眼前の「殴る蹴る」を担任が放置。葛飾区小学校「学級崩壊」の惨状

 

学年全体が「学級崩壊」の惨状

殴るも蹴るも暴力という点では同じであり、暴力をふるったことをBが認めていることに変わりはない。

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医師による診断の結果、A君はPTSDとの診断が出ている。写真は診断書の一部

大けがをしたA君の様子から、保護者が「なぜ話してくれなかったか?」と問うと、「親に言えばもっと酷くなるかもしれない」とA君は話したそうだ。

もっとも、9月10日の暴力事件の最中、止めに入った同級生がいた。Bは、次はその止めに入った児童をターゲットにすると宣言していたとのことであった。日々暴力を加えられたり、他の児童が暴力や暴言を吐かれ、それを止めようともしない担任の姿を見て、A君は教室内、学年内で有効ないじめ対策はないと考えていたのであろう。

A君に過去に遡って被害状況を聞くと、Bを含めて学年のおよそ2割もの児童の名前が挙がった。いじめ以外にも、授業中に突然騒ぎ出したり、歩き回る行動があったというから、学年全体が崩壊(いわゆる学級崩壊、学年崩壊)を起こしていた可能性が濃厚だ。

学校の判断

A君が打ち明けた内容と学校の説明は噛み合わない。しかも、担任はA君が左目に大きな問題を抱えているほどの怪我の状況であるにも関わらず、これは 子どものじゃれあいで、たいして悪質でもない」と言ってのけたのだ。

一向に改善しない状況の中、A君は目や全身の痛み、「守ってもらえない」ということなどから、学校に行ける状態ではなかった。その間、連絡帳を同級生が届けに来たのだが、それを学校から頼まれたのは、当初は加害児童らであったのだ。

しかも、お休み中に渡される「おやすみたより」には、書かれているはずの「宿題」の欄が消されたりしていた。

これは、もはや「二次被害」と言えよう。

本来、学校はいじめの申告があった場合、いじめの疑いがあるとして調査をしなければならない。早急にその実態をつかみ、把握していく必要があるからだ。

つまり、学校は本来いじめの中でも重大事態にあたる被害を軽視し、単なる日常にある児童同士のじゃれあいだと判断し、被害者への連絡帳の手渡しに加害児童らを無神経にも当てたのだ。

こうした行動は、被害側からすれば、いじめの二次被害として捉えても自然であろうし、加害者側からすれば、大した問題でもないというメッセージを暗に示したことになるだろう。

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