現役アナウンサーが分析。話し方の悩みのない人に学ぶ魅力的話術

 

人間が話をするときの頭の中の状態から考えてみます。私たちの頭の中には、たくさんの情報が記憶という形で保存されています。単に記憶といっても、日本語のルールなど根本的なものから、個別に備わった経験や知識、潜在的、無意識的なものまで含まれるでしょう。こういったものが、印象としては、断片的に蓄積されています。

まるで煮込まれたスープのように、元の材料がわかる断片から、それが何だったかすっかり分からなくなったものまで、あるいは、似たような断片が集まっている部分もあれば、まるで離散してしまい、単体になっている断片など、ごった煮状態…。

印象としては、としたのは、そういった記憶の蓄積が脳科学的に言えばどうなのかは、そちらの専門家に委ねたいからです。あくまで、話し手自身のイメージとしては、ということですね。

そしていざ、話をしよう、という段になると、その都度、それらの記憶・イメージを繋ぎ直して(この段階ではまだイメージのまま)それを言葉に変換し(この段階でイメージが具体化)さらにそれを音声に変換します(ここで話が具現化します)。

まことにざっくりと、ですが、こんな過程を経て、私たちは日々、話をしています。どんなに些細な話でも、です。

そして、何でもパッパと話せる人、話す反応が早い人は、この過程が時間的に短いといえるわけですが、その理由は、

  • 早く言語化できるイメージから、先に話すことができる
  • 話し慣れることで、考えなくても言語化できる言い回しをたくさん持っている

こういう特性があるからだと思います。

例えば上述の、「言葉が短くても、感嘆など主観の伝え方がうまかったり…」のような人は、表現が得意な主観のイメージだけを素早く先に選択して、言語化・音声化する習慣があるからですね。

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