9月1日が危ない。子どもの「いじめ自殺」を防ぐ、親の一言

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9月1日は子どもの自殺が最も多くなると言われています。警察庁によると、2016年は1年間で300人前後の小中高生が自殺したことが判明。そして、いじめなどを受けている子供たちの多くが夏休みの明ける毎年9月1日、学校へ行くことへの恐怖に耐えられず自ら命を絶っています。メルマガ『伝説の探偵』の著者で、数多くのいじめ問題を扱ってきた「T.I.U.総合探偵社」代表で現役の探偵の阿部泰尚さんは、自殺との因果関係を認めない日本の教育現場の隠蔽体質について疑問を呈しています。

いじめ自殺防止のための共同宣言と嫌がらせ2017

9月1日は子どもの自殺が最も多くなるというデータがある。

昨年も我々はいじめ自殺防止のための共同宣言を行なったが、今年もこの宣言は実施する。

同様に毎年のことだが、この8月20日以降の週は、NPO法人ユース・ガーディアンの相談電話やメール相談が増え、子どもから直接「学校に行きたくない」という内容の相談が来る。

いじめ自殺防止のための共同宣言

学校に行きたくなかったら、行かなくてもいい。

学校が君にとっての地獄なら、行かなくてもいい。

ただ、教えてほしい、何があったのか?何が起きたのか?

もし、今、話すことがつらかったら、話せるときまで私たちは待っている。

命はリセットできない。

想像してほしい。君がいなくなってしまったら、君の大好きな人たちがどれだけ悲しむのか。

君につらい思いをさせた人たちは反省するのか?罪を償うのか?

逃げる場所は必ずある。

もしも、君が逃げるなら、この宣言に賛同したすべての団体とすべての人たちが、君の逃げ場を探す。

もしも、君が戦うのなら、この宣言に賛同したすべての団体とすべての人たちが、君を徹底的にサポートする。

私たちは、君が声をあげてくれないと、君を見つけ出すことができない。

だから教えてほしい。

私たちは、君の話を聴く。

君の元へ駆けつけて、直接助けることもできる。

だから、ちょっとだけ勇気を出して連絡してほしい。

一人では大変なら、私たちに連絡してくれればいい。

必ず、その勇気に報いるサポートをする。

 

小中高生の自殺は毎年300人前後

警察庁の発表によれば、2016年に小学生12人中学生93人高校生215人が自殺している。その多くの原因に「いじめ」は常に取り上げられるが、公式の発表においては、いじめは原因としてはその数があまりに少ないのだ。

よくあるいじめ自殺調査を公がやると、「いじめはあったことは認められるが、自殺との因果関係はない」という一般には理解の域を超えた発表がなされている。

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「自分が長所だと思っていたところが他人に否定されると自己嫌悪が凄まじいことになる 今まで自分が誇りにしてきたものはなんだったんだと思う ・・・」

2015年に自死した彼は彼が最も得意としていることをクラス委員の生徒から何度も叱責を受けていた。その様子を見ていた生徒らは、なぜそのクラス委員が激昂しているかわからなかった。なぜなら、自死した彼の実力は圧倒的すぎて、文句を言うところなど1つもなかったからだ。

彼は苦笑しながら謝っていたということだが、心の底では深く傷つき心の中で「なんでだ!」と叫んでいた。

それ以降もこの叱責は続き、彼は体調不良で保健室に通うようになるが、こうした段階になっても誰も彼を助けようとはせず、クラス内に流れる空気によってフォローする者もいなかった

ここからしばらくして夏休みに入るが、その間も彼は悩み続けていた。

夏休み中の部活などの活動は、体調不良で休むことができたが、あけてしまえば、体調不良でも休むわけにはいかない。

夏休み明けからは、クラス内や部活でのいじめ(この場合は主に孤立、存在否定の行為)が行われ、彼は自死という道を選ぶことになったのだ。

もしも、「学校なんかに行かなくても良い」という言葉が彼に届き、もはやいじめ自殺は学校単体では防げないのだから、あまりにきついときは、学校に行かなくてもいいのだということが、「いじめ自殺防止のための共同宣言」の言葉の通り、普通(常識)であれば、自死を選択する可能性は極めて低かったはずだ。

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