台湾で「日本に感謝」の声。国際大会を中止させた中国の大誤算

 

追い込まれた中国が、対外的に威嚇行為をすることで国内の目を外にそらすというのは、中国政府の常套手段です。そうしなければならない国内事情を習近平が抱えているとしか思えません。その証拠に、最近ではメディアで中国内から発信された習近平批判についての記事が散見できます。

米中の貿易戦争は目下、激化しつつあり、人類史には、激戦、冷戦、サイバーウォーなどさまざまな「戦争のカタチ」があります。石原莞爾は、太平洋をまたいだ日米戦争を東西文明の「最終戦争」と定義しました。

現在進行中の米中の貿易戦争も、ただの貿易や経済だけにおける戦争ではなく、「価値観をめぐる最終戦争と呼ぶにふさわしい」と私は思っています。

その戦争がいつ終結するのかを予想するのはとても難しく、メディアでは様々な見解が紹介されています。米中の貿易戦争が長引けば中国の歴史は終わりに近づくどころか、世界は変わります

中国は、すべてが政治の国です。スポーツ、音楽はもちろん、人民の一人ひとりの行動がすべて政治的に解釈されています。今回中止となった東アジアユースゲームズだけでなく、「アジア大会」をはじめ、4年に一度のオリンピックでも中国政府は台湾の扱いについて介入を続けています。

では、中国からの横暴についてどうすればいいのでしょうか。2020年の東京オリンピックをめぐって台湾名義で選手を参加させたという「正名運動」(名称を正す運動)は、前述したように、今回の件で収束するどころかさらに活発になっています。

台湾における「正名運動」の総責任者は、紀政という元オリンピック選手であり、彼女は台湾初の女性メダリストとして尊敬を集めています。また、3回のオリンピックに出場していますが、いずれも「台湾」名義(1回は台湾の別称である「フォルモサ」)で参加したそうです。

挺2020東奧台灣正名 紀政:台灣人要先自助

日本でも、台湾の選手を「台湾名義で参加させようという草の根運動が広がりつつあります。

台湾2020東京

1996年の台湾の総統直接選挙のときに、台湾が中国の言いなりにならなかったからという理由で台湾にミサイルを発射するという、「文攻武嚇」を中国が行ったことがありました。

この時の日本の首相であった橋本龍太郎元首相は、不安で三日間も寝られなかったといいます。その後、台湾の選挙についてのコメントで橋本氏は「(選挙を)やめろとは言っていないが迷惑だ」と公言しました。戦後の日本はずいぶん変わってしまったものです。

それでも周辺諸国は、日本は何かを変えてくれると期待しています。

今、日本の国会はアメリカに追随して「台湾関係法の提出を計画中です。国会、ことに衆議院が決議すればイギリスやカナダの国会への影響もかなり大きいと思います。

日本も世界を変える力があることについては、「台湾関係法の決議が一つの試金石であり、日本の真価もこの小さな一歩からはじまると期待されています。

image by: 蔡英文 Facebook

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2018年7月分

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