から2割程度です。そのため、取得して再販しようとしても、十分な利益を出すことは難しい状況です。

郊外で駅から遠く、あまり魅力のない物件の在庫は増加傾向にあるようですが、一方で、次に供給される物件が非常に安価になるかというと、現在の建設コストを考えると起こりにくいと思います。完成在庫も時間をかけて売却が進んでいくマーケットが続いていくと考えています。

したがって、大規模なバルク売りによる値引き物件が出てくる状況にはなく、魅力がやや弱いプロジェクトの販売は長期化していくかたちでマーケットが動いていくと予測しています。

質疑応答:第5次中期経営計画について

質問者:第5次中期経営計画について、ROICとWACCが詳細に記載されており、非常にわかりやすいですが、2027年3月期はWACCが2.3パーセント、株主資本コストが8.1パーセントを計画しています。10年債が低い時を前提としていると思われますが、長期金利は現在約2.8パーセントとなっています。

2027年3月期はWACCが上昇し、ROICに近い、もしくは上回る可能性があると考えられます。その場合、どのように経営を進めていくのでしょうか? 一時的に目をつぶる、あるいは負債を減らすなど、具体的にどのような方針を考えているのかを教えてください。

伊藤:ご指摘のとおりかと思います。金利が上昇しているため、株主資本コストは10パーセント近くになってきていると認識しています。当社はROEを重視しており、現在のROEは約14パーセント台です。

非常に悩ましい部分ではありますが、物を作るには一定の期間が必要です。特に、当社の足元の環境としては、先ほどお話ししたように建設コストが上昇していることや、設備業者が不足している状況も影響し、着工時期が確定しづらい状況が続くなど、プロジェクトの工期が長期化しています。

そのため、実際にROICの数値を高めるために、短期で転売する手法などもあるかと思います。

当社はデベロッパーとして価値あるものを作ることが生命線であるため、指標を設けながらも、時間をかけて価値あるものを作り出し、それに見合う利益をしっかりといただくことを方針として、今後も取り組んでいきたいと考えています。

また、全体的なバランスシートをしっかりとコントロールしていきます。中部電力の信用力も、価値あるものを生み出すためのポジショニングと考えています。

質問者:非常によく考えていることが理解できました。おっしゃるとおり、ROEを重視するのはよいと思いますが、無理にROICを向上させようとすると難しい部分が出てくるのではないかと思います。

不動産業においてはROICを用いずに、別のモデルを使用することがあります。例えば、DCF(割引キャッシュフロー)法を採用する場合などです。同じように並べるとROICが上昇するのではないかと思いますが、ROEをどのようにコントロールし、負債比率をどう管理するかを整備することで、不動産業としてよりわかりやすくなると思います。

伊藤:貴重なご意見として、次の中期経営計画に活かしたいと考えています。ありがとうございます。

質疑応答:底地ファンドの組成目的について

質問者:スライド5ページに記載されている底地ファンド第1号について、今回の位置づけを教えてください。

伊藤:私募ファンドを今回組成した狙いと、これからの戦略についてご説明します。当社は収益不動産の開発に複数取り組んでおり、投資家のみなさまのご期待に応えるリターンをしっかり生み出せる商品設計を行っています。昨年は賃貸レジデンスのファンドを組成しました。

当社が開発した物件が投資家のみなさまにリターンを提供することと同時に、期中のアセットマネジメント、つまり資産管理事業の報酬を積み上げていくことからも、今回、底地ファンドの組成に至りました。今後も第2号、第3号と展開していきたいと考えています。

質疑応答:収益不動産売却の戦略について

質問者:短信の4ページに記載されている収益不動産の売却について、いくつかアセットが挙げられていますが、今後の重みづけについて直近の事例があれば教えてください。

伊藤:外部への売却は、私募ファンド向けとは別に行っています。資産管理会社が相続対策で収益不動産を保有したい、あるいは事業用資産の買換えや収益不動産を持ちたいなどといった複数のニーズに対応するために取り組んでいます。外部売却しているケースは、一般事業法人の会社が比較的多いですが、そのあたりのニーズを的確に捉え、この下期、さらには来期以降も不動産開発事業の収益に貢献する展開を目指していきたいと考えています。

私募ファンドで組成していくプロジェクトと、外部に売却していくプロジェクトの両方をパイプラインとして構築し、収益不動産を売却していく基盤を強化しながら、全体の収益貢献を安定化させていきたいと考えています。

質疑応答:中部電力との連携強化について

司会者:「中部電力は浜岡原子力発電所の不祥事以降、新経営陣になり、説明会資料が昨日開示されました。そこで御社との連携強化や人材交流などについて触れられており、2030年に向けて2025年度実績をさらに引き上げていく方針が示されています。

あらためて、これまでとこれからで中部電力との連携をどのように進化させ、どのように事業企画を広げていく構想をお持ちですか? 御社はこうした取り組みの進化の中で、これまで顕在化できていなかったことでどのような影響、事業機会を期待していますか?」というご質問です。

