仕事も宿題も同じ。やる気スイッチが入る「とりあえず方式」とは

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子供がなかなか宿題に取り掛からない―。親御さんのこんな悩み、よく聞かれますよね。どうしたらやる気スイッチを入れることができるのでしょうか。無料メルマガ『親力で決まる子供の将来』の著者で教育評論家の親野智可等(おやの ちから)さんが、叱りつけるよりも効果的、さらに大人にも使えるというある方法を記してくださっています。

「とりあえず○○方式」で見通しをつけておくと後が楽になる

うちの子はなかなか宿題や勉強に取りかからない。さんざん叱られて泣きながらやる。どうせやるなら、さっさとやっておけば後が楽なのに…。

こういう悩みをよく聞きます。これは親たちの悩みで最も多いものの1つです。でも、叱っているだけでは解決しません。勉強に取りかかりやすいような合理的な工夫をしてあげることが大切です。

これについて、私のメールマガジンの読者がいい方法を教えてくれました。その家の男の子は、学校から帰ってくると家の中に入りもしないそうです。玄関数メートル手前からカバンをポーンと放り投げて、そのまま遊びに行ってしまうそうです。明るいうちに遊ぶのはいいことですが、遊びから帰ってもいつまでも勉強に取りかからず、さんざん叱られてから夜に泣きながらやるので困っていたそうです。

そんなある日、お母さんは叱り疲れてぼうっとしていたら、パッといいアイデアがひらめきました。そして、ごく簡単なことをしました。それは玄関に大きな箱を出したのです。カバンが2つくらい入る広さで、深さはそれほど深くない箱です。
そして、子どもに言いました。「遊んでもいいけど、その前に、学校から帰ってきたら、すぐにカバンの中身を全部この箱の中に出しておこう。それだけはやろう」。

とりあえず準備方式でさらに一歩近づく

「それくらいならできるよ」ということでやり始めました。すると、これが実によかったそうです。遊びから帰ってくると、その箱の中に全部出ています。当然、宿題のプリントも書き取り帳も漢字ドリルも出ています。たったこれだけのことで、手に取りやすくなってがみがみ叱る回数が減ったそうです。

これがまったく手つかずのままカバンの中に入ったままだと、ちょっとしたことで遠いわけです。ほんの少しでも、たとえ一歩でもゴールに近づいておくことが大切なのです。

これは大人の仕事においても言えることです。パソコンが立ち上がっていれば取りかかりやすいですが、そのパソコンがカバンの中に入ったままだとちょっと遠いわけです。

さて、私はこのお母さんの話を聞いて、さらに一歩ずつ近づく方法を提案しました。箱の中から勉強に使う物を一式取りだして、テーブルの上に並べておけば、さらに一歩近づきます。その内の1つを開いて下敷きを敷いておけばさらに一歩近づきます。これを「とりあえず準備方式」といいます。

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