驚きの豹変ぶり。朝日新聞が「消費税推進派」に転向した深い闇

 

ところが、それからわずか2週間後に、冒頭に紹介した2012年3月31日の社説が出されました。朝日新聞はこの社説で、「大企業や富裕層の税制優遇」「歳出の無駄」などの問題は解決していないことを認めつつ、「それでも、とにかく消費税は増税しなくてはならない」という、強力な消費税推進派の立場に豹変したのです。普通の良心のある新聞社であれば「大企業や富裕層の税制優遇の解消」「歳出の削減」の問題の方を先に片づけることが先決だと言い続けるのが当然のはずです。にもかかわらず、朝日新聞は、「消費税の増税の方が先だ」と言い始めたのです。

その後、朝日新聞は、すっかり強硬な消費税推進派になってしまいました。2018年10月1日の社説では、次のように消費税増税を強力に主張しています。

4年前は増税の先送りを決め、「国民に信を問う」と衆院を解散した。16年の参院選の直前には「これまでの約束とは異なる新しい判断だ」として、2度目の延期を決めた。昨年は、増税で得られる税収の使い道を変えるとして、またも国民に信を問う戦略をとった。来年は統一地方選や参院選がある。政治的な理由で、3度目の延期をすることがあってはならない。

これを読むと、朝日新聞は安倍首相よりもはるかに消費税の増税に積極的だということがわかります。つまり、朝日新聞は安倍首相に忖度して消費税増税を推進しているわけではなく、むしろ躊躇する安倍首相の尻を叩いて、消費税増税を働きかけているのです。

朝日新聞は、「日本の将来のため」「国民の生活」を真剣に考えてこういう結論を出したのではありません。朝日新聞は信じがたいほどの利己的な考え(自社の権益を守るため)により強硬な消費税推進派に転向したのです。朝日新聞が豹変した理由は、ざっくり言って次の3つです。

  1. 朝日新聞は税申告において、たびたび国税から不正を指摘されており、当時も税務調査で多額の課税漏れを指摘されていた
  2. そもそも朝日新聞は日本有数の大企業であり、消費税は朝日新聞にとって有利な税金だった
  3. 当時、消費税の軽減税率品目が検討されており、新聞を軽減税率に入れてもらいたかった朝日新聞は、財務省の機嫌を取った

この3つを順に説明していきますね。

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