【書評】執事「大富豪は松竹梅で迷ったら梅をお買いになります」

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話題書の要点をかいつまんで教えてくれる無料メルマガ『毎日3分読書革命! 土井英司のビジネスブックマラソン』で、今回取り上げられているのは、富裕層向けに執事サービスを提供する著者による一冊。一流の執事が実際に見聞きした、お金持ちと呼ばれる人たちが等しく備える「思考と行動パターン」とは、いったいどういうものなのでしょうか。

 

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『執事だけが知っている世界の大富豪53のお金の哲学』 新井直之・著 幻冬舎

 

こんにちは、土井英司です。

『お金持ち入門』を出版したのがきっかけで、共著者のみなさんと「お金持ちとはどんな人か」を議論する機会が増えています。

お金の使い方、人の扱い方、目の付け所、リスクに対する姿勢……。さまざまなポイントがありますが、明らかなのは、それらが一般の人とはまったく違うことです。

ということは、お金持ちになるには、人と違った考え、行動をする必要がある。手っ取り早いのは、やはりお金持ちをマネすることでしょう。

そこでおすすめなのが、富裕層限定でバトラー&コンシェルジュサービスを展開している著者が書いた、『執事だけが知っている世界の大富豪53のお金の哲学』

松竹梅で迷われたら、を買われます」

宝くじはお買いになりません」

時間を買うことが大好きでいらっしゃいます」

など、執事風の口調で、お金持ちの思考パターン行動パターンを紹介しており、読み物としても、実用書としても使える一冊です。

お金持ちは、一体どんなことを考え、どう行動するのか。

さっそく、本書のエッセンスを見て行きましょう。

燃えるものには投資しない

大富豪から選ばれるのは、「普遍的な価値がある」と認められたものだけです。その代表格が土地です。不動産投資がお好きな大富豪は、「この物件を燃やしてみたら価値は残るかな? 建物は燃えるけど、土地は残るな」と確認していました

大富豪が決済用口座に入れているのは、一カ月分の生活費だけです

大富豪は店頭金利に見向きもせず、必ず銀行と交渉をされます。そして常に、店頭金利以上の数字を引き出しているのです

大富豪は家を所有することにこだわりません。それどころか、自分が今現在、住んでいる家であっても、高い値がつくなら売ってしまおうと常に考えています。つまり、大富豪にとって家は投資商品でもあるのです

「記念硬貨は元本が保証されている上に、そのあとで値上がりするケースも多いから、これほど投資に適したものはないんだ」

最大の投資は、節約であることを知っていらっしゃいます

大富豪は、書類の作成から取引先との会合まで、「誰かに代わってもらえる仕事は代わってもらう」という方針を徹底しています

大富豪が贅沢に使うのは、自分で稼いだお金ではなく、お金が稼いできてくれたお金──株式投資や不動産投資、金融商品、先物取引などで得た利益です

損得よりも好き嫌いで付き合う相手を決めたほうが、結局は人間関係が長続きするとわかっている

人脈とは、無理を頼める人の数だと思っていらっしゃいます

来る者は拒まず、去る者を追われます

出戻りの従業員は、今まで以上に働いてくれます。一度辞めた自分をまた雇ってくれた大富豪に恩義を感じ、一層の忠誠心を持つからです

お金持ちの思考と行動パターンがシンプルに表現されていて、じつに勉強になる本です。

「人によって違う」と思う部分もいくつか見られましたが、鵜呑みにせず、あくまで考え方を参考にすれば、良い刺激になると思います。

ぜひチェックしてみてください。

image by: Shutterstock

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『毎日3分読書革命!土井英司のビジネスブックマラソン』
著者はAmazon.co.jp立ち上げに参画した元バイヤー。現在でも、多数のメディアで連載を抱える土井英司が、旬のビジネス書の儲かる「読みどころ」をピンポイント紹介する無料メルマガ。毎日発行。
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