情報封鎖によるメディアの混乱
また、私はこの一連の動きをメディアの同行を許し、記録してもらっていた。他の問題やメディア側の最後の最後の信用失墜行為もあって、この放送は見送られるかもしれないが、同行したテレビクルーによれば、地元メディアは、市の教育委員会からの強固な情報封鎖があり、報道するに必要な情報がごく限られていたという。
だから、私に帯同したキー局のテレビクルーは地元局での情報収集で、あまりの情報の無さや噂レベルで被害側を中傷する話が出回っていることに困惑していた。
実際、私に帯同したテレビクルーは、私が持っている資料に目を通していたし、被害側が証拠収集した校長とのやりとりの録音や市の教育委員会とのやりとりも確認した上で、これは地元局の情報収集力にも問題はあるが、市教育委員会の対応が被害側の不利益になるようにしか働いていないと断言していた。
市の教育委員会は、仮にそのつもりはなくとも、結果、被害側が中傷されるように情報を小出しにしたり、加害側がムキになって事実とは異なる情報を地域にばら撒いていることを放置していたことになる。
何が悪かったのか理解できない教育委員会
冒頭の報道(多くの報道記事の要約)では、市の教育委員会は、第三者委員会の指摘を真摯に受け止め、迅速に対応するとコメントを出している。
しかし、関係者は誰も期待していなかった。それは、およそ2年もの間、市の教育委員会は被害側の救済もしていないし、自らの不誠実な対応と問題を隠蔽しようとする対応を棚上げして、全ては自分たちに従わない被害側のせいだと結論づけていたからである。
これまでに、解散を申し出るというような行動で示す第三者委員会もなかった。これはそれだけ、「北杜市教育委員会は異常」だという意思表示なのだ。
一般感覚がわずかでもあれば、一人でもまともな判断できる人物がいれば、北杜市教育委員会が自ら異常であることを自覚するものであるが、7月3日の第三者委員会からの解散申し出などの意見書を受け、7月23日現在を過ぎようとしている期間の中でも、市の教育委員会は何の対応もしていない。
この間、第三者委員会からは催促があったはずなのだが、結局、何が悪かったのか理解できないのであろう、改善をしようとする動きも協議をする様子も何ないのである。
もはや、第三者委員会ではなく北杜市教育委員会が一度解散してみてはと思う事態だ。これでは、北杜市で起こるいじめ重大事態では、本来機能するはずの教育委員会が全く機能せず、むしろ後退をする要因を作り続けることになろう。
例えば、教育委員会は市議会に第三者委員会設置のために予算を取っているが、その際には、ガイドラインを違反していたことは言ってはいないし、被害側の合意がないことも説明していない。
言わないことは嘘をついたことにはならないが、当然に公の場であり、市民の血税を使うのであるから、役目上は第三者委員会設置に関するガイドラインに違反していないと市議会は考えるであろうし、新聞報道でも被害側の合意がないことは報じられているのだから、市議会にあげるくらいならば、合意は得ていると思うであろう。それだけ、教育委員会という公の組織は信頼すべき組織であると認識されているのだ。
ところが実際は、ガイドライン違反を異常なほどやっていて合意もなかった、当然、第三者委員会が設置されてもまともに機能する前提はなかったのだ。これは、市民をも欺く信用失墜行為である。
つまり、このような教育委員会では今後も無条件に信用することはできないのだから、通常ならば、組織の一新を図り、新たな体制で一般に当然に期待される機能を果たせるようにしなければならない。
こうしたことはきっと北杜市市議会が行うことであろうが、この地で子育てをする有権者はよくアンテナを立て、明日はわが身であると考えて行動をすべきであろう。