特別対談Part3 高城剛×石田衣良「デカすぎる企業は絶滅恐竜と同じ」

 

石田:そうねー。食えなくなった時の日本か。

高城貧困がやっぱり戦争に繋がっていくんです、歴史的に。

石田:それに関しては今の日本厳しいですよね。

高城:そう思いますよ。もっとこの傾向が強くなるっていうことは、憲法改正の問題ではなく、貧困により少しづつ戦争へ向かっていくっていうことだと思いますけど。

石田:ところで高城さんがもし、ブラック企業みたいなので働いている……何かアルバイトでも地獄の目にあっている若い子たちがいたとしたら、何て言います?

高城:その子に会ってみないとわかりません。

石田:個々の話だから?

高城:うん。それが本当にブラックなのかもわからないですけど、会ってみないとわからない。で、その道じゃない道は絶対にあると思う。だから一概に言うことではなくて、個別に言うことだと思うんですよ。

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石田:そっか。個々の生存適性を考えるってことね。

高城:絶対にある。

石田:それがあって欲しいんだよなー。

高城:それを彼が選択してないだけだと思いますよ。もしくは見つけられていない。

石田今の時代って何か不思議ですよね。中世だったら、王様の権利も貴族の権利も血によって代々伝わるわけですけど、今は経済関係の法律とか、企業にギュッと集まった富として代々伝わっていくようになっているじゃないですか。なので、今のほうが合理的だから、逆に縛りが厳しいですよね。見えない王様の権力のほうが昔の王様より強い

高城見えない階級化がはじまってますよね。

石田:それでどんどん差が開いていくこの感じが、世界中全部一緒じゃないですか。それを考えた時に何か、若い子たちに「こんなに希望があるよ」っていうのが、何か言いにくいというのがすごくあるんですよ。

高城:僕が南の島をまわろうと思ったきっかけは、まさにそれなんですよね。資本主義の基本的中心機能は、都市にあると思っているんです。都市化が資本主義の権化で、見えない王様の新しい領土システムだと考えました。それはおっしゃるように、さまざまな弊害を生んで、人々を実際に苦しめてますよね。そして非常に合理的で、誰も逆らえない。

石田:よくできているんだよね。

高城:ただ、そこから逃げ出し、新しい世界を見つける方法はいくらでもあって、どこに行くのかっていう時に、僕は南の島に解答があるんじゃないかっていうことを、大きく提案しているんです。

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