伊藤:本年1月5日に公表した浜岡原子力発電所に関する件で大変ご心配をおかけしていることを、グループ企業として深くお詫び申し上げます。ご質問のとおり、新経営陣体制となり、現在は浜岡原子力発電所の件を最優先事項として対応しています。詳細なコミュニケーションについては、各担当部署と連携を図っています。

当社は2018年に中部電力グループへ参入し、2021年から連結子会社となっています。当社の役割は、中部電力グループとして、不動産事業において着実かつ持続的な成長を実現しながら、収益を伸ばしていくことだと考えています。

連携をどのように進化させ、事業企画を広げていくかについては、中部電力の資本力や信用力を活用してレバレッジを効かせ、住宅分譲事業や不動産開発事業に資金を投下することを継続し、期待を上回る利益を創出していくことを目指しています。

例えば、データセンター事業や電力インフラを活用した不動産アセットの開発などにおいては、中部エリアでのデータセンターに関する引き合いはまだ少ないと感じています。

したがって、今後連携をさらに強化することで、収益拡大を実現する可能性があると考えています。事業機会を逃さないよう、私としてもそのあたりのアンテナを高く張り、中部電力グループとしてのデベロッパーの強みを活かして取り組んでいけるように努めていきます。

質疑応答:浜岡原子力発電所の不祥事による業績への影響について

司会者:「従来は中部電力の信用力やブランド力は強力な武器だったと理解していますが、浜岡原子力発電所の件がさまざまなニュースメディアで取り上げられ、中部電力のブランドや信用力が低下している可能性を危惧しています。また、格付け会社もレポートでこの点に触れています。

中部電力圏内もしくは協業の中で、やりにくさが出ているということはないでしょうか?」というご質問です。

伊藤:大変ご心配をおかけしています。現在事業を進めている中でも、中部圏で分譲マンションを販売しているプロジェクトは複数ありますが、いずれも着実に成約数が伸びています。今回の一連の報道により販売にブレーキがかかるという事象は、現在のところ発生していない状況です。グループ全体で信頼回復に向けた取り組みを今後も続けていく考えです。

また、当社としては、価値あるものをしっかりとお客さまに提供し、入居後もサポートを徹底することをお客さまに発信し、業績が減速しないよう取り組んでいます。そのため、当社の業績面についてはご安心いただければと考えています。

質疑応答:「エスコンフィールドタワー」の顧客属性について

司会者:「『北海道ボールパークFビレッジ』のマンション契約は好調とのことですが、顧客の属性について教えてください。東京からの購入、外国人、法人など、いかがでしょうか?」というご質問です。

伊藤:「エスコンフィールドタワー」は、北海道外の方の購入が約半数、北海道内の方の購入が約半数というバランスになっています。外国人の方はほとんどいらっしゃらず、日本の個人のお客さまが圧倒的多数を占めています。

東京だけでなく、大阪などの関西方面からも多くの反響をいただいており、球場に隣接する35階建てのタワーマンションということで、非常に注目度の高いプロジェクトとなっています。マーケットは全国にあると考えており、総戸数は508戸ありますので、地元をはじめ日本各地から集客し、2028年11月までの完売を目指して進めていきたいと考えています。

質疑応答:山形県天童市におけるまちづくり事業の進捗状況について

司会者:「山形県天童市の案件について、御社の関わり方は北広島と同様、まちづくりが中心となると思いますが、何か新たな収益機会はありますか? 不動産大手がアリーナ事業を強化するなど、運営面などで進化はありそうでしょうか?」というご質問です。

伊藤:2月27日に、新サッカースタジアムの建設・保有を目的とするモンテディオフットボールパーク社の97.8パーセントの株式を取得しました。その後、J2サッカーチーム「モンテディオ山形」が使用する収容人数1万5,000人のサッカースタジアムが着工しました。

また、サッカーチームの株式も取得し、サッカークラブの経営、新スタジアムの建設、さらに建設地周辺のまちづくり事業について行政の方々と協議を重ねながら、スタジアムを核としたまちづくりの実現に向けて取り組んでいるところです。

半年強が経過したところですが、地元のみなさまから非常に熱い期待をいただいていると感じています。天童市のみならず、山形県全体のみなさまがチームへの深い愛情を持ってくださっています。

この期待を大きな力に変えて、地域創生事業のモデルケースとなるよう、しっかりと実現していくことが我々の使命だと考えています。

スタジアムは2028年夏頃に完成する予定であり、事業面での本格的な貢献はそれ以降になりますが、北海道でのまちづくりで培った実績や知見を活かして、山形でもみなさまに喜んでいただけるまちづくりを実現したいと考えています。

質疑応答:セキュリティ対策について

司会者:「不正アクセスによる情報漏えいの防止について、新たに強化していることはありますか?」というご質問です。

伊藤:昨今、不正アクセスやデータ流出といった悪質な問題が増加しています。当社では従来セキュリティ管理にしっかり対応してきましたが、弱点を改善・解消する取り組みは日々進化していますので、当社も問題が起きないよう細心の注意を払って対応しています。セキュリティ感度をさらに高め、引き続き取り組んでいく方針です。

いま読まれてます

記事提供:

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー