反アサド派、驚愕の正体とは?
まず基本的な知識として。シリアのアサド政権は、「反米」「親ロシア」です。
中東における親ロシア勢力は、主にイランとシリア(アサド)。
中東における親アメリカ勢力は、主にイスラエルとサウジアラビア。
7月にアメリカ、ロシア、イラン(と英独仏中)は、イランの核開発問題を事実上解決しました。米、イラン関係がよくなった。それで、アメリカと、イスラエル、サウジアラビアの関係に亀裂が入っています。
しかし、本題ではないので、詳しくは触れません。
シリア。
中東、北アフリカ諸国で2010年ごろから「アラブの春」と呼ばれる革命運動が活発になりました。実際にいくつかの国で、独裁政権が崩壊しています。
2011年末、独裁者アサドが支配するシリアでも、「革命運動」がおこってきた。ロシアは当然、事実上の同盟国であるシリアのアサド現政権を支持。
一方、アメリカは、「反アサド派」の支援を開始しました。この辺は、皆さんご存知ですね。
欧米マスコミは、「反アサド派=民主主義を求める善の勢力」とプロパガンダしていた。
しかし…。
実をいうと、「反アサド派」は、とても「民主主義勢力」と呼べるような人たちではないのです。皆さん、「目を皿のようにして」次の記事を熟読してください。「反アサド派が仲間割れしていたが、仲直りした」という記事です。
シリア北部の町占拠、反体制派とアルカイダ系勢力 対立の背景
トルコとの国境沿いにあるシリア北部アレッポ(Aleppo)県の町、アザズ(Azaz)で18日に戦闘になったシリア反体制派「自由シリア軍(Free Syrian Army、FSA)」と国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)系武装勢力「イラク・レバントのイスラム国(Islamic State of Iraq and the Levant、ISIS)」が停戦に合意したと、イギリスを拠点とするNGO「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」が20日、明らかにした。
([AFP=時事])
同じ反体制派(=反アサド派)内の「自由シリア軍」と「イラク・レバントのイスラム国」(ISIS)が仲間割れして、戦闘になったと。そして、この「イラク・レバントのイスラム国」は、「アルカイダ系武装勢力」である、とはっきり書いてあります。
ここで重要な事実が明らかになります。
欧米が「民主主義を求める善の勢力」と宣伝している「反アサド派」の中には、アメリカで9.11を起こしたとされる「アルカイダ系」がいる。
もう一度、最重要部分を引用します。
国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)系武装勢力
「イラク・レバントのイスラム国(Islamic State of Iraq and the Levant、ISIS)」
じっくり声に出してよんでください。国際テロ組織アルカイダ系武装勢力「イラク・レバントのイスラム国」とあります。
皆さん、もうおわかりですね。
欧米が大騒ぎしている「イスラム国」は、つい最近まで、「民主主義を求める善の勢力」であるはずの「反アサド派」に属していた。
整理します。
- 欧米が「民主主義を求める善の勢力」と宣伝している「反アサド派」にもいろいろな勢力がいる。
- その中には、アメリカで9.11を起こしたとされる「アルカイダ系」もいる。
- 欧米が敵視している「イスラム国」は、「元アルカイダ」であると同時に(善であるはずの)「反アサド派」だった。
- 欧米は、この仰天の事実を知りながら、「反アサド派」への支援をつづけていた。
- 「イスラム国」が急速に勢力を拡大した最大の理由は、欧米からの支援が間接的に彼らに流れていたことである。